そよそよ風がふいてます

青い葉っぱが揺れてます

3☆自己肯定ー仲間の存在

2006年06月29日 | Weblog
 その後ふたりは素敵な10代を過ごしました・・でまた完結ですね。

子供たちが成長してから出会う人たちは、明るい快活な彼らを見てちょっと
生意気に思うかもしれません。それほど堂々としているし、学校へ行ってい
た以上の学力や知識や生活力をしっかり身につけているのです。


 周りの理解が非常に重要でした。まず父親の協力が必要でした。
中1の男の子の場合は認めても小4の娘はまだ小さいから行かせようとしていました。父親を説得したのは本人です。手紙と、1対1で向かって訴えて
了解を得ました。

そして、教科書をすべて捨ててしまうのをだまって見てました。次々に学校
の匂いのするものが封印されていきました。それほどの辛さに気づいてあげ
られなかったとしみじみ思いながら見ていました。

 ほかの子供たちが登校する時間帯の前によく朝ご飯のおにぎりを持って赤
とんぼの山やアンテナの山に登りました。おにぎりを食べながら本を読んだ
り、思いっきり走ったり、そして授業が始まって子供たちの姿がみえなくな
って下りていきました。
よく科学館にも行きましたが、学校の前を通る時はいつも外から顔を見られ
ないよう顔を座席にうずめていました。

 ホームスクーリングのネットをみつけて(NHKBSの番組で)同じような子
供たちに会いましたがなかなかとけこもうとせず、各家庭でのお楽しみや
シロトピア公園での外遊びに行っても、半年私の隣りにじっといたものです。

あとから聞くと、あそこは学校のように誘ってきたり、やりたくないのに
無理やりしてこないので見ているだけで楽しかった、良かったと言ってい
ました。彼女は彼らを見ているだけで、彼らと遊ばないで信頼関係を確信
していたのです。ずっとそばにいてそれがわかりました。
(ホームスクーラーの親たちと接していて、この世に児童心理学者、
小児精神科医と称する者たちがたくさんいるけれど、我が子においては
どんな専門家より有能な心理学者、精神科医であることを発見しました。)

そして少しずつ動き出していったのです。同じ仲間がたくさんいてみんな
元気にしている様子に「学校に行かなくても大丈夫なんだ」とやっとふっ
きれたのです。半年かかって。
無理強いしない子供たちにも大人を感じました。人の気持ちをとっても
大切に思えるのは自分も同じような体験をしたからでしょう。

 そうそう彼女は「石橋をたたいてもわたらない」ほどの性格の持ち主
でした。
ふつうなら半年もかかりませんよね、とけこむのに。
その彼女が6年後に、16歳でヨーロッパ5カ国を英語、フランス語を
駆使して1ヶ月一人旅をするなんて当時は思いもよらないことでした。
イギリス、フランス、フィンランド、エストニア、スイス・・・・。