
キャリアカウンセリングの定義
1.アメリカNCDA(National Career Development Assotiation)
「個人がキャリアに関してもつ問題やコンフリクト(葛藤)の解決とともに、ライフ
キャリア上の役割と責任の明確化、キャリア計画、決定、その他のキャリア開発行動
に関する問題解決を個人又はグループカウンセリングによって支援することである」
2.キャリアマトリックス(総合的職業情報データベース)
「人がよりよい人生を送り、自分の望む生き方を実現すること、すなわち自己実現に向
かって努力することをカウンセリングを通じて支援すること。職業をめぐるさまざま
な場面において、相談者の意思を尊重しながら、適切な職表選択等が出来るように援
助する。傾聴、自己認識、必要な情報提供、意思決定を援助していく」
3.ハーとクレマー(1988)
「その大部分は、言語を通して行われる過程であり、その過程のなかで、カウン
セリングの専門家であるカウンセラーと、キャリアに関する何らかの問題を解決す
るために援助を求めているクライエントとが、ダイナミックに相互作用し、カウン
セラーは様々な心理的援助行動を通して、自己に責任をもつクライエントが自己理
解を深め、よい(建設的な)意思決定という形で行動をとれるようになるのを援助
することである」
すなわち、今日キャリアカウンセリングは、人生における職業・仕事の部分に主に焦点を当てるが、同時にその個人の生き方、生きがいをはじめとした人生全般(ライフキャリア)
を視野に入れたカウンセリングとして位置している。
また、キャリアカウンセリングは「治すカウンセリング」というよりも「育成・開発的カウンセリング」であり、個人をより動機づけ育成的な機能を有するカウンセリングとして位置づけられている。
宮城先生はキャリアカウンセリングの機能とその目的を総合的に次のようにまとめています
①ライフキャリアに関する正しい自己理解を促す。
②ライフキャリアデザイン、キャリアプランなどキャリア開発の支援を行う
③職業選択、キャリアの方向性の選択、意思決定の支援を行う
④キャリア目標達成にための戦略策定の支援を行う
⑤キャリアに関するさまざまな情報提供の支援を行う
⑥よりよい適応、個人の発達の支援を行う
⑦動機づけ、自尊感情の維持と向上の支援を行う
⑧キャリア不安・葛藤など情緒的問題解決の支援を行う