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ゆめと(ttm21)です。所感、エピソード等を気ままに綴ってみたいと思います

建設的相互作用<協調学習のキーワード>

2024年03月01日 | 放送大学

放送大学の「教育心理学概論」を修了して 特に印象に残ったものを記します。

 

*いま教育現場では「協調学習」が,これからの急激な変化の時代に適応できる人材育成のための、新しい教育形態の本命ではないかと言われ、日本だけではなく世界中で様々な研究と試みが行われています。 

 ・従来型:学校において、先生が正解(正しい知識)を生徒に教える。 

 ・これからの教育(代表的な一例):知識は自宅で学ぶ(オンデマンド:PC,TV

   学校においては、生徒をグループ(小集団:3~5人)に分け、学んだ知識          を生かして、先生の与えた応用問題をグループでの討議を通して正解にたど            り着く。(但し正解は一つではない)

   ※男女比、人種比をみる等の特別な目的がない限り、グループ内にダイバシ          ティ―(多様性)が確保されていることが望ましい。 

*これらの試みのバックボーンとしては「建設的相互作用」の存在がある。すなわち、これは知的な解を求める対話の中で、起こる知的な化学変化で、それぞれが違った形で自らの「賢さの質」を上げているという様々な実験結果が報告されている。   

*弟子のプラトン、アリストテレスとともに、最高峰の哲学者とされるソクラテス(見出し画像,BC469頃〜322)が喝破した「最高の学びは対話を通じてのみ得られる」という言葉が現代によみがえった様に感じました。

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レジリエンスとは?

2024年02月01日 | 放送大学

 放送大学の「レジリエンスの諸相」(奈良由美子教授、稲村哲也名誉教授編集)の2023年度第2学期単位認定試験をリモートで受験しました。

 レジリエンスとは(きわめて広い定義として)「危機や逆境に対応して生きのびる柔軟な力」のことです。これに近い意味をもつ言葉として「サスティナビリティ(持続性)」が以前から使われてきました。レジリエンスの語は、もともと1970年代に、主に心理学や生態学で使われ始めたようです。この語が東日本大震災により「災害レジリエンス」という概念で脚光を浴びるようになったわけです。また今回の能登半島地震の発生により、その研究の重要性が再評価されています。

 そもそもハード対策による強固な備えには限界があり、様々な知恵を総動員して被害を軽減させたいという願いがこの言葉に込められているのです。

 

 放送大学テキスト「レジリエンスの諸相」の章立ては下記となります。

  • レジリエンスとは何か
  • 霊長類の共通祖先から受け継いだヒトのレジリエンス
  • 遺伝子から見た類人猿とヒトの心のレジリエンス
  • 人類進化とヒトのレジリエンス
  • 食糧生産革命とレジリエンス
  • 古代文明の盛衰とレジリエンス
  • ヒトと病原菌の共存とレジリエンス
  • アンデスにみるレジリエンスの諸相
  • フィリピン先住民にみる災害とレジリエンス
  • 地球のレジリエンス
  • 災害への対応とくらしのレジリエンス
  • 心のレジリエンス
  • 起業経営にみるレジリエンス
  • 対立と争いをめぐるレジリエンス
  • レジリエンス
  • レジリエンスとその未来
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うわさ(デマ、流言)について 3

2022年12月15日 | 放送大学

 今回も放送大学の講義からです。

<うわさに踊らされないために>

 ディフォンツオは、人がうわさをする理由について、人間は「他者と関わりあって生きる社会的存在」であり、同時に人間には「世界を理解したいという根源的な欲求がある」ことを挙げています。つまり、うわさとは人間が世界を協働で理解したいとする本質的な行為であり、そのための優れた方法だというのです。もしうわさが、このように人間にとって本質的な行為なのだとすれば、うわさそのものを排除することは難しいと思われます。では、我々が、根拠のないうわさに踊らさされないようにするにはどうしたらよいでしょうか?

 1つには、何よりもうわさが拡がらない環境を作る必要があります。特に災害時などは、人々が重要とみなすであろう情報について、「曖昧さ」を低く保ち、人々の「不安」を緩和することが肝要です。しかし、災害発生直後等は政府、メディア、専門家など、本来、率先して正確な情報を提供すべき機関や人々においても情報が錯綜し、混乱が生じてしまいます。したがってそのような状況で、我々がうわさに踊らされないためには、やはり一人一人が、こうした情報に対して批判能力(リテラシー)を持つことも必要でしょう。

   具体的な方法の一つとして、「受け取る情報のチェックを習慣化する」ことがあります。すなわち、当該情報の中に、それが真実ではないという根拠を見出せないか、又は、当該の情報以外で内容の真偽を確認できないかというチェックです。キャントリルは、前者のタイプを内在的チェック、後者を外在的チェックと名付けました。うわさに踊らされないためには、少なくとも前記のいずれか(出来れば両方)のチェックをすることが重要であると考えられます。

 ヂフォンツオはまた「人は受け入れられるうわさだけを信じる」としています。自分の感情や考え方に合致するうわさはもっともらしく感じられるし、信じたいという気持ちにもなります。したがって、多少曖昧な情報であったとしても、そのうわさを確証する証拠ばかりに注意が行き、反証する証拠は無視されたりするという確証バイアスが生じます。

 私は以上の学説に思い当たる節が多いにありますが、皆様はいかがでしょうか?昨今出回っているうわさの数々を、以上の観点から見直してみるのも一興と存じます。 

 

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うわさ(デマ、流言)について 2

2022年12月01日 | 放送大学

 今回も放送大学の講義からの引用です。

 では、現実には、どのような情報がうわさとして拡がるのでしようか。オルポートとポストマンは次のような基本公式を提案しました。

                R~i×a

  これは、うわさの流布量(R:rumor)は「当事者に対する問題の重要さ(i:imoortance)」と「その論議に対する曖昧さ(a:ambi-guity)との積に比例することを表しています。重要さと曖昧さの積がうわさの流布量となるので、いずれかの値が0であればうわさにならないが、逆に重要さと曖昧さの両者が大きくなれば、うわさは爆発的に拡がることになります。ただし、現在までの実証研究では「曖昧さ」はうわさの流布量を規定する要因になるものの、「重要さ」に関しては「不安」に置き換えた方が現実的であるとの認識が支持されています。

 すなわち「曖昧」で「不安」を掻き立てる要素が大きい情報ほど、うわさとして拡散されるようです。

 

 

 

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うわさ(デマ、流言)にについて 1

2022年11月15日 | 放送大学

 コロナ禍において、新型コロナ発生原因の諸説(開発中の細菌兵器漏洩等)、ワクチン陰謀説(強制的世界人口抑制策等)等々気になるうわさが飛び交いました。そこで本稿は 私が現在勉強中の放送大学講座「危機の心理学」から 学問的な立場からの「うわさ(デマ、流言)」についての考察をご紹介します。

  うわさに関する心理学研究で有名なものに オルポートとポストマンのものがあります。彼らは 一人の実験参加者に絵を見せ その後 この絵を見ていない1番目の参加者に口頭で絵の内容を説明し    それを聞いた1番目の参加者は2番目の参加者に伝える といった伝言ゲームを行いました。そして この伝言内容が当初のものとはまったく異なるものへと変容するさまを示すことで うわさが信用に値しないものであると主張しました。

 具体的には 情報のプロセスでは「平均化」「強調化」「同化」 という3つの変化が生じるとされます。「平均化」とは情報が伝達されるにしたがって 細部の情報が徐々に省略され 説明が単純で平易なものになっていく現象で その反対に「強調化」では 残された情報が誇張されていく現象を指します。そして「同化」とは 伝達者の先入観に沿う方向に情報が歪められる現象のことです。

 この研究は75年前に発表されたものであり インターネット等情報伝達ツールが多様化した現代では いささか古色蒼然とした感があり 突っ込みどころも満載です。しかしながら 古典的研究には時代の変化に耐えうる 根幹的な真理が含まれていることが多いのも事実です。 

 

 

 

 

 

 

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倫理学と経済学は緊密に結びついている。「近代哲学の人間像」

2022年02月01日 | 放送大学

 表題は放送大学の「近代哲学の人間像」(東京大学名誉教授 佐藤康邦先生)からの引用です。

    内容としては、ルネッサンス以降の近代西洋哲学の古典と言うべき哲学者達の思想が扱われています。正直なところ、哲学も入門編から2教科目に入りいささか難しくなってきました。 

 1番印象的であったのは、経済学の分野での最高の古典である「国富論」の著者(アダム・スミス)が経済学以前に哲学全般に関する研究者であり、特に倫理学の分野においても第1級の存在であったということです。今なお資本主義体制が、世界を支配し、しばしばその倫理性が問われている現実を考えると、それは大変興味深いことと言えましょう。

 

 章立てをご紹介します。

1.近代の目覚め ールネッサンスの人間像ー

2.近代科学の成立と哲学(1) -科学革命とベーコンー

3.近代科学の成立と哲学(2) -デカルトの哲学ー

4.近代科学の成立と哲学(3) -デカルト哲学への批判ー

5.経験論の哲学

6.アダム・スミスにおける倫理学と経済学

7.カントの哲学(1)

8.カントの哲学(2)

9.カントの哲学(3)

10.ヘーゲルの哲学(1)

11.ヘーゲルの哲学(2)

12.マルクスの哲学

13.実証主義的科学と哲学

14.マックス・ウエーバーと社会学

15.生命概念のもとでの哲学の主張

 

 

 

 

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本当に人間を支えるものは教養である

2021年09月15日 | 放送大学

 放送大学の「現代の生涯学習」(主任講師:岩永雅也教授)からです。

 

 表題は1979年4月に旧掛川市の市議会で決議された生涯学習都市宣言の主要部分から引用しました。

「・・・・・少しでも多く幸せを実感するために、健康で生甲斐をもって生きていくために一人でも多く素直になり、悟りを開けるようになるために・・・・・一生涯学びつづけていこう。・・・・・文化活動や年中行事を通じて、掛川市全域を公園のようにして、掛川市全域を大学のようにして、お互い、生甲斐を引き出し合って生きていこう。・・・・・本当に人間を支えるものは教養である。」

 学習意欲を盛り立ててくれる名文ですね!

章建てをご紹介します。

1 人と学習

2 生涯発達と学習

3 学びの源流

4 成人教育と生涯学習

5 政策としての生涯学習

6 社会教育の変容と公民館

7 余暇活動と生涯スポーツ

8 指導者とリーダーシップ

9 生涯学習の評価

10 生涯学習市場

11 大学と成人学習者

12 家庭・学校・地域との関わり

13 海外の生涯学習(1)

14 海外の生涯学習(2)

15 メディア利用とネットワーク

 

*その他印象に残ったことを1点あげると

  韓国の1980年発布の改正憲法第31条に「国家は、平生教育を振興しなければならない」と盛り込まれています。            (注)韓国では、生涯教育は「平生教育」と呼ばれる。

 枢軸法たる憲法に生涯学習が盛り込まれている国は 他に例を見ないとのことです。

このところ好感を持てなかった韓国ですが、少しだけ見直しました。

  

 

 

 

 

 

 

 

 

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すべてを他人のために(ペスタロッチの墓碑銘、再掲)

2021年08月02日 | 放送大学

 敬虔なクリスチャンであり今は亡き親友が 敬愛して止まなかったペスタロッチを取り上げます。


 画一的な知識一辺倒の学校教育を批判し、個性と労作を重んずる自助教育を主唱しつつ、貧民の子女や孤児の教育に生涯を捧げた教育者であり教育学者で、「民衆教育の父」とも呼ばれたペスタロッチ。

 彼は 享年81歳で病苦清貧のうちに死去しました。彼の教えを受けることによって、貧しいながらも自立できた孤児を中心とした人々の浄財により、みすぼらしい墓の脇に立派な墓碑が造られました。(以下墓碑銘)



    <ここにハインリヒ・ペスタロッチ眠る>


 1746年1月12日チューリッヒに生まれ

 1827年2月17日ブルックにて逝く

 ノイホーフでは貧者を救った人 

 リーンハルトとゲルトルートでは民衆に教えた人

 シュタンツでは孤児の父 

 ブルクドルフとミュンヘンブーフーゼーでは小学校の創設者

 ノヴェルドンでは人類の教育者 

 人間 キリスト教徒 市民


 全てを他人のために 己には何ものも 祝福あれ 彼の名に


                      ※放送大学「教育と心理の巨人たち」より

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遊ぶことは考えることである

2020年10月01日 | 放送大学

  表題は放送大学「ひと学への招待」(一橋大学名誉教授内堀基光先生)の第10章から引用したものです。また「DNAの比較から、現生人類の女系の祖先は十数年前にはたった一人の女性にさかのぼることができ、この女性がアフリカのどこかに住んでいたことが確実視される」等興味深いお話が満載です。貴方も「ひととは何か」という根源的な問いの答えを見つける旅に出ませんか?

 

章立てをご紹介します

1.「ひと学」とはなんだろうか

2.「ひと」の文化

3.感情の起源

4.「ひと」の集まり方

5.性という関係

6.男女の社会的役割

7.病と老いること

8.死ぬことと死

9.食べるものを作る

10.遊び、考えること

11.道具を作り使う動物

12.「ひと」類似のもの

13.約束事の世界

14.支配すること

15.「ひと」の過去と未来

 

 

 

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人類が存在する空間=世界を対象として考えるための手引きの書「教育史入門」

2020年05月31日 | 放送大学

  表題は放送大学の「教育史入門」のまえがきから引用しました。

  写真は編者の1人で福山市立大学の森川輝紀教授です。(もう1人は東京大学の小玉重夫教授)

 

章立てを紹介します。

1.古典古代の教育

2.近代以前の共同体における子育て

3.近代市民革命と国民国家の形成

4.子どもの発見と近代家族

5.近代学校と義務教育

6.子どもの世紀

7.近代社会における人間形成

8.近代社会と学びの文化

9.近代学校の出発

10.明治公教育と教育勅語

11.教育学の受容と新教育

12.戦時下の学校と教育

13.戦後の教育改革

14.経済成長と教育

15.ポストモダンの教育

 

 印象に残ったのは

*西洋と日本という2つの空間において展開展開された教育的営為が交差して叙述されて いるために、新しい視点が得られる。

*中世にこどもはいなかった:近代教育の特徴の一つは、大人とは異なる存在としての「子ども」の発見と 子どもを教育する場としての近代家族の成立にある。

*ナチス・ドイツは「ヒトラーユーゲント」として子どもたちを教育・組織し社会改造の先兵に仕立て上げようとした。

*明治維新前の我が国の教育システムは「手習塾(寺子屋)」「私塾(学問塾)」「藩校」等多彩で、その時代  としては世界的にみても識字率が高かった。

*明治5年に国民皆教育を基本理念とするわが国初の近代教育法令である「学制」が発布された。しかしながら授業料が有料であったこと、労働力としての子供を取り上げられること、更には明治維新政策自体への 反発もあり、当初は庶民の抵抗にあい、暴動化して各地で学校焼き討ちや打ち壊しが多発した。

*現代は従来の知育偏重の「詰め込み教育」への反省から移行した「ゆとり教育」が学力低下を招いたとの 反省から授業時間を増やすなどの揺り戻しの状況にある。創造性と自律性に富み生命力あふれる人材をいかに育成するか?取り組むべき課題は多い。

 

 

 

 

 

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