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ゆめと(ttm21)です。所感、エピソード等を気ままに綴ってみたいと思います

人生を形づくるものは何といっても人との出会いに他ならない

2022年02月15日 | 書評

 表題は石原慎太郎著「天才」の<長い後書き>からの引用です。去る2日に逝去された著者へのオマージュをこめてこの書を再読しました。

 初読の時点では 反田中の急先鋒だった石原氏が、なぜ礼賛の書となる、田中角栄になり代わっての衝撃の霊言ともいうべき本書を上梓したのか、大いに興味の湧くところででした。

 私の父は同じ新潟の出身でもあり、革新政党の支持者でありながら、角栄さんだけは別格で崇拝の対象者でした。また東北出身のかっての上司は、関東以南と以北のそれまでの絶対的な格差に革命的なメスを入れた<列島改造論>の実行により、見事にこれを解消した英雄として絶賛していました。いわく <関東以北ならびに日本海沿岸の県民は角栄さんには足を向けて寝てはいけない>というのが口癖でした。

 私自身の印象は<コンピュータ付ブルドーザー>とも、小卒から総理に上り詰めた<今様太閤>とも称せられた人物に対して<大事はなしたけれども、金権まみれの政治家>としてのものでした。しかし、本書により徒手空拳から土建会社を興し、その財をもって政界に進出したことをを知りました。そして真の独立国家を目指したその姿勢がアメリカの逆鱗にふれ、貶められた可能性のあることを理解しました。そして、読後は父や上司の思いにかなりに共鳴できるようになったのです。

 なお本書は極めて政治的な内容であり、石原氏の文学を求めて購入される方にはお勧めできません。

 

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倫理学と経済学は緊密に結びついている。「近代哲学の人間像」

2022年02月01日 | 放送大学

 表題は放送大学の「近代哲学の人間像」(東京大学名誉教授 佐藤康邦先生)からの引用です。

    内容としては、ルネッサンス以降の近代西洋哲学の古典と言うべき哲学者達の思想が扱われています。正直なところ、哲学も入門編から2教科目に入りいささか難しくなってきました。 

 1番印象的であったのは、経済学の分野での最高の古典である「国富論」の著者(アダム・スミス)が経済学以前に哲学全般に関する研究者であり、特に倫理学の分野においても第1級の存在であったということです。今なお資本主義体制が、世界を支配し、しばしばその倫理性が問われている現実を考えると、それは大変興味深いことと言えましょう。

 

 章立てをご紹介します。

1.近代の目覚め ールネッサンスの人間像ー

2.近代科学の成立と哲学(1) -科学革命とベーコンー

3.近代科学の成立と哲学(2) -デカルトの哲学ー

4.近代科学の成立と哲学(3) -デカルト哲学への批判ー

5.経験論の哲学

6.アダム・スミスにおける倫理学と経済学

7.カントの哲学(1)

8.カントの哲学(2)

9.カントの哲学(3)

10.ヘーゲルの哲学(1)

11.ヘーゲルの哲学(2)

12.マルクスの哲学

13.実証主義的科学と哲学

14.マックス・ウエーバーと社会学

15.生命概念のもとでの哲学の主張

 

 

 

 

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