
このところ親しくして頂いた方々の訃報が続き 自らの加齢とも向き合わざるをえない心境となりました。これを機に発達心理学関連書でエイジングについて見直してみましました。
エイジングとは私の年齢ではストレートに「老齢化」ということになります。
絶頂期である青年期を過ぎると加齢によって身体機能と知的能力が低下していく
のは避けられません。そのことは認識した上でポジティブな研究成果を大いに
反芻して 肯定的な意識を自らに植え付けようと思います。
*シャイエとその共同研究者たちによれば、知覚の速さや数の能力は低下するが
言語を使う能力は25歳から88歳まではそれほど低下しない。
*キャテルの調査によれば流動性知能は成人に達した頃から衰えはじめるのに対
して 結晶性の知能はその後も経験の蓄積に伴って増大し、老年期にいたっても
低下しにくい知能であることが示された。
流動性知能は、環境との関わりの中で、新しい出来事に適応するために使わ
れる知的能力であり、空間知覚や数の能力などを含む。結晶性知能は、経験を
通じて獲得・蓄積させてきた知的能力で、知識とか言語能力を含む。
*エリク・エリクソン(ミルトン・エリクソンとは別人)は老年期に発達する
多面性や多様性を包括的に統合することのできる円熟した心の働きを英知
(wisdom)と呼んだ。
*サクセスフル・エイジング(幸福な老い)についてまとめたロウとカーンは
それを「心身ともに健康で、社会的貢献をしつづけることが望ましい老後の
姿である」としている。