月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

住職感涙

2012年10月04日 21時24分55秒 | 仏々相念(住職日記)

どうしたん・・・

 

「年甲斐もなく迷ってしまいましてな・・・」っと連続ドラマ「ちりとてちん」での落語の師匠草若。

奥さんを亡くされ酒に溺れる日々が続いていたが、いろんな縁が重なり高座に上がり第一声。

泣き笑いしたいいドラマでした。

 

一緒にはなりませんが、「コイツも迷うてまして・・・」

いろんなことが重なり「もういいや・・・」

 

大体無精者ですから何もしたくないのです。

煩わしいこと、大嫌いですから。

何か言い訳を探し、適当なモノを見つけては「お~、これこれ!」

理由付けしてはグズグズと泥沼に沈んでおりました。

しかし、この泥沼・・・

結構いいものでして、「これでいいじゃん、もうこれでいい・・・」

そのドロドロしたものは例えようのない心地よさの中に大切なことさえも見失いそうになるようなもの・・・

コイツは、それすらも捨てようとしていたのかもしれません。

それは、ここ数日のことではなくず~っとどこかにあって生きながらに少しずつ少しずつ溜まっていたのでしょうか・・・

 

どこまでも不甲斐無く、情けないコイツ・・・

そんなところでウロウロしているコイツを厭きもせず見捨てることもなく寄り添ってくれるおはたらき。

「どうしたん・・・?」

「元気・・・?」

決して心地いいものでないところを心地いいと思っているコイツのところに飛び込んで下さる。

 

有難いことです・・・

 

今日の愛媛新聞で宇和島市の「パール婚」企画の記事が掲載されていました。

宇和島が結婚30周年のパール婚を迎える夫婦を対象に企画した「30年目のラブレター」。

その企画に岩手県の理容師の方が応募されていたそうです。

 

「元気?」今日もいつものように僕の顔を覗き込み笑顔で声を掛けてくれる。

30年間、そうして来たように。

僕も笑顔で「ニコッ」と微笑む。

それが僕と妻とのテレパシー、考えていることがわかっちゃうのだ。

・・・

店舗が大津波で流失してしまったね。

タイル跡だけが無惨な姿で残った。

理容椅子は鉄の塊になっていた。

親父が亡き後、二人で看板守り続けてきたのに・・・。

「この先どうしよう」不安ばかりが頭を駆け巡った。

その時だ、いつものように君が僕の顔を覗き込みながら「元気?」って言ったんだ。

「大丈夫だよ、がんばろう!」君からのテレパシーが聞こえたよ。

・・・

震災の中での君へのラブレター、地域の人々の復興を願いながら、これからも、二人の絆をますます強くしていこうね。

「元気!」

僕はこれからも君のテレパシーに笑顔で応えるからね。

(佐々木俊夫さん 58歳)

 

朝一でウルウルしているコイツが・・・

コイツもそうでした!

皆さんに温かく支えられていました。

その優しさに支えられ生かさせていただこう!

泥沼のなかで、もがいてみよう・・・

 

また、一歩ずつ・・・

そう、一歩ずつ!

 

 


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