早く死んだ方が・・・
ご縁をいただきお参りさせていただいたところで、間の休憩の時に、
「もう早く死んだらいいんですよ、そう思いませんか?徳正寺さん・・・」
「そうですね、はよ死んだらいいですよ!」って間違っても言えません。
この方、投げやりでもないんでしょうが、よくこういったことをおっしゃいます。
大切な奥様が数年前にお亡くなりになられ、ご苦労しながら3人の子どもさんをお育てになられました。
3人とも素晴らしい子どもさんで、今では立派な社会人となり良きお父さん、お母さんになられています。
なのに、なぜ・・・そんな切ない言葉をおっしゃるのでしょう・・・
多分、子どもたちに迷惑をかけたくない・・・この一つなのでしょう。
長く寝たきりになられたお母さんを支えてきました。
母とはいいながらも、長き年月の間には恐ろしい心を起こされたこともあったかもしれません。
そんな苦労をさせたくない・・・
だから、早く・・・っておっしゃるのだろうと思うのです。
そんな辛さが分からない私は、やっぱり生きていたくて・・・
坊守や子どもたちと一緒にいたくて・・・
死にたくなくて・・・
怖いとかじゃなく、その手を握れなくなるのが辛いのです。
そんな思いもいろんな縁に触れて変わるかもしれません・・・
身体が衰え儘ならん日常・・・
病になり苦しむ日常・・・
こんな毎日なら死んだ方がいいのでは、って思う日がくるかもしれません。
生きていたいです、今は・・・
俺は散らないぞって風で揺らぐ枝に咲く桜花のように・・・