月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

線路のはなし

2016年08月31日 12時10分56秒 | ふうわりふわり(坊守日記)


初盆をお迎えのお宅の灯篭終いのご縁にお参りさせていただきました

お宅へと向かう途中に線路を横切らなければならず、久しぶりに線路の真ん中に立ち止まりました

予讃線の単線の線路…秋の雲を遊ばせている青空の下を、八幡浜ー松山ー京都…へと続いています

振り向くと宇和島から続いている同じ線路があります

線路の真ん中で立ち止まって思いました

人生は過去から現在、そして未来へ続いている線路の上を走っているようなものだなぁ

時には鈍行のようにゆっくり、時には超特急のように大急ぎで

景色を楽しみながら走ることもあれば、景色なんて次から次へと飛んで流れて行ってしまうようなときもある

車両のなかでは、考え事をしたり、疲れはてて眠ったり、せつない涙を流すこともあるでしょう

決して後戻りはできないこの線路を、止まらない時のなかで走ります

でもね、いつでも大空の真ん中なんです

走っていても、止まったとしても…

大空のような阿弥陀さまのおはたらきの真ん中なんです

しかもこの車両には、私をとり囲むようにして、懐かしい人たちが同乗してくれています

母も父も…あの人もこの人も…

カタンコトン…カタンコトン…
カタンコトン…カタンコトン…

なんまんだぶ…なんまんだぶ…
なんまんだぶ…なんまんだぶ…

お念仏の声か心地よく私を揺らしてくれます

そんな人生のなかの、大切な今日でした