ループ切り貼り続いて。
ギターのリフを作ってみる。
何度か記事にしているが、私はギターを持ってはいるが殆ど弾けない。
音を採るために弾いている程度である。
でも、曲を作り始めると、やっぱりギターの音が欲しくなる。
ソロも当然だが、コードのバッキング、それもキレの良いカッティングが。
そういうわけで、以前書いたように MML でギター打ち込みとかやってるわけで、実は
全く気に入らないのだがこれが精一杯の現実なので諦めてガマンしている。
最近はループのおかげで、生のギターを簡単に入れられるようになった。
が、思った通りのコードで、思ったような音で刻んでいるループを探すとなると、これは
非常に至難の業というか、砂漠で指輪を探すようなもんである。
世の中には便利なものがあって、例えばサンプラーや Virtual Guitarist のようなソフトを
使えば、MIDI のような人工的な感じではなく、極めてホンモノっぽい音でギターの音を
作る事が出来る。実際、この手のソフトで作られたギターはとても自然で、ホンモノとの
聴き分けがつかないくらいである。
がしかし、これらのサンプラーや VST インストゥルメントが使える Logic のような
プロ向け高級 DAW ソフトを持っているなら、また持っていたとしてポンポン買える
ようなお財布事情であれば、こんな苦労はしていないだろう。
Logic Pro は約10万円、Virtual Guitarist は 3.7万円である。
そう。音楽やるにはおカネが掛かるのである。
無いなら作ってしまえ♪ってのは、昔から良くやっていた事なので、今回も今までと
同様に作る事にする。
ラッキーな事に、DTM Magazine に、「素材として使ってください」ということで
多彩なオーディオ素材が付録として付いている。しかもライセンスフリーで使える。
2005年10月号にギター素材として、小川悦司先生のギター素材が。
色んなコードでのバッキングパターン、アドリブなどが惜しみなく収録されている。
これを加工してみる。
まず、この中から1つ「元」となるオーディオ素材を選ぶ。
とりあえずこれはワンショットと言われる「ループ」ではない状態で収録されていたので
オーディオファイルを Apple Loop 化するツール「 Soundtrack Loop ユーティリティ」
に取り込んでみる。BPM 100 らしい。適当にキーワードを決めて保存。
で、ループ化出来たので早速 GarageBand へ。
出来たファイルを GarageBand 上にドラッグ&ドロップするだけである。簡単。
ループ化されているのでテンポに追従してくれて、2小節のフレーズとして取り込めた。
これをギターのバッキングにしたいので、とりあえず長さを短くする。
ループの端っこをマウスで掴んで、左にググッとドラッグするだけである。簡単。
ちなみに、作りたいバッキングパターンは、前回 MML でやったときと一緒。
またこれかい、って、すみません、好きなパターンなんです。
で、とりあえず長さを短くして作りたいパターンに並べて、聴いてみる。
んー。なんだかなあ。全然ダメダメですな。
短くしたループの終端部分の波形がきちんと処理されていないようで、プチプチとノイズが
入ってしまっているうえ、並べたループとループの繋ぎ部分が極めて不自然である。
少し考えて、2トラック使う事にした。
最初のループはトラック1、次のはトラック2、その次はまたトラック1…とすることで
ループの繋ぎ部分の不自然さを解消しよう、と。
そのため、4分音符や8分音符の長さできっちりと切っていたループを、後ろに32分音符
延ばして、次のループの音と重なるようにする。
これで多少は滑らかなフレーズになった。
しかし、何か違う。
そうそう、アップストロークの音とダウンストロークの音量が同じなのが原因だ。
前回の MML の時と同様、強弱が無いので「ノリ」が全然ない。
というわけで、アップストロークの時の音量を少し下げてやる。
だいぶ良い感じ。ただ、何かが足りない。
これも前回の MML の時同様、空ピック音が無いので、不自然に休符が入って聴こえる。
幸いな事に、10月号付録には、この「チャッ」っていうミュート音まで収録されている。
これをトラック3に乗っけて、音量を適当にセット。
というわけで、完成したのがこれ。
例によって、1つの MP3 ファイルに纏めてみました。
1回目は、収録されていたギターの素材そのまま。
2回目は、とりあえず作りたいパターンで並べただけ。
3回目は、トラック2つに分けて並べたもの。
4回目は、音に強弱を付けたもの。
5回目は、空ピック音も入れてみた完成品。
となっている。
これを iTunes に書き出して Apple Loop 化してしまえば、新しいループの完成。
リージョンピッチを変える事で、ある程度のコードは作れる。
しかし…。
これだけ時間を掛けて作ったにもかかわらず、使うかどうかは…なんだよなぁ。
やっぱ、生のギターを聴いちゃうと、あまりの不自然さに使う気にならないんだよね。
制作環境:
PowerMacG4 867 (Quick Silver) , MacOS X ( 10.3.9 )
GarageBand 2.0
Soundtrack Loop ユーティリティ( Apple 提供の無料のツール)
DTM Magazine 2005/10 付録
UA-3FX
# ループ切り貼り続いて。