限りなくmoonshine...

GarageBandなどDTMネタとバンドネタと甘いもの中心に。たぶん。

作成過程その3。

2005-02-20 23:59:59 | GarageBand

前回、基本となるループが出来た。
そこで、今度はイントロ部分を作ってみた。
イントロ、というと、曲のアタマの部分だけに全体のイメージを印象づける上、何よりも
聴く側にとって「聴いてみよう」と思うか「もういいや」と思うかが決まってしまうという
大事なところ(だと思っている)。
CD を買いに行って、試聴できる機械が置いてあると、やっぱりとりあえず一通りの曲を
イントロだけ次々と聴いて決める事がある。
そんくらい、大事ではないかと。

とはいえ、アタマに描いているイントロに出来るだけ近づけようと、今回のコンテスト用に
与えられている素材をあれこれと聴いてはみるが…。これがなかなかねぇ…。
ないんですよ、ほんとに。あんなにたくさんのループがあるってえのに。

思い切って基本のループと全然違うイントロにして、バッサリ音を止めて1拍程度のブランク
入れて続けてみようか、とか、ドラムを無くしてパッド系の音をフェードインさせてお茶を
濁してしまおうかとか、思いっきりローファイな音でラジオから聴こえるようにしようかな、
でもそれじゃありきたりだなぁ、とか、もう考えれば考えるほど纏まらなかったりして。

で、いろいろ悩んだ挙げ句、5つのループをチョイス。こんな感じの。(今回使用のお題参照)
ギターのリフあり、単音のパッドあり、掛け声?も、あり。
これを切ったり繋げたりエフェクト掛けたりして、イントロ部分を作り込み。
使ってる部分と加工方法は、以下の通り。

1.シンセパッド系
  とりあえずリージョンピッチを「 -10 」に。音が高すぎるので、キーを合わせると
  同時に、全体に馴染むように下げた。
  音の出だしがベンドでしゃくり上げっぽくなってる音だったので、最初の4小節は
  お題のループそのまま使用、その後はループのアタマ1小節分だけを切り出して、
  4回繰り返す。これで、5小節目からは毎回小節のアタマにベンドが入る。
2.ギターのリフ
  ノンコードっぽくチャカチャカと16分音符で刻んでいるんだけど、そのまま使うと
  芸が無いかな?と思って。使っているのは、出だしから2拍のみ。
  ただ、繰り返して聴こえるのは、エコーを使っているから。
  GarageBand 標準のリアル音源用エフェクトの「エコー」を使用。
  エコーっても、要はディレイな訳で。
  マスタートラックで繰り返しまでのタイミングを決めて、各トラックではエコーの
  「繰り返した時の音量の減衰量」のようなのを決めている。
  今回、マスタートラックでの設定は「1拍」。GarageBand では、テンポに関係なく
  音符でディレイを決められるので、とっても簡単。
  で、このリフのトラックでは少し多めにエコーを設定し、2回目の繰り返しまでは
  割と元音と同じくらいの音量で鳴って、3回目から一気に音量が減衰するようにした。
3.シンセリード
  名前が「Ring Read」。リングモジュレータ通したアナログシンセ?
  特徴ありすぎて、「ああ、あの音ね」って言われるのも嬉しくないので、これまた
  使っている部分はアタマの方1小節のみ。
  波形をみると、実は1拍目先頭から音が出ているわけではなく、付点8分音符分遅れて
  最初の音が鳴る。そのまま使ったらリズムのウラの微妙な位置から音が鳴るので、
  それはそれで良いかなと思ったが、単にモタっているようにしか聴こえなかったので、
  この部分はあっさりカット。音の鳴り始めから1小節分を切り出す。
  それを2のギターリフから1拍遅れたところに貼付け。
  このループの役目は、オモテのメロディというよりはどちらかと言うと裏方さん。
  ギターリフから次の4のシンセの音へのつなぎとして使ってみた。
  そのため、音量も小さいし、どこまでがループなのかが分かりにくいかも。
4.シンセのアルペジオ
  アナログシンセのアルペジエータだろうな、という音。
  昔のシンセには当たり前に付いていて、デジタルシンセ全盛時代になってからは
  打ち込みで実現できるからか一時その姿を潜めていたが、最近ソフトシンセになって
  またその機能の付いたものが出て来たような感がある。
  上り下りするオクターブのレンジを決められたり、音の鳴る順番を変えられたりで、
  いろいろと使える音が作れる便利なものだと思う。
  お題のループにも、このような定番的なものが入ってた。ラッキー。
  そのまま使うとあまりにもベタ過ぎて何の芸も無いと思い、例によってエフェクトを
  いろいろと掛けてみる。
  が、素材自体にエフェクトが掛かっているのと、思ったよりも他の音と混ざるので
  そのまま使う事にした。ノーエフェクト。
  ちなみに、このループのキーは「 Cm 」だったので、例によってピッチを1下げた。
5.カウント?
  男の声で、「ワーン、トゥー、スリー、フォー」ってカウントしてる声。
  ちゃんと、1拍でカウント1個になっている。
  今回は「スリー」「フォー」だけ使った。
  「スリー」の方はオクターブ下げて(つまり、リージョンピッチ -12 ね)細かく4回
  繰り返し、「フォー」はそのままノーエフェクト。
  「ススススフォー」って感じになるようにして、イントロから基本ループへのブリッジ
  みたいに使ってみた。やりすぎるとお約束っぽくなるので、控えめに。

そして、上の2~4だけを鳴らしたのが、これ。
ギターリフがディレイ掛かって繰り返しているうちに、徐々にシンセの音に変わってきた、
というような感じに聴こえ(れば良いなぁ、という希望)る。

今回は、音選びとエフェクト弄ってたら、あっという間に3時間が過ぎてしまった。
イントロから基本ループまで、完成した曲は、こんな感じ。

…良く聴くと、ベースが無い。そういえば、ベースのループって少なかったなぁ…。
というわけで、次回はベースラインと主旋律。たぶん。
与えられたお題で、メロディをどうするか。今のところ、アタマの中はまっちろ。

復活♪作成過程その2。

2005-02-14 23:59:59 | GarageBand

久々に更新。
通院の日はそれなりに早く帰っているので、少しは好きな事が出来る時間が作れる、という
ことに気がついた。
いやもーなんつーか、3月末までに3人で9人月の仕事しろっていう無茶なエンドユーザと、
それを呑むしか無い状況がここまでひどい状態を生むとは。
ちなみに、そのシステムの仕様、まだ決まってません。
ていうか、見積もりだした後に、「じゃあ詳細仕様を」とか抜かし始めて、毎週1回、
3時間以上もの会議の時間を取って、壮大なマイプランを延々としゃべっているシステム屋
気取りのエンドユーザのおかげで…。
「3末までには是非リリースして欲しい」って、だったらさっさと仕様を FIX させてくれよ。
毎度毎度、こっちのQAに答えもせず新しいネタを披露している状況では、不可能じゃん。

なんていう愚痴をブログで言っても仕方ない。言ってるけど。
とりあえず気を取り直して、音楽ネタを。

結局、DTM Magazine のコンテストに出す予定で作り始めた曲ですが、もちろんとっくに
その締め切りは過ぎてしまいました。
がしかし、せっかく作り始めたし、いっちょこのまま作ってみよう、ということで、続きを。

前回、ドラムのループをちょっと弄って、ベースとなるパターンを決めてみた。
で、これだけでは当然成り立たないので、もう少し色を付けてみる。
まずは、お題の中からギターのリフとシンセのフレーズを。

好きなんだけどね、このギターのリフ。
でも、これをそのまま使ったのでは、絶対に頭が超アフロな、めらめらな服を来た色の黒い
おにーさんたちが、白い歯を見せながらミラーボールの下で揃ってダンスしてるような、
そんな曲にしか聴こえなくなってしまいそう。いや、なってしまう。「ゲロッパ!」とか。
だって、ループの名前自体が「W_FUNK02_E」だし。
なので、欲しいカッティングの部分(ちゃっ、ちゃかちゃか、ってリズムのトコね)だけを
カットして使う事にした。
エフェクトは…別にいいか、何もなしで(笑)。

ちなみにこのループは「 Pro Sessions 」というサウンドライブラリの Vol.17、
「 Adrenalinn Guitars 」より。日本の発売元は m-audio。
「ダンス・ポップ・ヒップホップやモダンなミュージックスタイルに躍動感を与える」シリーズ
だそうな。まあ、確かに。

で、今度はシンセのフレーズ。
奇麗なんだけどなぁ。どうやって混ぜるか。とりあえずローファイ方向で。
今回のコンテストは、一応ジャンル縛りがある。
ヒップホップやダンスミュージック、トランスということらしい。
そうなると、1コードで同じループを繰り返して、ドラムは808 将又 909、そしてたまに
アナログシンセの音がオブリのように出てくる、みたいなイメージになりがちですが。
そこはそれ、このジャンルが苦手で、かつ、どうしても「メロディ優先」的な曲作りばかり
してきている tsuka315 のこと、少しメロディが乗りやすいコード展開にしてみる。

作り方は簡単。
1.元となるループを、半拍分(8分音符分)前にずらす。常套手段。
  これで、ちょっとだけ元ループとイメージが変わる。
2.そこから、欲しいパターンの1小節分だけ切り出す。
3.切り出したループをコピーして、リージョンピッチを「 -5 」に。
  つまり、全体の音を5度下に下げる、と。
  元のキーが「 Bm 」なので、コードで言うと「 F#m 」になる。
4.同様に、7度下に下げる。これで「 Em 」になる。
5.並べると、「 Bm - F#m - Em - F#m 」というコード展開に。
6.元音がキラキラとハイファイっぽいので、トレブルリダクションのイコライザを掛けて
  高音をカット。GarageBand のプリセットにあるエフェクトを選択するだけ。
7.同じループを2トラック貼り付け、パンをそれぞれ左と右にする。右は、左に対して
  16分音符分ずらして、広がり感を持たせてみる。リバーブは100、エコーは 80くらい。
  出来るだけ後ろの方でモヤモヤと鳴ってる風にして、音階をぼやけさせてみる。

最初のドラムとギターのカッティング、そしてシンセのフレーズを並べてとりあえず完成。
最終的なバランスやイコライジングは後に…と思ったのだが、ドラムが思ったよりもスカスカ
した感じだったので、ドラムトラックのみ少し手を入れることにした。
お約束のイコライザで、いろいろとプリセットを変えて試してみたけど、どうも巧くない。
仕方ないので、マニュアルでイコライザを弄ってみる。
バスをブースト気味に、ミッドを気持ちニュートラルよりも上げて明るめのトーンに。
トレブルは、ドンシャリ手前くらいかな。
コンプも掛けてみようと思ったが、この時点やると過剰になりすぎそうなので、必要ならば
最後にバランス調整として、マスタトラックでやってみよう。

ループの選択を始めてから、ここまで約1時間。ペースとしては、割とゆっくり目。
完成したループは、こんな感じ。
これを基本のパターンとしてみた。

続きは次回に。




※コードの間違いに気がついたので修正した。
 上記3.で「元キーがE」と書いていたが、確かに元のループのキーは「E」なのだが、
 切り出した部分が「Bm」だった。そのため、この曲のキーは「Bm」となり、
 5度下は「」、7度下は「」に。ロクに音を確認せずに書いてしまいました(汗)。
 絶対音感のある方、「あれ?」と思われたと思います。ごめんなさい。