日毎に秋も深まり、紅葉の美しい季節となりました。
寒暖の差が大きい時季ですので、体調にお気をつけてお過ごしくださいね。
先日、久しぶりに電車に乗って菊花展へ行ってきました。
三渓園という大きな庭園で開催されておりまして・・・
綺麗な菊の作品を見学してから、園内を散策しながら歩いていましたら、
生垣の片隅に咲いている石蕗(つわぶき)の花を見つけました。
「いつも咲く ところすなはち 石蕗の花」
大正時代から昭和時代に活躍された俳人「山口 青邨 (やまぐち せいそん)」が詠んだ句です。
◎石蕗の花→この句の読みは「つわのはな」
石蕗は、艶(つや)のある葉っぱから「つやぶき」と呼ばれておりましたが、
「つやぶき」が変化して「つわぶき」と呼ばれるようになったと言われています。
10月中旬頃から11月末頃にかけて、鮮やかな黄色の花を咲かせます。
園内には大きな池がございまして・・・
さわやかな秋晴れのもと、鴨(かも)の親子が気持ち良さそうに泳いでいました。
池のほとりには、「高浜 虚子(たかはま きょし)」の句碑がありました。
「鴨の嘴 よりたらたらと 春の泥」
◎鴨(かも)の嘴(はし) →鴨のくちばし
句碑には昭和8年(1933年)3月に、この場所で「高浜 虚子」が詠んだ句と記されていました。
この庭園は、桜の名所としても親しまれています。
春の陽ざしのもと、鴨たちが池で餌をとっていた様子が目に浮かびます。
「山口 青邨」は、「高浜 虚子」のお弟子さんとしても知られています。
さらに、数多くの石蕗の句を詠まれていた「正岡 子規(まさおか しき)」は、
「高浜 虚子」の師匠として知られています。
石蕗の花は、師匠から弟子へ受け継がれてきた絆のようにも感じられました。
古くから茶室のある庭に植えられていた石蕗は、多くの俳人・歌人に愛されてきました。
普段はあまり目立たない植物ですが、
秋になりますと、鮮やかな黄色の花を咲かせて一面がパッと華やかになります。
今も私たちを楽しませてくれていますね♡