世間はまだお盆休み、京都では大文字ですが、
一泊二日で東京に来て、日弁連で
「死刑事件弁護セミナー~アメリカの最先端理論と実務に学ぶ」
というセミナーに参加しています。
アメリカからお二人の弁護士と臨床ソーシャルワーカーをお招きして、死刑事件の弁護活動についての講演です。
アメリカと日本では、刑事司法制度も弁護士制度もかなり違いがありますが、
弁護人としてのあり方や、弁護活動自体は共通するところも多いようです。
例えば、
被告人との信頼関係を構築することが重要であり、そのためには被告人の話を良く聞くこと、被告人が何を求めているのかを良く理解し、時には雑用も引き受けてあげることも必要であるとか、
予断を持たないことが重要で、報道や捜査結果、そして弁護人自身の経験によって予断を持ってしまってはいけないこと、
現場に実際に行ってみることが重要であることなど、
日本の弁護活動でも同じことが言えます。
また、誤判が一番起こりやすいのが量刑であること、重大事件ほど誤判が起こりやすいというのも日本と同じです。
重大事件になるほど、捜査機関には解決すべきというプレッシャーが強くなり、証拠が不十分でも無理に解決してしまおうとするために誤判が起こりやすくなるということです。
日本でもそうですね。
アメリカでは、全52州のうち32州が死刑を存置しているけれども、そのうち積極的に死刑を存置しているのは15州だけであり、むしろ少数派になっているそうです。
死刑判決も、1998年には年間300件以上あったものが、現在では年間70~80刑程度に減っているそうです。
死刑判決が増えてきている日本とは対照的です。
また、日本とアメリカは、先進国の中で死刑を存置している最後の国ですが、両国の死刑制度には大きな違いがあります。
アメリカでは、死刑はスペシャルな刑罰であり、死刑にするためには通常の刑事裁判とは異なる手続きが要求されています。
多数決で簡単に死刑が出せてしまう日本とはかなり違います。
明日も、朝から夕方までみっちりとセミナーです。
外国人の講師の研修を受けていると、幕末か明治時代の日本人になったような気分になります。
より質の高い弁護活動のために勉強してきます