80歳近い女性がいきなり僕に噛みついてきた。
「ペラペラ、ペラペラ、あんた行政の悪口ばっかり言ってるじゃない。それじゃ行政が気の毒よ。行政だって一生懸命やってるんだから。だったらあんたは(ごみを減らすために)どんな工夫をしているのよ」。
先月、よんどころない事情で立川へ行った。「焼却炉や溶融炉の全国実態を学習会で話してほしい」という注文なのでパワーポイントを再編集し、1時間ばかりのレクチュアを終えた。
工場と名のつく施設の中で最も危険が多いといわれるごみ焼却工場。その実態は重金属類、ダイオキシンなど有害物質を生み出す化学反応炉であること、内部で起きている事故・トラブル、嵩む一方の維持管理コストの全国状況、このところ急増した談合をめぐる自治体の動きなど、かなりハードでリアルなスライドだった。これなら聴衆受けは間違いないと不遜にも自負していたら、たいへんな誤算だった。
実は立川清掃工場周辺に住む人たちにとって最大の関心事は「いつ現在の施設がよそへ移ってくれるのか」だったのである。
問題の立川清掃工場は1979年に最初の180トン炉がつくられ(90トン2基)、97年に100トン炉(3号炉)を増設。さらに2000年に全施設の大改修を行っている。
しかし周辺住民との約束で2008年12月までにどこかへ移転することになっていたが、いまだにそのメドは立っていない。人々のフラストレーションは頂点に達していたのである。当日の学習会への集まりがよかったのも、何か耳寄りな「立ち退き情報」が聞けるかという期待からだったのである。
そんなわけで話が終わった後の妙な居心地悪さの中で最初に口火を切ったのが冒頭の女性だった。日ごろ気になっている工場内部の事故やトラブルのスライドを長々と写せば行政への一方的攻撃と受け取られても仕方がない。
女性がつづける。
「うちなんかね、生ごみとか雑紙とかプラスチックなんか丁寧に分別しているんだ。台所は4つも5つもコンテナがあって足の踏み場もないのよ。毎日毎日が戦争ですよ。こんなこと個人にやらすなんて市役所は何やってんのよ。税金はちゃんと使ってよ!」。
当人はまったく気がつかない。どのみち行政は住民の種類を問わず、攻撃の対象になってしまうようだ。
◆経年劣化は当たり前
もうひとつ周辺の人々が抱く心配は97年にできた(もっとも新しい)3号炉で度重なる事故が起きていたことである。
まず炉の内壁(空冷壁)でレンガの剥落事故が起きた。昨年(2009年)3月26日のことである。それも2、3枚というレベルではなく292枚中99枚という凄まじさだった。しかもレンガだけでなくステンレス製のパネルと骨格を形づくるフレームまで損傷していたのである(写真は剥落したレンガ)。
事故の経緯と原因について、昨年9月に立川市環境下水道部が公表した「3号炉空冷壁
レンガ脱落に関する報告書」から要約すると以下のようになる(*は筆者のコメント)。
(1)委託業者との契約等を含む管理体制が不備だった。
*これについては「値段だけで業者を決めた」節がある(年間5億円の見積もりに対し 4億円で地元業者が落札)。東京23区では施設を建設したメーカーによる定期点検をやっているが、立川の場合、受託業者にまかせきりだったようだ。従って「炉内の劣化 状況の判断やレンガ脱落防止対策」などのスキルが不足していた。
(2)緊急時の対応が不十分だった
*緊急時の運転停止ははトラブルを拡大させないための必須条件であり、その判断を下 す指令塔の機能があいまいだった。
同報告書には参考意見としてプラント施工メーカーである三菱重工業の見解を載せている。同社は「運転業務を委託されていないのであくまで推測」としながら、以下のように指摘していた。
①経年劣化 ②炉内噴霧水の滴下、③目地の亀裂、④空冷壁レンガの特性による脱落、なのであるが、特定は困難であり、それらの複合とみるべきだろう。
どんな施設でも部材が経年劣化するのは当たり前の話だ。それを計算に入れた上での維持管理体制であろう。
だが事故はこれで終わらなかった。もうひとつ周辺住民の怒りを招くトラブルがその5ヵ月後に起きたのである。
◆現場に漂う無気力感
2009年8月14日(金)午後5:51分、立川清掃工場3号炉の電気制御ユニットにトラブルが起き、予備の制御系も切り替わらなかった。そのため号炉は自動的に緊急停止となった。同時に高熱でバグフィルターを損傷させないよう排ガスの回路が遮断され、バイパスを通ってそのまま煙突から排気されるという事態となった。
煙突からは黒い煙が1時間ほど排出されたため、周辺の住民からの問い合わせが殺到。工場の運転管理をしている委託業者はさまざまな処置を試みた末、午後8:時10分にバイパス回路を閉鎖した。その間、ダイオキシン、重金属類を含む大量の有害ガスが周辺に拡散されたことは間違いない。
人間の被害よりも高価なバグフィルターを保護するためにバイパスを通したということであり、もともとバイパスとはそうした設計思想で開発された装置なのである。
ダイオキシン規制以後、バイパスの使用は原則禁止されており、立川でも09年中に閉鎖工事をやるつもりだったという。だが3月の空冷壁レンガ崩落事故といい、現場に緊張感が失われたとしか思えないトラブルの連続だった。
当時は南東の風が吹いていた。黒煙は隣接する小平市中島町方面にも流れた。これに対して工場の職員が周辺地域を歩いて回ったが、駐車している車のボンネット等にも被害の兆候は見られなかったという。だがことは車の問題ではない。
ちなみに現在22の清掃工場を持つ東京二十三区一部事務組合では「有明(工場)が設けていただけで、ほか(の清掃工場)では一切つけていない。その有明も現在は撤去している」とのこと。ただしバイパスの撤去は自主規制で、特段、国からの通達はなかったという。
◆バグフィルターが破れていた
立川の場合、地元が問題を抱えている分だけ事故・トラブルには敏感になっている。だが全国レベルでは住民が無関心であることが多く、情報開示を迫らない限り表ざたになることはない。そんな中で清掃工場からの被害に泣かされてきた神奈川県下のある小さな町で、5年前、バイパス問題が明るみに出た。神奈川県中郡二宮町の出来事である。
以下、ある二宮町会議員の報告(2005 年 6 月 14 日)。
《5月の町議会全員協議会に”事故繰越”として次のことが報告された。内容は16年度事業で行った塵芥焼却場バグフィルタ交換工事(1,383万9,000円)の乾燥運転中に起きた事故である。内容はバグフィルターの破孔であり、委託業者の日立造船が全額費用負担し、工事をやり直した。「原因はダスト(すす)が堆積してフィルタが劣化・破孔した」というもの。乾燥運転中のこの事故は最初未発覚だったが「後日の調査」でバグフィルターに穴が空いていることが判明した。つまり3月22日からほぼ1週間、近隣住民は有毒ガスの放出による大気汚染にさらされたことになる。記録紙には24時間のデータが記録されており、CO値・SOX値・ばいじん濃度が相当高い数値を示していた。通常運転でなければ煙突から何を出してもいいということではない。しかし記録紙は誰からも点検されていなかった。誰が確認をするのか、チェック体制に責任を持つのは行政ではないのか。事故は想定外だとしても、1週間の大気汚染は住民に知らせされることはなかった》。
◆ベンチャーの狙い目
立川市の状況に戻れば、「焼却炉に懲りた」というべきか、あまりにも問題が多すぎることにようやく気付いたのか、「焼却をしない焼却炉」という技術に食指を動かしたようである。
本ブログでも再三紹介したように、小さなベンチャーが大型焼却炉(溶融炉)の隙間を狙って「燃やさない・ダイオキシンを出さない」技術の売り込みに懸命である。しかし本土(差別用語だが)ではまったく相手にされず(特にダイオキシン特需で国から巨額の補助金を取れた時代だったから)、矛先は沖縄の離島や鹿児島の辺鄙な小自治体に向けられてきた。そしてそのことごとくが失敗し、鹿児島では自治体が開発した学者に損害賠償請求訴訟を起こしている。逆に沖縄ではメーカーが自治体を訴えるなど、キナ臭い話でいっぱいである。
つまりベンチャーは「ごみ処理広域化計画」から漏れた小さな町や沖縄の離島を相手にするしかなかったのだが、「ごみ処理広域化計画」の破たんやダイオキシン特需の終焉でようやく本土でもベンチャーが活躍する条件が整ってきたのである。
それが立川であり、小金井市なのである。 以下、朝日多摩版から。
《ごみ燃やさず処理 立川市、装置導入へ実験(朝日新聞 - 2010/03/12)
ごみを焼却せずに炭化させる新たな処理装置の導入を目指し、立川市は11日、埼玉県入間市の民間会社の施設にプラスチックごみを持ち込んで排ガス成分の測定などの実証実験を始めた。煙突は不要で、ダイオキシン類や二酸化炭素がほとんど発生しないとされている。導入すれば、全国の自治体では初めての試みとなる。(米沢信義)
同市では、若葉町にある清掃工場が老朽化し、2008年12月までに移転することを住民に約束していたものの、代替地が見つからず、対応に迫られている。実験によって安全性が証明されれば、議会の同意を得て、1日10トン程度の廃プラスチック処理施設の導入に踏み切る。
装置は、文京区の機械メーカー「EEN」が2004年に開発した。ほぼ100%の窒素を電気炉に送り込み、450度程度の熱でごみを分解する。炉内は無酸素状態のため有機物はCO2を出さずに炭化し、プラスチック類は燃料の重油として再資源化できる。ごみに金属類が含まれていても酸化しないので、そのままの形で分別できるという。
市は昨年7月に装置を視察し、大霜俊夫副市長を委員長とする「非焼却等ごみ処理技術検討委員会」を設け、導入の可能性を探ってきた。1月には、沖縄県の民間会社が導入した日量100トンのEEN社製装置を、清水庄平市長が視察した(以下略)》。
つづきは次回
「ペラペラ、ペラペラ、あんた行政の悪口ばっかり言ってるじゃない。それじゃ行政が気の毒よ。行政だって一生懸命やってるんだから。だったらあんたは(ごみを減らすために)どんな工夫をしているのよ」。
先月、よんどころない事情で立川へ行った。「焼却炉や溶融炉の全国実態を学習会で話してほしい」という注文なのでパワーポイントを再編集し、1時間ばかりのレクチュアを終えた。
工場と名のつく施設の中で最も危険が多いといわれるごみ焼却工場。その実態は重金属類、ダイオキシンなど有害物質を生み出す化学反応炉であること、内部で起きている事故・トラブル、嵩む一方の維持管理コストの全国状況、このところ急増した談合をめぐる自治体の動きなど、かなりハードでリアルなスライドだった。これなら聴衆受けは間違いないと不遜にも自負していたら、たいへんな誤算だった。
実は立川清掃工場周辺に住む人たちにとって最大の関心事は「いつ現在の施設がよそへ移ってくれるのか」だったのである。
問題の立川清掃工場は1979年に最初の180トン炉がつくられ(90トン2基)、97年に100トン炉(3号炉)を増設。さらに2000年に全施設の大改修を行っている。
しかし周辺住民との約束で2008年12月までにどこかへ移転することになっていたが、いまだにそのメドは立っていない。人々のフラストレーションは頂点に達していたのである。当日の学習会への集まりがよかったのも、何か耳寄りな「立ち退き情報」が聞けるかという期待からだったのである。
そんなわけで話が終わった後の妙な居心地悪さの中で最初に口火を切ったのが冒頭の女性だった。日ごろ気になっている工場内部の事故やトラブルのスライドを長々と写せば行政への一方的攻撃と受け取られても仕方がない。
女性がつづける。
「うちなんかね、生ごみとか雑紙とかプラスチックなんか丁寧に分別しているんだ。台所は4つも5つもコンテナがあって足の踏み場もないのよ。毎日毎日が戦争ですよ。こんなこと個人にやらすなんて市役所は何やってんのよ。税金はちゃんと使ってよ!」。
当人はまったく気がつかない。どのみち行政は住民の種類を問わず、攻撃の対象になってしまうようだ。
◆経年劣化は当たり前
もうひとつ周辺の人々が抱く心配は97年にできた(もっとも新しい)3号炉で度重なる事故が起きていたことである。
まず炉の内壁(空冷壁)でレンガの剥落事故が起きた。昨年(2009年)3月26日のことである。それも2、3枚というレベルではなく292枚中99枚という凄まじさだった。しかもレンガだけでなくステンレス製のパネルと骨格を形づくるフレームまで損傷していたのである(写真は剥落したレンガ)。
事故の経緯と原因について、昨年9月に立川市環境下水道部が公表した「3号炉空冷壁
レンガ脱落に関する報告書」から要約すると以下のようになる(*は筆者のコメント)。
(1)委託業者との契約等を含む管理体制が不備だった。
*これについては「値段だけで業者を決めた」節がある(年間5億円の見積もりに対し 4億円で地元業者が落札)。東京23区では施設を建設したメーカーによる定期点検をやっているが、立川の場合、受託業者にまかせきりだったようだ。従って「炉内の劣化 状況の判断やレンガ脱落防止対策」などのスキルが不足していた。
(2)緊急時の対応が不十分だった
*緊急時の運転停止ははトラブルを拡大させないための必須条件であり、その判断を下 す指令塔の機能があいまいだった。
同報告書には参考意見としてプラント施工メーカーである三菱重工業の見解を載せている。同社は「運転業務を委託されていないのであくまで推測」としながら、以下のように指摘していた。
①経年劣化 ②炉内噴霧水の滴下、③目地の亀裂、④空冷壁レンガの特性による脱落、なのであるが、特定は困難であり、それらの複合とみるべきだろう。
どんな施設でも部材が経年劣化するのは当たり前の話だ。それを計算に入れた上での維持管理体制であろう。
だが事故はこれで終わらなかった。もうひとつ周辺住民の怒りを招くトラブルがその5ヵ月後に起きたのである。
◆現場に漂う無気力感
2009年8月14日(金)午後5:51分、立川清掃工場3号炉の電気制御ユニットにトラブルが起き、予備の制御系も切り替わらなかった。そのため号炉は自動的に緊急停止となった。同時に高熱でバグフィルターを損傷させないよう排ガスの回路が遮断され、バイパスを通ってそのまま煙突から排気されるという事態となった。
煙突からは黒い煙が1時間ほど排出されたため、周辺の住民からの問い合わせが殺到。工場の運転管理をしている委託業者はさまざまな処置を試みた末、午後8:時10分にバイパス回路を閉鎖した。その間、ダイオキシン、重金属類を含む大量の有害ガスが周辺に拡散されたことは間違いない。
人間の被害よりも高価なバグフィルターを保護するためにバイパスを通したということであり、もともとバイパスとはそうした設計思想で開発された装置なのである。
ダイオキシン規制以後、バイパスの使用は原則禁止されており、立川でも09年中に閉鎖工事をやるつもりだったという。だが3月の空冷壁レンガ崩落事故といい、現場に緊張感が失われたとしか思えないトラブルの連続だった。
当時は南東の風が吹いていた。黒煙は隣接する小平市中島町方面にも流れた。これに対して工場の職員が周辺地域を歩いて回ったが、駐車している車のボンネット等にも被害の兆候は見られなかったという。だがことは車の問題ではない。
ちなみに現在22の清掃工場を持つ東京二十三区一部事務組合では「有明(工場)が設けていただけで、ほか(の清掃工場)では一切つけていない。その有明も現在は撤去している」とのこと。ただしバイパスの撤去は自主規制で、特段、国からの通達はなかったという。
◆バグフィルターが破れていた
立川の場合、地元が問題を抱えている分だけ事故・トラブルには敏感になっている。だが全国レベルでは住民が無関心であることが多く、情報開示を迫らない限り表ざたになることはない。そんな中で清掃工場からの被害に泣かされてきた神奈川県下のある小さな町で、5年前、バイパス問題が明るみに出た。神奈川県中郡二宮町の出来事である。
以下、ある二宮町会議員の報告(2005 年 6 月 14 日)。
《5月の町議会全員協議会に”事故繰越”として次のことが報告された。内容は16年度事業で行った塵芥焼却場バグフィルタ交換工事(1,383万9,000円)の乾燥運転中に起きた事故である。内容はバグフィルターの破孔であり、委託業者の日立造船が全額費用負担し、工事をやり直した。「原因はダスト(すす)が堆積してフィルタが劣化・破孔した」というもの。乾燥運転中のこの事故は最初未発覚だったが「後日の調査」でバグフィルターに穴が空いていることが判明した。つまり3月22日からほぼ1週間、近隣住民は有毒ガスの放出による大気汚染にさらされたことになる。記録紙には24時間のデータが記録されており、CO値・SOX値・ばいじん濃度が相当高い数値を示していた。通常運転でなければ煙突から何を出してもいいということではない。しかし記録紙は誰からも点検されていなかった。誰が確認をするのか、チェック体制に責任を持つのは行政ではないのか。事故は想定外だとしても、1週間の大気汚染は住民に知らせされることはなかった》。
◆ベンチャーの狙い目
立川市の状況に戻れば、「焼却炉に懲りた」というべきか、あまりにも問題が多すぎることにようやく気付いたのか、「焼却をしない焼却炉」という技術に食指を動かしたようである。
本ブログでも再三紹介したように、小さなベンチャーが大型焼却炉(溶融炉)の隙間を狙って「燃やさない・ダイオキシンを出さない」技術の売り込みに懸命である。しかし本土(差別用語だが)ではまったく相手にされず(特にダイオキシン特需で国から巨額の補助金を取れた時代だったから)、矛先は沖縄の離島や鹿児島の辺鄙な小自治体に向けられてきた。そしてそのことごとくが失敗し、鹿児島では自治体が開発した学者に損害賠償請求訴訟を起こしている。逆に沖縄ではメーカーが自治体を訴えるなど、キナ臭い話でいっぱいである。
つまりベンチャーは「ごみ処理広域化計画」から漏れた小さな町や沖縄の離島を相手にするしかなかったのだが、「ごみ処理広域化計画」の破たんやダイオキシン特需の終焉でようやく本土でもベンチャーが活躍する条件が整ってきたのである。
それが立川であり、小金井市なのである。 以下、朝日多摩版から。
《ごみ燃やさず処理 立川市、装置導入へ実験(朝日新聞 - 2010/03/12)
ごみを焼却せずに炭化させる新たな処理装置の導入を目指し、立川市は11日、埼玉県入間市の民間会社の施設にプラスチックごみを持ち込んで排ガス成分の測定などの実証実験を始めた。煙突は不要で、ダイオキシン類や二酸化炭素がほとんど発生しないとされている。導入すれば、全国の自治体では初めての試みとなる。(米沢信義)
同市では、若葉町にある清掃工場が老朽化し、2008年12月までに移転することを住民に約束していたものの、代替地が見つからず、対応に迫られている。実験によって安全性が証明されれば、議会の同意を得て、1日10トン程度の廃プラスチック処理施設の導入に踏み切る。
装置は、文京区の機械メーカー「EEN」が2004年に開発した。ほぼ100%の窒素を電気炉に送り込み、450度程度の熱でごみを分解する。炉内は無酸素状態のため有機物はCO2を出さずに炭化し、プラスチック類は燃料の重油として再資源化できる。ごみに金属類が含まれていても酸化しないので、そのままの形で分別できるという。
市は昨年7月に装置を視察し、大霜俊夫副市長を委員長とする「非焼却等ごみ処理技術検討委員会」を設け、導入の可能性を探ってきた。1月には、沖縄県の民間会社が導入した日量100トンのEEN社製装置を、清水庄平市長が視察した(以下略)》。
つづきは次回