今度、どこ登ろうかな?

山と山登りについての独り言

・芝草山、葛老山

2014年05月10日 | 山登りの記録 2014

平成26年5月6日(火) 
  芝草山1,341.6m、葛老山1,123.6m

 早くもGWになった。4月から再開としていたが、4月に1回山に登ったきりで、なかなか調子が出ない。仕事もさることながら、今ひとつ山に登るモチベーションが上がらないのが一番の要因…休みの日には買い物や図書館に行くか、家で本を読んだり音楽を聴いていることが多い、そのせいか何となく腹の周りには脂が付いてきたようだ。ズボンがきつくなってきた。健康のことも考えて、余り気乗りしない気分ながら、GWの後半は山に行くことにした。前半は仕事があってダメだったのだが、どうも後半は天気が余り良くないという予報もある。4連休最終日の6日ならば、幾ら何でも山が人でごった返すことも無いだろう。さて、どこに登ろうか。

 会津に行くのはまだ早いだろうし、今年はどこも雪が多いらしくて鈍った身体では登れるところも少ない。会津に行く手前の栃木の山はどうだろうか?この辺りは、会津に行く途中のようで、いつも素通りして登っていないところも多い。そんな中、何度も入浴した中三依温泉センター『男鹿の湯』の駐車場から見上げた芝草山が頭に浮かんだ。初めてここから芝草山を見上げた時は、それを荒海山だとばかり思っていた。何度か来ているうちにそれが荒海山ではなく、その手前にある芝草山だということを知ったのだ。芝草山は中三依の平地から見ると、それは見事なピラミッド峰に見える。いつか登ろうと思いながらも随分日が経っていた。芝草山ならそれ程人も多くはないだろう。しかし、芝草山だけでは半日で終わってしまうので、もう一山、簡単に登れる葛老山を加えた。葛老山は、野岩鉄道湯西川温泉駅の隣、道の駅湯西川温泉の駐車場から登山道が上がっている。かつては踏み跡程度の道しかなかったらしいが、道の駅を造る時に遊歩道を整備したようだった。葛老山を登った後にそのまま道の駅にある日帰り温泉にドボン、というのも楽しいプランだ。ここはまだ入浴したことが無い。

 5日はお天気が悪いという予報で、一日家でのんびりしていた。一日中曇って、時々ぱらぱら雨も降った。まあ、予報どおりかな。明日に期待しよう。夕食を食べて入浴してから、夜家を出て栗山に向かう。栗山村はとっくに日光市になっているが、ここは独特の雰囲気のある地域で、まだ栗山と呼ぶほうが馴染む。GW中でも夜の道はすいすい走って、日光、鬼怒川を越え10時半には中三依の芝草山登山口に着いた。直ぐ奥に釣り掘りがあって、ゲートの締まった中の沢林道分岐前に3台程停められる駐車場がある。芝草山登山口は分岐から20m先にあった。明日の用意を済ませ、11時にシュラフに潜る。空はどんよりとして、今日日中に降ったらしい雨で周辺の道は濡れていた。

 夜中にザーザー雨が降っていた。朝方もまだ雨の音がしていた。5時半に目が覚めると、雨は上がったもののどんよりと薄黒い雲が下がっている。雲間が切れて幾らか明るいところもあるが、外に出るとまだ少し雨粒が落ちてくる。そのせいでノロノロ支度をして、パンを食べ6時半にようやく出発した。先程車が一台来たので、おや先を越されるかなと思ったが、目の前を素通りして直ぐ先の釣り掘に向かっていった。登山口で登山届けを書いている間も、また2台ほど車がやってきたが、それも釣り掘りに行く様だ。直ぐ先に釣り掘りの駐車場が見えるが、そこにはもう4,5台車が停まっていた。芝草山に向かうのでは無いようだ。

 登山届けのポストと思った黒い箱は、小さくて古い冷蔵庫を再利用したものだった。ここには芝草山登山口の他に太郎岳(荒海山)ともあるので、芝草山を通って荒海山まで道が通じているのだろうか?これは初耳だ。国土地理院ウェブ上の最新2万5千図によれば、芝草山から県境に繋がる尾根沿いに送電鉄塔のマークがあるので、あるいは巡視路が延びているのだろうか。でも、芝草山が県境に繋がるジャンクション地点は荒海山頂から4、5kmは離れているので、県境稜線に道があると言うことなのだろうか?どうも良く分からない。

 登山口からはジグザグに歩き易い道が登っていく。巡視路でもあるようで、一汗かくと塩原線33号鉄塔(これはバンザイ鉄塔だ)に着いた。そこからはどんより低い雲の下に、北には雪が斑に見える日留賀岳と鹿又岳が見え、南に直ぐ近く日向倉山、その東に遠く高原山が見えた。行く手の芝草山は見えないが、その肩の向こうには荒海山が黒々と意外な程近くに見える。そこまでの道がある?というのも、こうして見ると納得できるものがある。この辺りまで新緑が芽吹き始めているが、ミツバツツジがその中で紫の花を咲かせている。鉄塔からは尾根の下をトラバースする道になり、しばらくすると先の送電鉄塔への道と分かれて、痩せ尾根を登っていくようになった。行く手にガイドブックにある大岩らしい岩峰が見えてきた。タムシバの白い大きな花やオオカメノキの白花がぽつぽつと見られる。ヤマザクラも咲いている。この分だとイワウチワの花も、と期待が高まったが、これは残念ながら花期を過ぎてしまってほとんどキレイな花は見られなかった。

 大岩は尾根の真ん中に黒い岩を10m程突き立てて塞いでいる。右も左も帯状に岩が延びている。道は左手に回りこんで少し巻くと、岩と岩の隙間のルンゼ状のトコロを登るようになっていた。岩場ではないが、木の根を手がかりに20m程急な斜面を登るのだ。太いロープと細いトラロープが下がっていた。もう少しで終わりになって尾根に繋がるところまで登ったが、見下ろすと結構な高度感だ。実際はロープに頼るよりハシゴを登るような要領で木の根を掴んで登るのが良い。大岩の上に出て東の突端まで行くと、山と森の大きな広がりの中に中三依の集落だけがぽっかりと丸く見える。その上には薄黒い雲を背に塩沢山を手前に高原山塊が、北には男鹿山塊が高い。日光方面は雲に隠れていた。時より薄日が差すこともあるが、簡単には晴れてこない雰囲気だ。

 大岩からは感じの良いミズナラ林の尾根になる。足元にイワウチワが点々と見られるが、良く見るとほとんどの花がガクから外れて下を向いている。つまり落花の状態になっている。山頂付近まで点々と群落が見られたが奇麗に咲いているものはほとんど無かった。数は少ないがタムシバの花が目を惹く、この白い花とオオバカメノキの白い花が新緑前の山に彩りを添えているが、どんよりと曇った空の下ではその色も映えない。大岩から続く尾根を一段登ると、こんもりした芝草山の山頂部が大きく見えてきた。急登を登りきると、頂上の手前は平坦で感じの良いミズナラの巨木が茂る森だ。木々越しに荒海山が黒々と近づく、その左手に斑に雪を見せる山は枯木山だ。懐かしい枯木山が意外に近くに見えるので驚いた。ツツドリの声が山峡にこだましている。

 芝草山山頂に8時45分に着いた。薮の中心をちょっと刈ったという感じの山頂で木々に囲まれているが、男鹿山塊の日留賀岳と枯木山方面は見えている。近づいた荒海山は薮の上に頭を少し出している程度で、途中の尾根よりも却って良く見えなくなった。狭い山頂の真ん中に三等三角点標石がぽつんとあり、周囲の木々に栃木の山紀行さんのものと山部さんの3Dプレートが付いていた。山部さんのものもまだ健在だ。この山頂から、北に良く踏まれた道が続いている。少し先まで歩いてみたが、下っていく道も今までのものと同じくらい良く踏まれているようだ。これがそのまま太郎岳(荒海山)まで続いているのだろうか?真偽の程は分からない。この山は双耳峰なので、何となくそこまでで終わっているような気もするが…。

 芝草山山頂でもどんよりとした天気は相変わらずで、休んでいると吹いている風が冷たくて寒くなった。リンゴを齧ってシャケおむすびを食べる。しばらくアルミシートを敷いて休んでいたが寒くて長居はできなかった。9時17分に芝草山山頂を後に来た道を引き返す。たんたんと戻って、大岩の下りは慎重に降りたが、あとはのんびり下っていくと、鉄塔上の尾根で2人連れの年配のご夫婦とすれ違った。結局会ったのはこの二人だけで11時10分に登山口に戻ってきた。駐車場にはぼくの車の他に車は無い。なので、あのお2人は野岩鉄道でやってきたようだ。駐車場で支度をしていると、なんと青空が見えて晴れてきた。残念ながら芝草山ではお天気にならなかった。まだ時間も早いし、このお天気ではどうかな?と思っていた2山目の山、葛老山に向かうことにする。車でR121を道の駅湯西川まで戻り、そこの第3駐車場に停めて今度は葛老山に登る。

 道の駅は人で賑わっている、駐車場も一杯だ。温泉に浸かる人は居る様だが、葛老山に向かう様な人はいない。第3駐車場の隅に例によって丸太階段があり、そこから登山道が始まった。11時43分に登りだす。道の駅建物の真上に上がって、そのまま急斜面をジグザグに登って行くのだが、難行苦行を強いるがごとく付けられた階段にはほとほとうんざりだ。山に登ることの無い人々が計画し、こうして無駄金(どうせ税金)を使って延々と階段を付けるのも、いい加減止めて欲しい。その上、道の駅から幾らも登らないうちに、ここは杉の植林になっているのだが、その杉の木が何本も倒れていて道を塞いでいるのに、木々は倒れたままで放置してあり、遊歩道の管理も手入れもしていないようだった。お金の儲かる道の駅内の店舗や日帰り温泉には一生懸命でも、遊歩道なんかどうでも良い様だ。直ぐ上にある道なのに…運動靴で来た様な人たちはここで引き返してお帰りだろう。

 送電鉄塔があり、そこから下の住宅?方面に道が分岐して下っている。この道は案内看板によれば「旧道」とある。住宅地は山の中にぽっかりと造成されているが、セカンドハウスの分譲地なのだろうか?ところで、この登山道沿いには『カッパ七福神』なるものがある、とガイドブックにも案内看板にも紹介されている。それは丸太を削って作られた七福神に見立てたカッパ像なのだが、その木彫があまりにも稚拙で、表情も不快な代物なので、登るたびに出てくるこの不快な造形物が目障りで気分を害する。山にこんなものは要らない。四阿がある一段上の雑木の平らまで登ると、どうにか丸太階段も無くなった。エメラルドグリーンの五十里湖を俯瞰する。

 一旦少し下ってから葛老山の斜面をジグザグに登っていく。南に北に東にと、登り口の案内看板にあったように確かに周囲のダム湖が見えてはいるが、全ては木々越しで全体を見渡せることはない。木々の切れ間から北に先程登った芝草山が意外に遠くに見えている。いよいよ頂稜になって、雑木と笹の最後の緩斜面を登れば、ここにもまた四阿がある葛老山の山頂だった。1時20分に着いた。平坦で小広い山頂だが、ミズナラ等の木々に囲まれ余り眺めは良くなかった。中央に四阿があることもあって、公園の築山の様な雰囲気だ。下の道の駅は人で一杯だったが、ここは誰もいなくて静か。下の国道を走るバイクや車の音が聞こえてくるくらいで、何時の間にか快晴になった青空が広がって独り占めも気分が良い。四阿の南側に三等三角点と、山部さんの3D名板、栃木100名山のプレートが見られた。

 四阿の下にベンチがあったので、そこで休んだ。湯を沸かし、残りのおむすびとカップラーメンを食べる。朝から結構食べてばかりでお腹が一杯になった。腹周りの脂を落とす?つもりで久々山に来たのだが、これでは逆効果、適度な運動は却って空腹を招いてしまう…。しかし、軽い山2山とはいえ、かなり疲れてしまった。身体の鈍りは相当なもので、この程度の山登りでへばっていたのでは、まだリハビリが必要かなあと落胆した。

 陽射しは暖かいが、風は冷たくて登っていると汗ばんだ身体は直ぐに冷えてきた。しまっていたパーカーをまた着込んで、しばらくはベンチに横になってぼーっとしていた。2時8分に葛老山山頂を後に下る。送電鉄塔まで下ってきたら、単独の中年ハイカーとすれ違うが、道の駅まで他には人に会わなかった。道の駅に3時5分に降りた。大分駐車場にも空きが目立つようになってきたが、空はいよいよ晴れ渡り最高のお天気になった。もう少し早くに晴れれば芝草山で展望があったのにと思うと残念な気持ちもある。

 車で支度をし、早速道の駅にある日帰り温泉『湯の郷』に入る。温泉の前の足湯は沢山の人が群がっていたが、温泉施設の中は閑散としていた。ほんのり硫黄の臭いがするが、無色透明で肌触りも普通の感じだ。人が少ないのでゆったりのんびり湯を楽しんだ。ここが出来てからしばらく経つが、今まで利用したことは無かった。入浴料510円、源泉掛け流しで夜遅くまでやっているようなので、今後はリピートも増えるだろうと思う。湯上り後は気分良く家路に着いた。GWも最終日とあってか、道は混むことも無く夕方早い時間には帰宅できた。


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2 コメント

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湯西川温泉駅のお風呂ってまだ入ったことないです (ノラ)
2014-05-10 18:03:56
あさぎまだらさん こんばんは。芝草山で晴れて無かったのは残念でしたね。私はこの山は都合3回は行ってます。イワウチワは終わっていて残念でした。確かつつじもきれいだったと思いますがもう少し後ですね。裏から登ったこともあります。道は薄いですが,一応繋がっていて下りると荒海山の沢渡渉口の反対側に出ます。車は確か表登山口から2,3km入った所でストップでしたか。鉄塔巡視路は県境稜線まで繋がっていたと思います。烏ゲ森さんが10年ぐらい前に確か歩かれていたかと。巡視路を外れるとけっこうな薮があったと書かれてました。荒海山へは道はありますが踏み跡程度で大変です。山なれない人だと無理かもしれません。
葛老山の道は荒れてるんですね。昔は道はなかったんですが。
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道があるんですか (あさぎまだら)
2014-05-10 20:06:52
ノラさんこんばんは。
そうなのですか、荒海山まで道があるんですね。栃木県側から荒海山はあまりメジャーじゃないんですね。ハイキングコースは古くから会津側からですし、栃木側からだと岩場がありそうですね。
葛老山の道は良い道です。登り口の倒木が処理していないだけです。その上はずっと歩きよい道ですよ。
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