Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

漢字検定のこと

2009-02-06 23:48:17 | つぶやき
 日本漢字能力検定協会に文科省が立ち入り検査をするといって話題になった。財団法人という身分からして必要以上に儲けてはいけない。世の中にはそうした財団法人がたくさんあるが、いわゆる役人が天下っている手のものも似たような組織ということになる。検定ブームで受験者が増加して「余剰利益」となったということだが、ごく当たり前のことだろう。検定料はもともと受験する人数を設定して決めているわけではなく、ちまたにあるいわゆる検定料を目安にしていることだろう。たとえば漢字検定2級の検定料が4,000円、他の英語検定2級 4,100円、数学検定2級 4,500円、歴史検定2級 3,500円、理科学検定2級 3,500円、日商簿記2級 4,500円とまあどれも口裏を合わせたように検定料金が似ている。そしてその差額は、検定の価値にもかかわってくるだろう。安ければ誰でも受けるから価値が下がる。一方高ければ価値は上がる。まさに経済至上社会の原理とも言える。漢字検定は年間3回と回数が多い。誰でも受けることができるし受験会場も多い。日常の知識としても得するものなのかもしれない。270万人もの人が受けるというのだから、前述の2級検定料に掛ければ108億円にもなる。ちなみに1級が5,000円、準1級4,500円、2級4,000円、準2、3級~7級2,000円、8~10級1,500円ということから受験者数の多そうな準2、3級~7級の2,000円としても54億円である。かなり引き下げても余剰利益が出そうな感じである。

 これほどメジャーなものに限らず、いわゆる国家試験もそうだが受験料の設定とその収支というものについてはあまり意識していない。前述したようにその値段に価値があるというのなら、今回のような問題はいくらでもありそうである。ところが資格を取得するのにそんなことを言う人はいない。ほとんど財団法人といわれるところが仕切っているわけであるが、そういうことを考え始めると資格の価値を問うことにもなりかねない。

 息子も中学生のころ盛んにこの漢字検定を受けた。他にも数学検定やら理科検定といったものまで、今の子どもたちは学校も推奨するからいろいろ検定を受験する。最近は任意の○○検定なんていうものもいろいろある。とくにその最高峰とも言える漢字検定なのかもしれない。妻も息子が受験していたころに一緒に勉強して受けようとしたが、検定料が高くて受けることはなかった。履歴書に漢字検定○級と書くことで「採用」されるとは限らないが、いくらそんなものを持っていても使える人間とは言えない。ましてや子どもたちが盛んに取得するそうした検定、確かに勉強の励みになるものの、どこか役人や法人の罠にはまっているという感じがどこかでしてくる。
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