Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

高遠の桜

2007-04-13 08:26:30 | 自然から学ぶ


 昨日は、高遠での花見であった。10年以上も前、高遠に入り浸るほど高遠の現場に釘付けになった。だから高遠については詳しい。とはいえ、桜の季節にゆっくり花見をする機会はそれほどなかった。久しぶりの桜の木の下での花見である。老木となった桜に対して、桜盛りによってさまざまな手が施されているのだろうが、自然相手だけに、毎年同じような姿を見せてくれるわけではない。今や高遠町ではなく、伊那市の高遠である。伊那の人々にとっては、憧れの桜の地が懐に入ってきたわけだから、さぞ誇らしげだろう。

 その高遠のコヒガンザクラ、三峰川の対岸から車を走らせ城址公園へ向うのだが、その公園の様子がうかがえる高遠小原地籍あたりから眺める桜の様子が、かつて見たものとだいぶ異なる。一瞬まだ咲き始めかと思わせるほど花びらの輝きがない。ところが城址公園まで登ると、しっかりと咲いていて、まさに満開なのだ。公園内から木々を望むと、ふだんの年と変わりないような気がするのだが、どうも外見が違う。公園内で高遠の知人と会ってそのことをうかがうと、老木の古い枝を処理しないと若い枝が伸びないということで近年剪定をしていて過渡期ともいう。言われて気がついたのは、空を見上げると花びらの間に見えていた空が、だいぶ広く映っている。剪定したために空がよく見えるようになったというのだ。加えて今冬にウソに食べられたのか木々の枝先の花が開いていないのだ。これから咲くというよりもこのまま咲かずに終わってしまうという印象である。桜そのものの寿命は100年くらいというが、ここの木々はすでにそれ以上経過している。かつては木々の根元でもオーケーだった花見も、なるべく根元には入らないようにと指導されている。いつまで見事な桜の姿を見せてくれるかが心配ではあるが、よそには何百年も経過している桜もあるから大事にしてほしいものだ。

 さて、平日の夜間とはいえ人出は多い。それでも城址公園までの道路は、空いていて満開の最盛期ではあるがアクセスは良い。写真を撮ったがいまひとつ赤みの強い花の姿が表現できなかった。今年の桜は赤みも少ないという。
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