Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

ゴミの世界

2007-04-03 06:37:09 | ひとから学ぶ
 この4月1日からゴミの収集を有料にするという自治体があるといって、報道のネタにあがっている。その有料化を前に、駆け込みでゴミを出す人が多く、その処理が追いつかずに臨時にゴミ置場を用意している、なんていうニュースも流れている。いかに世の中にゴミが溢れているか、ということがよく解るわけだ。

 わたしも転勤によって、引越しで長野市の住処を掃除していて思ったのは、なぜにこうもゴミが多いのかということである。まあ頻繁に片付けるということをしなかったから、たまるのは当たり前なのだが、ひとりで暮らしていてもゴミがそこそこたまるのだから、家族が何人も寄れば、ゴミは増すばかりだ。レジ袋を有料化するという行動も、この4月1日から目立っているようだが、わたしのような一人暮らしでもレジ袋はたまってゆく。そのレジ袋はけっこう使い道もあったりして、生ゴミを入れたりする。なるべく生ゴミをこうした袋でくるむのはしない方がよいのだろうが、水がしみださないようにするには、袋にくるむのが手っ取り早い。そんなときに使うから、けっこうレジ袋を消化してゆく。たまたま買い物時の袋があるから利用しているが、もしレジ袋がなくなれば、どうするだろう、なんて考えたりもする。

 さて、住家のレンジ台を掃除していて思ったのは、何年もまともな掃除をしていないと、大変なことになるということである。とくに魚焼き用のグリルは、果てしなくこびりついた焦げというか油の固まりが、容易にはとれない。鋭い油汚れを落とす洗剤というやつを使っても落ちるものではない。鉄で掻き落とすことで固まりは落ちてゆくが、飽きずに掃除を続けるほかはない。きっとこんな掃除を経験している女性なら、落とす術を知っているかもしれないが、経験の少ない男どもには、あまり認識されていない世界かもしれない。毎日弁当を作っていたことが、逆にこんな苦労を呼んでいるが、いっそ火を使わなければ油汚れで大変なことにはならないのかもしれない。そんなレンジ台を掃除してはみたものの、ガスの出は以前から良くはなく、最後にガス屋さんが訪れて言うには、今はレンジ台も安いから、買った方が安全だし良いですよ、という。こんなでかいゴミを安易に出していったら、ちまたにはさらにゴミが山積みとなる。でもその方が良作と思う人もいるから、ゴミはいっこうに減ることはない。

 電化製品にしても、どの程度の状態で廃棄処理されるのか、具体的なことは知らない。こんなきたないレンジ台が、どう処理されるのか、と思うと、どらかというと事後の闇の世界だから、人の前から姿を消せばもう消えたくらいに利用者は思っているが、果たしてそんな意識でよいものかなどと考えてしまう。40リットルで60円で回収という自治体、いや、同量で120円という自治体もあるという。ますます不法投棄されるのか、はたまたよそのゴミ箱に捨てられるのか、モラルは地に落ちている。設定された金額が妥当なのかどうか、ということを盛んに報道の中でも取り上げているが、その答えは有料化が何を意図しているかということでも異なってくる。レジ袋だけが減ったとして、どれほど環境負荷が軽減できるのだろう。巨大なゴミを放出してはそんなことを思う。もちろんリサイクルされる物質が多くなれば、それはそれでよいのだろうが、実際に利用しつづけている人々の意識は変わっていないようにも思う。それは目の前から消えれば、もう処理されたと思い込んでしまうからそうなる。でもゴミの世界とはそんなものなのだ。
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