Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

架線を引きなおす

2007-04-02 18:23:05 | ひとから学ぶ
 NTTから電話がかかってきた。わが家への電話の引込線が、道路面から4.4mで基準の4.8mに達していないと言う。このごろ架線にトレーラーが引っかかって載せていた重機がひっくり返って大事故を起したなんていう報道があったりして、こうした架線に対して盛んに調べているようだ。そして問題のある架線は基準以上にあげるというのだ。わが家の前の道は、大きな車はまず通らない。幅にして4メートルもない道で、加えてクランクのようなカーブがあるから進入しようにもできないような道である。しかし、基準は基準だから、もしものことがあったらNTTに責任を押し付けるようなことがあっては困るから、高くするというのだ。その方法としてわが家の敷地に引込柱を建てるという。本当ならじゃまだから建てたくはないのだが、もしものことだと言って無料でやるというのだから仕方ないといえば仕方ない。ところがである、わが家に道路を渡って張られている架線は、NTTだけではない。並ぶようにして電力線と、他方からケーブルテレビの架線が張られている。最初にみの話があったとき、わたしは他方から張られている架線のことだと思った。なぜかといえば、その架線がもっとも低い位置に張られているからだ。NTTに訪問され説明を受けて、その線ではないことがよくわかった。電力線は、わが家の軒から引込線用のアングルを建てて引き込まれているから、ぎりぎり4.8mくらいである。そこでNTTに「電力線のように引き込めないのですか」と聞くと、NTTではそういう方法では引き込まないという。ようはどうしても引込柱を建てたいというのだ。

 そこで①電力線があれでよいのになぜNTTは電柱でなくてはいけないのか、②他方から引き込まれているケーブルテレビの架線はもっと低いのに、なぜNTTだけ柱を建てて引き込まなくてはならないのか、という疑問が湧くわけだ。聞くと、NTTの引込柱に電力の引込線は共架することはあるが、その他の架線を共架することはまず滅多にないし、そういう方法はとらないという。ようは、わたしはどうせ建つのなら、電力線もケーブルテレビ線も同じ柱に引き込めばよいのに、と思ったからそんなやり取りをしたわけだ。しかし、なかなかそう上手くはいかないわけだ。それぞれがそれぞれの持ち物だから当たり前なのだが、そんなことを言っているから世の中電柱だらけになる。考えてみれば、昔にくらべれば電柱は確かに多い。都会では地中化なんていっているが、そもそもいらない電柱がやまほど建っているに違いない。とくに町場ともなればどこに電柱建てるかは悩みの種だろう。ただでさえ狭いし、お互い様などという意識はないだろうから、迷惑なものは否定される。わが家を訪れたNTTの方も、「飯田の町の中なんかは大変」と言うように建てる場所がなくて困るようだ。

 さて、この場合ではケーブルテレビの架線はどうなんだということになる。NTTの方いわく、ケーブルテレビなんかは高さなんか無視して架線をすることは一般的だという。どこでも張ってしまうというのだ。では、なぜケーブルテレビは高さを意識しないのか、ということになるのだが、これもまたNTTの方いわく、ひっかかったら「申し訳ありません」と簡単に謝る程度で済むのだろう、と。これもまた、ではなぜNTTはそんなに過敏に意識すのだということになる。大会社だからそんな面倒なことでイメージを落としたくないというが、この世の中の争いに負けない手段なんだろう、ということになる。地域のケーブルテレビには許されても大会社には許されないこと、ということになるのだろうか。

 問題①やはりひとつの柱にみんな乗っかって欲しい。②あなただけよい子でよいの。③世の中責任逃れがみえみえ。というようなこの世の中の住みにくい雰囲気がそこにはある。
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