新聞やテレビで、中国が突然「防空識別圏」を設定し、日本の「防空識別圏」と重なったと
大騒ぎの報道をしています。
そもそも、「防空識別圏」とはなんなのか?「領空侵犯」との関係は?
中国の従来からの「防空識別圏」の範囲はどうなっていたのか?などが分からない報道です。
「防空識別圏」は国際法で確立したものではなく、領空、領土の範囲を定めたものではありません。
「領空」とは、国際法において、国家が領有している領土・領海の上に存在する大気の部分を示し、
領海と共にその国の海岸線から12海里までのエリアを「領空」と定義しています。
また、宇宙空間は、主権の主張、使用若しくは占拠又はその他のいかなる手段によっても
国家による取得の対象とはならない。 としているため、「領空は大気圏まで」となっています。
経済的に重要なのは200カイリ(約370Km)の「排他的経済水域」(EEZ)です。
日本は日中の海岸線から等距離の日中中間線を境界線と主張していますが、中国は受け入れていません。
中国は強盗の居直りみたいなものです。
自国の航空機が平和時に、他国の防空識別圏内を飛行する場合、事前に飛行計画を提出することで
望まない偶発的紛争や軍事的緊張が高まるのを防ぐよう配慮されていると一般的には理解されています。
日本国の「防空識別圏」は1945年にGHQが制定した空域をほぼそのまま使用しており、
航空自衛隊の対領空侵犯措置の実施空域に指定しています。
また、日本やベトナムなどは、既に東中国海と南中国海の上空にそれぞれ「防空識別圏」を設け、
日本が東中国海に設定した「防空識別圏」は「日中中間線」を越えているそうです。
また、日本は北方領土や竹島の上空は「防空識別圏」に含めていないそうです。
日本と韓国の間では空域に重複はなく、ロシアは区域を設定していません。
防空識別圏は日本にはありますが、中国は元々設定してなく、今回が初めての設定です。
2012年9月の日本政府による尖閣諸島国有化を受け、尖閣諸島上空などでは、
領有権を主張しようとする中国機が日本の防空識別圏に入り、航空自衛隊機が緊急発進するケースが相次ぎ、
中国軍からは、日本に対抗するため、早期の防空識別圏の設定を求める声が高まっていたようです。
10月末には、毎日新聞や共同通信などがその動きを報道していたようです。
中国の国防省の報道官は、「今回、防空識別圏を設定した目的は、国家主権と領土・領空の安全を防衛」と説明し、
他の空域にも今後、防空識別圏を設定していく方針を示したそうです。
また、中国が東シナ海に設定した防空識別圏は、済州島チェジュドの南西で韓国の防空識別圏(KADIZ)と重なり、
韓国が実効支配し、中国も管轄権を主張する暗礁「離於島イオド(中国名・蘇岩礁)」上空も含んでいるために、
中韓の管轄権争いが再燃する可能性があるようです。
日本においては自衛隊法第84条に基づき、「領空侵犯」に対しては航空自衛隊が対応しています。
また、海上自衛隊のイージス艦や陸上自衛隊の中SAM対空ミサイル部隊も、対領空侵犯措置に連動しています。
しかし、自衛隊法第84条には「着陸させる」か「領空外へ退去させる」の二つしかなく、
自衛隊法では、他国の軍用機による侵犯行為でも、それに対する自衛隊の攻撃について明確な記述はありません。
国際慣例上、軍用機への退去命令を無視して領空侵犯があれば、これを攻撃しても問題はないとされているのですが。。。
現状では、自機や国土に対する正当防衛の観点から、スクランブルの際に2機編成で対処中に1機が攻撃を受けた場合、
もう1機が目標に対して攻撃を加えることは可能であるが、その一方で、侵犯機がスクランブル対処機以外の
航空機や海上の護衛艦、地上の部隊等に攻撃を加えた場合、パイロットの判断でこれを撃墜することは難しく、
あっという間に敵機に撃墜されてしまう危険性が大きいです。
現実問題に対処するためには、自衛隊法の改正が必要だと思います。
中国の横暴に対抗すべく、今の時期に、きちんと法整備をしてもらいたいです。
大騒ぎの報道をしています。
そもそも、「防空識別圏」とはなんなのか?「領空侵犯」との関係は?
中国の従来からの「防空識別圏」の範囲はどうなっていたのか?などが分からない報道です。
「防空識別圏」は国際法で確立したものではなく、領空、領土の範囲を定めたものではありません。
「領空」とは、国際法において、国家が領有している領土・領海の上に存在する大気の部分を示し、
領海と共にその国の海岸線から12海里までのエリアを「領空」と定義しています。
また、宇宙空間は、主権の主張、使用若しくは占拠又はその他のいかなる手段によっても
国家による取得の対象とはならない。 としているため、「領空は大気圏まで」となっています。
経済的に重要なのは200カイリ(約370Km)の「排他的経済水域」(EEZ)です。
日本は日中の海岸線から等距離の日中中間線を境界線と主張していますが、中国は受け入れていません。
中国は強盗の居直りみたいなものです。
自国の航空機が平和時に、他国の防空識別圏内を飛行する場合、事前に飛行計画を提出することで
望まない偶発的紛争や軍事的緊張が高まるのを防ぐよう配慮されていると一般的には理解されています。
日本国の「防空識別圏」は1945年にGHQが制定した空域をほぼそのまま使用しており、
航空自衛隊の対領空侵犯措置の実施空域に指定しています。
また、日本やベトナムなどは、既に東中国海と南中国海の上空にそれぞれ「防空識別圏」を設け、
日本が東中国海に設定した「防空識別圏」は「日中中間線」を越えているそうです。
また、日本は北方領土や竹島の上空は「防空識別圏」に含めていないそうです。
日本と韓国の間では空域に重複はなく、ロシアは区域を設定していません。
防空識別圏は日本にはありますが、中国は元々設定してなく、今回が初めての設定です。
2012年9月の日本政府による尖閣諸島国有化を受け、尖閣諸島上空などでは、
領有権を主張しようとする中国機が日本の防空識別圏に入り、航空自衛隊機が緊急発進するケースが相次ぎ、
中国軍からは、日本に対抗するため、早期の防空識別圏の設定を求める声が高まっていたようです。
10月末には、毎日新聞や共同通信などがその動きを報道していたようです。
中国の国防省の報道官は、「今回、防空識別圏を設定した目的は、国家主権と領土・領空の安全を防衛」と説明し、
他の空域にも今後、防空識別圏を設定していく方針を示したそうです。
また、中国が東シナ海に設定した防空識別圏は、済州島チェジュドの南西で韓国の防空識別圏(KADIZ)と重なり、
韓国が実効支配し、中国も管轄権を主張する暗礁「離於島イオド(中国名・蘇岩礁)」上空も含んでいるために、
中韓の管轄権争いが再燃する可能性があるようです。
日本においては自衛隊法第84条に基づき、「領空侵犯」に対しては航空自衛隊が対応しています。
また、海上自衛隊のイージス艦や陸上自衛隊の中SAM対空ミサイル部隊も、対領空侵犯措置に連動しています。
しかし、自衛隊法第84条には「着陸させる」か「領空外へ退去させる」の二つしかなく、
自衛隊法では、他国の軍用機による侵犯行為でも、それに対する自衛隊の攻撃について明確な記述はありません。
国際慣例上、軍用機への退去命令を無視して領空侵犯があれば、これを攻撃しても問題はないとされているのですが。。。
現状では、自機や国土に対する正当防衛の観点から、スクランブルの際に2機編成で対処中に1機が攻撃を受けた場合、
もう1機が目標に対して攻撃を加えることは可能であるが、その一方で、侵犯機がスクランブル対処機以外の
航空機や海上の護衛艦、地上の部隊等に攻撃を加えた場合、パイロットの判断でこれを撃墜することは難しく、
あっという間に敵機に撃墜されてしまう危険性が大きいです。
現実問題に対処するためには、自衛隊法の改正が必要だと思います。
中国の横暴に対抗すべく、今の時期に、きちんと法整備をしてもらいたいです。