日々呟く。

とうとよ/清貧の独り言。

赤い足跡。

2004年05月30日 15時52分37秒 | なし
「またね。」

彼は友人を送り出し、一息ついた。
そして、友人の帰った後の部屋の後片付けをするため、自らの部屋に向かい歩き出した。


暫く廊下を歩くと、

カツ。カツ。カツ。

奇妙な音がするのに彼は気付いた。

カツ。カツ。

彼が歩くたびにどこからか奇妙な音が聞こえる。

カツ。

…彼は立ち止まった。
そして、後ろを振り返った。

…誰もいない。
ここは彼の自宅なのだし、友人は帰り、母は2階の部屋にいる。
誰もいるはずがない。


ふと…。
気付いた。


彼の前後。いたるところに点々と赤い「しみ」がついている。
それはまるで足跡のように、廊下に点々と落ちていた。

そして…それは彼の部屋へと続いていた。

彼はそれを追いかけ、自分の部屋へ急いだ。

カツカツカツ!
奇妙な音は彼が歩くたびに聞こえてくる。


部屋に入った。しかしそこには誰もいない。
そこには飲み終わったジュースの空き缶が2つあるだけ。


…。
……。
………?

!!


彼は驚愕し、そして声の限り叫んだ!



「おかーさーん!!足に『缶のフタ』が刺さった~!!」





今更ながら、砂蜥蜴さんの、「赤い足跡」に参加してみました。
もう3日どころじゃない時間がたってますから、本来なら私は消えていないといけませんが。

都市伝説でもなんでもないですし、どこにも消えたりしません。
フィクションも織り交ざってますが、大体実話です。
私が小学生のころにやった話で。

缶のフタってのはプルトップのことですね。昔の缶ジュースはプルタブの部分が外れました。
それをしっかり足の裏に刺し、血を流しながら、全く気付かずに友人を送りだし、それから暫く歩き回ってます。

こういうのは気付いた瞬間に痛みがやってくるのですね。


その後、数日は足に包帯巻いて、痛みに苦しんでおりました。


なんというか…
気付けよっ!!
ってやつで。