エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

良寛が好きだった父の心境

2007-12-26 | 文芸
           【遙か佐渡を見つめる良寛 2006.5撮】


晩年、父はしばしば良寛を語った。生前、父に請われて何度か良寛ゆかりの地を訪ねた。思えば、ほとんど良寛を知らなかった20年も前のことだ。
 最近は、自分がそのころの父の年齢近くになり、良寛の生地出雲崎や、墓所のある和島村の隆泉寺を巡り、良寛を訪ねた父の心境を思っている。

良寛は、物、名誉、地位、金銭、権力などのために生きる生の空しさを教えている。かつてない平和と繁栄の中、とかく本当の豊かさを忘れることがある。便利で恵まれた豊かな生活が、すべてお金に絡むものであっては切ないことだ。経済的な繁栄が即幸せではない。もう一度、人としての生き方を考えたい。父もそんな思いであったろう。

 寒さが厳しくなると良寛の五合庵を思い浮かべ、あまりに質素な貧しい生活をあえて選んで耐え抜いた良寛の強さを思う。今度また、雪の中に五合庵を訪ねたいと思っている。



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4 コメント

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Unknown (Unknown)
2007-12-26 11:16:06
良寛を知りますと、私共郷土の誇りであります「生受庵」の道鏡恵端禅師(正受老人)の教えに繋がります。良寛と同じく「物、名誉、地位、金銭、権力」に駆使しなかった禅僧です。良寛がマッチャンの生きる糧に大きな影響を与えていることに、羨ましい上に感銘を覚えます。http://plaza.rakuten.co.jp/aikomarie/25000
akikomarieさま (会津マッチャン)
2007-12-27 12:22:50
コメントをありがとうございました。
ブログ訪問させて頂きました。正受老人について、白隠との関わり、また藤村の言う「雪国の小京都」など興味深く拝見しました。

「一大事と申すは、今日ただ今の心なり」
この、「今を生きる」が道元をはじめ、禅の真髄でしょうか。
 大病後変わった私の人生観の中心にあります。一日、瞬間を大切に、穏やかに過ごしていきたいと思っています。

妻の実家が松本なので、毎年、何回か飯山を通っていましたが、途中下車しませんでした。私のブログの友マーヤンさん「ブログに遊ぶ」も飯山です。そのうち、ゆっくりを見学したいと楽しみにしています。
良寛 (ittoku)
2007-12-27 22:46:45
 「物、名誉、地位、金銭、権力」

 現在四賀地区に建設される予定の「統合小学校」の全力投球です。でも、周りから見ると、「建築業者が自分の為の一生懸命やっている」と映るようです。

 考えているのは、自分の子供ではなく、将来数十年にわたってこの地で学ぶ子どもたち。

 人の目は気にしないようにはしていても、めげそうになりますね。

 でも、めげている余裕など、これっぽっちもありません。また、全力投球です。

ittokuさん (マッチャン)
2007-12-30 08:52:59
コメントどうも。
何事にも全力投球、頭が下がります。
明日の郷土の子どもたちのためにも、めげずに頑張ってください。
今夜から寒くなるようです。よいお年をお迎え下さい。

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