「麦わら帽子は もう消えた」で始まる歌「夏休み」があった。
炎天下に、麦わら帽子をかぶって田の一本道を歩いていた小学生のころを懐かしく鮮明に思い出す。
オオムラサキやゴマダラチョウが集い、クワガタ、カブトが無心に樹液を吸うクヌギ林を目指していた。
そんな、小さな虫を求める純真な少年の日々を忘れない。それは安らぎそのものだった。
戦後間もなく、まだ世の中全体が貧しい生活を送っていたころだ。
思えば、国際的な対立や経済優先の物欲主義の風潮、さらには疎くなった近所付き合いなど、今の時代は決して平和とは言えない。
戦争がないことや便利であることだけが平和ではない。
かつて、蚊帳を吊って、家族が川の字に寝ていた夏の夜を思い出す。
クーラーなどないが、猛暑をしのぐ、穏やかな安らぎのある日々があった。
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