エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

地域の自然守る 自然史博物館を

2015-09-11 | 環境問題


先日、学芸員のTakeさんから案内状をいただき、県立博物館での特別講演会を聞きに行った。

前に、Huruさんから、6/4福島市で開催された『シンポジュウム「国立自然史博物館をふくしまに!」』の資料をいただいた。

その主催は設立協議会で、第一回の表明の集まりだった。

その後Huruさんからこのことに関連ある方々の会合に混ぜて頂いた。

そのときの話題から、感じたことをまとめておいた。

以下は、そのときのコメント

***************************************************

 自然史博館誘致に思う

 今月初め、福島市でシンポジウム「国立自然史博物館をふくしまに!」が開かれたことを知った。提言には、「動植物や鉱物などの自然史標本を収集保全し、人類の持続可能性の在り方を探る」とあった。本県には生物や自然に関する資料を標本として収集、研究、展示する博物館がなく、貴重な資料が散逸している現状らしい。そうであれば、国立にこだわることはなく町村単位でもいい、身近な地域の、おそらく私蔵され埋もれている多くの自然史を一堂にまとめることは急務ではないだろうか。振り返れば、昆虫少年のころから見つめてきた里山の虫たちも徐々に消えていった。かつてこの時期、我が家の庭でもオオムラサキの雄姿が見られ、ウメの木にはオオミスジが旋回し、ジャコウアゲハも卵を産んで行った。町内には小川が流れ、ホタルもサワガニもいた。この失われ続けた地域の自然の変化を冷静に見つめ、そんな人間の過ちを反省するためにも自然史博物館が欲しい。

***************************************************

今回、関連の第2弾で、その具体的な中身が自分の中で鮮明になった。

講師は東北大学術博物館教授 西 弘嗣氏 で、第1部の」演題は「ふくしまに国立自然史博物館を設立する構想を語る」

第2部は、博物館館長 赤坂憲雄氏と、西教授の対談で、視聴者からの質問もでた。

自然史博物館設立を目指すこの機会に、ことの重要性を再認識できた。

対談で、赤坂館長の語った「国立でなくても・・・」は、はからずも考えの一致する方向だと思った。

いろいろ考えさせられたが、以下に、この感想の一端をまとめておく。

***************************************************

地域の自然守る 自然史博物館を

 昨年、日本学術会議が、東北と沖縄の2箇所に国立の自然史博物館設立が望ましいと提言した。東日本大震災からの自然環境の回復を進め、人と自然の新たな関係を築くための好機と捉えて設立推進協議会が出来た。/先日、その協議会主催の特別講演「ふくしまに自然史博物館を作ろう!」を聴いた。自然史博物館の意義をあらためて認識でき、視聴後のアンケートには、この構想に賛成と答えた。この博物館の大きな目的は、散逸している生物標本の収集・管理にあるが、来館者に自然史標本で関心を持ってもらう次元でなく、明日の地域の自然を守るための自然史遺産の活用こそが必要だ。/であれば、国立にこだわらず、いまこそ県や市町村で失われ続ける自然を保全するための具体的な構想をたてるべきと思っている。気の遠くなるような長い時間に進化を遂げてきた野生生物が、毎日100種ずつ絶滅しているという。一度失われた自然は戻らない。一刻の猶予もない。

 ***************************************************

時代が変わり、昔の自然史ではない。標本の新しい次元での活用が求められる。

DNAや3D情報技術など新技術による新しい解析が、将来の生物多様性研究に生かされなくてはならない。