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エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

会津大学の紅葉

2014-11-05 | 街中散歩

 

  今日の散歩は、往復約5~6km程か、久々に会津大学の紅葉を楽しんだ。

  

 しばらくぶりに懐かしいラウンジで本でも開こうと、先ず図書館へ入った。

 小さな植え込みの見えるラウンジ前の広かったスペースには机が配され、少し窮屈になっていた。

 新聞を手に座ろうとしたとき、司書の方か、「カードはおありですか?」と利用証の提示を求められた。「ちょっと新聞を・・・」と言ったが、駄目なんですと。

 何年も前にはずっと利用証を作っていたが、本の貸し借りの時だけ必要と思っていたのが浅はかだった。

 そう言う決まりだから仕方ない。思えば、訳のわからない人が入ったのでは管理上問題はあるだろう。済みませんといって外へ出た。

 少しがっかりしていつものビオトープへ向かった。

 目的の一つポプラ並木が青空に天高く聳えていた。グランド脇の木々があまりに美しかった。

      

 クヌギの木の下で大きなドングリを拾った。黄色く色づいた葉にアキアカネが止まった。ペアも近づいてくれた。

 手を近づけると指先に止まってくれた。 しばしの輝くいのちを見つめた。

 キタテハも顔を出ししばらく追いかけっこ。 こんな陽はもう無いような気がして、一人降り積む落葉に腰を下ろした。

  


 美しい晩秋のグランドを楽しんで帰路についた。

 近道の大塚山墓地を縫って街路樹のハナミズキの赤い実がきれいだった。葉がいっぱい落ちている木ほど実がたくさんついているように感じた。

 青空に鮮やかな赤い実はまるで作り物のように(逆か?)洗練されて見えた。

 

 錦秋の秋に通りかかった大塚山墓地の墓碑の一つに目が止まった。

 統一された大きさの大理石に、李白の望郷の詩の一節が彫られてあった。
  

  「頭を挙げて山月を望み                        
   頭を低れて故郷を思う
            李白」        

                                                     

   裏にはご夫婦のお名前が刻されていた。

 今、故郷会津を離れ、他所で元気に老後を送って居られるご夫婦を想像した。

 どんなお人なのだろうか。墓石にどんな思いで漢詩を刻んだのだろうか。しばし、思いを巡らせた。

 いよいよ秋の深まりが感じられた散歩だった。(2014.11.5)

与えられた境遇 豊かに生きたい

2014-11-05 | エッセイ

 

  超高齢化社会だが、老後の過ごし方などあらたまって考えたことはなかった。

 先日、ふと本棚の宮本輝著「三十光年の星たち」を手に取り、どんな話しだったか曖昧なページをめくった。

30年間という時間の生き方のヒントとなる、さわやかな物語を思い出した。そして、遅まきながら最中(さなか)にある自分の老後を意識した。

自分の来し方を振り返るに、行き当たりバッタリの目先の課題解決の繰り返しだったような気がする。

この年になり30年とは言わないが、10年でも先を見つめる新しい生き方を思い、ライフワークでもないが、ささやかな希望を実現させたい思いに刈られた。

どうにもならない境遇や与えられた時間を、身についたこころで生きていく、それが現実ではないかと達観している。

問題は残された時間だが、そこでは「求めない!」を旨に、季節の移ろいを静かに楽しむ穏やかな日々でありたいと思っている。