【蛹化直前のキアゲハ】
散歩道のフランネルの葉上にキアゲハの成長を眺めている。
いつしか数㎜の黒い幼虫のほとんどが、たくましい緑の終礼幼虫にまで成長し、蛹化が始まっている。花を咲かせ始めたフランエルの葉はまる坊主だ。
孫と観察していた幼虫も、数日前に蛹化しはじめた。無心に細い葉を食べ、日々成長してたどり着いた場所で、ようやく安らぎの時を得た。
蛹化場所を探しているうちに、何かの理由で身体を結びつけることが出来ず、土の上で皮を脱いだ幼虫もいた。兄弟たちの蛹は場所によって色違いだ。
武琉君に聞いたら「見つからないようにだよ」と言う。
武琉君は、学校から戻ると、我が家の縁側に飼っている、ザリガニ、クワガタ、キアゲハを見に来る。いろいろな発見をしているようだ。
世の中の雑事に関わりなく行われている、静かな命のバトンタッチを思いながら、こころから安らぎを感じている。






