嶽南亭主人 ディベート心得帳

ディベートとブラスバンドを双璧に、とにかく道楽のことばっかり・・・

シラバス2: 6/24東海支部セミナー

2007-06-14 01:28:22 | ディベート
先の「関東入門セミナー」のこと。

2003年であったと思う。長瀞で開催されたディベーターズ・スクールにワークショップ企画を提供した。その再演をねらって、中級者に焦点を当てた企画を立案したところ、「入門セミナーを」という主催者のご意向に接し、軌道修正を受け入れた(当該セミナーの折の所感、学びと反省は、また追って)。

そうこうしてしたところ、東海の村上先生より、講師のご依頼あり。日程の都合がたまたまついたこともあり、コレ幸いと、リベンジにうかがうことした。

現時点でのシラバスは、以下の通り(一部修正)。

***

【6月24日 東海支部セミナー 企画・案】

●テーマ 
より深い議論を構築するために~第12回ディベート甲子園高校論題中級講座

●ねらい
高校論題で第12回ディベート甲子園に取り組んでいる中級以上(本論題での大会を1回以上経験していることを想定)の指導者・選手を対象として、講義およびワークショップ形式の作業・発表を通じて、論題の原初的な部分について参加者が理解を深めるためのヒントを提示するとともに、より高度な議論構築のための方法論とアプローチを具体的に例示することをもって、指導者・選手の議論構築における力量向上を図ることを目的とする。

●進め方(案)3時間コース

(1)イントロダクション: 講座のねらいと内容の説明

(2)ワークショップⅠ: 議論がなぜ大切か? をあらためて振り返る
・問題設定 「共有地の悲劇」
・「共有地の悲劇」に対するソリューションを考えてみよう
・検討結果発表
・「解決案の決め方」を考えてみよう
・まとめ
 1)「強制力の行使を通じて公益の実現を図るシステム」の必要性→「公共財の供給主体としての政府」
 2)政治の3手段:恫喝、誘導、説得
 3)よりよい社会的合意形成のためのコミュニケーションの訓練として

(3)講義Ⅰ: 議論構築の手法の紹介
①「リンクマップ(因果連鎖図)」
 →メリット/デメリットのブレーンストーミング技法として
②「プラン前後のリンク比較(システムマップ)図」
 →リンクマップから立論構成を考える橋渡しのツールとして
③「黒白(●○)図」
 →立論の構造を把握し、反駁を戦略的に鳥瞰+デザインする枠組として

<休憩>

(4) 講義Ⅱ: よい「政治」について、さらに踏み込んで考えてみる
①政治で実現されるべき「より良い社会」はどこにある? ~自由と規律のせめぎあい
 政治面の価値軸: 個人の権利 vs 全体の秩序
 社会面の価値軸: 個人の判断 vs 伝統の知恵
 経済面の価値軸: 経済成長(自由に稼ぐ) vs 富の分配(稼ぎを公平に分ける)
②政府の「守備範囲」は?: 大きな政府 vs 小さな政府
 →政治ポジションテストの紹介
③誰が政治的な意思決定を行うべきか?: 入力重視? 出力重視?
    ※一般的な良い意思決定の条件
     ア 公正で、納得のいく手続きによって決定が行われること
     イ 決定が本来の目的に資すること
    ※「全員を拘束する意思決定=政治的決定」において重要なのは・・・
     A 手続き上の包括性か?
     B 決定の質か?

(5)ワークショップⅡ: 強いスタンスを考える
・スタンスと、その重要性
「スタンス」=「主張における一貫した思想、世界観・価値観」のことであり、特にメリット・デメリットの比較衡量において判断基準や原理・原則として機能する議論のこと。
・問題提起
・チームごと検討: オプションを選択。それに対して批判的に検討を加える
・検討結果発表+他のチームから質疑・応答
・まとめ
1)重要性を「放置」しないこと。実践すべきは「質疑→第1反駁→第2反駁」の連携。
2)ポイントは「今の日本社会へのフィット感」
(16:30までの予定。時間の許す限り、質疑応答)

・・・・という次第で、気合を入れなおしているところ。

【今日のBGM】 L.ヤナーチェク「タラス・ブーリバ 第3楽章 タラス・ブーリバの予言と死」

2007-06-14 01:08:11 | ブラスバンド
演奏は、ノイマンのチェコフィル。

高校の大先輩である「太陽爺」氏いわく:

「お国ものは、お国のオケがやると、ちょっとかなわない演奏ができあがる」

この演奏も、かなりクセがあるものの、堂々の佳演(それにしても、エンディングのこのパイプオルガンの音の残り方は何なんだろう?)。

主人の「鐘の音」好きは、人後に落ちないところだが・・・

チャイムの音 と パイプオルガンの音

の両者が出揃うこの曲。それだけで心が安らぐ。

まだ学生のころ、大学のブラスバンドサークルがこの曲をとりあげ、杉並公会堂でこの曲を演じたことがあったが、その時にはパイプオルガンを、なんとシンセで代用するという挙に出た。

しかし、それはそれで、満足のいく演奏であったのが、いまもって不思議だ。