澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

上智大学の凋落とその理由

2009年11月10日 08時57分37秒 | 社会

受験シーズンが近づいてくる。最近、あるビジネス雑誌に上智大学の凋落ぶりが伝えられていた。
少子化の影響を最も受けているのが私立大学だが、その中でも上智大学の没落ぶりが顕著だという。
ネット上で検索したところ、次のような書き込みが見つかった。

1 男が行ったら間違いなくイメージ・就職・存在において損をする大学 
2 偏差値も実績も同志社・立教・明治と並びそう!  上智の凋落は今もなおリアルタイムで進んでいます
3 あまりにも駄目すぎて河合塾にはずされた上智の理工学部!
4 辞退率がなんと約7割!  優秀層がほとんど蹴っていきます(笑) 魅力の欠片もない大学ですねー
5 なぁ~~んにも実績がない!( 何のために──上智は一体何のために存在しているのでしょうか!!!!
6 上智法科大学院の上智大出身者はなんと18%だけ!  何もかもが中途半端な大学だけありますね
 
カトリック神父も住むキャンパス)

上記の書き込みは、ほぼそのとおりだと思われる。
「早慶上智」などとひとくくりにするのが、そもそも誤りの始まりだ。歴史的伝統もなく付属高校も持たない上智大学が、ある程度有名になったのは、高度成長期の「国際化」という要請にたまたまフィットしたからに過ぎない。にもかかわらず、大学当局は、研究成果の充実には力を注がず、表面的なイメージアップだけを優先した経営を進めてきた。

その際たるものは、法学部地球環境法学科と大学院における地球環境研究科東南アジア研究専攻科の設置だろう。1967年に設置された「平和と開発のための国際関係研究所」を廃止して、これらの学科を設置したのだが、「時代のニーズ」を先取りするどころか、何を考えて設置したのかもよく分からない、奇怪な学科となってしまった。
東南アジア言語を専攻する学部も持たないのに、大学院に東南アジア研究専攻を設けたのは、石澤良昭学長というアンコールワット研究者がいたからだ。この石澤氏は、フランス語学科出身で、カトリックの神父さんに気に入られて、カンボジアに行き、フランス留学してから歴史研究を始めた人。いかにも上智大学内部でのエリートらしい経歴の人物だ。上智では外国語を専攻してから留学し、政治学や歴史学の教授になるというケースが多い。猪口邦子(フランス語学科卒、国際政治学)、古くは三輪公忠(英文科、日米関係史)といった人たちだ。日本の学界では相手にされないこれらの人に共通するのは、”買弁”の匂いだろうか。

地球環境研究科に至っては、自然科学系の設備・スタッフも何もないにもかかわらず、大層な名前の専攻をでっち上げたという印象だ。国立大学の大学院で環境化学を専攻した私の親族は、「そんなので地球環境がわかるの?」と怪訝そうだった。

他の大学院も同様だ。たとえば政治学・国際関係の分野を例にあげると、この20-30年間において、慶應大学は数多くの研究者、大学教員を輩出してきたが、上智は片手で数えるほど(※)しかいない。入学時の偏差値はさして変わらないのだから、その原因は別のところにある。上智大学というところは、①研究成果を発表する場を持たない(慶應大学には慶應義塾大学出版会があり、定期的に論文集を出版している)、②支配下大学を持たない(自校卒業生を送り込める大学を持たない)、③外国人カトリック神父(教授)により構成される理事会で自校教授人事が左右されるなどの特殊事情がある。

「外国語に強い上智」というイメージも疑問だ。東京外国語大学と上智大学を比較してみると、東京外大が語学系の外国人教授を公募できちんと選考しているのに対し、上智はカトリックの神父がこの役割を担っている。神父が教授の場合、学生との間にコミュニケーション上の問題が多々あり、東京外大のようにはスムースにいかないようだ。また、開講科目数、教授陣については、東京外大の方が圧倒的に充実している。上智にはアジア・アフリカ関係の講義はほとんどない。さらに、個々の学生が学ぶ環境(図書館、ゼミナール室、研究室等)に関しては、上智大学は東京外大の足元にも及ばない。

「早慶」と比べると、卒業生の社会的評価が著しく低い。マンモス大学である両校は、付属高校もあり、社会に出てからそれなりの人脈、学閥を形成しうるが、上智大学にはこれが全くない。「上智を出てトクをしたことなど一度もない」とは、卒業生からよく聴く言葉である。

「辞退率がほぼ7割、優秀な学生は蹴っていく」というのは、昔から周知の事実。特に男子学生は、他の上位大学に合格したら、入学金を捨ててでも、上智を蹴ってそちらに行くべきだろう。大学選びは、一生を決める選択なのだから。

                   ※ 大学院国際関係論専攻を修了した学者・研究者の数

 





 



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2 コメント

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うーん… (kalbin)
2013-10-12 20:56:27
どうもあなたは上智大学にコンプレックスを感じているように思います。
外資のゴールドマンサックスは東京一工早慶上智、横国からしか取っていません。
また、五大商社も早慶上智まででmarchはほとんどいません。
上智は十分良い大学かと思います。
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頑張れ上智 (頑張れ上智)
2015-12-15 12:25:55
付属校もなく学生数が少ないから知名度や卒業生の人脈でトクすることはないとのことですが…それでもやはり上智はいい大学だと思います。同じミッション系の青学、関学、同志社、立教、ICU、南山大学なんかには決して負けてませんよ
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