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【166】大恐慌・黒子病

 黒子病は全身に黒子が広がる伝染病である。過去に蔓延したときは、黒猫を感染源だと考えて大量に処分したのだが、後に昏睡状態に陥った色が黒子となって連鎖的に眠気を誘っていることが分かった。その頃にはすでに多くの猫【153】が世界から消えていた。慌てたのは文筆家【144】などの常習者ばかりではない。天敵である猫がいなくなったために、隠し通帳【299】として使われていた玻璃鼠が大増殖して市場を暴落させたうえ、食糧を食い尽くしながら各地に押し寄せてコーン【93】でさらに増殖していったのだ。玻璃ネズミの繁殖サイクルで公転していた十二の月【230】が衛星状態を悪化させ、太陽の至る所を一度に隠して太陽黒点を引き起こしたため、これまでその視線に依存しきっていた色が昏睡状態に陥り、黒子病の原因となったのである。

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【153】猫・ある種のプロセス【151】高級官吏ジジジ・リ【6】リンパ線

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