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【271】何かを記すというのは不思議な行為だ

 いかにも同時に進行しているかのようだが、記録とは常に遅れて記されるものだ/恐るべきことだが頁をめくるだけで/続けて記せば次の文で/そのまま記せば境目がないまま一晩が過ぎていく/修正や加筆をすれば、複数の時が錯綜することとなる。それが俺たちの/第一世界/だった。/どうやら記録された/言波/には、全てが死に向かう第三世界の直線的な時をすり抜ける/鱗【340】みたいな/効果があるんだろう?/記録され続けるおまえ【237】には、/世界が/どんな風に見えるんだろうな。

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【268】第三世界

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【270】俺には蟻難いことだがね

 探偵モト【238】は決して頭を下げないケチ臭い失礼な男だと誤解されることもあったが、靴底(ソウル)【47】蟻【56】を住まわせられない彼は、おじぎ【163】の作法を知らなかったのだと言われている。礼服と呼ばれるおじぎ養成ギブスを身にまとっていた時期もあったようだ。こんな作り話よりもひとつ確実な話を。手帳【237】の最後に記されていたのは「おまえはもう帰れ」というつれない一言である。

リンク元【265】常軌を逸した世界

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