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【340】歴史に刻み込まれた・半透明の薄塊・結石

 歴史【302を構成している言子【217】は、伝子を失うことによって各部で沈殿し、循環器から滲み出てくる円素【13】と結合しながらとめどなく成長していくので、歴史上の人物によってまだ小さいうちに摘出される。それが結石である。いびつででこぼこだらけの結石は、歴史家【310】によってつやのある半透明の楕円形にスケーリングされ、鱗として棺詰工場【349】に出荷されるのである。
 補足しておくと、〈スケーリング〉といった表現は、時の抵抗を減らすための職人仕事としか考えていない棺詰工場独自の言い回しである。歴史家からすれば世界で起きた事柄を歴史に刻んでいるのである。百科店【83】にしてみれば、フロア案内を刻んでいるのである。身内を亡くした者にしてみれば、後々まで語り継がれる碑名を刻んでいるのである。あるいは誰から見ても、石を磨いているに過ぎないのである。


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