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【25】仏教徒・米国

 仏教徒と一口にいっても、大腸仏教や小腸仏教に代表されるようにさまざまな解釈がなされており、いまや明確な定義は失われている。貴族【16】たちの心珠【174】を細かく砕いた仏舎利を、新しき料理(ヌーベル・キュイジーヌ)たる米(本来はフランスパン【15】の輝きを表す斜印という記号である)として食し、悟りを開こうとしていた一派が米国(分化大革命【106】前は米穀と記載)、つまりアメリカ合掌国である。社会に米食が浸透し、銀交【一八九】が設立された結果、仏教における金本位制が崩れ落ちた。金本位主義者たちはこの事態を仏滅と呼び、仏は死者の代名詞にまで落ちぶれることとなった。
 アメリカとは米であり、米とは輝きであり、〈マイ〉すなわち〈私の~〉という所有格である。米を前にすると口から溢れてくるのがツバキであり、ツバキをラテン語読みしたものがカメリア、カメリアをつづら読みしたものがアメリカである。食事の前の合掌が国名に明示されているのである。米食人のうち白い家に籠もって無心に米を食する行者は、彩胞レベルでのココロイド【196】化を極度に進行させて、英国人という肉体的コードを脱穀し、米という純粋存在として独立することに成功したものの、多種多様な肉体を間借りせねばならなくなった。焼却路【220】の熱に吹き上げられた気球【228】が密集する空域を、米エリアや心珠湾と呼ぶのはそのためである。

リンク元【24】振り分け用コード【18】フランス人

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