僧衣【1】に身をくるんだ僧侶たちは、腐葉土を食みながら地底をうねうねと掘り進むことで神へと至る道を模索している。中規模の洞窟のひとつは、日に三千人が利用する リンパ線【6】として鉄道会社に貸し出されているが、どの駅の降車率もゼロであることは意外に知られていない。路線に残されたくるぶし【7】が車掌【193】に集められていることも。それ煎じて僧侶たちが飲んでいることも。
――早く飲みたいものだ。
そう呟く僧侶らは灼熱砂漠の地下深くを横断し、各所に設けられた目的地【8】にようやく辿り着くのだった。
リンク元 【1】僧衣