哲人は、爺ちゃんに大きな影響を受けてしまったのだ。
「哲人、いいか、英語などは、絶対に勉強するな!」
「わいはな、鬼畜米英なんだ」爺ちゃんは小学生の哲人を諭すのだが、孫の哲人には理解が及ばぬことであった。
だが、米兵に犯された従姉の15歳の静のことが、12歳の少年にとっては大きな心の衝撃を与えたのである。
母の実家は沖縄であり、正月の休みや夏休みには、母とともに那覇へ里帰りへ行く。
今日も米兵による実に理不尽な出来事は絶えることはなかった。
結果的に哲人はアメリカ嫌いとなる。
だが、映画好きな哲人がアメリカ映画を好んで観ることなる。
実に皮肉である。
そのことは、日本嫌いな外国の子どもたちが、日本のアニメにはまる、現代社会に通底しているのであろうか。
だが、映画とは別に哲人は、英語嫌いになるのだ。
そのことが、彼のその後の就職活動にも影響を及ぼすとは、実に皮肉な結果であった。
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