「政治と宗教の関連性」では、宗教そのものを否定するような的外れな言説があふれている。
その要因は?
日本における宗教のタブー性や、リテラシー(情報を読み解く力)の低さを象徴している。
日本では、特定の信仰を持たない人が多数派を占めている。
その人たちは現代社会における政治と宗教の関連性を、適切に認識していない。
多くの日本人は、政教分離の原則に対して、「政治と宗教は接点をもつべきではない」と誤った認識をしている。
政教分離の原則とは、国家による特定宗教の振興、排除防ぐものだ。
これは、戦前の国家神道の反省に基づくものだ。
尊皇思想をより高めるため、古事記を聖典とする「神道」が、国が認める宗教すなわち『国家神道』だとした。
尊皇思想とは、新しい国家権力の頂点に天皇を据えさせるための国家主義的な政治思想をいう。
同時に、政府は明治末期、神社を「国民道徳の府」として整備しようとした。
やがて日本国内で国粋主義・軍国主義が台頭すると、神道は日本固有の習俗として愛国心教育に利用され、神道以外の宗教に顕著な圧迫が加えられるようになった。
愛国心を使って戦争に勝つという目的を植え付ければ、人を動員することも簡単にできるようになる。
言い換えれば「多くの人を簡単に動員できるほどの国家神道の力は恐ろしい」のである。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます