「宗教アレルギー」を教育から払拭せよ 生命倫理、世界観に必須、カルト批判精神も養う 武蔵野大教授・貝塚茂樹
この背景には、戦前の「国家神道」への警戒感があり、そこから派生する「宗教アレルギー」は、教育を「機能不全」にしている。
教育基本法の規定にもかかわらず、道徳の学習指導要領には宗教という言葉すら明記されていないのはその証でもある。まさに、「触らぬ神に祟(たた)りなし」が教育の宗教への対応であった。
しかし、人間が本質的に不完全な存在である以上、自己の能力の過信に陥らないためにも、「超越なるもの」の存在は必要不可欠である。
昭和41年の中央教育審議会答申は「生命の根源すなわち聖なるものに対する畏敬の念が真の宗教的情操である」と定義した。人間は水平的な関係のみで生きるのではなく、歴史的で垂直的な関係である「超越なるもの」への畏敬の念が必要であるというのがその趣旨であった。
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