ネット社会に分断は、人々にファクツを提示したり、異なる情報に触れる機会を増やしたりするこおで克服できるとされる。
もっとも、人はバイアスや社会的な動機から無縁ではいられない。
事実(ファクツ)を示すことは、むしろ逆効果お及ぼす場合もある。
福島第1原発事故直後の科学者の発言は、時間がたつにつれ、情報に触れていた反原発派グループの反発を買い、結局生産的な議論が遠のいていった過程がわかる。
社会心理学者のハイトによれば、これは人間集団として暮らしてきた中で培ってきた「忠誠」や「権威」といった、道徳的な感情と無関係ではない。
社会を作っている限り、社会全体の厚生は個人の生存に関わり、権威に従うことも、脆弱な存在であれば利に適った行動とんるからだ。
そもそも、理性と感情を対立的に捉えることが間違っているのだろう。
吉田徹・北海道大学教授(比較政治)
分断の心理学
科学的な説明を尽くしているのに,なぜか納得してくれない。
事実は明確なのに,なぜ?
そんなふうに思ったことはないだろうか。
実のところ,人は「正しい事実」に基づいて判断しているわけではない。
一見非合理的に見える判断にも,そこには隠れた理由がある。
そんな科学と社会のすれ違いが,先鋭的に現れるのがSNSの空間だ。
ツイッターの解析から,福島第1原発の事故当初は議論の核になっていた科学者らが,その後急速に影響力を失い,科学を懐疑的に見る人々に取って代わられていく過程が浮かび上がった。
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