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クーデターに揺れるミャンマー、五輪代表に祝福と反感 選手「成功は人々のためのもの」

2021年07月21日 04時15分39秒 | 社会・文化・政治・経済

2021年7月20日 17時00分 東京新聞

東京五輪にミャンマー代表で出場するバドミントン女子のテッ・ター・トゥーザー選手=本人のSNSから

 【バンコク=岩崎健太朗】2月のクーデター以降、政治、社会の混乱が続くミャンマーから、東京五輪に3人の選手が出場する見通しだ。晴れ舞台に祝福が寄せられる一方、国軍が統治を奪った国の代表となることに「もう応援できない」などと反感も投げ掛けられている。
◆「なぜ抵抗を続けないのか」
 「長年の夢が実現する。ミャンマーの人々を代表してベストを尽くす。成功は人々のためのもの」。バドミントン女子シングルスのテッ・ター・トゥーザー選手(22)のフェイスブック(FB)には今月、世界連盟から出場枠が発表されると、そう決意が記された。7歳で父と練習を始め、バドミントンでミャンマー初の五輪切符を獲得。フォロワー120万人超の国民的スター選手だ。しかし、出場決定後は「とても悲しい気分だ」「なぜ、一緒に抵抗を続けないのか」と外部からの投稿が相次いだ。
 ミャンマーでは2月以降、市民とともに俳優や歌手など多くの著名人が抗議運動に加わり、SNSで国軍批判を発信。反対に、静観していると「クーデターを認めるのか」とバッシングを受け、スポンサーの不買運動も起きた。五輪出場を目指していた水泳の男子選手は4月、自ら「国軍の下で出場はできない」と辞退を表明し、称賛された。
◆「とても悲しい」…SNSにつづられた心情
 テッ・ター・トゥーザー選手のFBにも心情がつづられていた。
 「真夜中、電話もインターネットもつながらなくなった。何も考えたくない。とても悲しい」(2月2日、クーデター翌日)
 「クーデターを経験する最後の世代になることを」(同8日、抗議デモ拡大)
 「この革命に勝たなければならない。みんなで闘い続ける」(同28日、弾圧が激化)
 「私が育ち、愛するヤンゴンが傷ついている。人々は正義のために戦っている。最後は正義が勝つと信じている」(3月18日、犠牲者が200人超に)
◆選手の思い、慮る人も
 抗議の「3本指」を掲げた自身の姿や、国軍の攻撃で煙が上がる街の様子も投稿されていたが、4月上旬に途絶えた。以前の写真には笑顔があふれ、クーデターの引き金となった昨年11月の総選挙の日のメッセージは「責任ある市民になるために投票しましたか」。ヤンゴンの40代女性は「本人にしかわからない選択だ。ミャンマーでは五輪どころではないが、ここまで努力を重ねてきた。家族や友人への危険を考えると政治的な発信はできないが、悪化する新型コロナウイルス禍への支援などは訴えたいだろう」と慮った。
 国営紙によると、東京五輪にはほかに射撃と柔道に男女1人ずつが出場する。

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