「新聞は関心のなかった社会の問題や課題にも目を開かせてくれる」南野森・九州大学教授
「新聞を読み世間を知る」「世界も広がる」新聞読者の声である。
ひきこもりの長期化、高齢化から引き起こされる社会問題。
主に50代前後のひきこもりの子どもを80代前後の親が養っている状態を指し、経済難からくる生活の困窮や当事者の社会的孤立、病気や介護といった問題によって親子共倒れになるリスクが指摘されている。
2010年代半ばまでに実施されてきたひきこもりの調査の多くは15〜39歳を対象としてきたため、40歳以上のひきこもりは可視化されていなかった。
政府は中高年のひきこもりの実態を調査するため、18年11月に40~64歳の無作為に抽出した5000人を対象とした全国調査を行い、支援案づくりに着手する方針である。
(2018-9-13)
自宅にひきこもって、社会的参加をしない状態が6カ月以上持続しており、精神障害がその第一の原因と考えにくいもの」と定義される。パソコン通信や電話で外の人との接触がある人、家事などをして家族と良好な関係を持っている人は該当しない。子から親への家庭内暴力が伴うケースも多く、1990年代後半から問題視され始めた。正確な統計はないが、少なくても50万人以上、160万人いると推定する識者もいる。年齢的には中学生から見られ、30歳代、40歳代の症例もある。性別では、男性が6〜7割。欧米には見られず、日本に特徴的な現象と思われていたが、韓国でも症例が報告されており、子供を依存させやすい東アジア的親子関係が影響しているともいわれる。
(山田昌弘 東京学芸大学教授 / 2007年)
ひきこもり
長期間にわたって家庭内にひきこもり、社会的な活動に参加できない状態。対人恐怖症や気分障害、人格障害が認められる場合もあるが、ひきこもり自体が問題の中心となる人がかなりいると推測される。不登校がきっかけとなることが多く、男性に多い。家族との接触もほとんどなく、自室にこもって対人接触を全面的に回避しているケースもある。この状態が本人の社会性の成長を阻み、対人関係への自信を喪失させ、自己評価を下げる。その他、強迫傾向、昼夜逆転、家族への攻撃性などが見られるが、生活態度とは裏腹に、社会で生きていけないことに対する焦りや苦悶がある。
(田中信市 東京国際大学教授 / 2007年)
ひきこもり
厚生労働省は、仕事や学校に行かず、家族以外とほとんど交流せずに半年以上続けて自宅に閉じこもっている状態をひきこもりと定義している。国の推定で全国に70万人いるとされる。
(2016-03-04 朝日新聞 朝刊 奈良1・1地方
ひきこもり女子会
ひきこもりや対人関係の問題などの生きづらさを抱えている女性(性自認が女性である男性を含む)を対象とした交流会。一般社団法人・ひきこもりUX会議の主催により、2016年より全国各地で開催されている。社会の中で孤立しやすい状況にあるひきこもり女性たちに、仲間と出会い、体験を話し合う場を提供することを目的としている。これまでに20回以上開催され、参加者は10代~60代を中心に累計650人以上にのぼる。女子会への参加者が増える一方、自ら女子会を主催する参加者も現れるなど、広がりを見せている。
(2017-9-26)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます