エビデンスを嫌う人たち: 科学否定論者は何を考え、どう説得できるのか?
リー・マッキンタイア (著), 西尾義人 (翻訳)
地球平面説、気候変動否定、コロナ否定、反ワクチン、反GMO、そして陰謀論――
彼らはなぜエビデンス(科学的証拠)から目を背け、荒唐無稽な物語を信じてしまうのか?
その謎をさぐるべく、神出鬼没の科学哲学者は陰謀論者の国際会議に潜入し、炭鉱労働者と夕食を囲み、モルディブの海をダイビングする……。
はたして科学否定論者は何を考えているのか?
知りたくない事実に耳をふさぐ人たちに、どうやったら事実を受け入れてもらえるのか?
本書では、科学否定論者に共通する5つの特徴を通じて、地球平面説(フラットアース)、気候変動否定、反GMOなどの行動原理を分析。最新科学の成果も交えて、エビデンスを嫌う人たちの考え方、説得の方法を考える。
《科学否定論者に共通する5つの特徴》
1 証拠のチェリーピッキング
2 陰謀論への傾倒
3 偽物の専門家への依存
4 非論理的な推論
5 科学への現実離れした期待
インターネットを通じて勢力を増し、政治の世界にまで影響を及ぼしている科学否定——その拡大を止める反撃の狼煙となる一冊!
「マッキンタイアは、社会心理学の成果を用いて信頼関係に基づいた対話の有効性を理論的に補強し、その『実践編』として様々な人々と実際に会って議論を交わし、ときには潜入取材まで敢行している。それゆえ本書は、豊富な知識と堅実な論証で裏打ちされた論考でありながら、科学否定論のリアルな実態に迫る重厚なノンフィクションでもある」――解説・横路佳幸(哲学・倫理学)
【目次】
はじめに
第1章 潜入、フラットアース国際会議
第2章 科学否定とはなにか?
第3章 どうすれば相手の意見を変えられるのか?
第4章 気候変動を否定する人たち
第5章 炭鉱のカナリヤ
第6章 リベラルによる科学否定?
第7章 信頼と対話
第8章 新型コロナウイルスと私たちのこれから
エピローグ
*
解説「対立から対話へ――科学否定論者とのよりよい向き合い方」横路佳幸
彼らはなぜエビデンス(科学的証拠)から目を背け、荒唐無稽な物語を信じてしまうのか?
その謎をさぐるべく、神出鬼没の科学哲学者は陰謀論者の国際会議に潜入し、炭鉱労働者と夕食を囲み、モルディブの海をダイビングする……。
はたして科学否定論者は何を考えているのか?
知りたくない事実に耳をふさぐ人たちに、どうやったら事実を受け入れてもらえるのか?
本書では、科学否定論者に共通する5つの特徴を通じて、地球平面説(フラットアース)、気候変動否定、反GMOなどの行動原理を分析。最新科学の成果も交えて、エビデンスを嫌う人たちの考え方、説得の方法を考える。
《科学否定論者に共通する5つの特徴》
1 証拠のチェリーピッキング
2 陰謀論への傾倒
3 偽物の専門家への依存
4 非論理的な推論
5 科学への現実離れした期待
インターネットを通じて勢力を増し、政治の世界にまで影響を及ぼしている科学否定——その拡大を止める反撃の狼煙となる一冊!
「マッキンタイアは、社会心理学の成果を用いて信頼関係に基づいた対話の有効性を理論的に補強し、その『実践編』として様々な人々と実際に会って議論を交わし、ときには潜入取材まで敢行している。それゆえ本書は、豊富な知識と堅実な論証で裏打ちされた論考でありながら、科学否定論のリアルな実態に迫る重厚なノンフィクションでもある」――解説・横路佳幸(哲学・倫理学)
【目次】
はじめに
第1章 潜入、フラットアース国際会議
第2章 科学否定とはなにか?
第3章 どうすれば相手の意見を変えられるのか?
第4章 気候変動を否定する人たち
第5章 炭鉱のカナリヤ
第6章 リベラルによる科学否定?
第7章 信頼と対話
第8章 新型コロナウイルスと私たちのこれから
エピローグ
*
解説「対立から対話へ――科学否定論者とのよりよい向き合い方」横路佳幸
著者について
Lee McIntyre
1962年生まれ。哲学者。ボストン大学研究員(科学哲学・科学史センター)。『ポストトゥルース』(大橋完太郎監訳、居村匠/大﨑智史/西橋卓也訳、人文書院)、The Scientific Attitude: Defending Science from Denial, Fraud, and Pseudoscience (MIT Press, 2019)など著書多数。
西尾義人
1973年生まれ。翻訳者。国際基督教大学教養学部語学科卒。訳書に、ピーニャ=グズマン『動物たちが夢を見るとき』、ヴァン・ドゥーレン『絶滅へむかう鳥たち』(共に青土社)などがある。
1962年生まれ。哲学者。ボストン大学研究員(科学哲学・科学史センター)。『ポストトゥルース』(大橋完太郎監訳、居村匠/大﨑智史/西橋卓也訳、人文書院)、The Scientific Attitude: Defending Science from Denial, Fraud, and Pseudoscience (MIT Press, 2019)など著書多数。
西尾義人
1973年生まれ。翻訳者。国際基督教大学教養学部語学科卒。訳書に、ピーニャ=グズマン『動物たちが夢を見るとき』、ヴァン・ドゥーレン『絶滅へむかう鳥たち』(共に青土社)などがある。
原題通りHow to Talk to a Science Deniersを実際に色々な「化学否定派」の人々との対話を試みて考察した内容だが、著者は特に気候変動否定、反GMO(遺伝子組み換え食品)に対して強い意識を持っているようだ。いずれも対話対象との詳細な内容が興味深いが、個人的には対話対象者に同調してしまう自分を意識した。
当然ながらアメリカの話で改めて政治的分断の大きさに驚いてしまうが、日本においても過去メディアが果たした反ワクチンキャンペーンなど人ごとではないものがある。だが、信頼関係に基づく対話と言われてもというのも正直なところ。
当然ながらアメリカの話で改めて政治的分断の大きさに驚いてしまうが、日本においても過去メディアが果たした反ワクチンキャンペーンなど人ごとではないものがある。だが、信頼関係に基づく対話と言われてもというのも正直なところ。
2017年のトランプ米大統領誕生とともに、科学的な事実が政治的な利益のためにねじ曲げられち「ポスト真実」現象が注目を浴びた。
科学の世界では決着がついいているのにもかかわらず、トランプ大統領をはじめとする気候変動否定者はその事実を認めない。
科学否定論はこの気候変動に限らず数多くある。
本書は、これを信じる科学否定論者を分析するだけでなく、彼らと対話し、彼らの考え方を変える方策を探ろうとする。
著者は哲学を専門とし、机上で検討するだけではなく、実際に科学否定論者のもとに赴き、対話を試みる実践家である。
科科学的事実を前にしても考えを変えない者は、特別に愚かというわけではない。
人間はみんな、進化の歴史を通じて彼らと同じ脳のバイアスを与えられているからだ。
自説を信じ続けるのは、信念の形成において中心的役割を果たしているのは、証拠ではなくアイデンティティであることを理解する必要がある。
対話の目的は、彼らの心変わりではなく、科学者に対する信頼をもう一度取り戻してもらうことだ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます