医師法21条の届出、「犯罪と関係ある異状」に変更を

2016年02月26日 12時35分27秒 | 医科・歯科・介護
日医が改正を提言、罰則規定の削除も求める

m3.com 2016年2月24日 (水) 配信 橋本佳子(m3.com編集長)

■シリーズ:始動する“医療事故調”
 日本医師会は2月23日の常任理事会で、「医事法関係検討委員会」(委員長:柵木充明・愛知県医師会長)の答申、「医師法第21条の規定の見直しについて」を、日医の現時点での21条に関する見解として取り扱うことを了承した。
同答申は、警察への届出対象を、「死体を検案して犯罪と関係ある異状があると認めたとき」とし、21条に違反した場合の罰則規定(33条の2、50万円以下の罰金)の削除を求める内容だ。24日の定例記者会見で、日医常任理事の今村定臣氏が明らかにした(資料は、日医のホームページ)。
 今村常任理事は、「医療事故調査制度は、司法は関与しない制度設計になっている。21条の見直しも、基本的には同制度とは関係ない」と説明。しかしながら、同制度は、2014年6月に成立した改正医療法の附則で、施行後2年以内、つまりこの6月末までの見直しが求められており、21条の届出の在り方も検討課題となっているとし、「その点では、無関係ではないだろう」と補足した。今後、与党自民党などに21条改正を提言していくとし、「今の通常国会は難しいが、今秋に臨時国会があれば同国会で、あるいは来年の通常国会で改正できればありがたい」(今村常任理事)と述べた。

 「医事法関係検討委員会」は、改正医療法の附則を踏まえ、2015年7月から21条について検討を開始。計4回の委員会などを経て、2月9日に答申した。
 21条の異状死体の届出をめぐっては、2004年に東京都立広尾病院事件の最高裁判決で、「外表異状説」と判断された後も、診療関連死を届け出るか否かなど、その解釈や運用をめぐって混乱が生じている。21条の改正を求めるのは、改正医療法附則への対応と、これらの混乱を収めるのが日医の狙い。
 今回の21条改正案の考え方について、今村常任理事は次のように説明。「死体の検案を唯一委ねられている職業が医師であり、医師は犯罪の痕跡が認められた場合には、警察に協力する責務を負うという前提に立っている。この協力は、あくまで医師の職業倫理によるべきであり、罰則を持って強制される性質のものではない」。
 委員会での検討過程では、「犯罪と関係がある異状」との表現が医師に馴染みにくく、かえって混乱を増大させるとの意見も出て、「病死または自然経過による死亡でない疑いのある死亡」との表現案も出た。しかし、立法技術上、法律に新しい用語を入れる手続き上の困難さなどから、「犯罪と関係がある異状」に落ち着いた。「書きぶりについては、かなり議論があった。より良い表現があれば、それを採用することはやぶさかではない」(今村常任理事)。
 医師が「犯罪と関係がある異状」をどう判断するかについて、今村常任理事は、「外表の異状がない場合でも、実際には犯罪の痕跡が認められることはあり得る」と述べ、外表の異状だけでなく、血液検査や画像診断などの異常で犯罪が疑われる場合には届出の対象になると説明した。














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