6/12(金) 7:00配信
神戸新聞NEXT
積極的に声を掛け、詐欺被害を防いだ矢持恵利子さん=ファミリーマート丹波青垣店
詐欺被害を未然に防いだとして、兵庫県警丹波署は11日、同県丹波市内のコンビニ3店の店長や店員に対し、署長感謝状を贈った。贈呈式の会場となったのは、いつもの署長室-ではなく、各店舗。新型コロナウイルスの感染予防策として「3密」を避けるために行った措置だという。あいにくの雨の中、同署の高橋浩樹署長が自ら各店舗を回り、感謝の意を伝えた。(川村岳也)
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ファミリーマート丹波青垣店(同市青垣町沢野)で感謝状を受け取ったのは、店員の矢持恵利子さん(44)。4月23日、電子マネー30万円分の購入を申し出た60代女性に対し、携帯電話会社の店舗へ電話するよう依頼。詐欺と確認してもらった後、駐在所に向かうよう促した。女性は「サイトの未納料金を払わないと電話回線を止める」などと言われていたという。矢持さんは「購入金額が多額の時は声を掛けるよう、駐在所などから呼び掛けがあった。防げてよかった」と笑顔だった。
ファミリーマート柏原南多田店(同市柏原町柏原)では、店員の朝倉直美さん(52)に感謝状が渡された。同店では5月12日、50代女性が電子マネー3万円分を購入しようとした。女性は送られたショートメッセージに記載された番号に電話を掛けると「金を払えば何百万ももらえる」などと言われたという。事情を聞いた朝倉さんが同署に通報し、被害を防いだ。朝倉さんは「これからも積極的に声掛けをしたい」と意気込んだ。
セブン-イレブン丹波春日黒井店(同市春日町黒井)では、店長の古村志津子さん(56)が感謝状を受け取った。5月15日、同店に来店した60代女性は、電子マネー15万円分を購入しようとしたという。女性には「半年ほどの未払いがある。支払わないと訴える」などと電話があった。女性が「誰にも言うなと言われている」と話したことから、詐欺を疑った古村さんは、同署に通報し被害を食い止めた。古村さんは「これからも思い切って、何に使うか声を掛けるようにしたい」と話した。
高橋署長は「住民の防犯意識が高く、積極的に声を掛けてくれた。警察としてもありがたい」とたたえていた。同署によると1月以降、店員らが来店客に声を掛けるなどして詐欺被害を防いだ事例が6件あった。1月から現在までに、市内で特殊詐欺の被害は確認されていないという。
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