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国際宇宙ステーション/きぼう 今夜、広範囲で観測チャンス

2021年12月09日 14時05分23秒 | 【お知らせ】
 

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JAXA(宇宙航空研究開発機構)によると、国際宇宙ステーション/きぼうが、今日9日(木)夜に日本付近を通過します。

遮る雲が無ければ、全国的に国際宇宙ステーション(ISS)/きぼうを見るチャンスです。日が沈んで暗くなった空を見上げて、国際宇宙ステーションの姿を探してみてください。

(通過時間は、多少前後する可能性がありますのでご了承ください。)

今日9日(木)は細い月と木星が接近

2021年12月09日 14時03分25秒 | 【お知らせ】

日没後は南西の空に注目

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今日12月9日(木)は、細い月が木星に接近します。日没後、南西の空に寄り添うようにして佇む月と木星の様子を、お楽しみください。
 
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今日の夕方から宵、南西の空で月齢4.8の細い月と木星が接近して見えます。

月と木星の右下には土星と金星があり、3惑星が同じような間隔で並んでいる光景も見ものとなります。

希望の教育学

2021年12月09日 12時42分40秒 | 社会・文化・政治・経済
 
 
いまある状態が、すべてではない。ものごとを変える、変えることができる、という意志と希望を失ったそのときに、教育は、被教育者にたいする非人間化の、抑圧と馴化の行為の手段になっていく。
いまある所与の状態を引き受け、それを直視しつつ、誠実かつ老獪に「可能な夢」を模索する教育思想家フレイレの晩年の主著。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

フレイレ,パウロ
1921年、ブラジルの東北部に生まれた。1960年代初頭の「民衆文化運動」に参加、その卓越した成人識字教育の実践によって、広くブラジル内外の注目を集めた。
64年、軍部のクーデタで祖国を追われ、以後十五年間、チリ、スイスなどで亡命生活をおくる。その間に『被抑圧者の教育学』などの著作と第三世界各地での民衆教育プロジェクトへの参画を通して、伝達中心の「預金型教育」を批判、被教育者の主体性を重んずる「対話的教育」の必要を説きつづけた。
82年帰国、89‐91年はサンパウロ市教育長として公教育改革にとりくむ。1997年に急逝

里見/実
教育学専攻。国学院大学教員。前『ひと』編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
 
 

「人類の変革と発展」という遠大なビジョンを掲げ、長年にわたりり、民衆に英知と希望の光りを送る。

「たゆまぬ正義のたたかいによって、献身的で倦むことを知らぬ闘争によって、世界をつくりかえることが可能だ」
教育は知識の詰め込みではなく、この世界を人々とともに見つめ、「他者と手をたずさえ」、そして、「希望とともに闘う」ことによって、「人間としての尊厳」を勝ち光らせていく」営みだ。
「対話は人間の存在の根幹にかかわる希求である」
一方的な知識の伝達ではなく、対話によって学び合う知恵の啓発である。
「教育の世紀」をフレイレは志向した。

 
 
『脱学校化の社会』で有名なイヴァン・イリイチと並び称される20世紀ブラジルの教育者で、『被抑圧者の教育学』の著者である、パウロ・フレイレの著作です。
 政情不安定な南米という、この世において最も厳しいものの一つと言っていい状況下での、命がけの教育実践の記録です。
また、一人の知識人の、非知識人や被抑圧者に対する、自らの隠れた偏見やエリート意識との誠実な自己超克の戦い、その過程の赤裸々な記録でもあります。
 内容をきちんと理解するには数回読み返す必要がある本ですが、文章自体は話し言葉を用いて、とっつき易く・読み易く書かれています。
この書き方自体に、「自分と他者」「学びあい」「対話」等、教育において、「自分以外の相手の存在」への意識を重要なものと考える著者の姿勢が端的に現れていると感じます。
 ルソー、デューイ、ペスタロッチ、ラッセル等と教育学の古典を読んできて、この本に至りましたが「教える者と教えられる者は一方向の関係ではなく、互いがその相互の交わりの中で学びあい、教育しあう双方向の関係」「教える者は教えられる者がいて初めて完成する」という教育観は(根底にはそうした思想があるのかもしれませんし、私が読み取れていないだけかもしれませんが)これらの教育者の代表作にはなかったと思われる内容で、非常に啓発を受けました。
「他者の存在」なしには「自己の存在」は不完全である、という、他者に対する感謝と畏敬を呼び覚まし、人間と人間を結合させゆく思想は、仏教の縁起観とも響きあうものだと感じました。
 フレイレの教育を受けた被抑圧者たちが彼に送った「花など咲かぬと思われているところに、花を咲かせてしまう人がいるものです」という言葉にも、はっとさせられました。
 同時に、フレイレの著書が南米の被抑圧者たちに広く受け入れられ、彼らの行動の動機のひとつになっているという姿が、命を懸けて書かれた一冊の本、純粋なる至誠の言葉の力は、それに触れた人間の人生を決定的に動かしうるのだということを改めて示しているように思い、感動を禁じえませんでした。
 読んで絶対に損はない本だと思います。
 
 
農民の人々と促進者ととの関係から、その人々の生活の背後にあるものを問題提起をしながら、農民のエンパワメントを高め、私たちの自治の力を見いだしていく。
人々と同士として場を創っていく相互作用。
そして、私たちの社会を私たちのNeeds(窮乏、困窮、苦難、欠乏)からオルタナティブ(代案、代替物、二者択)一な世界を!
 
 
この本は、中南米の革命運動とその弾圧の歴史を書き記した本であり、その歴史の背後に(個人的には)アメリカの「民主主義」の影を読み取らざるを得なかった。
フレイレは、識字教育の実践者として、中南米の植民地主義(コロニアリズム)からの解放の最前線を歩き続けたのだろう。
彼の識字教育は、貧困にあえぎ、与えられた劣悪な生活環境を所与のものとして受け止めている人々が、「世界を読み、字を読む」過程において、自らが被抑圧者であり、しかもその抑圧された状況に対して働きかけ、新しい状況を産み出していく「自由」を持っているのだということを自覚していく、そういった機会を提供するものだと言える。

 だが、私がこの本を読んで一番心に残った言葉は、彼の著書『被抑圧者の教育学』から引用された一節だった。

「被抑圧者のみが、自分を自由にすることによって、抑圧者をも自由にすることができるのだ。階級としての抑圧者は、他者はもちろん、自分をすらも自由にすることができない」(『希望の教育学』p.136)

 ここで彼が具体的に指している「抑圧者」は、中南米の支配階級であり、白人階級であり、軍事政権であり、大規模プランテーション(熱帯や亜熱帯地域の国々で、その地域の国々を植民地にしていた欧米諸国が自国に輸出することを目的とした作物を栽培する為の経営者たちであるのだろう。
しかし、私はこの「抑圧者」という言葉に、例えば、教師や教育学者、治療者、カウンセラー、ケア・マネージャーなどを連想した。確かに「抑圧」という言葉は強すぎるような気もするが、しかし、彼らは自らをその役割(という束縛)から解放することを、自らの力のみによっては成し遂げることができないのではないだろうか? 
他者を救うことによって、はじめて自らも救われるという、大乗仏教のパラドックスをここに見ることができると思うのである。
 
 

世界の大学は何を求めているのか?

2021年12月09日 11時23分03秒 | 社会・文化・政治・経済

▼世界貢献の人材の育成
▼教育は<対話>によって人間の成長を促す。
▼人類の変革と発展を目指した世界規模の大学。
▼人類の未来のために平和を希求する。
▼平和な人間共和の世界を築く。
▼人間主義、人権の世界的ネットワーク、人間の尊厳を掲げる。
▼「多用性」大学においては、多様性は基本的に最も優先すべきものだ。
多様性は、包括的な社会を促進するだけでなく、世界全体に存在する深刻な不平等の問題を克服するための基本的ステップだ。
▼クオータ制(割り当て)の導入。
人種問題に対する不平等に立ち向かう必要な条件だ。
▼「持続可能性」である。
学内でプラスチックの使用を認めない。
▼エネルギー基盤の多様性を推進する。
学内に太陽光発電所を設置する。
国内でも、自然環境に対する破壊行為を続けている。
▼政治は政治家だけに任せるものではない。
社会や地球全体で抱えている深刻で緊急性の高い問題を認識することは、基本的なことだ。
▼平和のための事業を構築するのは、生活の質を高めるための具体的な条件に基づいて、良い対話と意見交換が不可欠だ。
▼政治とは「自由」である。
「自由」とは、より良く暮らし、社会の運命を決定する、共生の時代を生きるための必要不可欠な条件だ。
▼大学のモットーの一つは人間教育において、<人間を変革し、その人間が世界を変革する>ことにある。
つまり、世界に貢献する人材を育成する。
「世界平和のためのリーダー」を育成する。
▼教育のためのSDGs(持続可能な開発目標)と平和の文化を推進していく。
持続可能と平和の文化を若者の教育の必須カリキュラムとして取り入れる。

 


機能とニーズからみた大学のあり方と改革の方向

2021年12月09日 11時16分48秒 | 社会・文化・政治・経済

2006年08月28日 中原隆一

1.大学の社会的位置づけ

大学の倒産や経営の苦境がいくつか伝えられる中で、相変わらず新たに大学や大学の学部学科は増加している。これにはいろいろと説明がなされているが、筆者は大学という存在が社会の中で大きく変化していく過渡期にあるためと考えている。
大学や学部等の新設の動きは新たな大学像を模索する動きの一つと考えられる。不幸にも破綻した大学は従来と異なる新たな大学像を打ち出せなかったとも考えられる。以下過渡期の大学という意味と今後の大学改革の方向についてまとめてみる。
 大学についての議論を始める前に、大学は現実の社会でどのような存在であるかを確認しておこう。

 まず学生数では平成18年度の学校基本調査で大学(学部・大学院)に約286万人(内学部生250万人)が在籍している。約50年前の昭和30年には50万人強しか大学生がいなかった時代から一貫して毎年増加を続け、現状では約6倍近くまで増加している。
 またこの大学の学部に在籍している学生数250万人という数字は、一般的な学生の在籍年代に当たる19歳~22歳の人口数600万人(平成16年10月推計人口)の約42%に当たる。大学の進学率(対18歳人口)でみても約45%であり、大雑把に言えば大学は同世代の人口の4割以上が通う一般的な存在になっているといえる。

2.大学の存在意義と使命

 以上のように現状の大学は社会の中で相対的に一般化しつつあるが、次に大学の存在意義について整理すると次のようにとらえられる。

 まず大学は「高等教育」をそこで学ぶ学生に提供する教育機関と考えられる。研究や社会貢献も重要な使命であるが、「高等教育」は大学及び専門学校等の教育機関のみが行える活動であり、研究や社会貢献は広く他の機関でも十分行われている活動である。ただし「高等教育」の内容については実際にはいろいろと議論がある。
中央教育審議会によれば「人格の完成を目指し、豊かな教養を養うとともに基礎的知識及び専門的知識を教育すること。
創造性にあふれ、我が国と世界の科学や文化の発展の原動力となる最先端の卓越した人材を養成・確保すること。
人類の知的資産の継承と未来を拓く新しい知を創造すること。これらを通じ、社会の発展や文化創造に積極的に貢献すること。」を高等教育の使命としている。

 次に大学は高等教育機関ではあるが、本来は研究を主たる使命として生まれた機関でもある。高度な研究を行う研究者の下に学生が弟子として参集し教育を受けるというのが当初の大学の姿であったと考えられる。従って高等教育機能の基盤になるという意味でこの研究機能は大学として必須の機能と考えられる。
 ただ学術研究においては、その研究の進展速度が高まり、研究の領域が拡大し、研究の手法・設備等の開発も急速に変化してきている。
一方で大学以外でも研究活動の専門機関が公的にも民間でも数多く存在している。研究活動における大学の位置づけは個々の大学はともかく全体としては低下傾向にあるとみられる。その意味で大学が須らく最先端の研究や基礎研究を指向する必要性は薄れてきた状況とみられる。
大学は国内及び海外に数多くある様々な民間や公的な研究機関の中での自らの位置づけを認識して、研究活動に取り組むことが求められてきている。
 以上のように教育と研究が大学の使命として最も重要であるが、現代ではさらなる機能が大学に求められ、その蓄積されている知的資産を活用して社会を支援するための関連する専門知識を提供することを期待されている。
いわゆる社会貢献という考え方であり、今後大学と社会との接点は拡大していくと予想され、大学には社会への情報発信・問題提起に積極的に取り組むことが求められる。

 以上の他、大学には高等教育の一部として、ある分野の特殊な能力や高度な知識等が必要な人材の育成機能が求められる。例えば医療・法曹・芸術関係等の専門分野の人材が想定され、これらの分野における指導的人材の育成が大学には期待されている。
 また研究機能と社会との連携の発展形として大学での研究成果を実社会で実用化することやテストを行うことなどが、知的活動機関として大学に求められてきている。
民間ベースでは取り組みにくい実験や試験的な取組みを大学が研究活動の中で行うことなどが想定される。このように大学の使命や機能が従来から言われている教育や研究のほかに、より社会との接点に関連する機能が求められ、多様化している。

3.大学へのニーズ

 大学も社会的に存在していくためには大学の教育や研究に対する各種利害関係者へのニーズに対応することが求められる。
 利害関係者としてまず企業・産業界は大学に対して自社に必要な人材供給について強いニーズを持っている。
ただしこれまでは大学での教育内容にはあまり関心がなく、人数の確保を重視していた。
ところが最近は大学の教育内容を問題視し始め、教育レベルの引き上げを求め始め、さらには高度専門人材の養成を強く求めてきている。企業側は実際の経済活動の中で社会が求める人材、社会で必要な教育水準を実感として認識している。
大学側はこれら社会の情報から比較的遠い位置にあるため、教育内容と社会で求める教育水準のギャップに気づくのが遅くなり、結局企業の求める人材を大学は十分に供給できなくなっている。
その結果、企業の人材供給源としての大学に対する評価は全体としてみれば低下してきている。
 企業・産業界が大学に対して求めるもう一つのニーズとしては、大学で行われている科学技術分野の研究成果への期待である。これについて企業は人材供給と比べると大学への期待は強くなく、実際に大学の研究成果を企業が活用する産学連携活動は規模や成果で見る限りあまり盛んではない。
理由は様々に考えられるが企業の事業活動内容・方針と大学の研究内容・体制がかみ合っていないのが主因と思われる。
企業は研究成果による収益を求め、大学は学術的成功を狙うためである。このギャップは大学側の取組み改善などで縮まる方向には向かっているが、企業の期待を強めるまでには至っていない。

 次に大学に進学を希望している学生のニーズは、18歳人口の半分近くが進学する高等教育機関という位置づけを踏まえ、近年極めて多様化している。
もちろん「教養」「学問研究」「専門的な知識や技術」などの本来的な学習動機に基づく進学ニーズは依然として根強いが、一方で学問的な理由以外に基づく進学動機も多くみられるようになってきている。
たとえば「学歴」「資格」の獲得や取得などがあり、さらには特にニーズはなく「とりあえず進学」する学生も多いものと推測される。従来大学に期待される役割とはやや異なったニーズをもった学生が大学に入学してくるようになってきている。
ただ、そのように多様なニーズを持って進学してくる大学において、大学側がその多様なニーズに対応した教育等を提供しているかというと、やや疑問である。学生のニーズと大学での教育活動等とのギャップの兆候の一つとして、中退者、休学者等入学後大学に来なくなる学生が最近増加してきている。
 また学生は大学に入学すると、当初の進学理由に加えて将来の進路への支援という具体的ニーズを持ち始め、これへの対応が大学に強く求められているが、多くの大学の現状ではこれらの学生のニーズに十分応えている水準には至っていないと推測される。
 以上のように全体として大学に対する学生の評価は一般的にあまりよいとはいえない。

 その他にも行政機関は各種審議会や研究会に多くの大学教員を活用していることや、地方自治等において市民活動を支援する役割も果たしている。行政機関は大学に市民社会、地域社会等における知的集積拠点としての役割を期待している。
 また中等教育機関は大学に対し幅広く自校の生徒を受け入れてもらいたい意向をもっている。
学力、関心分野、進学理由、将来志望等で多様なタイプの生徒を抱えているこれらの機関は、多様な入学選抜方法や、教育内容の個性化を求めてきており、大学側が一方的に選抜方法や教育内容を決定することができなくなってきている。実際に大学側は入試において入学者確保のためもあり、推薦入学、AO入試等入試手法の多様化を進めている。

4.過渡期の大学における改革の方向

 これまで見てきたように、現在一括りに大学といわれている教育機関の社会における位置づけは大きく変化してきており、求められる機能も広範なものになってきている。
一方で大学に関わる関係者のニーズも大きく変化してきており、大学はその多くに十分対応できていない。つまり大学という教育機関は、特定の機能やニーズを満たす機関として一括りにはできなくなってきている。
 大学は18歳人口の半分近くが入学する教育機関として、あらためて自らの機能を再定義し、学生に提供するサービス内容を設定していくことが求められる。
前述した機能や中央教育審議会の答申で提示された機能(*)などから、自らの教育機関としての機能・サービスを明確化することが、大きな社会変化の中におかれた大学を改革する出発点になる。

<fontsize="-3">*「我が国の高等教育の将来像(答申)」:平成17年1月28日中央教育審議会
[大学の機能]
①世界的研究・教育拠点②高度専門職業人養成③幅広い職業人養成④総合的教養教育⑤特定の専門的分野(芸術,体育等)の教育・研究⑥地域の生涯学習機会の拠点⑦社会貢献機能(地域貢献、産学官連携、国際交流等)</fontsize="-3">

 教育機関としてどのようなニーズがあるか、あるいは教育機関としてどのようなサービスを提供したいか、などから自らの機能の検討を始めることが望まれる。
その上でさらに具体的な改革へ向けて組織形態、対象学生層、運営する人材など見直していくこととなる。
 例えば組織形態では現状のような意思決定が二重化しているような構造を見直す必要がある。たとえば理事長と学長、教授会と理事会の関係なども見直されるべき事項である。また学生層も高校新卒者以外の社会人や海外からの留学生など幅広く想定する必要がある。従来からの高校新卒者にあってもどのようなニーズや進路等を考えている学生層を対象とするのかまで検討することが求められる。
 さらに運営人材では、教員と職員の連携を強めることや、専門人材の確保や外部との人材交流を強めることなども検討されてよい。

 現在は過渡期であり各大学が自らの機能を模索しつつ見直している最中と位置づけられる。既成概念にとらわれて旧来の大学像に固執していると、伝統や実績のある大学であっても長期的には衰退の方向へ向かわざるを得ない。一方でこれから新規に参入する大学でも、自らの機能を明確に定め、それが社会のニーズに合致していれば、急速に発展する可能性もありうる。
 過渡期における大学運営はこれからが本当の競争になっていくと予想され、各大学の動きに注目していきたい。
株式会社日本総合研究所

世界の大学危機 : 新しい大学像を求めて

2021年12月09日 11時13分54秒 | 社会・文化・政治・経済

潮木守一著

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内容

大学が危機に直面しているのは日本だけではない。 先進国の大学は、第二次大戦後に拡張政策をとったために、それぞれ構造的な問題が生じている。 古典的な高等教育を維持しようとするイギリス、平等な公立大学の限界から脱出しようとするドイツ、大学以外の高等教育機関との調整に苦慮するフランス、そして、大学院化が一層進むアメリカ。 それぞれに事情の異なる各国の対処法から日本の大学が学ぶべきことは何か。

目次

第1章 イギリスの大学

第2章 ドイツの大学

第3章 フランスの大学

第4章 アメリカの大学

第5章 大学拡大政策の背景

第6章 知識のディズニーランド

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  • <input class="keyboard-focus" type="checkbox" data-v-08ec02eb="" />大学改革

    日本の大学のこれから、受験戦争、大学を筆頭とする教育界全体のこれからを考える。

  • <input class="keyboard-focus" type="checkbox" data-v-08ec02eb="" />受験

    子どもにとっての受験、親にとってのお受験、社会人にとっての資格試験など、さまざまな人のための「必勝術」指南。

  • <input class="keyboard-focus" type="checkbox" data-v-08ec02eb="" />エリートのつくりかた

    アメリカ・フランス・イギリス・シンガポールでは、エリートはどのように作られていくのか。ローズ奨学金制度とはなにか、日本のエリートはどこをめざすのかなどについて。

  • <input class="keyboard-focus" type="checkbox" data-v-08ec02eb="" />学力低下問題

    子どもの学力は低下しているかどうかの議論。学力低下を招いた要因の追求。大学生の学力の実態。問題の背後にある教育制度や改革について。

  • <input class="keyboard-focus" type="checkbox" data-v-08ec02eb="" />大学院、ビジネススクール

    アメリカの経営大学院の実態を詳細に紹介。ハーバード・ビジネス・スクールの基本理念や授業内容、そして学生たちが得るものとは。社会人大学院を利用して取得可能な資格の中身とその活かし方。急増する社会人大学院の実態。

  • <input class="keyboard-focus" type="checkbox" data-v-08ec02eb="" />教育改革

    教育問題が大きな社会問題となり、教育改革の必要性が叫ばれている。その実態や方向性、問題点など。

  • <input class="keyboard-focus" type="checkbox" data-v-08ec02eb="" />学校

    社会性に乏しい教師がいる一方で、心の病にかかる教師も多い。クレーマーと化した無理難題を要求する親の存在が学校を脅かす。いま学校で何が起きているのか。「学校再生」に必要なものとは。

  • <input class="keyboard-focus" type="checkbox" data-v-08ec02eb="" />就職、転職

    就職活動に関する疑問とその背後にある社会的要因の解明。日本の転職事情の変化とリストラ時代をチャンスに変える法。再就職支援のプロが教える自分の"売り"の作り方から面接での受け答えまで。

  • <input class="keyboard-focus" type="checkbox" data-v-08ec02eb="" />アメリカのエリート

    ソ連崩壊後、唯一の超大国として世界に君臨するアメリカ。その政治経済を牛耳るアメリカのエリートはどのように作られるのか。その実態と実像を報告。

  • <input class="keyboard-focus" type="checkbox" data-v-08ec02eb="" />日本人の教育・教養

    日本の学校教育、家庭での躾、古典の素養や道徳観、宗教心など日本人の身につけている教養などから、現代の日本人像を考える。

 

教育する大学――何が求められているのか

2021年12月09日 11時08分44秒 | 社会・文化・政治・経済

広田 照幸 (著, 編集), 田中 毎実 (著), 小方 直幸 (著), 吉田 文 (著, 編集), 後藤 昭 (著), 6 more

大学教育のあるべき姿とは何か。近代大学の成立以来、学術自体の価値という面から、また国家や社会が抱えるニーズへの対応、そして「消費者」としての学生への対応など、大学教育のあり方は、大学の役割の多面性を背景に多様に論じられてきた。

現代の社会・世界の変化が大学教育に何をもたらし、大学教育に何を求めているのかを考察する。

内容(「BOOK」データベースより)

本書では、「教える‐学ぶ」という関係の変容、「大学教育と職業」の関係の次元、そして「グローバル化が進む社会・世界の中の大学のあり方」という三つの柱に立脚しながら、「誰が誰に、何をどのように、何のために教えるのか」という問いをめぐり議論が展開される。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

広田/照幸
1959年生まれ。日本大学文理学部教授。教育社会学

吉田/文
1957年生まれ。早稲田大学教育・総合科学学術院教授。教育社会学

小林/傳司
1954年生まれ。大阪大学コミュニケーションデザイン・センター教授。科学技術論、科学哲学

上山/隆大
1958年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部教授。科学技術政策

濱中/淳子
1974年生まれ。独立行政法人大学入試センター研究開発部准教授。教育社会学、高等教育論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
 
 
日本の大学教育力を、現実に即して精確に描いている。高等教育制度が日本独特の学部と大学院の関係が、明治以降百年を経ながらも、戦後50校あまりで再出発しながら、大学数が十数倍の780校あまりになりながら、改善されない背景や政策の推移を精確に描いている。世界共通の学生の自己実現のための、職業教育としての大学教育、高等教育の目的である教養教育と専門教育の制度とその実績を歴史・政策的に振り返りながら、国際的な互換性を必要とする工学系教育の世界標準と日本の産業界と学会の関係などを精緻に分析しながら、脆弱な日本の高等教育の問題点を摘出している。
 最後を飾る吉見俊哉の冷静な総合的なとりまとめこそ、重要。教育の実態を踏まえずに、批判を続けてきた経済界の無知な批判に対して、理系大学院の実績、政策的不徹底と大学や大学院修了者への社会的な認知不足など高等教育に関する社会的な受容の知的水準の低さと現実を冷静に分析した議論は、国民的なコンセンサスを確認する良い議論であろう。