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伊藤詩織さんの裁判判決は勝訴 山口敬之さんは既婚者

2019年12月19日 21時31分16秒 | 事件・事故

2019年12月18日 

そもそも山口敬之さんは既婚者で妻も子もいると言われています。

同意云々より不貞行為では?

奥さんのプロフィールは…
フジテレビ元政治部記者
2002年に結婚
フジテレビディレクター
ということがわかりました。

当時は妻のほうが有名だったらしく、この記事には山口氏のことは出てこない。
しかし、山口氏の妻がフジの元政治部記者であることは、先日、本サイトでも指摘したとおりだし、何より、新婦のそばでにこやかに笑っているタキシード姿の山口氏の写真がバッチリ掲載され、キャプションに〈フジテレビ美人記者とTBSの政治部記者の結婚式〉と書かれていた。
引用:exciteニュース
安倍首相がやはり山口敬之の披露宴に!「FLASH」が15年前に披露宴の模様を報道、出席者に「安倍晋三」の名
リテラ 2018年2月15日 22:00

15年前の写真週刊誌「FLASH」に安倍晋三と山口敬之の深い関係を決定づける記事が掲載されていた(画像は光文社「FLASH」2018年2月27日号)
準強姦もみ消しにスパコン企業への巨額助成金というふたつの大きな疑惑が取り沙汰されているジャーナリスト・山口敬之氏。

山口氏は「安倍総理に最も食い込んでいるジャーナリスト」なる肩書きで活動してきただけあり、その注目は安倍首相との関係に集まっている。

しかし、当の安倍首相は、「取材対象として知っている」「記者として私の番記者であった者が『取材をしたい』ということで取材を受けたことはありますよ。それ以上のものでも以下のものでもない」と繰り返し答弁し、必死になって山口氏との深い関係を否定している。

 いくら否定しようとも、山口氏のデビュー作『総理』(幻冬舎)では異例の安倍首相の執務室での写真を表紙に使わせているほどで、中身を読めばその関係が「取材者と被取材者」というようなものではないことは明らかな話なのだが、そんななか浮上したのが、「安倍首相が山口氏の結婚披露宴に出席していた」という問題だ。
すでに本サイトでは、山口氏の結婚式に出席したという人物から「安倍さんが披露宴に出席していて、挨拶をしているのを見た記憶がある」という証言を得て、それを記事として配信した。だが、ここにきてネット上では「山口氏の結婚式に安倍首相が出席したときの証拠写真が写真週刊誌に近々掲載されるらしい」といった情報が駆け巡っている。

 ネット上の情報では、どの雑誌に掲載されるかなどは書かれていないのだが、本サイトで調べたところ、どうやらその写真週刊誌とは「FLASH」(光文社)の可能性が高い。

 というのも、「FLASH」は山口氏の結婚式がおこなわれた15年前、すでにその披露宴の様子と、安倍首相の出席を記事にしていたからである。

 その記事は、2002年12月24日号に掲載された「民主党 鳩山由紀夫代表がフジテレビ美人記者結婚式で「お気楽スピーチ」」というもの。民主党代表の後継選びで揺れるなか、鳩山代表が元民主党担当のフジテレビ女性記者の来賓として結婚披露宴に出席したことを伝える記事なのだが、これがまさに山口氏の結婚式だったのだ。

 当時は妻のほうが有名だったらしく、この記事には山口氏のことは出てこない。しかし、山口氏の妻がフジの元政治部記者であることは、先日、本サイトでも指摘したとおりだし、何より、新婦のそばでにこやかに笑っているタキシード姿の山口氏の写真がバッチリ掲載され、キャプションに〈フジテレビ美人記者とTBSの政治部記者の結婚式〉と書かれていた。

 さらに、注目すべきは本文にあった記述だ。〈披露宴に安倍晋三官房副長官、加藤紘一自民党元幹事長が顔を見せていた〉とはっきり書かれていた上、安倍氏が出席していることを踏まえて鳩山氏がスピーチで安倍氏の話題に言及したこともふれられていた。

 一方、写真だが、この2002年12月24日号に掲載された写真はタイトル通り、山口夫妻と鳩山氏がメインのため、安倍氏がいるかどうかはっきりしない。

 だが、じつは、このとき「FLASH」は新郎の山口氏側の来賓客である安倍氏についても、そこそこの数の写真を撮っていたらしい。つまり、「FLASH」はこのときの写真のアザーカットのなかから、安倍首相の写真をピックアップし、来週号で「これが安倍首相の山口敬之氏披露宴出席の証拠写真だ」とやるのではないかといわれているのだ。

「その動きはあるようですね。山口夫妻と安倍さんのスリーショット、あるいは安倍さんが挨拶している写真じゃないかとも聞いています。まあ、こういう披露宴やパーティでは記事に関係のない有名人も片っ端から撮りますから、当然、そういう写真は持っている。ただ、本当に掲載するかどうかは、蓋をあけてみないとわからないですよ。あの弱腰の『FLASH』ですから、どこかのルートで圧力がかかったらすぐに潰されてしまいかねない」(週刊誌記者)

 いずれにしても、安倍首相が山口氏の結婚披露宴に出席していたことは、当時の記事からも間違いないといえるだろう。そんなプライベートで付き合いのあった人間に対し、「取材対象として知っている」「被取材者のそれ以上でも以下でもない」という答弁は、あまりに実態とかけ離れている。

 いや、結婚披露宴に出席していたか否かの問題以前に、本サイトがさんざん指摘してきたように、当の山口氏自身はテレビに出演してはそのたびに、安倍首相にプーチン大統領を招いた高級温泉旅館に2回も連れて行ってもらっただの、トランプ大統領とのゴルフ後に電話がかかってきただの、いかに自分が安倍首相と個人的に親しいかをさかんに言いふらしてきたという事実がある。 また、前述の『総理』でも、山口氏とベッタリと密着し、安倍首相にとって山口氏が一介の記者というよりも「右腕」と化していたことが詳細にわたって綴られている。
こうした山口氏の発言・記述が虚偽だというのなら、すぐさま安倍首相や官邸が抗議していたはずだろう。だが、そんなことは一切なかった。つまり、山口氏はPR要員あるいは擁護要員として安倍首相の"公認"でメディアを舞台に活動していたことは疑いようのない事実なのだ。

 今後、山口氏の結婚披露宴に出席していたことを伝える写真が出てくれば、「取材対象として知っている」という安倍首相の答弁がいかに現実から乖離したものであるのか、さらに追及の声は高まるだろう。ぜひとも日の目を見ることに期待したい。(編集部)

 


1歳児をエアガン虐待し肺炎で死亡

2019年12月19日 20時59分40秒 | 事件・事故

 福岡県田川市で1歳4カ月の男児が低栄養状態に基づく肺炎で死亡した事件で、福岡地検は19日、保護責任者遺棄致死罪で、父親の同市伊加利の土木業、常慶(じょうけい)雅則(24)と母親の無職、藍(24)の両容疑者を起訴した。男児にエアガンを撃ち、けがをさせたとしている傷害容疑については処分保留としていたが、同日付で雅則容疑者を起訴し、藍容疑者を不起訴処分とした。

 起訴状などによると、雅則被告は2018年11月下旬ごろ、三男の唯雅(ゆいが)ちゃんに至近距離からエアガンを多数回発射し、頭や顔など全身に全治約3週間の傷を負わせたとされる。両被告は10月下旬までに重度の低栄養状態に陥った唯雅ちゃんが、両太ももや両腕、あばら骨など10カ所以上を骨折したうえ、肺感染症を発症したのに医療機関に受診させなかった。11月30日までの2週間で唯雅ちゃんを自宅に計51時間近く置き去りにするなどして12月1日に死亡させたとされる。地検は認否を明らかにしていない。

 捜査関係者によると、雅則被告は保護責任者遺棄致死容疑の逮捕後、自宅に複数回置き去りにして外出したことを認めたうえで「骨折や低栄養は分からなかった。病院には連れて行っていない」と供述してから黙秘に転じ、藍被告は一貫して黙秘しているという。県警などによると、唯雅ちゃんの死亡時の体重は生後2~5カ月の乳児と同程度の約6キロしかなく、虐待を受けた子供にしばしばみられる「胸腺(きょうせん)」の萎縮が確認されていた。【柿崎誠】

 

 

 

自身の会見に姿を見せた伊藤詩織さんに

2019年12月19日 20時24分47秒 | 事件・事故

元TBS記者・山口敬之さん「問題ない」

12/19(木) 

元TBS記者の山口敬之さんから性行為を強要されたとして民事訴訟を起こしているジャーナリストの伊藤詩織さんが12月19日、日本外国特派員協会であった山口さんの記者会見場に姿を見せた。ジャーナリストとして、取材しに来た形だ。これに対して山口さんはどう思ったのか。会見を終えた山口さんは、報道陣の取材に応じ、伊藤さんの行動を「問題ない」との見解を述べた。【BuzzFeed Japan/瀬谷 健介】

伊藤さんはこの日、山口さんの会見場で多くのメディアの記者たちと一緒に取材席に座った。

伊藤さんは真剣な眼差しでパソコンで表情を変えずにメモを取り続け、時折、山口さんや代理人の北口雅章弁護士らの方向を見つめていた。

山口さんは会見を終え、「日本外国特派員協会は、ジャーナリストでありさえすれば入れてくれる。伊藤さんはジャーナリストして活動しているんだから、私は問題ないと思っています」との考えを語った。

「伊藤さんに来てほしくないという気持ちはないです」と前置きしたうえで、今回の裁判における問題点を次のように指摘した。

「会見の中でも申し上げたが、どちらのにも確固たる客観的な証拠がない事案です。だから、伊藤さんの発言を聞けば、伊藤さんの主張を信じてしまうのはよくわかるんです。記者をやってましたから」

「別に気にはなりません」

そして、「だからこそ裁判の結果は納得いきません」とし、今後は取材に積極的に応じる姿勢を示した。

「私がここに来て話しているのは、私も発信をしない限り、伊藤さんの主張だけが、この判決結果のように反映されてしまう。みなさんの心、記事、テレビ番組のように。そうであれば、説明する機会があれば極力説明しようと思っています」

「みなさま側(報道側)にいた私としては、答えられる質問はできるだけ答えようと決めている。制限はありますが、そのつもりで私がいることはわかってほしいと思います」

報道陣の中には「伊藤さんが会見場にいて、話しにくかったのではないか」との質問が出たが、山口さんは「いや、別にそれは気にはなりません」とすぐに返答した。

「逆に伊藤さんがいる中で話せた方が、フェアかなと思っています」

 


伊藤詩織さん、中傷やセカンドレイプに「法的措置をとる」

2019年12月19日 20時16分06秒 | 事件・事故

元TBSワシントン支局長の山口敬之さんに対し、「酩酊状態で意識のない伊藤詩織さんに合意がないまま性行為をした」などとして慰謝料など330万円の支払いを命じた東京地裁の判決。

12月19日に日本外国特派員協会で記者会見を行った伊藤詩織さんは、記者の質問に答え、これまでに受けてきたセカンドレイプに対して「法的措置をとる」と明かした。

伊藤さんは2017年5月29日、司法記者クラブで会見を開き、名前と顔を出して山口さんからの被害を訴えた。性被害を顔や名前を明かして告発するのが珍しかったこともあり、大きな注目を浴びたが、一方で「ハニートラップ」などと心ないバッシングもあった。


SNSでは、伊藤さんらしき女性の横に「枕営業大失敗」などの文字が入ったイラストが拡散されたこともあった。

記者会見で、「もし高裁で勝訴した場合、セカンドレイプを訴える予定はありますか?」という記者からの質問に対し、伊藤さんは次のように述べた。

「どんな結果になろうと、民事でのピリオドが打てましたら、次は(セカンドレイプへの)法的措置を考えています。というのは、こういう措置を行わなければ、同じことがどんどん続いてしまう。私に対するコメントですが、それを見た他の(性被害)サバイバーたちも『同じように攻撃されるんじゃないか』と思ってしまう。いろんな人を沈黙させてしまうので、法的措置を取りたいと思います」

同日、山口さんも外国特派員協会で記者会見を開き、控訴する意向を改めて表明した。山口さんは、判決が「(伊藤さん側)一方の主張に偏っており、客観的証拠に基づいていない」と主張。「私は犯罪を犯していません」「(伊藤さんは)嘘をつく傾向がある」などと述べた。

ハフポスト日本版編集部

 

 


下心があったんだろうなとしか思えない

2019年12月19日 17時09分32秒 | 事件・事故

玉川徹氏、性暴力裁判で伊藤詩織さんの勝訴に「二審、三審ってあるけど、もしかしたらひっくり返るかも…だけど僕は詩織さんの言っていることを信じます」

 19日放送のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜・前8時)ではジャーナリストの伊藤詩織さん(30)が元TBS記者・山口敬之氏(53)から性暴力を受けたとして1100万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁が判決公判で「酩酊状態で意識がない伊藤さんに合意がないまま性行為に及んだ」と認定し、山口氏に330万円の支払いを命じたことを報じた。

コメンテーターで同局の玉川徹氏は「民事なのでどちらの証言に信用性があるかって、そういう風なことなんですけど」と前置きした上で自身の見解を示した。

 玉川氏は「まず伊藤さんが置かれていた状況は、アメリカで働くことが内定している状況で上司になりえる人だったんですね、山口さんは。最終的な詰めの段階にあってビザの発行とかその辺だったんですけど、そういう風な段階で彼女は、やっと職を手に入れられる状況にあって、もし合意で性行為をした後にわざわざ、それをひっくり返すようなことをやること自体が不自然なんです。上司になる人をわざわざ貶めることをして欲しかった職を失おうとすること自体がまず不自然」と指摘した。

 さらに「一方で山口さんは、逆に手続き上の問題ぐらいしか残ってなかった状況で喫茶店でもいいわけです、お話するには。それをわざわざ2軒、居酒屋さんとお寿司やさんを事前に設定しておいて、彼女は酩酊状態になるわけです」とし「送っていくときに酩酊状態になったら僕だったら、急性アルコール中毒を疑います。だったら病院へ連れていこうと考える。そうじゃないとするなら家に送っていこうと考えるのが普通。そのなか、わざわざ自分が泊まっているホテルに連れて行くっていう選択肢は思いつかないですね、介抱としても」と指摘した。

 その上で「僕は下心があったんだろうなとしか思えない。だから、酩酊状態の中で性行為をすれば、当時の法律だから準強姦になるのかな?そういうことが認定されるわけで、二審、三審ってあるけど、もしかしたらひっくり返るかもしれない。なんでかというと、もともとこれ、逮捕状が発行されたのが執行されるまで止まっているのが異常なんで、こんな異常なことが起こるんだったら、これからも異常なことが起こりえるなと上にいけばいくほどって思っているんだけど、僕は詩織さんの言っていることを信じます。仮にどうなったとしても」とコメントしていた。

報知新聞社

 

最終更新:12/19(木) 10:04
スポーツ報知

 
 

女子中学生監禁 元私立中学教員に懲役15年求刑

2019年12月19日 16時34分00秒 | 事件・事故

12/19(木) 群馬テレビ

教え子の女子中学生をわいせつ目的で連れ去り車に監禁したとして、殺人未遂や監禁致傷の罪に問われた元教員の男の裁判員裁判が18日、前橋地裁で開かれ、検察側は懲役15年を求刑しました。

 殺人未遂や監禁致傷などの罪に問われているのは、元私立中学教員の内田慎也被告28歳です。起訴状によりますと、内田被告は、2019年6月、群馬県高崎市の女子中学生の家に侵入し、殺意をもって腕やタオルで被害者の首を絞めて失神させ車で連れ去り、わいせつと加害目的で車内に監禁したなどとして殺人未遂や監禁致傷などの罪に問われています。

 18日の裁判で検察側は、腕やタオルで被害者の首を締め続けた行為について「人が死ぬ危険性が高い行為だったのは明らか」と指摘し、「動機も身勝手で強く非難できる」と懲役15年を求刑しました。

 一方、弁護側は、殺人未遂罪については成立しないと主張し、被告が反省していることなどから保護観察付き執行猶予の判決を求めました。

 なお、判決は12月20日に言い渡されます。

 

 

 


病気認定されたゲーム障害の 現状と今後

2019年12月19日 15時27分44秒 | 医科・歯科・介護

やめられない怖い依存症!脳に異常が起きるゲーム障害の症状、治療法

更新日2019年10月17日 NHK

解説いただいた専門家

国立病院機構 久里浜医療センター 院長

樋口 進 (ひぐち・すすむ)

ゲーム障害とは

ゲーム障害とは

 

ゲーム障害は、ゲームに熱中し、利用時間などを自分でコントロールできなくなり、日常生活に支障が出る病気です。WHO(世界保健機関)では新たな病気として2019年5月に国際疾病分類に加えました。
ゲーム障害の患者数は、はっきりとわかっていませんが、厚生労働省の調査では、「ネット依存」が疑われる人は成人で推定約421万人、中高生で約93万人(2017年)いると推定されています。また、久里浜医療センターを2016年~17年に受診した人のうち、ネット依存の約90%がゲーム障害でした。

ゲーム障害では、脳に異常な反応が起き、依存状態から抜け出せなくなる

前頭前野と大脳辺縁系のバランスが適切な状態のイラストゲーム障害では、脳に異常な反応が起き、依存状態から抜け出せなくなる

 

私たちの行動は脳の前頭前野と大脳辺縁系によってコントロールされています。前頭前野は主に「理性」をつかさどり、大脳辺縁系は「本能」「感情」をつかさどっています。通常は前頭前野の働きのほうが優勢ですが、ゲーム障害が起きると、前頭前野の働きが悪くなり、大脳辺縁系による「本能」「感情」に支配され、依存状態から抜け出すのが難しくなってしまいます。

ゲーム障害の患者さんの脳では、ゲームを見ると脳に異常な反応が見られます。これは、アルコール依存やギャンブル障害の患者さんでも確認できる同様の異常反応です。脳に異常な反応が起こると、「ゲームをしたい」「遊びたい」などの衝動的な欲求に襲われ、ますます依存状態から抜け出せなくなります。
このような依存状態が続くと、「理性」をつかさどっている前頭前野の機能が低下し、ゲームに対しての欲求がさらにエスカレートしていきます。

とくに未成年者では、前頭前野の働きが十分に発達していないため、ゲーム障害が起こりやすく、将来にわたって影響が続く可能性があると考えられています。

ゲーム障害の問題

ゲーム障害で起きる問題を示したグラフ

 

ゲーム障害で受診した9歳〜46歳までの患者さんに起きた問題を調べた所、59%が「欠席・欠勤」、33%が「引きこもり」に、76%が「朝起きられない」、60%が「昼夜逆転」が起きていました。また、そのうちの12%は「退学・放校」、7%が「失職」するなど、日常生活に支障を来たしています。

ゲーム障害が暴力行為につながることを示したグラフ

 

さらには、51%が「物にあたり、壊す」、27%が「家族に対す暴力」といった、問題も起きています。

ゲーム障害の兆候とは

ゲーム障害の兆候のまとめ

 

ゲーム障害は誰にでも起こる可能性がある病気です。そのため、ゲーム障害の兆候を知り、早めに気付くことが大切です。

下記が、ゲーム障害の8つの兆候です。

  • ゲームをする時間がかなり長くなった
  • 夜中までゲーム続ける
  • 朝起きられない
  • 絶えずゲームのことを気にしている
  • ほかのことに興味を示さない
  • ゲームのことを注意すると激しく怒る
  • 使用時間や内容などについて嘘(うそ)をつく
  • ゲームへの課金が多い

 

これらの兆候が見受けられる場合は、まず注意することが大切です。注意をすることで、ゲームの時間が減ったり、やめることができたりすれば、あまり問題はありません。しかし、注意してもゲームをする時間が減らない場合は、ゲーム障害が疑われます

ゲーム障害の診断

ゲーム障害の診断

 

ゲーム障害に気付いたら、まずはゲームをやめたり、ゲームをする時間を減らすように注意することが大切です。やめられない場合は「ゲーム障害」が疑われます。診断にあたっては問診で次の4つの症状を確認します。

  • ゲームをする時間をコントロールができない。
  • ほかの生活上の関心事や日常の活動よりゲームを優先する。
  • ゲームによって問題が起きているにもかかわらずゲームを続ける。
  • 学業や仕事、家事などの日常生活に著しい支障がある。

 

上記の4項目のすべてが当てはまり、12か月以上続く場合に「ゲーム障害」と診断されます。

ただし、この4つの症状がすべてが当てはまり、しかも重症である場合には、継続時間が12か月よりも短くてもゲーム障害と診断されることがあります。
特に、小中学生では短期間で重症化しやすい傾向がみられます。

ゲーム障害の治療

ゲーム障害の4つの治療方法

 

ゲーム障害の治療は、下記の4つの方法があります。

  • 診察
  • カウンセリング
  • デイケア
  • 入院療法

 

基本的には通院で「診察」や「カウンセリング」、「デイケア」などを行なっていきます。これらを受けてもうまくいかない時は「入院療法」を行なっていきます。

診察

ゲーム障害の診察内容

 

診察では、まず医師が患者さんの症状や健康状態、日常生活をチェックし、それをもとに治療方針を立てます。そして、その方針に沿って、定期的にフォローアップしていくことになります。

今のところ、ゲーム障害に有効な薬物治療はありません。しかし、ゲーム障害で起きる症状に対して、有効な薬物治療がある場合はそれを行います。例えば、不眠で眠れない場合、不眠に対して有効な薬を処方して症状を改善していきます。

カウンセリング

ゲーム障害のカウンセリング内容

 

カウンセリングでは、ゲーム障害についての理解をすすめることで、ゲームをする時間を減らす・やめる必要性に気づくよう対話をおこなっていきます。
対話する際、ゲームへの思い・没頭してしまう原因・日常的なストレスなどを聞きとって、治療に役立てていきます。

デイケア

ゲーム障害のデイケア内容

 

デイケアでは、集団で運動したり、食事したり、ディスカッションなどを行ったりしていきます。卓球やバドミントンなどのスポーツをすることで、体力が低下していること感じたり、ゲーム以外にも楽しいことがあることが実感できます。ディスカッションでは、「どのようにしてゲームの時間をへらすのか」「ゲーム以外の活動を充実させる方法」というようなテーマで話し合っていきます。その際、ゲーム障害から回復した方にも参加していただき、体験談を語ってもらうこともあります。

ゲーム障害のある患者さんは、人とのコミュニケーションに対して苦手意識を持っている場合が多く、ゲームに没頭してしまう傾向があります。デイケアでは集団で行動していきますので、コミュニケーション能力をアップすることも期待できます。

医療機関によっては、家族が参加する家族会を実施したり、一週間程度の治療キャンプをおこなっているところもあります。

入院療法

ゲーム障害の入院療法の内容

 

「診察」「カウンセリング」「デイケア」などの治療を受けても症状が改善されない場合は「入院療法」が検討されます。
入院療法では、2か月程度入院して、物理的にゲームから遠ざけます。そのため、入院中はゲームなどができるオンライン機器は使えないようにします。

入院中は、医師や家族と繰り返し話し合いをおこなっていき、退院した後のゲームとの付き合い方についても具体的に決めていきます。また、入院することによって生活リズムを整えることもできます。ただ、現在のところ、入院療法をおこなっている医療機関は限られています。

ゲーム障害から子どもを守る、予防方法とは

ゲーム障害から子どもを守るためのポイント

 

子どものゲーム障害を予防する方法として、まず有効なのがゲームを始める年齢を遅くすることです。
すでにゲームを始めている場合は、1日のゲームをしてもいい時間やゲームができる時間帯・場所を明確に決めることが有効です。その際、紙にかいて部屋に貼っておくこと、子どもの意向も取り入れることが大切です。

また、ゲーム以外のリアルの生活を充実させることでも、ゲーム障害を予防できるといわれています。

ゲームよる問題が発生した場合は医療機関に支援を求める

ゲーム障害の兆候に気づいたり、ゲームによる問題が起きたりした時は、家族だけで解決しようせず、医療機関や外部の方に支援をもとめることが大切です。

ネット依存やゲーム障害の治療は全国でおよそ80か所の医療機関(2019年2月現在)で受けることができます。まずは、最寄りの精神保健福祉センターや保健所に問い合わせてみるとよいでしょう。

 

 

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2019年2月号に詳しく掲載されています。

きょうの健康テキスト
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病気認定されたゲーム障害の 現状と今後 2 - 国民生活センター

(Adobe PDF)
www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-201910_02.pdf

2019年5月、世界保健機関(WHO)が「ゲー. ム障害」を新たな国際疾病分類として認定しま. した。ゲーム障害とは、ゲームをする時間をコ. ントロールできない、他の生活上の関心事や日. 常の活動よりゲームを優先するといった症状が. 1年以上継続することを ...


映画「最強のふたり」

2019年12月19日 15時16分57秒 | 社会・文化・政治・経済

フランス版も最強だけど、ハリウッド版もまた最強!
感動の“あの名作”がリメイク! ついに日本でも劇場公開
見れば心がゆるゆるとほぐれ、明日がもっと好きになる注目の良作

2013年に日本公開され、大ヒットを飛ばしたフランス映画「最強のふたり」。

黒人青年と障害を抱えた大富豪による“まさかの友情”は、日本中の観客を幸福感の膜で包みこんだ。

そんな名作が花の都・パリを離れ、映画の都・ハリウッドで新たに生まれ変わった。

タイトルは「THE UPSIDE 最強のふたり」(12月20日から劇場公開)。原点をリスペクトし、どこまでも誠実に紡がれた注目の良作を、心ゆくまでご堪能あれ。


スラムの黒人青年×全身まひの白人大富豪が織りなす“奇跡の友情”
大ヒットを記録した「最強のふたり」が、日本を再び感動の渦で包む

スラム街出身で学も職もなく、妻子にも見放されたデル。病で最愛の妻を失い、自身も事故によって全身まひとなった大富豪フィリップ……。本作を見ると、オリジナル版を初鑑賞したときのあの“最強の感動”が、瞳を通り鼻から吹き抜けていく。心がゆるゆるとほぐれ、明日がもっと好きになる。そんな作品の見どころを、紹介していこう。


・貧困層の黒人青年×ハンディキャップの白人大富豪 実話から生まれた感動の物語

職業安定所で紹介される仕事を鼻で笑っては無為に過ごし、また社会から脱落しかけていたデル。ある日、ひょんなことからフィリップの“生活援助者”の採用面接に紛れ込んでしまう。

そこは大富豪の大邸宅。自分とは住む世界が違ううえに、仕事への興味を1ミリも感じなかったデルは、ヤケクソ気味に「俺を不採用にしろ」と吐き捨てる。しかし以前から「蘇生措置は時間の無駄」と人生に絶望していたフィリップは、「君を雇おう」と、やぶれかぶれとも漢気ともとれる表情で採用を決める。

食事、移動、入浴、排せつ……デルはフィリップの生命を維持するどころか、事あるごとに死にかけさせてしまう(まるで狙い澄ましたかのように)。当然、秘書のイヴォンヌは「アウトの行動を3回したらクビ」と般若の形相。ところがフィリップ自身は、大雑把がゆえに差別もしないデルとの生活を、意外にも楽しんでいた。

時に冗談を言って笑い、時に罵詈雑言を浴びせ合い、時にハッパを吸ってホットドッグをほお張り、時にオペラ観劇中にヤジを飛ばして周囲から白眼視される……。出会うはずのなかったふたりによる、実話であることが信じられないほど奇跡的な物語が、スクリーンで躍る。


・ハリウッドで忠実&真摯にリメイク! キャスト&街並みがまばゆく輝く

主演はコメディアンとしてデビューを飾り、近年は「ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル」などで存在感を示したケビン・ハート。いい加減で息子にも平気で嘘をつくデルが、次第に変化していく過程を、チャーミングだがどこか切実なトーンで演じきった。

さらにドラマ「ブレイキング・バッド」シリーズのブライアン・クランストンが、フィリップ役で同じく主演。同シリーズでは、がん宣告を受け麻薬密造に手を染める高校教師を熱演したが、今回もそれに通ずる難役だ。動かない肉体に精神を閉じ込められ、暗く冷たい諦観から逃れられずにのたうつ大富豪の心情を、丹念に表現してみせた。

ほか、イヴォンヌ役のオスカー女優ニコール・キッドマンら、共演陣の好演も光る。舞台やキャラ設定に変更はあるが、リメイクはあくまでも忠実にして真摯な姿勢で一貫。鑑賞中、オリジナル版とまったく同じ温かい気持ちが、胸いっぱいに広がっていく。


・あの名シーンが、新たにスクリーンによみがえる――

例えば、オリジナル版ではファンクの名曲「ブギー・ワンダーランド」が盛り上げたダンスシーン――。果たして数々の名場面は、今回、どんなかたちで映し出されるのか。オリジナル版も素晴らしかったが、ハリウッド版もまた格別。人生を上昇させる新たな“最強のふたり”を、じっくりと味わってもらいたい。


【予告編】 幸福が心の隅々を満たしていく―― 人生を豊かに彩る、感動の一作


オリジナル版に感動し、コメントを寄稿していた著名人たちは、
本作をどう見て、何を感じたのか――

13年のオリジナル版公開時、数々の著名人が同作を絶賛するコメントを寄稿していた。彼らは、リメイク版をどう鑑賞し、そして何を感じ取ったのか。改めて、感想を語ってもらった。


 人と人が、分かり合える事、それがどれだけ奇跡的な、素晴らしい事か、どれだけ簡単で、どれだけ難しいか! パラグライダーが空に創る笑顔が心に残る。
――小堺一機
 アメリカ版か。そう見始めた。が、来たー! イヴォンヌとデルのダンスシーン、彼は小ちゃい! ここよ、これがこの映画の素晴らしいとこ。彼は愛する家族のためただただ稼ぎたい。スラム街に住む小さな男に大きな生きる意味を見出した大富豪フィリップ。だから小ちゃいがデルは、最強なんよ。ナイスキャスティング!!
――綾戸智恵(小ちゃいジャズシンガー)
 リメイクなんか見たくない! ……大好きな作品ほど。そんな思いが見事に覆されました。やはり映画は哲学と、そしてディーテイルですね。
――辰巳琢郎(俳優・日本のワインを愛する会会長)
 飾らない、心からの言葉や行動に惹かれます。何もかもが真逆の二人……こんな風に出会って、お互いに強く思いあえる確率ってどれくらいあるのだろうかと思う。ほろっとして、手を叩いて、大笑い。なんて気持ちの良い映画なんだろう!!!!
――中村江里子(フリーアナウンサー)
 こんな出会いの出来る 人生に 祝盃をあげたい!! 2人の出会いによって 2つの 人生が拓け そして 一つに成っていく 深く 暖かく 静かな 感動に包まれる!!
――片岡鶴太郎(俳優・画家)
 人生は好きな道を見付けてそれを広げる事! と全身マヒの大富豪は言う。オレが父親に始めて会ったのは刑務所の中だったと介護人のコトバ。そしてステキな友情が空に舞う!
――林家木久扇(落語家)
 育ってきた環境や今までのスキルも年齢も違うふたりにとってそんなことは関係ない。互いに欠けたピースを組み合わせれば無限の丸いピースがやって来る。スケールのデカいハリウッド版はサイコーに愉快だった。
――ダイアモンド☆ユカイ(ロックシンガー・俳優)
 生きることはまるで感情のジェットコースター。笑ったり激怒したり深く傷ついたり。自分に見切りをつける生き方も潔いけど、友とならどんな急降下もきっと楽しめる!
――くさか里樹(まんが家/「新生ヘルプマン ケアママ!」週刊朝日連載)

 

最強のふたり』(さいきょうのふたり、原題: Intouchables)は、2011年フランス映画頸髄損傷で体が不自由な富豪と、その介護人となった貧困層の移民の若者との交流を、ときにコミカルに描いたドラマ。

2011年10月23日、第24回東京国際映画祭のコンペティション部門にて上映され、最高賞である東京サクラグランプリを受賞し、主演の2人も最優秀男優賞を受賞した。

また、第37回セザール賞で作品・監督・主演男優・助演女優・撮影・脚本・編集・音響賞にノミネートされ、オマール・シーが主演男優賞を受賞した。

フランスでの歴代観客動員数で3位(フランス映画のみの歴代観客動員数では2位)となる大ヒット作となった。日本でも興行収入が16億円を超え、日本で公開されたフランス語映画の中で歴代1位のヒット作となった。

最強のふたり
Intouchables
監督 エリック・トレダノフランス語版
オリヴィエ・ナカシュフランス語版
脚本 エリック・トレダノ
オリヴィエ・ナカシュ
製作 ニコラ・デュヴァル・アダソフスキフランス語版
ヤン・ゼノウフランス語版
ローラン・ゼイトゥンフランス語版
出演者 フランソワ・クリュゼ
オマール・シー
アンヌ・ル・ニフランス語版
オドレイ・フルーロ
音楽 ルドヴィコ・エイナウディ

あらすじ[編集]

パリに住む富豪のフィリップ(フランソワ・クリュゼ)は、頸髄損傷で首から下の感覚が無く、体を動かすことができない。フィリップと秘書のマガリー(オドレイ・フルーロ)は、住み込みの新しい介護人を雇うため、候補者の面接をパリの邸宅でおこない、そこにドリス(オマール・シー)が面接を受けに来る。しかしドリスは職に就く気はなく、給付期間が終了間際となった失業保険を引き続き貰えるようにするため面接を受け、不合格になったことを証明する書類にサインが欲しいだけだった。気難しいところのあるフィリップは、他の候補者を気に入らず、介護や看護の資格も経験もないドリスを、周囲の反対を押し切って雇うことにする。

とりあえず試用期間として1ヶ月間フィリップの介護人として働くことになったドリスは、彼の豪邸で自分専用のトイレ・バス付きの部屋を充てがわれ、昨日までの生活の変わりようを喜ぶ。ドリスの仕事ぶりは少々雑ではあったが、フィリップは自身を病人としてではなく、一人の人間として扱ってくれる彼と次第に親しくなっていく。働き始めて1ヶ月後ドリスはフィリップの信頼を得て本採用が決まり、ある晩2人で外食した際に彼の体の障害や亡くなった妻の話を聞く。

数日後、フィリップが文通相手の女性に出す手紙をマガリーに代筆してもらっていた所、部屋に入ってきたドリスに「相手の女性とはお互いに顔も声も知らない」と伝える。まどろっこしく感じたドリスは文通相手の電話番号を見つけて勝手に電話してしまい、仕方なく電話に出たフィリップは相手の女性と後日外で会う約束をする。数日後、文通相手と会うために助手と2人で待ち合わせ場所に向かうフィリップだったが、自身の障害を知られるのが怖くてドタキャンしてしまう。

フィリップに電話で呼び出されたドリスはそのまま2人で飛行機で旅行に出かけ、プロの手を借りてパラグライダーでしばしの時間大空を舞う。フィリップの邸宅に戻ったフィリップとドリスだったが、そこに問題を抱えたドリスの弟がやって来て兄に助けを求める。ドリスから実家で暮らす家族の話を聞いたフィリップは、彼を実家に帰す時が来たと感じ親友のような存在となった彼との別れを決意する。

解説

車いすで生活している大富豪と介護者として雇われた黒人青年が垣根を越えて友情を結ぶ、実話を基にしたヒューマン・コメディー。年齢や環境、好みも異なる二人が、お互いを認め合い、変化していくプロセスを描いて..


リスクマネジメントの必要性

2019年12月19日 15時07分52秒 | 社会・文化・政治・経済

中小企業庁 - 経済産業省

■リスクマネジメントとは

リスクマネジメントとは、リスクを組織的に管理(マネジメント)し、損失等の回避又は低減を図るプロセスをいい、ここでは企業の価値を維持・増大していくために、企業が経営を行っていく上で障壁となるリスク及びそのリスクが及ぼす影響を正確に把握し、事前に対策を講じることで危機発生を回避するとともに、危機発生時の損失を極小化するための経営管理手法をいう。

従来から、企業が意思決定を行う際には無意識のうちにリスクマネジメントを行っていたと思われる。

しかしながら、最近では業務の複雑化によりアウトソーシング化が進んだ結果、外注先の業務停止が及ぼす自社への連鎖的影響の拡大や、従業員の法令違反により企業の経営をゆるがすような品質問題の発生等の新たなリスクが顕在化している。

以前よりもリスク管理の重要性が増しており、企業がリスクマネジメントを積極的に行うことが求められている。

まず、リスクマネジメントを行う企業の体制はどのようになっているのであろうか。第2-4-9図は、企業のリスク管理体制を企業規模別に示したものである。

大企業では「リスク管理を担当する専門部署がある」が18.5%、「リスク管理は総務・企画部門等が兼務している」が66.9%となっており、組織的にリスク管理を行っていることが分かる。

他方で、中小企業は「リスク管理を担当する専門部署がある」は僅か3.9%、「担当部署なし」が40.4%となっており、中小企業においてはリスク管理体制が十分に整っていない様子がうかがえる。

■リスクマネジメントの展開

リスクマネジメントを実施していく場合、一般的に、〔1〕リスクの発見及び特定、〔2〕リスクの算定、〔3〕リスクの評価、〔4〕リスク対策の選択、〔5〕リスク対策の実施、〔6〕残留リスクの評価、〔7〕リスクへの対応方針及び対策のモニタリングと是正、〔8〕リスクマネジメントの有効性評価と是正というプロセスを経ることとなる(第2-4-10図)。

第2-4-10図 リスクマネジメントのプロセス
Excel形式のファイルはこちら

まず、企業の事業目的に関連してどのようなリスク要因があるかを発見し、リスクとして特定することが必要となる(〔1〕)。

次に、特定したリスクを「リスクの発生確率」及び「リスクが顕在化した場合の企業への影響度」という二つの軸で、企業にとっての重要度を算定する。

この二つの軸について定量評価が困難であれば、定性評価により「大」、「中」、「小」に区分する方法が有効である。

発生確率と企業への影響度を基準に比較したリスクマップ等を作成し、事業に関わるリスクを整理する(〔2〕)。

続いて、〔2〕で算定したリスクを一定の基準に基づいて、対応する上での優先順位を付ける(〔3〕)。

リスク対策にはリスクコントロールとリスクファイナンシングの二つの手法があり、更に六つに細分化される(第2-4-11図)。

第2-4-11図 リスク対策の方法
Excel形式のファイルはこちら

リスクコントロールとは、損失の発生頻度と大きさを削減する方法であり、リスクファイナンシングは、損失を補てんするために金銭的な手当てをする方法であり、保険等で第三者に金銭的なリスクを移転する(負担させる)「移転」と、資金の積み立て等を行い、損失を自己負担する「保有」に分かれる。リスクコントロールにより、損失を削減し、リスクファイナンシングを実行することにより効果的な対策となる(〔4〕)。

選択したリスク対策について、具体的に実現するためのリスクマネジメントプログラムを策定した上で実施する(〔5〕)。

リスク対策実施の結果、残留リスクが当初の意図通り、容認できる水準となっているか否かを評価する(〔6〕)。

定期的若しくはリスクが顕在化し重大な損失が発生したときに、リスクへの対応を見直すことが必要である(〔7〕)。

適切かつ効率的なリスクマネジメントの仕組みが構築・運用されているか否かについて、有効性を評価し、是正する(〔8〕)という一連の流れがリスクマネジメントのプロセスである。

このように、リスクマネジメントは組織として取り組むことが求められるが、リスクマネジメント体制の構築により全てのリスクに完璧に対応できるわけではない。

リスクマネジメントは企業として持続的発展を続けていく上で障壁となるリスクを把握し、対策を講じることが主眼となる。

つまり、全てのリスクを管理するのではなく、経営に大きな影響を与えるリスクに対し重点的に対策を講じることが重要となる。

以下では、外部認証を積極的に取得し、リスクマネジメントを進めている事例を紹介する(事例2-4-4)。

このように、リスクマネジメントを進めていくには経営者のリーダーシップのもと、従業員が目標を共有して取り組むことが必要である。


パスカルの言葉

2019年12月19日 14時47分40秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

クレオパトラの鼻がもう少し低かったら、世界の歴史は変わっていただろう。

恋愛に年齢はない。それはいつでも生まれる。

我々が本当に愛するのは、人間そのものではなくて、人間のもっている特性ということになるのである。

人は恋愛を語ることによって恋愛するようになる。

人間の偉大さは、考える力にある。

時は悲しみと口論の傷を癒す。人はみな変わる。過去の自分はもはや現在の自分ではない。悩む者も悩ます者も、時がたてば別人になる。

親切な言葉に費用はかからない。しかし、多くのことを成し遂げる。

心には理性で分からない理由がある。

生涯において最も大切なことは職業の選択である。しかし、偶然によってそれは決まる。

人間には二種類しかない。一つは自分を罪人だと思っている善人であり、他の一つは、自分を善人だと思っている罪人である。

人々は美徳の点ではそんなに差異はなく、悪徳の点でのみ差異がある。

神を感じるのは心情であって、理性ではない。信仰とは、そのようなものである。

人間はつねに、自分に理解できない事柄は何でも否定したがるものである。


悲しみや怒りを共有するために

2019年12月19日 14時32分51秒 | 事件・事故

悲しみや怒りを共有するためには、実名を明らかにすべきではないか。
「石田敦志というアニメーターがいたことを、どうか忘れないでください。決して35分の1ではないんです」息子の敦志さん(当時31歳)を亡くした石田基志さんは記者会見(8月27日)で声を震わせた。
この言葉を聞き、被害者を実名で伝える意味を代弁しているように感じた。
一方、実名報道に反対する遺族の声に胸が締め付けられる。
理不尽な事件で突然亡くなった人の名前きちんと社会へ伝えるべきとの思いもある。
インターネット上には、著名なアニメーターらの名を挙げて安否を気遣う投稿もあふれた。
さらに、生きているのに「亡くなった」との誤った情報も飛び交った。
遺族が実名発表を嫌がる背景には、記者が取材で殺到する「メディアスクラム」が招いた不信感がある。
同じ遺族の元を報道各社が別々に繰り返し訪れ、不快な思いをさせてしまう。
「そっとしてほしい」という遺族の強い意向も理解できる。
だが、被害者の人柄や歩みを知り「個」に思いをはせることで、人は悲しみや怒りを共有し、被害者を悼む気持ちもより強まる。
児童ら23人が死傷した2001年の大阪教育大学付属池田小学校事件で長女を亡くし、今は犯罪被害者を支援する本郷由美子さん(53)は「遺族が実名で話したい、社会に訴えたいと思う時期が来るかもしれない」と語る。
報道への批判でも構わない。
本心を聞かせてもらえる時期を待ちたいと思う。
(毎日新聞12月18日 記者の目 小田中 大さんの記事から引用)


京都アニメーション被害者実名報道問題

2019年12月19日 12時39分17秒 | 事件・事故

「実名報道」の是非について、10代~70代まで男女100人にアンケートを行ったところ、「実名を出した方が、事件のことが記憶に残り、この先忘れないでいようと思った」などとして「あり」と答えた人が11人だったのに対し、「遺族の気持ちを無視してあり得ない」「情報に何も価値がないと感じた」「悪質な行為」「行き過ぎた報道」「憤りを感じる」として、「なし」と答えた人は76人に上った。

 家族や関係者が拒んだとしても報道すべきなのだろうか。匿名では真相究明や再発防止につながりにくい、という主張は本当なのだろうか。

そして、自社や業界の論理を優先し、「知る権利」や慣習を盾にして、説明や議論をする努力を怠る"上から目線"はないだろうか。そんな様々な疑問について、AbemaTV『AbemaPrime』が改めて議論した。

■警察が発表すれば報じなければならないのか?

警察発表を受けてマスメディアが実名を報道するまでには、一般的には次のようなプロセスを踏む。

 (1)事件・事故の発生後、原則として警察が報道機関に被害者名を発表(ただし個人情報保護法、犯罪被害者対策法の観点から、被害者への配慮を理由に実名を発表しないケースもある)
 (2)各社はこれを受け、公共性、公益性、人権への配慮などを総合的に判断し、実名を伝えるかどうかを決定。

 その過程において、性犯罪の被害者、暴力団が絡んだ事件被害者、振り込め詐欺の被害者などについては実名が報道されないケースがあるが、京アニ事件の報道では、全国紙の新聞、NHK、民放の全社が25人を実名報道した。(全国紙についてはデジタル版と紙面で対応を変えているところもあった)

 元毎日新聞記者でノンフィクションライターの石戸諭氏は「今、各社はすごく揺れていて、ケースバイケースで判断するのが原則になりつつあるが、実名報道をする理由は、これは本当に起きたことだという"真実性の担保"に尽きる。今回の事件で言えば、京都市、京アニ、どなたが亡くなった、関係者は誰か、といった固有名詞が必要になってくる。そこで、いつ、どのようなタイミングで実名を発表するのかに関して、京都のメディアと京都府警との間で水面下の交渉が行われ、各社は被害者への取材が過熱しないよう議論・配慮したという。その上で、全社の判断が一致したということだ。ただ、90年代以降、犯罪被害者の声をしっかり聞こうという動きも出てくる中、そもそもなぜ実名報道が必要なのかということに関して、知る権利だなんだと言って、説明をせずに終わらせてきたことは反省すべきだと思う」と話す。

これに対し、慶應義塾大学特任准教授の若新雄純氏は「つまり、警察が発表するということと、メディアが積極的に報道するということはイコールではないし、メディアが広めなければ真実性は担保されないのか」と疑問を呈する。

 専修大学ジャーナリズム学科の山田健太教授は「警察が情報を隠したり、意図的に違った発表をしたりすることもあり得る。メディアとしてはそうならないよう実名で発表してもらい、裏付けをし、そして報道するかどうか悩む。これが大事なことだ。全体に流され"じゃあうちも"というのではなく、記者の意志と、実名の方が良いという合意。それがオーバーラップしたときに初めて、実名報道が意味を持つと思う。実態としては、警察は交通事故と火災に関してはほぼ実名を発表するし、報道もそのまま報道する。このことについてはそれほど大きな批判はないと思うし、実名発表を警察が控えようとすることと、事実を知りたいという世の中の気持ちにメディアが応えるというバランスとしては、実名報道7割、匿名報道3割くらいがちょうど良いのではないかという話になっている。しかし状況として、ほぼ全てが匿名になってもおかしくない状況にできつつある。それで今回、メディアが実名発表、実名報道の必要性を声高に訴えた」と説明。石戸氏も「警察側が遺族の意向も踏まえ、なるべく匿名にしておきたい、と言うことが起きやすくなる流れがあり、何が起きているのかを知ること自体が困難になってきている。海外の場合は情報公開の仕組みとセットで匿名という選択肢がある」とした。

 また、テレビ朝日の平石直之アナウンサーは「京都新聞によれば、京都府警が実名公表を拒否していると説明した遺族の中に、実は"拒否していない"と証言した遺族がいたという。"報じて欲しい"とされる人の所だけではない取材をして、たどり着いたからこそ、こうした話が出てきた。ただし、確認することは大事でも、"名前が出た。一斉に行って、本当にそうなのか確認しよう"というのは違う。取材するタイミングを考え、メディアを一本化する方法を模索する必要もあると思う」と話した。

■津久井やまゆり園の事件の被害者家族の場合は…

3年前、神奈川県の障害者施設「津久井やまゆり園」で45人が死傷した事件で、他の被害者家族が匿名報道を望む中、「あの日重傷を負った我が子のことを伝えたい」と、発生直後からメディアの取材に実名で答えてきたのが、尾野剛志氏だ。

 尾野氏は「やまゆり園の事件と京アニの事件は少し違うと思っている」とした上で、「津久井やまゆり園は、重度の知的障害を持った人たちの施設だ。重度知的障害の人たちは健常の人たちから差別や偏見を受けてきた。実際、親族の子どもが学校でいじめにあったり、娘の縁談が破談になってしまったりしたケースもある。そういう差別は、やはり障害を持った人たちの当事者でなければ分からない。だからそういう中で子育てをしてきたお父さんお母さん方たちにとっては、"やっと入れてもらってありがたい"という場所だった。ところが事件が起き、実名で報じられてしまった場合、近所の人たちから"障害者の子どもがいる""もう何十年も施設に入っている"と後ろ指をさされたり、罵られたりする可能性がある。中には恥ずかしいとか、自分の保身みたいな気持ちもあったと思う。だからこそ、家族たちはいち早く匿名での報道をお願いした。しかし、マスコミの人たちからは"戸籍までなくなる""植松に殺され、親にも殺された"というふうな言い方をされた。"本人の生きてきた証はどうなるんだ"と叩かれた」と明かす。

「津久井やまゆり園の場合、"名前がない"ということで歴史に残るが、京アニさんの場合、皆さんすごく立派な仕事をしていた人たちだし、亡くなったとしても賞賛され、歴史にも残る人たちだ。それなのになぜ匿名にするのがいいのかなと思う。ただ、存命の被害者の方のほとんどは匿名を希望しているはずだ。おそらく生きている人たちにメディアスクラムのようにバーっと行ってしまうことも考えられる。そこはマスコミの方々にも考えていただきたい」。
 

■メディアは説明責任を

若新氏は「実名を報じたことで、国民に伝えるという義務を果たせた。価値があった、というケースは過去にあるのか?」と尋ねると、平石アナは「拉致被害者の横田めぐみさんのケースは、お名前と写真が出て、ご両親がお話をしてくださったことで、拉致問題への関心が集まり、これだけ世論が高まるきっかけになったと思う。これが匿名だったとしたら、これほど関心は高まらなかったのではないか」と回答。

 経済評論家の上念司氏は「例えば光市母子殺害事件にように、ディテールが報道されたからこそ国民の議論が巻き起こり、厳しい判決につながったというケースもあると思う」としながらも、「京アニの事件については、被害者の実名を報道することに何のメリットがあったのかが見えない。一方、マスコミの中の人は不祥事を起こしてもなかなか実名報道されない、この"二重基準"、ダブルスタンダードはなんなんだ、と皆が思っている」と厳しく批判した。

山田氏は「全てはケースバイケースだと思うが、やはりメディアは自己批判し、報道過程をオープンにする必要がある。京アニの報道について、新聞やテレビはどのぐらい説明をした上で報じたのか。今までのような通り一遍の説明に過ぎなかったのではないか」、平石アナも「実名を掲載するとともに「十分に配慮して」や「節度ある取材をしていきます」と一言載せていた新聞が多かったが、それが読者に刺さらなくなっているんだと思う。報道の原則よりも、目の前にいる被害者の方々に対して、どういう放送やどういう報じ方をしているかが見られている。私たちが撮影し、録音すると同時に、いまや現場では、私たちも撮影され、録画されている。失礼な態度をとったり、抜け駆けをしたりして失敗したら、その社や番組は致命的なダメージを受ける。逆に言えば、どの社が、どの番組が、誰が取材し、報じているのかと、見ている方にもそう思って見ていただきたい。それによって淘汰されていくはずで、いまのようにメディア全体がひとくくりで批判されていると、取材そのものが難しくなっていく」と強調した。 

石戸氏も「言い訳程度の説明を載せただけでは、かえって反感が高まることになるし、結果として取材がもっとしにくくなる。記者会見で横柄な聞き方をすることが批判されるのもそうだ。しかし、"報道してほしい""もっと伝えてほしい"という方がいるのも事実。僕も昔、ある犯罪被害者の方に"マスコミの人たちは聞いて欲しくない時に来る。自分たちが喪に服していたい、静かに過ごしていたい時に来る。しかし聞いて欲しくなった時には来ない"と言われたことがある。その"聞いて欲しくなるタイミング"は、人によって1年後だったり、2年後だったり、下手したら10年後かもしれない。だから京アニの被害者の方の中にも、もしかしたら考え方が変わってくる方がいるかもしれない。かつての朝刊・夕刊の時代や、朝昼晩でニュースをやっている時代とは違い、インターネットでは読まれるものはいつでも読まれるし、関心のある事件はいつまでも関心を持たれる。京アニの事件は、そういう事件だと思う。犯罪が忘れ去られやすくなっている中、粘り強く取材をしていくことと、真摯な取材が報われるような現場を作っていくためにもメディア側が説明責任を果たすこと。この2つはやはりセットで考えていって欲しい」との考えを示した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)
 

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あすから新聞週間 他者への共感を育みたい

2019年12月19日 12時31分36秒 | 社会・文化・政治・経済

毎日新聞2019年10月14日

社説

あすから新聞週間 他者への共感を育みたい

新聞週間があすから始まる。

 今年7月、京都アニメーション(京アニ)放火殺人事件が発生した。36人の命が奪われ、本紙を含む報道各社が犠牲者の実名を報じた。

 多くの遺族が実名の報道を拒んでいた。各社の報道に対し、批判の声が上がった。

 事件報道において、犠牲者の実名を報じる意義とは何だろうか。

東京都目黒区のアパートで昨年3月、当時5歳の船戸結愛(ゆあ)ちゃんが虐待を受け死亡した。両親が保護責任者遺棄致死罪などに問われ、裁判所で審理が続いている。

 結愛ちゃんは「もうおねがい ゆるしてください」と悲痛な手紙を残していた。それがあどけない写真とともに実名で報じられた。事件が大きな注目を集めたのは、こうした報道が影響しているだろう。

 事件を受け、政府は児童相談所の職員を増員するなどの緊急対策を決定した。虐待防止の強化に向け関係する法律が改正された。

 報道機関が事件や事故の犠牲者を実名で報道するのは、読者が具体的な人物像を思い浮かべて事件と向き合い、結果として社会が抱える問題を考えるきっかけになることを期待するからだ。「Aさん」という匿名では、実在の人物であるイメージがどうしても湧きにくくなる。

 京アニの放火殺人事件でも、犠牲者の実名とともに、写真やかかわった作品、アニメにかける思いが報じられた。それは読者の悲しみや憤りの共有につながった。

 事件の経緯で指摘しなければならないのは、被害者全員の実名発表が発生から40日後になったことだ。犠牲者の実名は通常、身元確認ができ次第公表される。京都府警は「事件の重大性」などを理由に早期発表を避けた。ただ、基準はあいまいだ。

 今回の事件では、多くの現場記者が遺族の意向と、伝える役割との間で悩み、迷った。国民の納得がなければ、実名報道の原則も揺らぐ。

 遺族の拒否感を生むものとして、メディアスクラム(集団的過熱取材)の問題が指摘される。今回は代表社が取材を行うルールを作った。遺族の負担を考慮し、検討を重ねる必要があるだろう。

 今後も社会と対話し、他者に共感を広げる報道を模索し続けたい。



京アニ事件で異例の経過 被害者の実名報道、どうあるべきか

2019年12月19日 12時24分59秒 | 事件・事故

毎日新聞2019年9月16日 

35人が犠牲となった京都アニメーション放火殺人事件。犠牲者の実名を巡っては京アニ側が公表しないよう申し入れる一方、メディア側は早期の発表を求めるなど異例の経過をたどった。被害者の実名報道はどうあるべきなのか。3人の識者に聞いた。【山根浩二、青島顕】

遺族の思いも伝えつつ ジャーナリスト・大谷昭宏さん

 記者として事件事故を取材した経験から言えば、名前は「生きた証し」にほかならない。事件現場を訪れた人の中には「名前がわかったから改めて手を合わせに来た」という方がいらしたし、京アニの最新作には被害者を含むスタッフ全員の名前が記された。メディアが実名を報じるのは、被害者の人生を風化させないという決意の表れでもある。

 私自身の経験を振り返ると、まずはメディアスクラム(集団的過熱取材)だ。



第75回会議(京アニ事件犠牲者実名報道、参院選)

2019年12月19日 12時20分03秒 | 社会・文化・政治・経済

第75回会議(京アニ事件犠牲者実名報道、参院選)

2019年11月2日開催

京アニ、参院選を議論 「報道と読者」委員会 

共同通信社は2日、外部識者による第三者機関「報道と読者」委員会の第75回会議を東京・東新橋の本社で開き、3人の委員が京都アニメーション放火殺人事件の犠牲者の実名報道と、参院選を巡り議論した。

 3委員とも実名報道の方向性は認めた上で、ジャーナリストの鎌田靖(かまだ・やすし)氏は「根底にはメディアへの不信感がある。知る権利に応えるといった実名報道の理屈が、一般の人に説得力を持っていない」と問題提起。

「悩みながら報道に携わっているプロセスを明かすことが大事。信頼回復から始めなければいけない」と指摘した。

 京大大学院教授の曽我部真裕(そがべ・まさひろ)氏は「事件報道に公共性があるのは明らかだが、被害者の実名にまであるのか。本人や遺族の意向を尊重すべきではないか」とし、実名報道の必要性を論拠を持って説明するよう求めた。

 弁護士の廣田智子(ひろた・ともこ)氏は、京アニ事件で警察が遺族に実名発表の意向を確認したことに関し「同意を発表の条件にするのは非常に問題。誘導も容易にできる」と述べた。

 参院選の報道では、廣田氏が、今回初めて議席を獲得したれいわ新選組などに関し「投票前の記事で、ほとんど取り上げられなかったことに違和感がある」と疑問を呈した。

 曽我部氏は報道全体について「予備知識のない人でも分かる記事を提供してほしい」と話し、鎌田氏は「工夫と努力が必要だ。ビジュアルをもう少し意識する紙面作りをしてほしい」と求めた。

京アニ、参院選を議論 「報道と読者」委員会 

 共同通信社の第三者機関「報道と読者」委員会の第75回会議が2日開かれ、京都アニメーション放火殺人事件の被害者の実名報道や参院選を巡り議論した。

ジャーナリストの鎌田靖氏は「知る権利に応えるといった実名報道の理屈が、一般の人に説得力を持っていない」と問題提起。

京大大学院教授の曽我部真裕氏は「公共性が被害者の実名にまであるのか。本人や遺族の意向を尊重すべきではないか」と指摘した。弁護士の廣田智子氏は、れいわ新選組などについて「投票前の記事で、ほとんど取り上げられなかったことに違和感がある」と、疑問を呈した。

【メインテーマ】京アニ放火事件の犠牲者実名報道問題

実名論拠説明を―曽我部氏 報じる悩み記事に―鎌田氏  遺族と信頼築いて―廣田氏

煙を上げ、壁面が黒焦げとなった「京都アニメーション」第1スタジオ=7月、京都市伏見区

▽説得力

 鎌田靖委員 メディアの一番大事な仕事はファクトの提示だ。事件、事故で名前は象徴的なファクト。実名報道を崩すべきではない。ただ、人ごとを「自分ごと」と感じてもらう訴求力や、知る権利に応える、権力監視に寄与するといった実名報道の理屈が、一般の人に全く説得力を持っていないのが最大の問題。根底には既存メディアへの不信感がある。名前を出す必要がないと思う人を説得する方策を考えることは、既存メディアの根幹に関わる。

 廣田智子委員 京都アニメーションの事件は性質上、被害者を匿名にしなければいけないものとは思わない。実名報道は納得できるが、丁寧な説明が必要。最初に10人の名前が公表された翌日の(8月3日付)朝刊には、公表までの過程や考え方が多面的に述べられていて説得力があった。ただ報じる時期の説明は足りない。なぜ急いで実名を出さないといけないのか、少し落ち着いて遺族と関係性をつくってからでも遅くはないとの意見も強い。

曽我部真裕委員 事件、事故報道に公共性があるのは明らかだが、被害者の実名にまであるのか。被害者は「公共性の舞台」に自ら上がったわけではない。著名人のような場合を除き、本人や遺族の意向を尊重すべきではないか。一般的に実名の方が訴求力があることは誰も否定しないが、強く拒否した時にその理由で正当化できるのかは疑問だ。実名報道の必要性を論拠を持って説明することが、伝統的メディアが信頼を得るための試金石になる。

 中村毅社会部長 遺族の意向を無視し、公共性で押し切るのは成り立たない時代だ。遺族感情に配慮しつつ、実名報道をどう維持するかを真剣に考えなければならない。訴求力や検証可能性といった従来の抽象的な原理原則ではなく、被害者を実名で報じる意味を読者に理解してもらえる説得力のある記事が必要だと考えている。

 ▽ルール

 鎌田委員 朝刊(8月2日付)に犠牲者名公表の調整が難航しているとの記事が出た。名前を巡って警察とメディアの間で何かが起きていると読者が気付く、こういう記事は必要。今回、警察が遺族に実名を出すかどうかの意向を尋ね、遺族の窓口になるというあまり例のないことが起きて、それも記事になった。

廣田委員 警察が遺族の意向を確認し、同意を実名発表の条件にするのは非常に問題。検証が困難だし、都合の良い誘導も容易にできる。記事での問題提起は重要だ。

 曽我部委員 個人情報保護法の観点からすると、警察が実名で発表するか否かを判断するのは、恣意(しい)的判断の恐れはあるものの、やむを得ない。公共性があると判断し、特例的に個人情報を出す立て付けだからだ。報道側は不当な出し渋りには抗議し、警察が適切な運用をするように求めるべきだ。

 伊東雅人ニュースセンター副センター長(前大阪支社社会部長) 8月27日の25人公表の際は、京都府警の担当記者で綿密に話し合い、遺族の家には各社を代表して2人ずつが取材のお願いに行くというルールを決めた。実は、警察は取材拒否としていたのに「拒否とは言ってない」という方もいて、行ってみて分かる部分も大きかった。

 中村部長 警察が遺族との間に入って情報を独占し、取材条件まで指示するのは恣意的になる恐れがあり、先例にするべきではない。


 廣田委員 今回、紙面から犠牲者を実名で報じる点に関する社内でのさまざまな議論や悩みが感じられ、報道が変わったと感じた。

 鎌田委員 読者も「悩んでいるなら信用してやる」となるのではないか。悩みながら報道に携わっているというプロセスを明かすことが大事。厳しいメディア批判も踏まえ、信頼回復から始めなければいけない。

 曽我部委員 世の中では記事がどうやってできるか、知らない人が多い。報道のプロセスを見せるのは理解を得るために重要だ。紙面での説明もいいが、例えばツイッターなどいろいろ考える余地はある。

 廣田委員 記事の中に、大阪教育大付属池田小の児童殺傷事件といった過去の事件の遺族コメントがあって、とても良かった。実名で語る遺族の存在とその言葉に触れて、読者は実名の意味を感じることができる。事件から何十年たっても話してくれる存在を1人でもつくるのは現場の記者。ずっと取材し、遺族との信頼関係を築く。大変だろうがやってほしい。

 伊東副センター長 遺族の父親が「数字ではなく、石田敦志というアニメーターのことを忘れないでほしい」と述べた。一人一人を名前で報じたい。

 中村部長 被害者が匿名発表だったために、警察の不手際が隠蔽(いんぺい)されそうになったことや、被害者が行政や弁護士の支援を受けられず孤立したケースもある。具体的な被害者や遺族の言葉を通して、なぜ実名報道が必要かを伝えていきたい。

 井原康宏編集局長 共同通信の中で、あるいは新聞界全体でもう一度、実名報道がなぜ必要なのかを整理して訴えていく必要がある。

京都アニメーション放火殺人事件 
 京都アニメーション放火殺人事件 京都市伏見区の「京都アニメーション」第1スタジオで7月18日午前に発生。男性14人、女性22人の計36人が死亡した。警察庁によると、殺人事件の犠牲者数としては平成以降で最悪。京都府警は殺人などの疑いで、現場で身柄を確保され、やけどで入院中の青葉真司(あおば・しんじ)容疑者(41)の逮捕状を取っている。同社は「涼宮ハルヒの憂鬱(ゆううつ)」「らき☆すた」「けいおん!」などのヒット作により、「京アニ」の略称でファンから親しまれている。

【サブテーマ】参院選報道

投票率アップ課題―廣田氏 ウェブ展開必要―曽我部氏  かみ砕いた記事を―鎌田氏 

参院選の選挙戦最終日、街頭演説に集まった大勢の人たち=7月、東京都墨田区(画像の一部を加工しています)

廣田委員 参院選で24年ぶりに投票率が50%を割り込んだ。政治に無関心な人々を取り込み、若者の投票率をいかに上げるかがメディアにとっても課題だ。投票前の記事で、れいわ新選組やNHKから国民を守る党がほとんど取り上げられなかったことに違和感がある。無関心層をさらに選挙から遠ざけていないか。

 曽我部委員 安倍政権の業績評価が強く求められた。予備知識のない人でも基礎から分かる記事を提供してほしい。政策が重要な一方で、有権者は候補者の人柄を見て投票する。個々の候補者の情報をウェブサイトで紹介した新聞社もあった。ビジュアルの工夫を含めたウェブ展開の拡充は今後避けられない。

 鎌田委員 選挙報道は争点を読者に示し、投票の参考にしてもらう大事な役割があり、議会制民主主義の根幹だ。難しい政策や面白くないテーマをかみ砕き、読者に分かってもらう記事、見てもらう記事にする工夫と努力が必要になる。グラフや表などのビジュアルをもう少し意識する紙面作りをしてほしい。

 松浦基明政治部長 諸派だったれいわ新選組やNHKから国民を守る党と政党の扱いに差をつけることに、一定の合理性はあると考える。旋風を巻き起こしたのも事実なので、もう少し取り上げてもよかったとの思いはある。低投票率の問題に警鐘を鳴らす記事も出したが、効果があったとは言えない。取り組みをさらに強めていくつもりだ。ウェブ対応の新たな試みは今回、実現しなかった。模索を続ける。

 廣田委員 投票前の情勢報道は、そもそも何のために誰に向けて報じているのか。投票意欲をそぐ影響があるのではないか。

 松浦部長 選挙結果がどうなるかというのは、読者の一番の関心事項だ。そこに応える記事を出したい。一方で、投票に行く気をなくす方がいるというのはあると思う。書き方、見出しのとり方に気をつけながら対応している。

 井原康宏編集局長 デジタル展開については、新聞の価値を毀損(きそん)しないことを前提に検討するのが基本的な考えだ。時代の変化に対応できる準備を進めていく。

参院選の投票率
 参院選の投票率 7月に実施された参院選の投票率(選挙区)は48・80%で、前回2016年の54・70%を5・90ポイント下回り、過去2番目の低さだった。50%を割り込むのは過去最低の44・52%を記録した1995年以来2回目。総務省の抽出調査によると、年齢階層別で20~24歳は28・21%にとどまり、若者の投票率の低さが際立った。統一地方選と参院選が12年に1度重なる「亥(い)年選挙」は、「選挙疲れ」で参院選投票率が低下する懸念が指摘されていた。

【新聞に望むこと】

ファクトの追求を―鎌田氏 プロ魂見せつけて―廣田氏  不断の改革必要―曽我部氏 

 曽我部委員 人材育成も含め、従来型報道機関への期待はまだ極めて大きい。地方紙の元気がなくなれば、地方自治がなくなることに直結する。国際、政治、経済、社会は大きく変わり、価値観も多様化している。不断の改革により、それに即応する報道が必要だ。

 鎌田委員 新聞は基幹で、重要なメディアだ。地方紙がなくなると困る。新聞が信頼されるのは取材力に基づきファクトを取ってきて示すからだ。そこを模索し追求してほしい。記者も社も悩んでいる点も伝えれば、より信頼につながるのではないか。

 廣田委員 プロの魂を見せつけてほしい。被害者や遺族の悲しみ、苦しみに向き合って実名で報じ、その重さを抱えて取材を続け、再発防止や被害者救済につなげる。それがプロのジャーナリストの仕事だ。本物の報道を見せてほしい。新聞は社会の基盤だ。