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創作欄 美登里の青春 3

2019年06月15日 09時49分51秒 | 投稿欄

 20122 15 (水曜日)

あれから3年の歳月が流れた。

それは24歳の美登里にとって、長かったようで短かったようにも思われた。
徹と別れたが、気持ちを何時までも引きづっていたことは否めなかった。
美登里の当時の職場は、徹の職場の九段下に近い神保町。

美登里の伯父が経営する美術専門の古本店であった。
現在の職場は、東京・新宿駅の南口に近い国鉄病院(現JR病院)の医療事務である。
その日、小田急線登戸駅沿いのアパートへ帰り、ポストを確認すると茶封筒があった。
裏を返すと友だちの峰子の手紙であった。
お洒落な封筒を好む峰子が、何故、茶封筒なのだろう?
美登里は部屋の灯りの下で、着替えもせず封を切った。
「ご無沙汰で、このような手紙を書くのを許して。私は今、千葉県松戸の拘置所の中にいるの。会いに来てね。その時、何か本を差し入れてね。それから大好きなチョコレートが食べたいの。それもお願い、差し入れてね。私は3歳の娘と心中したのだけれど、娘だけが死んで私は生きてしまったの。死ねばよかったのに、何という皮肉なの。待っています。必ず会いに来てね」
美登里は息を止めたままその手紙を読んだ。

想像はどんどん拡がっていく。
情報が乏しい中で頭を巡らせながら、何度も立ったまま手紙を読み返した。
美登里は新聞を購読していない。
テレビもあまり見ない。
峰子のことは、当然、マスコミで報道されただろう。
美登里は段々頭が混乱してきた。
思えば徹との問題で峰子に相談したことがあった。
「焦ることが、一番、いけない。時間が解決すると言われているわね。今は美登里にとって冬なの。冬は必ず春となる。そうでしょ、自然の摂理でしょ」
あの時、峰子は言った。
そして、妻子のある徹との別れは、意外な展開でやってきた。

 


阪神今季最短の2時間26分で完封負け

2019年06月14日 06時21分56秒 | 投稿欄

 和製オーダー不発…高山の2安打のみ

2019.06.13.デイリースポーツ

「交流戦、ソフトバンク3-0阪神」(13日、ヤフオクドーム)

 阪神がソフトバンク相手に、今季6度目の完封負けを喫した。打線はソフトバンク先発・大竹の前に2安打と沈黙。試合時間は2時間26分と今季チーム最短だった。

 カード勝ち越しを狙った一戦は、高橋遥-大竹の両左腕が互いに譲らず、白熱の投手戦になった。高橋遥は二回、松田に投手内野安打を打たれた以外は、六回までほぼ完璧な内容。しかし援護がない。

 阪神の安打は三回と八回にともに高山が放った単打のみ。出塁もこれに加えて初回の糸井があっただけで、淡々と打ち取られた。マルテをスタメンから外し、矢野監督は和製オーダーを組んだが、不発に終わった。

 均衡が崩れたのは七回だった。高橋遙が今宮、内川に連打を打たれて一、二塁。デスパイネは空振り三振に斬ったが、続くグラシアルとの対戦だった。追い込んでからの4球目、内角を狙ったカットボールが、わずかに甘く入ったか。強烈なライナー性の弾道で、一気に左翼スタンド中段に突き刺さった。

 高橋遥は7回5安打3失点で降板。打線はその後も奮起することなく、ソフトバンク戦7年ぶりの勝ち越しを逃した。試合時間は同じく完封負けした4月20日の巨人戦(甲子園)の2時間35分よりも9分短く、今季最短ゲームとなった。


2歳児を救う網、機能せず 関係機関、甘い認識や連携不足

2019年06月13日 20時14分22秒 | 投稿欄

6/13(木)

多くの「穴」 機会を逃す

 札幌市の池田詩梨(ことり)ちゃん(2)が衰弱死した事件の発覚から13日で1週間。全国で相次ぐ虐待事件を受け、張り巡らされたはずの子供を救済する「網」には多くの「穴」があった。関係機関の情報共有不足や認識の甘さ、待ちの姿勢。いくつもが重なり、幼い命を救うチャンスを逃した。

容疑の母 浮かび上がる孤立 札幌2歳衰弱死

「信頼関係がなければ、救える命も救えない」

 「なぜ連絡がなかったのか、本当に分からない」。札幌市児童相談所から夜間と休日の虐待通告について、子供の安全確認を委託されている「札幌南こども家庭支援センター」の施設長は児相の対応をいぶかった。

 同センターは、詩梨ちゃん宅がある中央区と南区を受け持つ。だが5月13日夜、道警から母親の池田莉菜(りな)容疑者(21)との面会に同行を求められた際、児相は「職員到着に時間がかかる」として同センターに連絡しないまま、対応を警察に委ねた。

 同センターは計15人が交代で夜間や休日に児相の依頼に対応する。依頼は年4、5回だが「いつもは『なるべく早く行って』と言われた。安全確認は絶対逃してはいけないのに」と施設長。児相から同じ業務を委託される市内の別のセンター幹部は「児相とセンターの信頼関係がなければ、救える命も救えない」と話す。

「道警との情報共有、現実は難しい」

 児相には昨年9月以降、計3回通告が届き、「救うチャンス」があった。だが4月5日の2回目の通告で、児相は国が徹底を求める「通告受理後、48時間以内に安全確認できなかった場合、立ち入り調査する」とのルールを守れなかった。

 国は48時間以内に安全確認できない事案は「必ず警察と情報共有する」とも指示。だが児相は48時間を過ぎても道警に情報提供しなかった。児相の高橋誠所長は「道警とすべてで情報共有できるかというと、現実は難しい」とだけ話した。

 「そこまでの危機感を持っていなかった」。6日の事件発覚後、児相は記者会見などで何度も、詩梨ちゃんの状況についてこう語った。高橋所長も12日、「通告は、どう見ても虐待と言えるものから、単なる子供がぐずって泣いたものまで、ピンからキリまでいろんな情報が来る」と話した。

通告の6割近くで虐待を確認

 だが札幌市児相が2018年度に受けた通告1497件のうち、虐待と認定されたのは839件に上る。通告の6割近くで虐待が確認されているのが現実だ。

 詩梨ちゃんを救う最後のチャンスだった5月15日、札幌南署員は池田容疑者宅を訪問後、「虐待の状況はなく緊急に保護の必要はない」と児相に伝えていた。

 捜査関係者は「警察だけで虐待を見抜くのには、限界がある」と漏らした。

 「『ただ待っていた』という区の保健センターの姿勢が今後検証されるだろう」と市保健所幹部は言う。

 今年3月、池田容疑者は詩梨ちゃんとともに、東区から中央区に転居。だが通常、元の区の保健センターから転居先の区へ移されるはずの乳幼児健診の未受診データや相談記録などは、引き継がれていなかった。

北海道新聞社


2歳女児衰弱死の背景…逮捕の母親の元同僚が語る

2019年06月13日 20時10分31秒 | 投稿欄

 札幌市(北海道)

6/11(火) 

札幌で2歳の女の子が暴行を受け、その後衰弱死した事件。その背景には家庭の問題もあったのでしょうか。逮捕された母親の元同僚が母親の様子を語りました。

今月、札幌市内の各家庭に配られた広報誌です。特集は、見逃さないで「助けて」のサイン。児童相談所の活動を紹介する記事の中には、このような一文も。「まずは子どもの安全を確認することが最優先です」。奇しくもこの広報誌が配られた時期と一致して、2歳の女の子が命を落としました。
(池田容疑者の元同僚)
「僕たちは朝まで預かってもらえる保育園だと思っていた。毎日飲む。帰らないのはだいたい毎回」
我が子を保育園に預けたまま飲み歩いていたという母、池田莉菜容疑者。同じ飲食店に勤めていた元同僚が語りました。
(池田容疑者の元同僚)
「育児放棄気味っていうのは、みんな知っていた。すすきのに出れば朝まで」
交際相手の藤原一弥容疑者とともに、池田容疑者の娘の詩梨ちゃん2歳に暴行を加え、けがをさせたとして逮捕されました。
(宇佐見記者リポート)
「午前10時前です。鑑識が池田容疑者の自宅に入ります」
詩梨ちゃんは搬送先の病院で死亡。死因は衰弱死で、死亡する前のおよそ2週間、何も食べていなかった可能性があるとみられています。
(札幌市児童相談所 高橋誠所長)
「『警察の訪問が終わるまでは児童相談所からの連絡も控えて欲しい』と要請された」
10日、会見を開いた児童相談所。先月15日の警察の同行要請を断っていたことについては、警察から「遠慮してほしい」と言われたと主張しています。一方、警察は「同行を依頼したが断られた」と、両者の意見に食い違いが。結局、児童相談所は一度も詩梨ちゃんに面会しないまま、最悪の結末を迎えました。池田容疑者が、おととし12月頃から、およそ4か月間、詩梨ちゃんを預けていた保育園の元園長の証言です。
「連絡もなしに、迎えに来ないことが何回かありました」
池田容疑者は保育料の滞納が続き、去年5月以降、連絡が取れなくなったと言います。育児放棄が続いていた可能性がある一方で、こんな証言も。
(池田容疑者の元同僚)
「(池田容疑者に)去年の冬に会っている。そのときも子どもの話をしていた。最近生意気になってきたけど、かわいいと言っていた。そのときは今ニュースで見る彼氏(藤原容疑者)ではなかったと思う」
この事件を受けて鈴木知事は。
(鈴木直道知事)
「札幌市としっかり、これまで以上に連携しながら、そういった事態にならない取り組みを進めることが重要」
失われた幼い命。この命を守ることは、できなかったのでしょうか。助けてのサインは確かに出ていたはずです。

最終更新:6/11(火) 19:28
STVニュース北海道


性犯罪「司法判断おかしい」 相次ぐ無罪「刑法改正を」

2019年06月12日 22時56分25秒 | 投稿欄

2019年5月14日 東京新聞

最高裁長官と法相への要望後、記者会見する「スプリング」の山本潤代表(中央)と志万田さをりさん(右)、金子深雪さん=13日、東京・霞が関の司法記者クラブで
父親から娘への性暴力など、性犯罪での無罪判決が各地の地裁で相次いでいる。性暴力被害の当事者団体「スプリング」は十三日、「司法の判断は被害実態を反映しておらず、市民感覚とずれている」として、法務省と最高裁に刑法改正を求める要望書を出した。被害者にとってあまりに重い「暴行・脅迫要件」が見直されるか、注目されている。 (出田阿生)
 現行法でレイプが犯罪と認められるには、被害者が性交に同意していないことだけでなく、相手からの「暴行または脅迫」によって抵抗が不可能だった証明をしなければならない。二〇一七年に刑法の性犯罪規定が一部見直されたが、この要件は温存された。
 要望書では、法務省に対し、この規定が「あまりにも高いハードルとなっている」として撤廃を含めた見直しを求めた。最高裁には、裁判官に、被害者がどういう状態に陥るかなど、医学的、心理学的に教える研修を徹底するよう訴えた。
 改正刑法には、三年後をめどに見直すという付帯決議があり、来年に迫る。スプリングの山本潤代表は「一連の無罪判決では、被害者が性行為に同意していないと認定されながら、無罪になっている。当事者として苦しい。刑法の見直しの審議を始めてほしい」と訴えた。

写真

14歳の帰り道、車でさらわれた性暴力

2019年06月11日 20時58分31秒 | 投稿欄

あれが「魂の殺人」だと、今の私は思わない

6/11(火) 

国際政治学者の三浦瑠麗さんが、過去に受けた性暴力や長女の死産の経験を綴った自伝を出版した。孤独だったこと、傷ついたこと、それが自分の人生にどんな意味を持ってきたのかということ。【BuzzFeed Japan /小林明子】

こんなに種類があるなんて…。実際に起きた痴漢や迷惑行為を見てほしい。

女性は、女性に生まれたというだけで、さまざまな偏見や不遇にさらされることがある。さまざまな幸せな体験もある。

国際政治学者の三浦瑠麗さんが、近著『孤独の意味も、女であることの味わいも』で、長女を死産したことや、学校で孤立していたことなどを綴った。初めての自伝だ。

そのうちの1章、「初めての経験」で、14歳のときに受けた集団性的暴行の被害について書いている。

「死ぬのだろうな」

14歳、中学3年生のとき、小説を読みながら帰宅していた三浦さんは、後ろから寄ってきたバンに乗っていた男たちに声をかけられた。

《あとはあまり覚えていない。覚えているのは痛みと、死ぬのだろうな、という非常にリアルな感覚だけだ。私の頸に手をかけたそのうちの一人ののっぺりとした眼つきが醜くて気持ち悪く、せめてもっと楽な死に方をさせてもらいたかった。少なくとも一人は知っている顔だったと思う。

殺風景な新幹線の高架下で、ほらよ、と放り出されて、私はバッグとスカーフを胸に抱えて家までよろよろと歩いた。自分がどんなにぼろぼろでも、いつも通りの田舎の風景は微塵も私の心に寄り添ってはくれなかった。

きちんと閉まった正面の門を避けて庭の戸口から入り、母が茅ヶ崎の庭から持ってきて植えたあんずの木の下で、隠れるように外水栓の水で顔と手を洗った。制服を脱ぎ捨てたのち、手負いの狼のように私は炬燵の中で唸った。下腹部の痛みが尋常ではなかった。手でさわると血がついた。

(「初めての経験」より抜粋)》

そのときは母親には言わなかった。警察に通報しなかった。産婦人科にも行かなかった。

その後、付き合った男性には言ったり言わなかったりしたけれど、この体験をもって、自ら性暴力被害の当事者だと表明したこともなかった。

性犯罪をめぐって意見表明したツイートが炎上し、謝罪したときでさえも。

なぜ今回、自らの体験を書いたのか。


金正男暗殺、実行まで……「いたずらキス」実は殺しの訓練?

2019年06月11日 13時34分26秒 | 投稿欄

 「ハナモリ」と呼ばれた男の正体
6/8(土) 7:00配信 withnews

事件の前年にユーチューブの「いたずら番組」に出演していたフォン
 「いたずら番組の撮影」と称して金正男(キム・ジョンナム)氏に毒を塗ったとされるベトナム人のドアン・ティ・フォンさん(31)は、事件前に繰り返し「テスト撮影」に挑んでいた。

通行人に声をかけ、やにわにキスをして驚かせる。そんな撮影は実のところ、正男氏を殺すための「予行演習」だったと、マレーシア捜査当局はみている。(朝日新聞国際報道部記者・乗京真知)

ナイトクラブではお客の前でダンスも 農村の少女が「実行犯」にされるまで……

最初は失敗続き
 フォンの供述調書によると、テスト撮影が始まったのは2016年の暮れ。クリスマスのころだった。

 その日、韓国のカメラマン「ミスターY」を名乗る男が、フォンの携帯電話に連絡してきた。「きょう撮影をしたい。午後3時、(ハノイ)の劇場の向かい側に来てほしい」。ミスターYは少し前に、ハノイのバーで撮影話を持ちかけてきた男だ。

 ミスターYは待ち合わせ場所に、キャノン製のカメラを持ってきていた。撮影の要領を説明し、通りすがりの東アジア系の中年男性を指さした。「(中年男性に)話しかけた後、ほおにキスをして驚かせるんだ」

 フォンは指示に従った。中年男性に近付き、「ハーイ」と声をかけた。人違いだと思われたためか、相手にされなかった。キスをするはずだったが、「ごめんなさい」とだけ言って、引き返した。

 商業施設でも撮影を試みた。あいにく施設は閑散としていて、いたずらの相手が見つからなかった。撮影は空振りに終わり、フォンは出演料をもらえなかった。

贈り物で甘やかし
 ミスターYはフォンの気持ちが折れないよう、あの手この手でやる気をかき立てた。供述調書には、その様子も記されている。

 たとえば、ミスターYは撮影失敗の後、フォンをカラオケに誘った。酒をごちそうし、韓国料理店にも連れて行った。また、「クリスマスのプレゼント」だと言って小遣い(45ドル)を渡したり、大みそかには次の撮影で使うからと「ピンクのジャケット」を買い与えたりしたという。

 甘やかすばかりでもなかった。ある日、ミスターYは「ボス」を連れてきた。「ボス」は撮影がうまくいっていないことを案じ、「次はしっかりと撮影をするように。そうすれば報酬を払う」とはっぱをかけた。

 「ボス」は自らを「ハラボジ」(韓国語で「おじいさん」)と呼ぶように勧めた。フォンは「ハラボジ」の発音がうまくできなかったため、発音しやすい「ハナモリ」と呼ぶことになったという。
男たちが隠した素性
 フォンの前に現れた「ミスターY」と「ハナモリ」。2人は本当に「韓国の撮影会社」の人間だったのだろうか。

 マレーシア捜査当局によると、2人の肩書はでたらめだった。出入国の記録によると、「ミスターY」はリ・ジヒョン(32)、「ハナモリ」はリ・ジェナム(57)。いずれも海外渡航歴が豊富な北朝鮮の外務省や秘密警察の職員だったという。

 肩書を偽って接近し、実行犯として育て上げる――。2人は、そんな密命を受けた「北朝鮮工作員」だったと、マレーシア捜査当局はみている。

     ◇

【いたずら番組】東南アジアの空港や駅に行くと、待合室で「いたずら番組」が流されていることが多い。たとえば、出演者が警官を装って車を止め、おもちゃの銃を突きつけて運転手を脅かす様子を見せることで、視聴者の笑いを誘う内容だ。なかには出演者が通行人を小突いたり、牛乳をかけたりして逃げるような、犯罪まがいの番組もある。北朝鮮当局者は、こうした「いたずら番組」から着想を得て、暗殺計画を練った可能性がある。

<お断り>事件発生前から裁判までを振り返る連載「金正男暗殺を追う」では、フォンさんの呼称(容疑者や被告など)の変化による混乱を防ぐため、呼称を省いています。フォンさんは4月1日にマレーシアの裁判所から禁錮刑を言い渡され、刑期を終えた5月3日に出所、ベトナムに帰国しました。

 


特集 警察官が取調室で暴行?法医学者が異例の告発

2019年06月06日 23時10分17秒 | 投稿欄

 密室取調べの実態…「可視化」で変わるか?

6/6(木) カンテレ「報道ランナー」

■留置所で発見された遺体…「右足にアザ」
【岩手医科大学(法医学)・出羽厚二教授】(2019年5月)
「私のような立場で刑事告発するのもおかしいと言えばおかしいので、躊躇するところでした」

法医学者の出羽厚二教授。
この日、自ら刑事告発した事件について、検察官に説明を求めに行きました。

その事件とは…

【岩手医科大学(法医学)・出羽厚二教授】
「これはひどい事例だなと。今の日本でこういうことあるのかと最初は疑問に思った。取り調べていた警察官が足を蹴り上げたんじゃないか」

2010年、手術ミスで患者を死亡させた業務上過失致死の疑いで逮捕された塚本泰彦医師(当時54歳)。

逮捕から19日後、警察署の留置場で遺体となって発見されました。
遺体と面会した遺族は、右足のアザに衝撃を受けたと話します。

【塚本医師の遺族】
「本人亡くなっているよりも、右足見てびっくりしたんですよ。なぜ皮膚がこんなに変色しているんだろうと」

直後に発表された死因は「急性心筋梗塞」。
遺族は、真相を確かめようと奈良地裁に裁判を起こしました。

裁判で、警察は「留置場で座るときに右足を折り曲げて、ドーンという音を立てて座っていた」と説明しました。

【塚本医師の遺族】
「本人があぐらかく習慣もないし。普段からあぐらかいているのだったら、留置前からできているはず」

遺族は、死因究明が専門である出羽教授に鑑定を依頼しました。

■なぜ皮下出血ができたのか…取調室で何が?
2007年、大相撲の時津風部屋で起きた力士暴行死事件。

当初、病死とされていましたが、遺族の依頼で解剖を行い、暴行死であると見抜いたのが出羽教授でした。

【岩手医科大学(法医学)・出羽厚二教授】
「しっかりとした死因究明できていないのに内因性(病気)の死因をつけてしまう社会から早く脱却すべきだと思います」

「一番明らかにすべきことは、塚本さんの足にある皮下出血がなぜできたか。足で蹴るなどの打撲を受けたというのが一番考えやすいと思います」
2016年11月、出羽教授は、初めての刑事告発に踏み切りました(特別公務員暴行陵虐致死傷罪)。

しかし、翌年、奈良県警は「暴行はなかった」として書類送検。

民事裁判では、暴行があったかどうか判断されることなく、遺族の請求は退けられました(確定)。

そして、2019年4月、奈良地検は、取り調べを担当した警察官2人を不起訴処分とし、捜査は終了しました(特別公務員暴行陵虐致死は嫌疑なし、致傷は嫌疑不十分)。

密室の取調室で何があったのか。結局、明らかにされることはありませんでした。

【小坂井久弁護士】

「21世紀になっても、しばらくは大阪では(取調べ中の暴行は)よくあった」

(警察官)==取調べ中の音声==
『おい黙るな。なんか言え。殴るぞ!なめとったらあかんぞ、お前。手を出さんと思ったら大間違いやぞ!』

大阪府警では、2010年に東警察署の警部補(当時)が任意での取り調べ中に暴言をはいていたことが発覚。

翌年には、関空署の巡査部長(当時)が逮捕された外国人男性への取り調べ中に、胸を殴ったり、足を蹴ったりする暴行をしていたことも明らかになりました。

【小坂井久弁護士】
「取調室はまさにブラックボックスで、言葉良くないが、一番法にのっとらねばならない場所が無法地帯だった。可視化してちゃんと透明にしない限り、必ず問題が起こる空間と考えないといけない」

小坂井弁護士も参加した法務省の法制審議会特別部会での激しい議論を経て、2016年に取り調べの録音・録画(可視化)を義務付ける法案が成立。

2019年6月から、殺人事件など裁判員裁判の対象となる事件と検察が独自に捜査する事件(全事件の2~3%)について、逮捕・勾留中の容疑者のすべて(全過程)の取り調べが「可視化」されることになりました。

【小坂井久弁護士】
「自白偏重主義は、可視化を契機にして変わっていく。

『自白させて反省させる』ことまでが捜査機関の役割という思い込みに支配されている。

今日本の刑事司法は大きな変革期にあって、日本固有の(自白偏重の)取り調べというのが、本来の刑事司法にふさわしい取調べに変容していく過程にある」

一方、取り調べの可視化が捜査現場に与える影響について大阪府警の幹部は…

Q:個々の警察官にとって自白とらなければいけないという姿勢は変わってきている?

【大阪府警察本部刑事部・佐竹明理事官】
「当然暴言暴行など不適切な取り調べは絶対あってはならないのが大前提と思います。

一部録音録画(の試行)が始まってから10年くらい経っていますし、慣れてきたという言い方が良いかは分からないが、その時代に合わせた取り調べの在り方について各捜査員の意識改革はしっかりできていると思います」

Q:現在では行き過ぎた取り調べはありえない?
「あってはならない」

Q:ありえない?
「あってはならない。絶対してはいけない。捜査員は分かっていると思います」

■不起訴処分を受け、検察審査会へ申し立て
2019年5月、奈良地検から不起訴処分の連絡を受けた出羽教授は、その理由について説明を求めました。

「(検察官は)暴行があったともいえないし、なかったともいえないと。肝心なところは聞けなかった」

 


泥酔男!となる

2019年06月06日 11時13分28秒 | 投稿欄

短気は損気とは言ったものである。

人間関係のこじれ。

感情的に対応してしまった、ことが思いだされる。

例えば、隣の人がカラオケスナック内でタバコを吸いだした途端に、どなりつけてしまう。

相手は元証券会社の人で、家人の株取引の指南役。

「帰って!」と家人は怒りだす。

「2度と来るか!」となだめたオーナーとママさんに捨て台詞である。

また、作曲家の友人Mさんとその知人に素直に謝れず、開き直ってしまった。

「カラオケ、飛び入りOK]と彼ら3人を地元新道まで藤代から連れてきたが、「飛び入りは、ダメです」と係の人に言われてしまう。

酒を飲んで平気で運転する男たちは、「センセイの知り合いか。よろしくな」と酒を勧めてきた。

白山から男の藤代の家へ寄り、車を乗り換える。

まさか、酒を飲んでいた男たちがヤクザのなかまたちと後日知る。

その時も、大声を張り上げてしまう。

「今まで、我々を待たして、何処へ行っていたんだ!」待たされていたことで、しびれを切らしていた作曲家のMさんは、強い口調で言う。

「飛び入り参加の交渉へ行っていたのです。今年はダメでした」

「何ダメだと!オイ、藤代からここまで連れてきてふざけるな」と作曲家の知人は納得しない。

目が座っていて、凄みがある男だった。

「だから、誤っているじゃないか。私が悪かったです。悪かったのは私です」卑屈になる。

カラオケの会場は子どもまつりの場でもあった。

「子ども居ます!静かにsいて下さい」

当然、家人が神社のカラオケ会場いたので、血相を変えて飛んできて「そんな大声出して、みっともない。恥ずかしい!私帰る!」と怒りを込め諌める。

「酒乱だな、話にならん!」とMさんも呆れる。

思えば、日本酒を5合、ビール1本を白山の居酒屋で飲んでいた。

その日、Mさんと出会って「飲もう」と誘われていた。

別の用事もあったのに、酒の誘いを優先した。

「あの時、出会っていなければ・・・・大切な友人の一人を失くしたと悔やまれた。

隣の店で出入り禁止になっている評判の悪い彼らと、あの店で居合わせたことも運が悪かったが・・・・

 


「幸せ・充実」を非日常には求めない女性生活者が増加中 

2019年06月04日 10時48分21秒 | 投稿欄

ヘルスケアビジネスニュースサイト 2017/03/15(水)

高度経済成長期の頃は「ブランド物で全身を飾り、高級車に乗る彼に迎えに来てもらい、そして高級レストランで食事を楽しむ」といった、非日常を贅沢に楽しむスタイルだったが最近は異なる。

今の生活者は非日常よりも日常そのものを楽しむ傾向が強くなっている。日常そのものとは、スーパーでの買い物や毎日の食事、家での時間の過ごし方など生きていくために必要な毎日の生活のことを指す。例えば、女性生活者に以下のような消費行動が目立つようになっていることからも「日常を楽しむ生活者が増加している」と言える。

ベランダに椅子やテーブルを置いてベランダ時間を楽しむ「バルコニスト」が増加中
子供を連れて週末、食材を買いに行くなら、親子イベント等が充実してる総合スーパーの方がいい!と施設内イベントはママに人気
「毎日の食事、せっかくなら美味しく贅沢に楽しみたい」ニーズの高まりで、高額な調理器具・家電の売れ行きが好調
休みの日はランニングや、公園でのピクニックなどアウトドア女子が増加
非日常よりも日常を充実させたいという傾向が強まっている理由は、いまだ続く節約志向によるものだが、節約による悲壮感は特になく、どちらかというと「日常を充実させること」を楽しんでいる。
「日常を楽しむことが幸せ」「シンプルに生きる」「ミニマリスト」という生活者の意識変化も関係あるだろう。


政府、就職氷河期世代 3年で30万人を正規雇用へ

2019年06月04日 10時07分06秒 | 投稿欄

 「骨太」で数値目標明記へ

毎日新聞

 政府は6月に閣議決定する経済財政運営の指針「骨太の方針」に盛り込む「就職氷河期世代支援プログラム」で、今後3年間に30代半ばから40代半ばの正規雇用者を30万人増やすとの数値目標を明記する方針を固めた。政府関係者によると、この世代の正規雇用者数は年間約5万人増えており、3年で倍増を目指す。対策を来年度の予算編成に反映させる。

就職氷河期世代の多くは、非正規労働者など不安定な生活環境にあるという

出典:ニュースイッチ 6/2(日)

「骨太方針」骨子を提示 就職氷河期世代を支援 雇用や所得、地方に重点

5/31(金) 20:39配信

政府は31日、経済財政諮問会議を開き、経済財政運営の指針「骨太方針」の骨子を示した。所得向上に向け、30代半ばから40代半ばの「就職氷河期世代」への集中的な支援や、企業が従業員に最低限支払わなければならない「最低賃金」の引き上げを明記。地域産業の活性化や、10月に予定する消費税率の10%への引き上げに伴う需要の変動をならす方針も盛り込んだ。


 夏の参院選を控え、雇用や所得、地方施策に重点を置いた。6月21日をめどに閣議決定を目指す。安倍晋三首相は「本日の議論を踏まえ、骨太方針を取りまとめるべく、具体案を作成してほしい」と述べ、茂木敏充経済再生担当相に検討を指示した。

 氷河期世代への支援は、政府が策定する3年間の集中プログラムに沿って展開し、就業や正社員化などを後押しする。政府は次回の諮問会議で議論する骨太方針の原案に数値目標を書き込むことを検討する方針。

 最低賃金は過去3年間、年率3%程度の引き上げが続いており、現在は全国加重平均で時給874円。5月14日に開かれた前回の諮問会議では民間議員が「より早期に全国加重平均が1千円になることを目指すべきだ」と提言している。

 安倍政権は「地方創生」を打ち出しており、観光や農林水産業など地域産業の活性化に言及。訪日外国人観光客の拡大や日本の農産品の海外輸出、対日直接投資の拡大による地方のてこ入れなどを念頭に置く。

 大阪市で6月28、29両日に20カ国・地域(G20)首脳会議の開催が予定される中、G20が世界経済の持続的成長に関与することや、経済連携の推進にも触れた。

 また、行政手続きを電子化する「デジタル・ガバメント(電子政府)」の取り組みで行政の効率化を推進することなども掲げた。

 消費税率の10%への引き上げに向け、増税前後の駆け込み需要や反動減をならす方針も盛り込んだ。政府は税率引き上げに対応するため令和元年度予算では2兆円規模の対策を準備している。また、税率引き上げに合わせて始まる軽減税率制度の実施も明記した。


東京は遠かった 改めて読む松本清張

2019年06月03日 12時06分32秒 | 投稿欄
 
 
商品の説明

松本清張の小説は、時をこえて花開く。
この普遍性の源を鮮やかに解き明かす。
まずズバリと指摘すると、清張作品の主人公はなべて地方出身者。
野心や夢をいだき東京に出た男女が、やむにやまれぬ哀しい犯罪ドラマを展開する。
昭和の高度経済成長の光と影が託される。
東京の権威に地方が従う。
そんな格差が清張ミステリーの大きなテーマ。
清張の告発は今もつづく。
一億総中流時代のあとに、格差はさまざまな領域が広がると著者は説く。
清張は暗い影の場所から、ネオン輝く昭和の東京を見た。
「明るいとことから暗いところは見えないが、暗いところからは両方を見ることが出来る」。
旅好きの清張は地理好きもある。
清張のミステリーは最高の歴史地図帳でもある。

内容紹介

中央と地方、格差社会、転落する男と女ーー時代を超えて清張ミステリは読み継がれる。
昭和文化や都市論、映画に造詣の深い評論家が、「東京」「昭和」「映画と小説」「旅」など、さまざまな切り口から不世出の作家の魅力に迫る。これまでに書かれた清張にまつわる文章に書き下ろしを加えた決定版・松本清張ガイド。

「一億総中産階級と言われた一九八〇年代のバブル経済期に誰が、その先に格差社会が来ると想像しただろう。

しかし、いま、松本清張の初期の作品を読むと、日本の社会は、いまもむかしもそれほど変わっていないのではないかと思ってしまう」(本書より)

【目次】

[第1章]東京へのまなざし
初期作品に見る敗れゆく者たちーー「西郷札」「或る「小倉日記」伝」
風景の複合ーー『Dの複合』『渡された場面』
地方から東京を見るまなざしーー「再春」「空白の意匠」「投影」
抑留された夫の帰りを待つ女ーー「地方紙を買う女」
物語の生まれる場所、甲州ーー「絵はがきの少女」に始まる

[第2章]昭和の光と影
東京地図から浮かび上がる犯罪ーー『歪んだ複写』
昭和三十年代の光と影ーー『点と線』『砂の器』「声」
働く女性の殺人ーー「一年半待て」
小説が書けなくなった作家、時代から忘れられた作家ーー『蒼い描線』「影」「古本」

[第3章]清張映画の世界
ミステリを越えた物語ーー『砂の器』
戦後の混乱がもたらした事件ーー『ゼロの焦点』
悲劇に終わった少年の性の目ざめーー『天城越え』
弱い女性による復讐の悲しさーー『霧の旗』
絶望と罪悪感に揺れる父の姿ーー『鬼畜』
「明るい悪女」とエリートの対決ーー『疑惑』
詐欺事件の謎を追う素人探偵の旅ーー『眼の壁』
子供の姿に過去の自分を見た男ーー『影の車』
思わぬ偽証で破滅する男ーー『黒い画集 あるサラリーマンの証言』

[第4章]清張作品への旅
松本清張の「地方性」
映画『張込み』の面白さ
『張込み』の風景を追って

あとがき

内容(「BOOK」データベースより)

中央と地方、格差社会、転落する男と女―。時代を超えて清張ミステリは読み継がれる。「東京」「昭和」「旅」「映画と小説」など、さまざまな角度からその魅力に迫る極上の松本清張ガイド。

著者について

川本三郎(かわもと・さぶろう)
一九四四年生まれ。評論家。著書に『大正幻影』(サントリー学芸賞受賞)、『荷風と東京』(読売文学賞受賞)、『林芙美子の昭和』(毎日出版文化賞、桑原武夫学芸賞受賞)、『郊外の文学誌』、『小説を、映画を、鉄道が走る』(交通図書賞受賞)、『時には漫画の話を』、『あの映画に、この鉄道』など多数。

 
 
 

東京は遠かった 改めて読む松本清張

2019年06月03日 12時06分32秒 | 投稿欄
 
 

商品の説明

内容紹介

中央と地方、格差社会、転落する男と女ーー時代を超えて清張ミステリは読み継がれる。
昭和文化や都市論、映画に造詣の深い評論家が、「東京」「昭和」「映画と小説」「旅」など、さまざまな切り口から不世出の作家の魅力に迫る。これまでに書かれた清張にまつわる文章に書き下ろしを加えた決定版・松本清張ガイド。

「一億総中産階級と言われた一九八〇年代のバブル経済期に誰が、その先に格差社会が来ると想像しただろう。しかし、いま、松本清張の初期の作品を読むと、日本の社会は、いまもむかしもそれほど変わっていないのではないかと思ってしまう」(本書より)

【目次】

[第1章]東京へのまなざし
初期作品に見る敗れゆく者たちーー「西郷札」「或る「小倉日記」伝」
風景の複合ーー『Dの複合』『渡された場面』
地方から東京を見るまなざしーー「再春」「空白の意匠」「投影」
抑留された夫の帰りを待つ女ーー「地方紙を買う女」
物語の生まれる場所、甲州ーー「絵はがきの少女」に始まる

[第2章]昭和の光と影
東京地図から浮かび上がる犯罪ーー『歪んだ複写』
昭和三十年代の光と影ーー『点と線』『砂の器』「声」
働く女性の殺人ーー「一年半待て」
小説が書けなくなった作家、時代から忘れられた作家ーー『蒼い描線』「影」「古本」

[第3章]清張映画の世界
ミステリを越えた物語ーー『砂の器』
戦後の混乱がもたらした事件ーー『ゼロの焦点』
悲劇に終わった少年の性の目ざめーー『天城越え』
弱い女性による復讐の悲しさーー『霧の旗』
絶望と罪悪感に揺れる父の姿ーー『鬼畜』
「明るい悪女」とエリートの対決ーー『疑惑』
詐欺事件の謎を追う素人探偵の旅ーー『眼の壁』
子供の姿に過去の自分を見た男ーー『影の車』
思わぬ偽証で破滅する男ーー『黒い画集 あるサラリーマンの証言』

[第4章]清張作品への旅
松本清張の「地方性」
映画『張込み』の面白さ
『張込み』の風景を追って

あとがき

内容(「BOOK」データベースより)

中央と地方、格差社会、転落する男と女―。時代を超えて清張ミステリは読み継がれる。「東京」「昭和」「旅」「映画と小説」など、さまざまな角度からその魅力に迫る極上の松本清張ガイド。

 
 
 

受動喫煙防止対策施設管理者向けハンドブック

2019年05月31日 10時28分21秒 | 投稿欄

2020年4月に全面施行される東京都受動喫煙防止条例と改正健康増進法のポイントを分かりやすくまとめた施設管理者向けのハンドブックを作成しました。

 「自分の施設で必要な対策は?」「喫煙室をつくる場合の基準は?」などの疑問を解消できる1冊です。施設管理者の皆様はぜひご覧ください。


ハンドブック表紙 ハンドブックページ

 

【構成】

 

(1)受動喫煙防止対策の目的

(2)健康増進法と東京都受動喫煙防止条例

(3)管理権原者等の主な責務

(4)対象施設の類型

(5)施設ごとの規制内容

(6)改正法・条例で定める喫煙できる場所

(7)施行時期

(8)受動喫煙防止対策関連施策

 

お申込方法について

受動喫煙防止対策施設管理者向けハンドブックを御希望される方は、下記の手順に沿って電子メールまたはFAXにてお申込ください。
なお、無償で配布していますが、配布予定数に達し次第、配布終了となります。ご了承ください。

電子メールでのお申込

以下の必要事項を記載し、
東京都福祉保健局保健政策部健康推進課(S0000289@section.metro.tokyo.jp)宛送信してください。

  1. 施設名・法人名
  2. 送付先の郵便番号・所在地
  3. 業種
  4. 電話番号
  5. 必要部数

<注意事項>

  • 都内に多数の施設を有する法人様など、100部を超える送付のご希望につきましては事前にご相談のご連絡をお願いします。
  • 必要部数につきましては、ご希望に添えない場合がありますのでご了承下さい。

FAXでのお申込



『母原病――母親が原因でふえる子どもの異常』

2019年05月31日 02時59分13秒 | 投稿欄

久徳 重盛 

■目次

まえがきにかえて
 原因不明の病気や異常で悩む親子

I 母原病とは何か
 昔は伝染病、今は文明病
 病原体が母親にある「母原病」
 壊れてきた母親の育児本能
 子どもはこうして成長する
 母原病の仕組みとは
 構造的育児不能になったわが国

II 母原病のカルテから
 ぜんそくの原因は「20年前の母子関係」だった
 溺愛された娘は外出もできない慢性腹痛に
 家庭内暴力にまで発展させた「悲劇の愛情」
 母親の不安から重症の「文明カゼ」に
 わが子を食欲不振にさせた「こわい母親」
 離婚した母親への幻滅から足痛になった少女
 四ヶ月も下痢させた病原体は「育児の緊張」
 母と子の対話不足で「ことば遅れ」の子に
 過保護ママと甘えん坊の合作が夜尿症

III お母さんへのアドバイス
 母原病を防ぐためのチェック
 これからの育児のために)

〇~三歳児保育にひそむ危険な問題
わが国には合わない『スポック博士の育児書』

■引用

*母原病
「ぜんそくや胃潰瘍の子、熱を出しやすい子などの症状と、家庭内暴力ややる気のない子などの症状とは、表面的に見た現象は随分異なります。しかし病根は同じなのです。いずれも親の育て方の誤りに原因があって、子どもの心身形成・人間形成にひずみができ、その結果、子どもたちに病気や異常があらわれたのものです。育児の中心的役割を果たすのはやはり母親なので「母親が原因の病気」という意味で、私たちは「母原病」といっています。」p.4

*文明病
「[文明が発達して伝染病などはなくなったが、ミルク嫌いや食欲不振、低体温児など、新たな原因不明の子どもの異常があらわれてきた:引用者]これら一連の症状は、間接的な原因としては、世の中が文明化し、都市化が進み、子どもの育つ環境が“自然さ”をなくしてしまったこと、直接的な原因としては、親の育児感覚が狂ってしまって間違った親子関係を続けてきたことによって、子どもの心身のたくましさが失われ、その結果としてあらわれてきたものであるということです。いわば「文明病」とでも呼ぶべき病気です」p.19
「これまでの私の臨床経験からいって、現代の子どもの異常の六〇%はその母親の育児が原因となった病気や異常、

母原病(ぼげんびょう)とは、日本の精神科医久徳重盛が1979年に、サンマーク出版から刊行した『母原病―母親が原因でふえる子どもの異常』で発表した精神医学的な考えで、母親の育児下手が子どもに様々な病気・問題をひき起こしているとするものである

科学的根拠がなく、個人的な意見の域を出ない疑似科学の類であるが、これを主張した久徳の書籍は続編も含めシリーズで100万部を超えるベストセラーになり、マスメディアが日本の母子関係の問題性を喧伝する流れが生じた

概要

1960年代の日本では、「子どもは三歳までは常時家庭において母親の手で育てないと、子どものその後の成長に悪影響を及ぼす」という「三歳児神話」がひろがり、欧米の母子研究などの影響を受け日本の研究でも「母性役割」が強調され、育児書でもそうした考えが説かれ、母親たちに影響を与えた。

オイルショックにより高度経済成長期が終わる1970年代頃には、子殺し(母子心中)、子捨て(コインロッカーベイビー)など子どもの生命にかかわる問題や、暴走族家庭内暴力登校拒否などの子どもの問題が注目されるようになった。

これらの原因は当たり前のように母親の母性の機能不全であるとされており、1971年版厚生白書では育児ノイローゼの母親を「問題親」とし、「育児ノイローゼは母親個人に問題や原因がある」と述べられていた。

こうした流れの中、1979年に久徳の著書『母原病―母親が原因でふえる子どもの異常』(サンマーク出版が日本でベストセラーになった。

久徳は、日本で伝染病の多くが駆逐されても子供たちが健康でないのは、間接的な原因は「都市化が進み、子どもの育つ環境が“自然さ”をなくしてしまった」こと、直接的な原因は「親の育児感覚が狂い、間違った親子関係を続けてきたこと」であり、そのせいで「子どもの心身のたくましさが失われ、病気になった」とし、「現代の子どもの病気は60%が母原病=母親に原因がある」と主張、登校拒否も母原病であるとした。

悪影響

つまり母原病で、伝染病などが原因のものは四〇%にすぎません。

したがって、現代では、何か子どもに異常や病気があらわれたら、一度は親自身が原因ではないかと疑ってみる必要さえあるのです」p.34

*母原病の背景
「このようにいうと、お母さんの責任だけが問われるかのように思われるかもしれません。ところがそのお母さんにしても、文明の進歩や教育、家庭のあり方が変わったことの影響を強く受けており、ある意味ではその犠牲者だともいえるわけです。母原病の病巣は、お母さんよりもっと大きなもののなかにあるのです。」p.62
→一九五二年ボウルビーの文明国における「育児についての精神的崩壊家庭」についてのWHOレポート(社会保障制度の充実が「精神的崩壊家族」を引き起こすというもの)をひきながら、日本においては急速な経済成長によって、頭でっかちの“飼育”的育児が蔓延していると述べる。
「このように、、経済・社会・教育などがすべて構造的に育児不能を助長しているわけですが、結局その根幹をなすものは、先に述べた通り、急激な経済成長、文明化にあったといえます。したがって文明病の一つのあらわれである母原病について考える場合、たえず構造的な問題を念頭におく必要があるでしょう」p.68

「世の中が便利になる。すると、親の育児を行う脳の調子が乱れてくる。そして、母原病の子どもが多くなる。これが、文明の進歩したわが国の図式なのです」p.87
「結局、親が身を正し、正しい育児にもどらなければ、子どもは「母原病」から救われません」p.88
「家庭というものは、しっかりした働き者の父親と、やさしい母親がいてはじめて成り立つこと、子どもはいつも両親に温かく見守られてはじめて正常に育つことを、ここでもう一度理解しなおすことが大切です」p.188

「[高度経済成長によって:引用者]親が子を離すこと(精神的に捨てること)が悪くないという価値観が、一部の人にできてしまいました。そのような狂った価値観をもつにいたった母親がごく一部にしかすぎなかったことは、せめてもの幸いでしたが、逆にいえば、そんな重大なこととは知らず、母親が職場で働いて、子どもを不幸にしてしまったというように、犠牲者もたくさんあらわれたことも事実なのです。(…)私は、理想をいえば、保育所が今のような状態では、〇~三歳児は母親が子連れで働くのがいちばん好ましいと思っています」p.199

■言及