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江藤淳は甦える

2019年07月02日 04時54分12秒 | 投稿欄
 
 
商品の説明

野心家で屈折したエリート意識を持ち、世俗的な名声を求める面もあった「負」の顔をえぐり出している。
東京都立日比谷高校在学中に自己分析した「行動特徴」ノートや、大学2年の自殺未遂、夫人の心の病、さらには愛妻家で知られる江藤の「もう一人の女性」の存在など。
それらが、独自の文学世界が形成される背景として意味付けられる。
闘争心あふれる批評家は大岡昇平、大江健三郎さんらと論争を重ねた。
埴谷雄高、三島由紀夫ら、親しかった作家たちと後に離反するケースも目立った。
「小林秀雄に対しても、乗り越えるライバルだと思っていたのでしょう。江藤さんが影響を受けた人物や論敵を通して見ると、文学、論壇、ジャーナリズムの戦後史がよく浮かび上がってきます」
書きあげた後も、江藤は「複雑な人」だと実感した。
1980年代以降は「保守派」の論客のイメージが強く、文芸での活躍が薄れた。
没後、正当に評価されていないのを惜しむ。
「日米関係や憲法問題も<文学>の課題として本気で論じました。誤解されやすいが、面白い人です」と著者は述べる。
文・大井浩一さん
66歳で衝撃的な自死を遂げたのは20年前の1999年7月だった。

内容紹介

没後二十年、小林秀雄が後継者と認めた戦後を代表する批評家の決定的評伝! 「日本という国はなくなってしまうかも知れない」――「平成」の虚妄を予言し、現代文明を根底から疑った批評家の光と影。

二十二歳の時、「夏目漱石論」でデビューして以来ほぼ半世紀、『成熟と喪失』『海は甦える』など常に文壇の第一線で闘い続けた軌跡を、自死の当日に会った著者が徹底的な取材により解き明かす。新事実多数。

内容(「BOOK」データベースより)

「平成」の虚妄を予言し、現代文明を根底から疑った批評家の光と影―。没後二十年、自死の当日に会った著者の手による決定的評伝、遂に刊行!

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

平山/周吉
昭和27(1952)年東京生まれ。慶応義塾大学文学部国文科卒。出版社で雑誌、書籍の編集に従事した。

文芸誌「文学界」編集長に4月に就き、江藤の担当になって4か月目であった。

江藤の鎌倉の自宅を訪ねた当日のことで、当夜に自殺の報を聞き、「茫然となった」場面から本書は始まる。

現在、雑文家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

 

人類共通の信仰

2019年06月30日 03時46分10秒 | 投稿欄

 

 
 
ジョン デューイ (著), John Dewey (原著), 栗田 修 (翻訳)

デューイ最晩年の著作にして、正面から宗教の問題を扱った本書は、宗教の原点ないし源泉である「経験の宗教的性質」を、諸々の成立宗教から解放し、より素晴らしい民主主義社会を建設しようと提言する。
デューイ研究者である訳者が注釈をふんだんに加えた新訳。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

栗田/修
京都教育大学名誉教授。滋賀県立大学名誉教授。日本デューイ学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 
 
 
 デューイ著作集4 哲学4 確実性の探求: 知識と行為の関係についての研究 

 正直に言って、今回、訳出する際に精読した結果、デューイのマルクス主義批判、弁証法的唯物論批判の立場が、私にもようやく理解できるようになった次第で、・・・第2次世界大戦によって、日本の天皇制は、民主主義と共産主義との共通の敵と見なされ、戦後は、日本の軍国主義、絶対主義的天皇制との政治的、思想的闘争において、いわゆるプラグマティストとマルクス主義者の共同戦線が一時的に成立したため、日本では、デューイの形而上学的唯物論・弁証法的唯物論にたいする終始一貫した批判的立場は、全く看過されたのである。この点を含めてデューイとミードの再評価は、日本の精神文化の再評価とも関わって、急務の課題となっている。

出版社からのコメント

アメリカプラグマティズムは日本では単純に実用主義と見なされてきたが、最早そんな理解は許されない。本著作集が、とりわけ本書11巻が有効なサポートとなるはず。

著者について

アメリカの哲学者・教育学者。プラグマティズムの立場から多方面の業績を残した。(1859-1952)

 
 
 
 

 

 
 
 
 
 

 

「無給医」、50大学病院に計2191人

2019年06月29日 15時34分51秒 | 投稿欄

2019年6月28日 読売新聞

全国の大学病院で診療を行う医師、歯科医師(教授から助教の教員除く)のうち、7%の2191人は勤務実態があるのに給与が支払われていない「無給医」と確認されたことが28日、文部科学省の調査でわかった。

医師免許を持つ大学院生や専門医を目指す専攻医らが大半で、「自己研さんにあたる」などとされていた。労働基準法に抵触する可能性があり、文科省は労務管理を改善するよう各大学に通知した。

調査は国公私立99大学の108付属病院が対象。昨年9月時点での3万1801人の給与支給などを調べた。

その結果、2191人が、「自己研さんや研究」の範囲を超えて勤務実態がある「無給医」と判断された。順天堂大医学部付属順天堂医院(東京)が最多の197人。北海道大学病院(北海道)146人が続き、計50病院で無給医の存在が確認された。


流れといのち

2019年06月28日 13時02分33秒 | 投稿欄
 
万物の進化を支配するコンストラクタル法則 

 

商品の説明

「ビジネス書を100冊読むより、本書1冊を丹念に読むほうがずっとよい」京都大学大学院鎌田浩毅教授

【内容情報】(出版社より)
前作『流れとかたち』で強力なインパクトを与えた熱力学界の鬼才ベジャンが、
富の流れや政治経済から生命と進化まで、万物の諸相に斬新な視座を与える第2弾!

「すべては、より良く流れるかたちに進化する」--この物理の第一原理を、
著者は「コンストラクタル法則」と名付けて1996年に発表した。

「生物・無生物を問わず、すべてのかたちの進化はコンストラクタル法則が支配している」
と突然言われても、すぐに理解して受け止めるのは難しい。

熱力学界では第一級ながら世間では無名に等しい工学者が突如提唱した革命的な理論には、
世に受け入れられるまでに時間が必要だった。

以来20余年、著者エイドリアン・ベジャンのコンストラクタル法則は学術界に認められ、
2018年にベンジャミン・フランクリン・メダルを受賞するに至った。

 * * *

本書でベジャンは「生命」「進化」を、物理の視点で語る。
生命という定義には生物も無生物も関係ない。
動きながら自由に変化している=流れているものが生命だ。
流れが尽きた系には終焉(死)が訪れる。

生命とは、より長く生きたい、食物や暖かさ、力、動き、
他の人々や環境に自由にアクセスしたいという衝動なのである。
そしてベジャンはコンストラクタル法則の導きを元に、
確固たる自信をもって、より良い未来へ向かう世界を提示する。

痛快なベジャン節が快刀乱麻を断つ、目からウロコの物理法則!
前作同様ビジネスパーソンにも大注目の一冊!

内容紹介

「生物・無生物を問わず、すべてはより良く流れるかたちに進化する」――この画期的な物理法則を「コンストラクタル法則」と名付けて1996年に発表した熱力学の鬼才ベジャンは、2018年に米国版ノーベル賞とも言われるベンジャミン・フランクリン・メダルを受賞した。

「生命とは何か」という野心的な探究を軸に据えた本書で著者は、富と資源の流れや、階層制の遍在性、テクノロジーやスポーツや都市の進化、政治や社会を支配する原理、時間や死の諸相までを見渡しながら、生命と進化のみならず、さまざまな事象への見方をくつがえすような、戦闘的な文章で読者を圧倒する。

本書でベジャンは「生命」「進化」を、物理の視点で語る。
生命という定義には生物も無生物も関係ない。 動きながら自由に変化している=流れているものが生命だ。 流れが尽きた系には終焉(死)が訪れる。

生命とは、より長く生きたい、食物や暖かさ、力、動き、 他の人々や環境に自由にアクセスしたいという衝動なのである。
そしてベジャンはコンストラクタル法則の導きを元に、 確固たる自信をもって、より良い未来へ向かう世界を提示する。

* * *

【本書への賛辞】

「快作! 100冊のビジネス書を読むより本書1冊を丹念に読むほうがずっとよい」
鎌田浩毅 (京都大学大学院教授)

「溢れる噓に惑わされることなく、世界の本質に沿って生きる人の、宝物となる本」
神田昌典 (経営コンサルタント)

「ひと言でいってスゴい」
橘 玲 (作家、新書大賞『言ってはいけない』著者)

内容(「BOOK」データベースより)

「生命とは何か」という問いの根源を探究する著者の思考は、物理法則の第一原理“コンストラクタル法則”を武器に、富と資源の流れ、階層制の遍在性、テクノロジーやスポーツや都市の進化、政治や社会を支配する原理、時間や死の諸相までを見渡しながら、生命と進化にまったく新たな視座を与える。

著者について

【著】エイドリアン・ベジャン Adrian Bejan
1948年ルーマニア生まれ。デューク大学 J. A. Jones 特別教授(distinguished professor)。マサチューセッツ工科大学にて博士号(工学)取得後、カリフォルニア大学バークレー校研究員、コロラド大学准教授を経て、1984年からデューク大学教授。30冊の書物と650以上の論文を発表しており、「世界で最も論文が引用されている工学系の学者100名(故人を含む)」に入っている。1999年に米国機械学会と米国化学工学会が共同で授与する「マックス・ヤコブ賞」を受賞。2006年には熱物質移動国際センターが隔年で授与する「ルイコフメダル」を受賞。これらを二つとも受賞している研究者は少なく、いずれも熱工学の歴史に名を残した人物である。11か国の大学から18の名誉博士号を授与されている。2018年には米国版ノーベル賞とも言われているベンジャミン・フランクリン・メダルを受賞。1996年に提唱した「コンストラクタル法則」もその受賞理由に挙げられている。邦訳に『流れとかたち――万物のデザインを決める新たな物理法則』(柴田裕之訳、木村繁男解説、紀伊國屋書店、2013年)がある。

【訳】柴田裕之(しばた・やすし)
1959年生まれ。翻訳家。早稲田大学理工学部、アーラム大学卒。訳書にハラリ『ホモ・デウス』『サピエンス全史』(以上、河出書房新社)、ベジャン『流れとかたち』、ドゥ・ヴァール『動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか』、コーク『身体はトラウマを記録する』(以上、紀伊國屋書店)、オーウェン『生存する意識』(みすず書房)、ケーガン『「死」とは何か』(文響社)ほか多数。

【解説】木村繁男(きむら・しげお)
1950年生まれ。公立小松大学教授(生産システム科学部・学部長)、金沢大学名誉教授。早稲田大学理工学部機械工学科卒業後、一般企業勤務ののち、コロラド大学大学院工学研究科においてエイドリアン・ベジャンを指導教授として博士号取得(工学)。カリフォルニア大学ロサンゼルス校、通商産業省工業技術院、金沢大学教授を経て現職。専門は伝熱工学。

 

 
 
 


老いと記憶-加齢で得るもの、失うもの

2019年06月28日 12時35分34秒 | 投稿欄
 
 
商品の説明

熟練のピアニストなど長年の訓練に熟達した技能は、計画的な練習を行えば、高齢期も維持され、加齢による影響は無いか、小さいという。
その技能を得るには一万時間の練習が必要だが、「1日、3時間で10年程度。退職した後でも何か新しいことにチャレンジし、その分野のエキスパートになることは可能」。
何かを始めるのに遅すぎることはない。
若き日の<夢>に老後、改めて挑戦するのも一つだろう。

内容紹介

屈指の高齢社会である日本では、老化への関心も高い。加齢に伴って人間の記憶や認知はどう変わるのか、それらを司る脳にどのような変化が生まれているのか、そして、変化する記憶機能といかに向き合うべきか。

加齢をネガティブにばかり捉えず、正しい知識で向き合うための一冊。

内容(「BOOK」データベースより)

加齢によって、記憶は衰える―。それが一般的なイメージだろう。

だが、人間のメカニズムはもっと複雑だ。高齢者心理学の立場から、若年者と高齢者の記憶の違いや、認知機能の変化など、老化の実態を解説。

気分や運動、コミュニケーションなどが記憶に与える影響にも触れ、人間の生涯で記憶の持つ意味をも問う。加齢をネガティブに捉えず、老いを前向きに受け入れるヒントも見えてくる。

著者について

増本康平 
1977年生まれ.神戸大学大学院人間発達環境学研究科准教授.大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了(人間科学).日本学術振興会特別研究員,大阪大学大学院人間科学研究科助教,島根大学法文学部講師を経て,神戸大学に着任.スタンフォード大学長寿センター客員研究員.専門分野は,高齢者心理学,認知心理学,神経心理学. 著書『エピソード記憶と行為の認知神経心理学』(ナカニシヤ出版,2009年)

 
 

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

2019年06月28日 12時23分12秒 | 投稿欄
LIFE SHIFT(ライフ・シフト)


商品の説明

今こそ、自分の人生を生きよう

100年ライフでなにが変わるか?

 70代、さらには80代まで働かなくてはならない

  • 新しい職種が登場し、手持ちのスキルだけでは生き残れない
  • 教育→仕事→引退という3ステージの人生が崩壊する
  • 変化を経験する機会が増えるため、選択肢をもっておくことの価値が増す
  • 子育て後の人生が長くなることで、家庭と仕事の関係が変わる
  • 老いて生きる期間ではなく、若々しく生きる期間が長くなる

 あなたの100年ライフをつくる本

この本は、未来が過去の延長線上にないと気づいている人たちに、未来の試練だけでなく可能性について知りたい人たちに、自分の現在と未来の職業人生を好ましいものにしたい人たちに、長寿を厄災ではなく恩恵にできる可能性を最大限高めたいと望む人たちに向けて書いた。(序章より)

メディア掲載レビューほか

 寿命100年時代、あなたはどう生きますか? 新しい人生戦略を提示した『LIFE SHIFT』が14万部のヒット

過去200年間、人の平均寿命は伸び続けてきた。そこから導かれる予測によれば、2107年には主な先進国では半数以上が100歳よりも長生きするのだという。すると、80歳程度の平均寿命を前提に〈教育〉〈仕事〉〈引退〉の3段階で考えられてきたライフコースは抜本的に考え直されなければならない。そんな難題に英国の経営学者と経済学者のコンビが正面から向き合った本が、ハードな内容をものともせず、ベストセラー街道を邁進中だ。

 「100年ライフの時代には、長い老後のためにお金を蓄えることも当然必要です。しかしそれだけではなく、変化し続ける環境に対応するためには、ライフ(人生)とワーク(仕事)のバランスが重要なんです」(担当編集者の佐藤朋保さん)

 たとえば、機械化やAIの進歩を受けて雇用はどう変わるのか。予測しづらい変化に対処するための人的ネットワークをいかに構築するべきか。健康にはどう留意すべきか……などなど。本書が示す新たな問題の切り口は、極めて多彩だ。

 「弊社のウェブメディアでは、著名人や有識者の方に、100年ライフと日本人の新しい生き方を示してもらっています。各地での読書会やSNSでの反響からも、みなさんが『自分ごと』として本書の内容を受け止め、考えた様子が伝わってきますね」(佐藤さん)

 老若男女問わず、人生の岐路に立つ人すべてに、考えるヒントをくれる1冊だ。

評者:前田 久

(週刊文春 2017.06.01号掲載)

内容紹介

■33万部突破! ずっと売れてます! 
■「2018年のヒット商品番付」(SMBCコンサルティング)にて、「人生100年時代」が大関に選出
■「楽天市場 ヒット番付2018」にて、「ライフシフト消費」が西前頭に選出
■テレビ東京「池上彰が選ぶ今知っておきたい小さなニュース」にて紹介(2018年7月8日放送)
■Financial Times 電子版記事「Japan begins to embrace the 100-year life」にて紹介
■「人生の教科書」「『10年に1冊』の必読書」と大好評! 
■NHKEテレ「ハートネットTV」にて紹介(2018年4月23日放送)
■TBS「林先生が驚く初耳学! 」にて紹介(2018年4月1日放送)
■TBS 水トク!『緊急!池上彰と考えるニュース総決算!2017 ニッポンが“危ない"』にて紹介(2017年12月6日放送)

■流行語大賞2017「人生100年時代」ノミネート
■DIAMONDハーバード・ビジネス・レビューの読者が選ぶベスト経営書2017 第1位
■リンダ・グラットン、政府の「人生100年時代構想会議」に起用! 
■テレビ東京「ガイアの夜明け」、NHK総合「おはよう日本」、NHKEテレ「ニッポンのジレンマ」など各メディアで大反響! 
■読者が選ぶビジネス書グランプリ2017にて、総合グランプリ受賞! 
■ビジネス書大賞2017にて、準大賞受賞! 
■「人生100年時代」ムーブメントのバイブル! 
■反響の声続々! あらゆる世代から圧倒的支持! 

誰もが100年生きうる時代をどう生き抜くか。
働き方、学び方、結婚、子育て、人生のすべてが変わる。
目前に迫る長寿社会を楽しむバイブル。

世界で活躍するビジネス思想家が示す、新しい人生のビジョン。

みんなが足並みをそろえて教育、勤労、引退という
3つのステージを生きた時代は終わった。

では、どのように生き方、働き方を変えていくべきか。
その一つの答えが本書にある。

100歳時代の戦略的人生設計書。

《本書の主な内容》

●人生はより長く、健康になる。
●エクスプローラー、インディペンデント・プロデューサー、ポートフォリオ・ワーカーという新しいステージが出現する。
●スキル、知識、仲間、評判、健康、生活、友人関係、アイデンティティ、人的ネットワーク、オープンな姿勢が大事
●労働市場に存在する職種は、これから数十年で大きく入れ替わる。
●100歳になった自分がいまの自分をどう見るかを考える。
●男女の役割分担が変わる。質の高いパートナー関係が必要になる。
●数十年単位での役割の調整が必要。高度な信頼関係と徹底した計画が不可欠。
●各人のアイデンティティが変わっていく。

《世界を代表する知識人が称賛! 》
明快でタイムリー、オリジナルで書きぶりも素晴らしく、そしてとても恐ろしい。
ニーアル・ファーガソン(『劣化国家』著者)

より健康で長寿になる私たちの人生に関する迫真のケーススタディ。
私たちの知っている世界とはまったく別の未来がくるだろう。
ダロン・アセモグル(『国家はなぜ衰退するのか』著者)


【目 次】
日本語版への序文
序 章 100年ライフ
第1章 長い生涯――長寿という贈り物
第2章 過去の資金計画――教育・仕事・引退モデルの崩壊
第3章 雇用の未来――機械化・AI後の働き方
第4章 見えない「資産」――お金に換算できないもの
第5章 新しいシナリオ――可能性を広げる
第6章 新しいステージ――選択肢の多様化
第7章 新しいお金の考え方――必要な資金をどう得るか
第8章 新しい時間の使い方――自分のリ・クリエーションへ
第9章 未来の人間関係――私生活はこう変わる
終 章 変革への課題

内容(「BOOK」データベースより)

お金偏重の人生を、根底から変える。成長至上の次に来る、新しい生き方。

著者について

【著者】
リンダ グラットン(リンダ グラットン)
ロンドン・ビジネススクール教授
人材論、組織論の世界的権威。

2年に1度発表される世界で最も権威ある経営思想家ランキング「Thinkers50」では2003年以降、毎回ランキング入りを果たしている。2013年のランキングでは、「イノベーションのジレンマ」のクリステンセン、「ブルー・オーシャン戦略」のチャン・キム&モボルニュ、「リバース・イノベーション」のゴビンダラジャン、競争戦略論の大家マイケル・ポーターらに次いで12位にランクインした。

組織のイノベーションを促進する「Hot Spots Movement」の創始者であり、85を超える企業と500人のエグゼクティブが参加する「働き方の未来コンソーシアム」を率いる。

邦訳された『ワーク・シフト』(2013年ビジネス書大賞受賞)、『未来企業』のほか、Living Strategy, Hot Spots, Glowなどの著作があり、15を超える言語に翻訳されている。

アンドリュー スコット(アンドリュー スコット)
ロンドン・ビジネススクール教授
ロンドン・ビジネススクール経済学教授、前副学長。オックスフォード大学を構成するオール・ソウルズカレッジのフェローであり、かつ欧州の主要な研究機関であるCEPRのフェローも務める。2005年より、モーリシャス大統領の経済アドバイザー。財政政策、債務マネジメント、金融政策、資産市場とリスクシェアリング、開放経済、動学モデルなど、マクロ経済に主要な関心を持つ。

【訳者】
池村 千秋(イケムラ チアキ)
翻訳家
翻訳者。リンダ・グラットンの前作『ワーク・シフト』のほか、ミンツバーグ『私たちはどこまで資本主義に従うのか』『MBAが会社を滅ぼす』、モレッティ『年収は「住むところ」で決まる』、キーガンほか『なぜ人と組織は変われないのか』、ピンク『フリーエージェント社会の到来』、コーエン『大停滞』など、ビジネス・経済書の翻訳を数多く手がける。

 

 
 


時の娘

2019年06月26日 17時03分12秒 | 投稿欄
 

商品の説明

英国史上最も悪名高い王、リチャード三世——彼は本当に残虐非道を尽した悪人だったのか? 

退屈な入院生活を送るグラント警部はつれづれなるままに歴史書をひもとき、純粋に文献のみからリチャード王の素顔を推理する。安楽椅子探偵ならぬベッド探偵登場。探偵小説史上に燦然と輝く歴史ミステリ不朽の名作。

意図的な「作り話」が広がり「通説」へと定着していく過程を言い得た1文がある。
「今となってはもうとり返しがつかん。この話は嘘だと知っている連中が黙って見ているあいだに、そのまったくの嘘っぱちが伝説になるまでにふくれ上がってしまうんだ」

社会にはびこる根拠なきデマや中傷。
その拡散の過程は、今も昔も変わらないだろう。
人は、いかに低俗な作り話であっても、繰り返しているうちに真実と思い込んでしまうものだ。
ゆえに、断じて放置してはならない。
人々を不安や混乱に陥るデマを正すには「うそだと知っている人」が立ち上がり、真実を語り抜く以外ない。

江戸川乱歩が「ベスト級の論理探偵小説」と評した1951年に発表の作品。悪名高いリチャード3世について、本当に残虐非道な悪人だったのかを探っていく歴史ミステリ。

歴史書、当時の文献からリチャード3世の真相が徐々に紐解かれていく。主人公グラントは警察なだけあって、人の感想よりも行動を重視し、客観的な視点で捜査の指示を出す。文献という証拠と理論的な推理がなされ、だいぶ説得力があるように感じた。

リチャード3世像はヘンリ7世以降のテューダー朝時代に反ヨーク家側の人間によって作られ、それが後世にまで伝えられていったものなのだととにかくよくわかった。

歴史は勝者によって作られるという普遍的な事実を改めて実証するような内容。ユーモアに富み、批評精神旺盛な、非常に面白い作品です。
 
負傷して入院中の刑事が、偶然入手した悪名高いかつての英国王の肖像を眺めながらその歴史的評価に疑問を抱く…という歴史ミステリで、趣味性高い佳品。直感を信じ悪評の根拠を突き崩していく様子は警察捜査とはまるで違うものの、次第に二重写しで見えてくる展開。
主人公のひらめきを補う調査担当の相棒役が次第に入れ替わりグレードアップしていくのは納得の行く点であるとともに、多少ご都合主義だとも感じる。この辺りの評価を知りたいところ。

英国国民であればもっと楽しめたかも知れない。さて本書、15~16世紀の王室、特にリチャード3世、ヘンリー7世を紐解いていくのである。歴史書は勝った方の都合のよいようにいくらでも書き換えられ、また政治的に国民を都合よく誘導するためのツール、いわゆるプロパガンダ的に多用される。聖書といえども各宗教派閥のご都合主義で捏造されてきたのでしょうから。本書ではリチャード3世の名誉挽回、ヘンリー7世の阿漕さが目立つ構図となっている。

読み終えて思うのは、何故このタイトルなのだろうということ。尋ねたところ、「真実は時の娘」という格言の一部とわかり得心が行った。

 

 

 

 

「こんにちは!」で交流

2019年06月25日 08時18分54秒 | 投稿欄

37歳(公務員・男性)の方の投稿欄
私はもともと人見知りで、新しい人間関係を築くのが苦手でしたが、息子のおかげで、楽しみながら会話できるようになり、自分の成長を感じています。
2歳半になる息子は、公園ですれ違う方に率先して「こんにちはー!」と元気よくあいさつをします。
相手の方もうれしそうにあいさつを返してくれます。
そうした息子の姿を見て、自分から元気よく声を掛ける大切さを学びました。
つながった縁を大切にし、、これからも地域の友好を広げていきたいと思います。


アイアンクロスヒトラー親衛隊

2019年06月24日 06時35分42秒 | 投稿欄

2019年6月22日、CSテレビ(午前4時~6時)で観た。

映画は2015年のイタリア映画。

1943年。第1SS装甲師団のヘルケル伍長は、ナチス親衛隊の標語「忠誠こそわが名誉」を信じ、祖国のために戦う決意に燃えていた。
だが、東部戦線から西部戦線へと激戦地を転戦する日々の中、ヘルケルは、捕虜虐殺・ホロコーストといった戦争犯罪の恐るべき実態を知ってしまう。
「俺は、何のために戦っているのか?」疑問を感じながらも、戦い続けることしか出来ないヘルケル。
やがて戦局は悪化し、追いつめられた第1SS装甲師団にも最期の日が訪れた……。

監督 アレッサンドロ・ペペ
主演 レオーネ・フリーザ, パウロ・バカリーノ, フランチェスコ・ミグリオーレ 

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独ソ戦を描いた数少ない映画である。

SSの一兵士の視点で描かれている。
今までにないアプローチでしっかりと軍隊生活を描いていて好感が持てる佳作です。
SSだけれど(狂信的なナチスでない)普通のドイツ兵が、敗戦色が強くなる中でどんな思いだったか知りたいと思っていたところにこの映画にたどり着きました。

指導者がはじめてしまった戦争の中で、祖国に忠誠をつくし、祖国や愛する人々、命のために戦い、敗戦が近づくにつれ悲しみや絶望の中で戦うしかなかったドイツ兵の叫びが主人公の心のつぶやきや視界と共に伝わってくる仕立てで、自分の目的的には満足でした。

クルスク、ノルマンディー、アルデンヌ等、さりげなく出てくる風景や地域名称も、連合軍側の英雄的な戦いがフィーチャ―されつつ、ドイツ兵も過酷な戦闘体験をした地域で、最後の方にポツンと出てくる「罪人は独軍人だけだろうか?」という言葉を感慨深く受け止めさせていただきました。

(日本兵も戦争映画で悪役として描かれる事が多くありますが、ドイツ兵よりは戦術の巧みさや忠誠心など、米側にリスペクトされながら描かれている方なのかなと思ったりしました。)
ただ、表紙のデザインと日本語タイトルからすると、狂信的な親衛隊の激しい電撃戦シーン、ゲリラ戦シーンがみれる映画と誤解しかねないので、今から表紙だけでも変えた方がよいのではと思いまいました。

一般兵がうらやんだという武装親衛隊の特別な装備や小道具が様々見られるのは新鮮でした。
イタリアの戦争映画と聞いて私は、昔あったマカロニウエスタン風のアクション映画を想像していました。
退勢の激戦の続く中で、武装親衛隊師団の下士官の主人公が疲れ擦り切れていく感じの戦闘が淡々と続く戦争映画でした。

武装親衛隊は思想的な問題等から捕虜をあまり取らず、捕虜にされ難かったと言われている史実をふまえ、玉砕前提の日本軍ほどではないにせよ、降伏という選択肢のない負け戦の絶望感を感じさせる展開でした。人間ドラマとしては重い展開です。

ヨーロッパの美しい森林地帯の戦場での重く辛い戦い。負傷して帰った祖国での憂鬱な展開、自分たちの正義に疑問を持ちつつ前線に戻って上官に覚悟を問い直される主人公。

車両等の大道具は、それらしいレプリカも在りますが随分と力を入れていて、静止画的には絵になるのですが、緊迫感を出すつもりか、揺れ動くカメラワークは、動画としては見辛いシーンも多かったです。

CGのエフェクト等も、最近の映画としては残念な感じはありますが、それなりの水準の戦争映画でした。

「捕虜は捕るな」との命令で、その場で捕虜たちを無惨に射殺するシーン。
何でもありの戦争の酷さや空しさを突き付け場面もあった。
自分たが捕虜を射殺してきたように、最後は捕虜となった主人公も米兵から射殺される皮肉な結果に。。
さらに皮肉なことは、主人公の恋人が戦後アメリカ(ミネソタ)へ移住して、敵国のアメリカ兵と暮らしていることを想起させる場面だ。
戦後、日本女性がて敵国兵の嫁になったように・・・。


阪神・矢野監督と一問一答―

2019年06月24日 02時07分44秒 | 投稿欄

「交流戦明けからジョンソンも戻れる」

 阪神が13安打を放ちながら14残塁。西武に敗れ、3連勝はならなかった。先発・ガルシアは5回まで2失点で粘るも、6回に4連打を浴びるなど5点目を失ったところで降板。あとを受けた岩崎が2点を失い、ガルシアの失点は「7」となった。また、大山、近本に失策が出るなど、守備で投手を助けられなかった。

 【矢野監督と一問一答】

 ▼ガルシアは序盤らしい投球も まあそうやね。調子が悪いなという感じには見えなかった。

 ▼大山の失策が…

 まあ痛いわね。送球でミスっていうのはね。しっかりやらんともちろんダメだろうし、あれで得点取られているわけだから。

 ▼負ける時はミスがつながる いろんな課題が出たんじゃない?反省したり、やることいっぱいあるし。改善していかなあかんところと、成長していかなあかんところはきょうの試合でたくさんあったと思う。課題の多い試合やったね。

 ▼交流戦明けからジョンソン復帰 1年間戦う中でいろいろあると思うし、まあ、近本も聖也(木浪)にしてもルーキーで出ている部分で、初めての経験もあるし。後はここにきて体の状態の良くない選手たちも出てきて、ちょっと苦しい戦いになったかなというのはここまでの感想かな。その中で粘れる試合もあったし、楽しみやおもしろいという部分も見せたと思うので。まあ、今日は勝ってしっかり終わりたいっていうところは強かったけど。交流戦明けからジョンソンも戻れると思うし、体を休めるやつはしっかり休めて。課題もまだまだあるので、短い間でどれぐらいできるかわからないけど。シーズンを通して課題を克服していかないと、俺らの目指すところには近づけないと思うので、そういうところしっかりやっていく。

 ▼さあリーグ戦再開へ あまり星勘定はしてもどうかなとも思う。目の前の試合をしっかり戦っていくというのが大事だとは思ってるんだけど。ジャイアンツはこの交流戦は状態が良かったみたいだけど、広島もね、調子良くないし。DeNAはちょっと上がってきてるのかな。セ・リーグはどうなるかわからない状態のところにいられるっていう部分ではね、またチャレンジしていくしかないんでね。思い切って、ファン喜ばせたいし俺らも喜びたいし、そういう野球できるようにがんばります。

 ▼鳥谷の状態は? トリ(鳥谷)自身がもちろんつかんでいかなあかんところもあると思うし、トリ自身がやることはやるっていうのがいつもやる選手やし。まだまだここからじゃない?


貯金使い果たした阪神、好転への考え方

2019年06月21日 11時12分41秒 | 投稿欄

内田雅也の追球 どん底での「感謝」

 ◇交流戦 阪神2-3楽天(2019年6月20日 甲子園)

 痛恨だった阪神・木浪聖也の拙い走塁を問い詰める気はない。試合中、代走を出されて下がったベンチで監督・矢野燿大に説諭されていた。 

 1点を追う8回裏無死一、三塁で三塁走者だった。近本光司の高いバウンドの三ゴロで本塁突入をためらい、同点生還を逃したのだった。 

 「還ってほしかったですね」と、すぐ隣の三塁コーチボックスにいた内野守備走塁コーチ・藤本敦士は言った。無死一、三塁で一塁走者・植田海の二盗は「グリーンライト」。三塁走者への事前の指示は「ゴロ・ストップ」が定石だが、それも打球による。

 「確実に還れる打球でしたので。指示はしていたのですが……」。藤本の声は聞こえたはずだが、木浪はちゅうちょし、そしてあきらめた。 

 「指示はしていても行動に移せなかったのは僕たちの責任でもあります」。責任と敗戦の痛みを分け合った。 

 「超積極的」をテーマの一つに掲げる矢野としては消極姿勢が残念でならなかったろう。 

 キャンプ中にも書いたが、積極走塁の考え方は坂本龍馬が手本となる。司馬遼太郎の『竜馬がゆく』(文春文庫)にある。「男なら、たとえ溝の中でも前のめりに死ね」。前を向いての憤死なら、いくらか良かった。 

 前夜(19日)、回の先頭打者に2ストライクから四球を与えた守屋功輝は「慎重になり過ぎた」と話していた。この夜(20日)の木浪も慎重に過ぎた。どうもチーム内に積極性が失われているのが気になる。 

 同じ若手でも、この夜先発した高橋遥人の攻撃的で前向きな姿勢をならいたい。浅村栄斗、ブラッシュの3、4番をはじめ、強打者相手にひるまずに向かっていった。

 さらに5回表は一ゴロ失策(原口文仁後逸)、中飛失策(近本落球)と連続失策で無死一、二塁を背負わされ、2失点した。不運を嘆きたくなるなか、高橋は同点で踏ん張った。表情一つ変えなかったのが頼もしい。 

 <困難に出あったとき「ありがたい。この程度ですんで良かった」と感謝すると、その瞬間から人生は好転する>と、思想家・中村天風が語っている。月刊『致知』(致知出版社)にあった。 

 天風を「人生の師」と仰ぐ名将・広岡達朗(元ヤクルト、西武監督)は<自分の人生を変えた教え>として「自分の現状は自分の考え方がつくっている」をあげている。著書『広岡イズム』(ワニブックス)にある。<それがわからないと、信念はかたまらない>。 

 矢野が愛読するアルフレッド・アドラーの教えと似ている。  1分けをはさみ、今季初の6連敗。うち5試合が逆転負けである。リードを奪った後、気持ちが守りに入っているのだろうか。疲れる競り負けが続き、チーム状態はどん底に近い。 

 それでも「まだ5割ある、ありがたい」と思えれば、好転の時はやってくる。=敬称略= (編集委員)


人をつくる教育 国をつくる教育

2019年06月18日 05時40分56秒 | 投稿欄
 
小室 直樹  (著), 大越 俊夫  (著)

商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

教育とは何か、国家とは何か、愛国心とは何か。いまこそ吉田松陰に学べ。

内容(「MARC」データベースより)

戦後の教育の間違いを正し、日本を破滅から救う方法は、吉田松陰にたち戻ること。何が正しく、何が正しくないか。日本のあるべき姿を明確に解説。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

小室/直樹
1932年、東京都出身。京都大学理学部数学科卒業後、大阪大学大学院経済学研究科博士課程を経て、フルブライト留学生となり、ミシガン大学大学院で計量経済学、マサチューセッツ工科大学大学院で理論経済学、ハーバード大学大学院で心理学および社会学を研究。その後、東京大学大学院法学政治学研究科博士課程を修了し、法学博士に。政治学者、経済学者。他の追随を許さない切れ味鋭い分析で、現代日本が抱えている諸問題にメスを入れ、その解決策を提示し続けている。政治・経済分野のみならず、教育論や宗教論など、その言論範囲は多岐にわたる 

大越/俊夫
1943年、広島県出身。関西学院大学大学院米文学研究科博士課程修了。「手垢のつかない若者教育の場」作りをめざして大学職を辞し、1975年、神戸市に不登校・中退生のためのリバースアカデミー「師友塾」を設立。1979年、カリフォルニアルーテル大学英文科准教授および学長補佐に就任。大学の協力を得て「AIE」を創設。国内では師友塾塾長、国外ではAIE学院長として〈命に火をつける教育〉を実践している。「日本の教育を考える会」世話人代表。月刊誌『パーセー』を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

「今こそ吉田松陰に学べ」という内容であり、具体的には「画一的な教育ではなく、時代を変えるほどの偉大な人物を生み出す教育こそがこれからの社会において必要不可欠である」と小室氏は喝破します。
そして吉田松陰の教育の中で最も特徴的だったことは、「日本という国の本当の正しい姿は何であるのか、そしてその中での日本人のあるべき姿は何か」ということを門下生にしっかりと教え、松陰に会うまではごく普通の青年であった高杉晋作や山県有朋、伊藤博文などを
鼓舞させ、しまいには明治維新の立役者にまで変貌させてしまったほどの魂の教育であったということです。
全編を通して政治・経済・宗教学のオンパレードであり、本書においても博学多才な小室学がたっぷりと堪能できる良書です。
また、途中途中における不登校の学生たちからの質問にも親切丁寧に返答されており、教育者としての小室氏の魅力的なトークがふんだんに楽しめる良書です。
小室直樹ファンの方ならず教育に関心のある方々にとっても絶対に刺激的な一冊だと思います。

今の日本のように国民のほとんどが一定レベルの教養をもっている状況では、教育が画一的である必要など全くなく、むしろ個々の長所を伸ばしてやれるような新しい教育制度が必要だ。
「現在の教育制度を根本的に変えなければならない」という主張には大いに賛成!
でなければ人は育たず、この国は滅びてしまう。今の教育現場を見ればそんな憂国論も言いたくなる。
 ぜひこの本を読んで理想の教育とはどんなものだろう、と疑問をもっていただいて、続けて小室直樹、谷沢永一共著「こんな歴史に誰がした」を読んでいただきたい。
 きっと「こんな教育では将来の日本を担うべき立派な人間を産み出せないじゃないか!」と拳を握りしめること間違いなし!

吉田松陰について最近興味があるので、読んでみました。
 大越さんについては全然予備知識はありませんが、小室さんについては何冊か著書を読んだことがあります。
 小室さんの講義を大越さんと彼の学校の生徒の質疑も交えて、という形の本です。
 小室さんのスタンスは、シンプルな東大と文部省を中心とする教育体制批判です。(本来行政官を生むべく作られた東大が、政治家を輩出している。そのアンチテーゼとして作られた早慶を初めとする私学も本来の趣意を失っている)
 また、吉田松陰の思想と天才的な感化力・教育姿勢を絶賛しています。(倫理教育および個人別に長所を伸ばすことを実践)
 逆に今の擬似「科挙」体制の日本の教育界からは、ダメな政治家とダメな官僚しか生まれないとのことです。この点は賛成。

 以下は、小室さんの薀蓄全開で評者の知らなかったところ
・木戸孝允が「鞍馬天狗」のモデルだった
・大西瀧治郎中将は特攻隊生みの親で立派な人だった。(評者:大西は豪傑だったらしいが、特攻隊の生みの親としての説は異論ある模様。終戦の翌日、割腹自殺。しかし、特攻隊の生みの親がなんで立派な人なんだろう?)
・イスラム教は戒律が厳しいから日本で広まらなかった。(評者:日本は基本的に多神教の国であり、キリスト教はある程度それに妥協した結果広まったが、イスラム教は一神教の筋を曲げなかったということか?)
・欧米は(有名)大学の歴史が国家の歴史より長いが、日本は国家が(伊藤博文が)大学を作った。
・学校が作られた順番は陸軍士官学校・海軍兵学校が先で、東京大学法科、医科は後だった。

小室直樹氏の言葉には、いつも勇気づけられる。
自分が日本人であることに「誇り」をもたせてくれるからである。
この本は現在の日本が(時に教育面で)吉田松陰から学ぶべき点があることを数多く指摘する。
日本には「愛国心」「忠誠心」という言葉を人前で発せられない雰囲気があるが、吉田松陰の行動や教育の根底には日本に対する「愛国心」「忠誠心」が秘められていた。
そういう心が核となって、明治維新のエネルギーが高まっていったのである。
そして、小室氏は断言する。
「堕落した日本人の再生は偉大な人物を生み出す『松蔭教育』しかない」と。
日本人がこれから進むべき道に光明を投げかけてくれる一冊である。


 

 
 
 

 

 
 

35人の演奏家が語るクラシックの極意

2019年06月17日 12時27分39秒 | 投稿欄
 
 
商品の説明

インタビューのさなか、よく相手から「メモを取らないで大丈夫?」と心配されたという。
優れたインタビュー記事は、会話を、筆記したり、テープを起こしたりしたのでは生まれない―との信念に驚かされる。

内容紹介

国際舞台の第一線で活躍するアーティストへの取材を通じて見えてくる彼らの素顔。それは、ひたむきで真摯な人間像である。様々な試練を乗り越え、克己して今日の名声を確立した彼らの確信に満ちた言葉の数々は、読む者に生きる力、勇気を与えてくれる。

内容(「BOOK」データベースより)

取材経験豊かなヴェテラン音楽ジャーナリストが深い信頼と共感の中で演奏家に聞く「音楽の力」。

伊熊/よし子
音楽ジャーナリスト、音楽評論家。東京音楽大学卒業。レコード会社、ピアノ専門誌「ショパン」編集長を経てフリーに。クラシック音楽をより幅広い人々に聴いてほしいとの考えから、音楽専門誌に限らず、新聞、一般誌、情報誌、WEBなどに記事を掲載。アーティストへのインタビューの仕事も数多く、最も多い年で年間74人のアーティストに話を聞いている。クラシックは「生涯の友」となり得るものであるという信念のもとに、各アーティストの演奏、素顔、人生観、音楽観を自分の言葉で人々に伝えることに全力を傾けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

 

【テーマのある旅】

2019年06月15日 11時30分46秒 | 投稿欄

テーマの旅は、観光だけでなく“趣味やこだわりを堪能できるツアー”です。
ツアーは各専門分野の講師やツアーディレクターが企画し、同行して皆様をご案内いたします。
じっくり知識や技術を深めたい方にはシリーズで行く趣味の旅もご用意しております。「趣味が広がり、仲間と出会える」新しいスタイルの旅で、あなたの世界を広げてみませんか?
<体験重視>という点も見逃せません。

文化遺産、日本遺産なども。

日本の歴史や文化に触れるあるき旅


下流老人 一億総老後崩壊の衝撃

2019年06月15日 09時56分48秒 | 投稿欄
 
藤田孝典  (著)
 
 商品の説明

なぜ貧困は解決しないのか?
「原因は雇用の規制緩和」
「非正規雇用を爆発的に増やした小泉政権の構造改革を総括せず、新たな時代(令和)は迎えられなす」

内容紹介

年収400万でも、将来生活保護レベル!? 
今、日本に「下流老人」が大量に生まれている。
そしておそらく近い未来、日本の高齢者の9割が下流化する。
本書でいう下流老人とは「生活保護基準相当で暮らす高齢者、およびその恐れがある高齢者」である。現在すでに約600万人が一人暮らし(うち半数は生活保護レベル)をしているが他人事ではない。
間近に迫った「老後総崩壊」にどう対処すればいいのか?

●第1章 下流老人とは何か
下流老人とはいったい何か
1:収入が著しく少「ない」
2:十分な貯蓄が「ない」
3:頼れる人間がい「ない」(社会的孤立)
下流老人の何が問題なのか
Ⅰ:親世代と子ども世代が共倒れする
Ⅱ:価値観の崩壊
Ⅲ:若者世代の消費の低迷
ほか

●第2章 下流老人の現実
生活困窮者の現状/異口同音に「想定外」
<ケース1>飲食店などで働くも、野草で飢えをしのぐ加藤さん
<ケース2>うつ病の娘を支える永田さん夫婦
<ケース3>事務職員をしてきた山口さん
<ケース4>地方銀行に勤めていた藤原さん

●第3章 誰もがなり得る下流老人
――「普通」から「下流」への典型パターン――
【現状編】
<パターン1>病気や事故による高額な医療費の支払い
<パターン2>高齢者介護施設に入居できない
<パターン3>子どもがワーキングプア(年収200万円以下)や引きこもり
<パターン4>増加する熟年離婚
ほか
【近い未来編】
「一億総老後崩壊」の時代
もらえる年金が減るおそれ
年収400万円以下は下流化のリスクが高い
ほか

●第4章 「努力論」「自己責任論」があなたを殺す日
放置される下流老人
努力できない出来損ないは死ぬべきなのか?
イギリス、恐怖の「貧困者収容所」法
ひっそりと死んでいく下流老人たち
ほか

●第5章 制度疲労と無策が生む下流老人
――個人に依存する政府――
1. 収入面の不備
2. 貯蓄・資産面の不備
3. 医療の不備
4. 介護保険の不備
ほか

●第6章 自分でできる自己防衛策
――どうすれば安らかな老後を迎えられるのか――
【知識の問題:対策編】生活保護を正しく知っておく
【意識の問題:対策編】そもそも社会制度とは何か
【医療の問題:対策編】今のうちから病気や介護に備える
ほか

●第7章 一億総老後崩壊を防ぐために
以下流老人は国や社会が生み出すもの
日本の貧困を止める方策は?
制度をわかりやすく、受けやすく
生活保護を保険化してしまう!?
ほか

内容(「BOOK」データベースより)

まもなく、日本の高齢者の9割が下流化する。本書でいう下流老人とは、「生活保護基準相当で暮らす高齢者、およびその恐れがある高齢者」である。そして今、日本に「下流老人」が大量に生まれている。この存在が、日本に与えるインパクトは計り知れない。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

藤田/孝典
1982年生まれ。NPO法人ほっとプラス代表理事。聖学院大学人間福祉学部客員准教授。反貧困ネットワーク埼玉代表。ブラック企業対策プロジェクト共同代表。厚生労働省社会保障審議会特別部会委員。ソーシャルワーカーとして現場で活動する一方、生活保護や生活困窮者支援のあり方に関する提言を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)