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阪神と巨人の急失速はなぜだったのか。高木豊が両監督の采配、CSに向けたキーマンを語った

2021年11月05日 14時00分18秒 | 野球

11/5(金) 10:45配信

webスポルティーバ
シーズンを2位で終えた阪神の矢野監督(左)と、同3位の巨人・原監督(右)

シーズン序盤の絶好調から一転、交流戦以降は失速し、16年ぶりのリーグ優勝を逃した阪神。シーズン終盤に大失速し、かろうじて3位でレギュラーシーズンを終えた巨人。かつて大洋(現DeNA)で活躍し、現在は野球解説者やYouTubeでも活動する高木豊が、ヤクルトとの三つ巴の争いから両チームが脱落した要因を語った。

◆なぜ巨人に移籍すると輝けないのか? 経験者が語る「ジャイアンツでプレーすることの重み」

「まず阪神は、危機管理能力が不足していたように思います。春先は他のチームが打線を固定できなかった一方で、阪神は外国人助っ人が間に合い、どうなるかわからなかったルーキーの佐藤(輝明)も爆発的に活躍するなど、前半戦は何もかもがうまくいきました。

『このままでいける』と思ったのかどうかはわかりませんけど、たとえば大山(悠輔)や佐藤が不振に陥った際の対応が不十分だったり、危機管理の意識が足りなかったかなと思います。首脳陣は、普通であればチームが崩れた時のことを想定してマネジメントをしていくものですが、うまくいきすぎたところもあるんでしょう。佐藤もあれだけ結果を出せば、外した時に『なぜ外すんだ』ってことになりますし」

 シーズン終盤で負けられない試合が続くなか、10月26日に甲子園で行なわれた中日戦での矢野燿大監督の采配が多くのファンの間で物議を醸した。1点を追う2回裏、2死一、三塁の場面で、先発の青柳晃洋に代打・小野寺暖を送った場面だ。高木は言う。

「『瀬戸際でどういうことをするか』ですよね。最初から2位でも構わないと思っていれば他の投手を投げさせてもいいですが、あの試合は先発の柱の青柳を先発で起用した。にもかかわらず、2回で早々に替えたということは、ふだんはエースと言っていながらも、本当の意味では信頼していなかったと考えざるをえません」

さらに、シーズン終盤の矢野監督の采配は、「完全に"守り"に入っていた」と続ける。

「今季の阪神の強みはなんだったか。特に前半戦で、打てない時にも勝てた試合で力になったのは"足"です。代走の起用、盗塁の成功率も高かったですよね。でも、後半はほとんど足を使えなかった。『使わなかった』と言ったほうがいいかもしれません。『自分たちは挑戦者』と言いながらも、批判を恐れた采配をしていたように思います。

 7月6日のヤクルト戦での"サイン盗み疑惑"以降、チームのバランスが崩れていきましたね。やってないにしても、疑われるのはチームのモチベーションを下げるきっかけになります。その指摘をした村上(宗隆)は肝が据わっていましたし、今季のペナントレースの流れを変えたと言ってもいいかもしれません」

 一方、9月頭に15あった貯金を急速に減らしていき、10月には10連敗を喫するなど大失速した巨人。その要因のひとつとして、菅野智之、山口俊、髙橋優貴、戸郷翔征、C.C.メルセデスら先発投手の登板間隔を中4、5日に詰めたことも指摘されたが、高木はどう見ていたのか。

「投手陣が足りずに登板間隔を詰めていくのは自然な考え方なので、あとはそれで成功するか否か。結果的には失敗して、選手たちの調子が落ちて貯金を減らしていきましたが、攻めた結果ですから。巨人は開幕からずっとベストメンバーを組めなかったので、選手たちに負担がかかる戦術を取るのも仕方なかったと思います」

 振り返ってみると、9月5日の阪神戦で、6点差を守りきれずに引き分けになった試合も大きかった。5回で6-0と大量リードし、中4日で先発したメルセデスをわずか69球で降板させ、坂本勇人も6回裏からベンチに下げた。しかし、代わりにショートに入った若林晃弘、廣岡大志が立て続けにエラーして失点につながった。

「そこは油断というよりも、坂本への配慮ですよね。あれだけの実績を残してきて、ショートでずっと試合に出ていて、東京五輪にも出て......。指揮官なら、休ませながら使わないとワンシーズン持たないと誰もが考えるでしょう。僕も経験がありますけど、ショートは精神的にも肉体的にも負担が大きいですから。あの阪神戦は、5回終了時に6点のリードがあれば普通は大丈夫ですけど、交代後に若手がエラーをして負けたので『采配ミスなのでは?』と言われても仕方ないですね」

 8月下旬には、昨季のパ・リーグ打点王・中田翔が無償トレードで電撃加入。原辰徳監督はすぐさま中田を起用し、不振に陥ってもしばらく使い続けた。チームを勢いづける起爆剤としても期待されたが、34試合に出場し、打率.154、3本塁打、7打点という成績に終わった。

「完全に戦力として考えて獲ったと思いますし、ああいう事件があったことを結果で払拭してもらいたいという思いもあったでしょう。ただ、一軍での起用は時期尚早でしたね。早すぎて僕も驚きました。今季は、日本ハムでも打率が1割台。それが巨人に来たからといって3割打てるわけではありませんから、もう一度体を作らせてあげたほうが本人のためになったはず。事件のことを考えても、もうちょっと焦らずに準備するべきだったと思います」

 悔しい思いをした阪神と巨人だが、日本シリーズ進出の可能性はもちろん残っている。11月6日から、甲子園で行なわれるクライマックスシリーズ・ファーストステージで相まみえるが、高木はまず巨人のキーマンとして菅野を挙げる。

「1戦目に先発が予定されている菅野は、今季は不本意な成績(6勝7敗)だったと思いますが、ポイントとなるような試合で登板した際には、それほど大きく崩れたケースはなかった印象です。状態も上がってきていると思うので、試合は作れるはず。逆に、シーズン終盤の阪神の打線の状態で、菅野を打てるかどうかが不安ですね」


一方、阪神のキーマンは誰になるのか。

「やはり近本(光司)がしっかり戻ってこられるかどうかでしょう。(10月下旬に負った)ケガは右ハムストリングでしたし、間に合ったとしても足が使えるのか。先ほども言ったように、阪神は苦しい時に足で点をとってきました。盗塁王のタイトルを獲得した中野(拓夢)をはじめ、代走の植田(海)や熊谷(敬宥)たちも走って1点をもぎとってきたので、CSでもそういう野球ができるかどうかですね。

 阪神の投手では先発の髙橋(遥人)に注目です。左肘の具合(リーグ戦の最終登板で違和感を訴えた)が心配ですが、投げられるのであればやはり一番安定しています。巨人は10連敗もありましたが、レギュラーシーズン終了時の状態は巨人のほうがよかっただけに、髙橋で1勝して接戦に持ち込めるかに注目しています」

浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

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巨人・岡本、CS初戦は欠場へ 原監督「かなり険しい道になる」 

2021年11月05日 10時04分32秒 | 野球

2021/11/05 05:01  産経スポーツニュース

   岡本和はノックを受けている最中、左脇腹を押さえるシーンがあった(撮影・中井誠)© サンケイスポーツ 岡本和はノックを受けている最中、左脇腹を押さえるシーンがあった(撮影・中井誠)  
巨人は4日、東京ドームで全体練習を行い、6日開幕の阪神とのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(甲子園)に向けて移動。コンディション不良を抱える岡本和真内野手(25)はこの日も別メニューで調整した。

原監督は「大阪には一応、来ます」と主砲を帯同させることを明かしたが、CS出場は厳しい状況だ。初戦を2日後に控えたこの日、ウオーミングアップからナインと離れて体を動かし、三塁での守備練習は捕球のみで送球はしなかった。ティー打撃は行ったが、フリー打撃は回避。外野フェンス際を走るなどのメニューを消化した。

今季143試合すべてに「4番・三塁」で先発出場し、39本塁打、113打点で2年連続で2冠王に輝いた。だが、10月31日の全体練習で左脇腹付近を押さえて練習を中断し、翌日は別メニュー調整。原監督は「正常ではないでしょうね」と心配していた。

練習前には原監督が「かなり険しい道になる。しかし、挑戦者という部分では開き直って大胆に戦えるという利もある」などと円陣で熱弁を振るったという。4番の大きな穴は全員で埋める。(谷川直之)

岡本和はノックを受けている最中、左脇腹を押さえるシーンがあった(撮影・中井誠)© サンケイスポーツ 岡本和はノックを受けている最中、左脇腹を押さえるシーンがあった(撮影・中井誠)  
巨人は4日、東京ドームで全体練習を行い、6日開幕の阪神とのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(甲子園)に向けて移動。コンディション不良を抱える岡本和真内野手(25)はこの日も別メニューで調整した。

原監督は「大阪には一応、来ます」と主砲を帯同させることを明かしたが、CS出場は厳しい状況だ。初戦を2日後に控えたこの日、ウオーミングアップからナインと離れて体を動かし、三塁での守備練習は捕球のみで送球はしなかった。ティー打撃は行ったが、フリー打撃は回避。外野フェンス際を走るなどのメニューを消化した。

今季143試合すべてに「4番・三塁」で先発出場し、39本塁打、113打点で2年連続で2冠王に輝いた。だが、10月31日の全体練習で左脇腹付近を押さえて練習を中断し、翌日は別メニュー調整。原監督は「正常ではないでしょうね」と心配していた。

練習前には原監督が「かなり険しい道になる。しかし、挑戦者という部分では開き直って大胆に戦えるという利もある」などと円陣で熱弁を振るったという。4番の大きな穴は全員で埋める。(谷川直之)

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


沢田研二の暴走は加齢が原因!? 話題の「老人病」チェックリスト

2021年11月05日 10時04分32秒 | 野球

公開日:2018.10.28 / 更新日:2020.05.08     

沢田研二(70才)がキレたのは10月17日、さいたまスーパーアリーナでの公演直前だった

。9000人の集客予定が7000人しか集まらないことを知り激怒した沢田は、ライブをドタキャンしたのだ。

 翌日、沢田は横浜市内の自宅前で「客席がスカスカの状態でやるのは酷。ぼくにも意地がある」と釈明したものの、21日の大阪・大阪狭山市の『SAYAKAホール』でのライブでは一転、「自分は頑固でどうしようもない人間」、「私は厄介な人間です。あの日、神経が違和感を覚え心が揺れました。私はブレない人間じゃありません。いつもブレています」と謝罪した。

 沢田に何があったのか。こうした言動を”らしさ”という言葉で片付けてしまうのは早まった考えかもしれない。

沢田研二
スーパーアリーナのライブをドタキャンした沢田研二
→キレる老人その理由|老化による「性格の先鋭化」」とは?対処法を解説

理性をつかさどる「前頭葉」が衰える
 最近、沢田のように「キレる老人」が増えている。

「飲食店で若い女性店員に向かって”その態度は何だ!”と激怒したり、電車内で若者に向かって”そこは年寄りの席だ。譲りなさい!”と声を荒らげる高齢者をよく見かけます。周囲の人がなだめると”お前は何様だ!”と八つ当たりされるから見て見ぬふりをしています」(20代学生)

 そうした暴走老人は「従来の性格」ではなく、加齢による「老人病」が原因だという。

「年を取ると人は穏やかになると思われがちですが、実際には真逆のケースこそ多い」

 そう話すのは、『絶望老人』(宝島社)の著者でノンフィクション作家の新郷由起さん。人間は加齢とともに脳の機能が変化し、人によっては自己中心的になるという。

「脳のなかでも理性を司る『前頭葉』が衰えることで、ちょっとしたことで感情が抑えきれず、”このバカ野郎”と爆発してしまう。自分で自分を止められなくなるのです」(新郷さん)

 理性が働かないと行動が衝動的になると指摘するのは、精神科医の片田珠美さんだ。

「加齢によって抑制が利かなくなる『脱抑制』になると、外部の人を攻撃する『攻撃衝動』が強まります。性衝動が生じて若い女性を追い回す”色ボケ”になったり、食欲を抑えきれず太るケースもあります」

 色ボケはないが、確かに全盛期より体重40kg増といわれる沢田の体形は、意地があるという割には、あまりに悲しい。単なる脳の機能低下にとどまらず、「隠れ認知症」を発症しているケースもあるという。

「初期の段階では知的機能の低下が見られず、MRIでもわからない。『前頭側頭型認知症』と呼ばれる病気で、キレやすいおじいさんになったと思われた人が実は認知症だったということがあります」(前出・新郷さん)

 脳の老化に加えて、「もうがまんしたくない」という思いが自己チューを招く。

「高齢になるほど、”老い先短いからがまんしたくない”という思いが強くなり、自分勝手な行動をとるようになります。今回の騒動後、沢田さんは”自分の音楽人生はもう後がないんだ”と発言しましたが、”後がないからがまんしたくない”という考えが自分勝手な行動を生んだのでしょう」(前出・片田さん)

 確かに沢田にも当てはまる部分があるようにもみえる。

「老人病は”病のサイン”でもあります。放置するとさらなる脳の機能低下を招いたり、隠れ認知症が悪化する恐れもある。夫が怒りっぽくなったら、”定年のストレスを発散しているのね”“私ががまんすればいい”などと決めつけず、しっかり観察して適切に対処することが重要です」(前出・新郷さん)

→まるでコロナ予言のドラマ『アンナチュラル』街はマスク姿だらけ、テレビは「手洗い、うがい」と連呼

あなたは大丈夫?老人病のチェックリスト

チェックリストを掲載したので参考にしてほしい。

□些細なことでキレやすくなる
□食事を待てない。待たせると怒る
□食べたいという衝動のこのトロールができず、食べ始めたら止まらない
□おやつががまんできない
□浪費が激しくなる(浪費して自己破産する)
□無銭飲食する
□細かいことにこだわる
□ご近所トラブルを頻繁に起こす
□被害妄想が強くなる(財布をなくすと「盗まれた」と言う)
□子供の人生を支配しようとする

※1つでもあれば「老人病」の疑いがある。

ジムや地域の集まりに出て人間関係を広げるのが有効
 気になる場合は、「ひとりで対処しない」ことが大切だ。

「夫婦の場合、夫が暴言を吐くようになったら、妻は外出するなど距離を置くことが必要。攻撃の対象が制限されるほどに衝動は強くなる。対策としては夫を地域の集まりやジムなどに送り出し、人間関係を広げることが有効。目に余るなら、医療機関の受診を勧めます」(前出・片田さん)

 今年のお盆、妻・田中裕子(63才)とふたり、大阪駅で並ぶ姿は仲のいい夫婦そのものだったが…。さすがのジュリーも”時の過ぎゆくままに”とはいかないようだ。

※女性セブン2018年11月8日号

●高木ブーがウクレレの調べにのせて今こそ伝えたいこと

ケンタロウさんのリハビリを支える希望の車いす「COGY」に試乗してみた!

●岡江久美子親の介護を告白していた|「元気な頃の母の姿」「プロの手を借りる」

絶望老人

新郷 由起




困った老人のトリセツ (宝島社新書)

どう接していいかわからないお年寄りはいませんか? 何度も同じことを聞いたり、急に怒り出したり……。
家族はもちろん、普段仕事で老人と接する機会が多い方も、理由を知れば対処法が見えてきます。
本書では、高齢者専門病院で勤務経験もある精神科医・和田秀樹氏が、場面別に困った老人への対応の仕方を解説。
上手な付き合い方を教えます。高齢社会でさまざまな対応を求められる時代に読んでおきたい一冊です。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

和田/秀樹
1960年、大阪市生まれ。1985年、東京大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院精神神経科、老人科、神経内科にて研修、国立水戸病院神経内科および救命救急センターレジデント、東京大学医学部附属病院精神神経科助手、アメリカ、カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、高齢者専門の総合病院である浴風会病院の精神科を経て、国際医療福祉大学心理学科教授、川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部非常勤講師、和田秀樹こころと体のクリニック院長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
 
 
 
介護職をしています。セクハラ老人に困っており、役に立つかと思いきや、正反対 アダルト系大歓迎!との事 対処方法は無く クソの役にも立たない。
介護する人の人権は無視の著者に怒りすら覚えました。
 
 
最近、高齢になった親が周囲を振り回すようになり
どうしたものかと読みました。

本当に困ったもんだと思っていましたが、
さすが長年老年医療に取り組んできたという著者だけあり、
なぜそうなるのかということを説明してもらうと
自分がまったく高齢の親に寄り添っていなかったことに
気づきました。

高齢者への理解を深めるためにも
すべての人に読んでほしい1冊です。

また、自分が老いる前にも読んでおくべき
1冊だと思います。
 
 
 

和田 秀樹
宝島社



広澤克実氏 阪神・近本と高橋の活躍は勝利への絶対条件 佐藤輝の爆発力が加われば日本一も見えてくる

2021年11月03日 09時16分23秒 | 野球

11/3(水) 5:30配信

スポニチアネックス
阪神・近本のカード別打撃成績                                  

 【広澤克実 視点】プロ野球セ・パ両リーグのクライマックスシリーズ(CS)は6日からファーストステージが開幕する。

セは2位阪神が本拠地・甲子園に3位巨人を迎え撃つが、1位ヤクルトを含めた上記3球団で4番を務めたスポニチ本紙評論家の広澤克実氏(59)は、阪神のカギを握るのは高橋遥人投手(25)と近本光司外野手(26)とした上で、佐藤輝明内野手(22)の規格外の爆発力が加われば日本一も見えてくると分析した。

 阪神のストロングポイントは投手力と機動力だろう。巨人との初戦に先発予定されている高橋が本来の真っすぐを投げられるのか、そして近本が1番に入って打線をけん引できるか、この投打2人に注目している。

 相手も当然、エース格…巨人で言えば初戦は菅野だろうが、高橋が100%の力を出せば、分が悪いとは思わない。岩崎とスアレスのリリーフ陣、2戦目以降の先発にも青柳や秋山、ガンケル、伊藤将らが控えており、初戦次第だと思う。

 トーナメント戦に近いCSは打撃戦より僅差の展開が予想され、打線ではやはり近本の存在は欠かせない。走るだけでなく、今年は打撃(最多安打)のタイトルを獲るなど2番中野とのコンビはペナントレース以上に相手に脅威を与えられる。巨人・岡本和、ヤクルト・村上のように40本近く打つ本塁打打者はいないが、近本や中野が塁に出て中軸につなぐことで1点、2点と積み重ねていきたい。

 ここまでの、高橋と近本が元気かつ普通にプレーしてくれることは絶対条件。その上で「プラスアルファ」として期待したいのが、佐藤輝だ。彼にしかできない規格外の魅力がある。まだ、もろさ、不安定さが同居していることは否めない。しかし一人で試合を決められる爆発力があることも確かだ。特にシーズン前半戦、何度も信じられない光景を見てきた。佐藤輝がチームを引っ張る形になれば、予想を超えた、一気に日本一まで駆け上がれそうな勢いが出ると思う。

 専門的なことを言えば、打撃は大きく分けて<1>構えからトップ<2>トップからインパクト――の2つに分けられる。そして、佐藤輝の後半戦の不振は<1>だった。極端に言えば右足を踏み込んだ時には、もう投球がホームベース上を通過している状態。これでは、どれだけパワーがあろうと打球は当たらないし、飛ばない。バットの軌道や、打撃フォームがどうという「形」ではなく、「タイミング」の取り方だけ。いまはブンブンとバットを振るよりも、投手陣が投球練習をしているブルペンに行って打席に立たせてもらい、構えからトップまでのタイミングを修正することがいいのではないだろうか。

 詰まっても反対方向へ放り込めるし、変化球に体が泳がされてしまってもフェンスオーバーできる力を持っているのだから、やはりタイミングを合わせるだけだと思う。短期間での修正は不可能ではないし、きっかけ一つなのかもしれない。

 10月26日にペナントレースを終え、いったん体も頭もリセットしてCSを迎えられるのも大きい。もう一度、開幕戦を迎えるような気分。まだ1年生…いや1年生だからこそ、われわれの知らない力に期待してしまう。(スポニチ本紙評論家)


新型コロナとインフル 同時感染で肺炎重症化も

2021年11月02日 09時16分42秒 | 野球

11/2(火) 6:54配信

All Nippon NewsNetwork(ANN)

 新型コロナとインフルエンザはお互いのウイルス増殖を抑制せず、同時に感染することがあると長崎大学の研究グループが発表しました。同時に感染すれば、肺炎が重症化するとしています。

 長崎大学の研究グループは、ハムスターに新型コロナとインフルエンザを同時に感染させる実験を行いました。

 その結果、2つのウイルスはお互いの増殖を抑制せず、同時に感染することがあるということです。

 ウイルスによる肺炎が最も重篤になるのはインフルエンザでは感染から4日後で、新型コロナでは6日後でした。

 同時に感染した場合は、8日後、さらに肺炎が重症化し、回復にも時間がかかるということです。

 長崎大学の安田二朗教授は「去年、インフルエンザが流行しなかったのはマスクなどの感染対策のおかげで、気を緩めれば同時流行も起きかねない」と指摘しています。

テレビ朝日

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阪神・高橋遥人、CS大丈夫? 左肘違和感降板から回復順調のはずが…一転ノースロー調整

2021年11月02日 09時14分16秒 | 野球

11/2(火) 5:00配信

サンケイスポーツ
甲子園の外野芝をランニングする高橋。ポストシーズンの開幕投手とみられるが…(撮影・河田一成)

大丈夫? 阪神・高橋遥人投手(25)が1日、甲子園で行われた投手指名練習に参加したが、ノースロー調整だった。10月下旬から左肘に違和感を抱えている。6日のクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ初戦、対巨人の先発とみられているが、雲行きが怪しくなった。

【写真5枚】過去には試合中に矢野監督から“公開説教”された事も…

左腕を使わない。キャッチボールすらしない。柔らかい表情とは対照的に、高橋は動きを明らかにセーブしていた。

CSファーストステージ初戦となる6日の巨人戦で先発が見込まれている左腕は練習開始10分前となる午前9時50分頃にグラウンドに姿をみせた。秋山、青柳らと一緒にアップを開始。そこまではよかったが、他の投手がキャッチボールを始めたタイミングでトレーナーと話しながら、本隊から外れ、ポール間のダッシュを繰り返していた。

午前10時35分頃に全メニューを終え、リュックを背負ってグラウンドに一礼。そのままキャッチボールすらすることなく、45分間の練習を終え、引き揚げていった。

2度の完封を含む4勝を挙げた今季は右脇腹の筋挫傷などで出遅れたが、9月9日のヤクルト戦(甲子園)で復帰。優勝争いにおいて、10月2日の中日戦(甲子園)から2回連続で中5日で登板した。その影響もあったのか、10月21日の中日戦(甲子園)で八回まで1安打完封ペースも九回に左肘の違和感で降板。出場選手登録から外れることはなかったが、その後の登板はなかった。

高橋は10月29日の全体練習のときにはCSに向けて「問題はないと思いますし、自分としても投げる気持ちでいます」と話し、矢野監督は「現状では、いけるような状態に近づいている」と前向きだった。10月30日にブルペンで投球練習をしたときも指揮官は「大丈夫、大丈夫、大丈夫」と繰り返していたが…。

仮に高橋が離脱となればCSのローテの再編を強いられることになる。巨人に対し、9月25日(東京ドーム)で完封勝利を挙げるなど、今季16イニング無失点とキラーぶりをみせる左腕がいるといないでは大違いだ。

2位からの日本一を目指すためにも、高橋で勝って勢いをつけたいところ。左肘の状態は日によって異なるというが…。大事にならないことを祈るしかない。(菊地峻太朗)

 

 

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【阪神】“菅野キラー”スタメンでCS初戦か 大山悠輔&佐藤輝明は代打 3番近本光司起用も

2021年11月02日 09時11分42秒 | 野球

11/2(火) 6:00配信

スポーツ報知
佐藤輝明

 阪神がCS突破に向け“菅野キラー”をスタメンに並べる可能性が1日、浮上した。巨人との第1ステージ初戦(6日、甲子園)は菅野との激突が有力。甲子園では18年9月から4連敗中の難敵攻略が最重要となる中、井上ヘッドコーチがその構想の一端を明かした。

 「輝や4番にドシッと座った悠輔(大山)というのが本来はベストだと思います。ただ、相手投手との兼ね合いや守備位置も含めて考えたい。輝や悠輔を試合の終盤から使うことも選択肢としてあります」

 菅野に対し、今季6打数1安打の大山、3打数無安打の佐藤輝は代打として待機させ、9打数3安打1本塁打の糸原を三塁で起用したり、今季10打数5安打の打率5割、通算でも4割とカモにしている近本を3番で復帰させることも視野に入る。右太もも裏の張りでラスト3試合を欠場したが、CSには間に合う見込み。最善策で日本一への道を探る。(中村 晃大)

報知新聞社

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「阪神失速・佐藤輝ブレーキ」の原因と「近本サイン盗み」騒動との関連性について担当記者に聞く

2021年11月02日 09時07分51秒 | 野球

11/2(火) 6:04配信

デイリー新潮
「ごちゃごちゃ言うな」「やるわけないやろ」
「7・6ショック」と言われる日が来るか?

 11月5日から、セ・リーグではクライマックスシリーズがスタートする。ペナントレースでは開幕カードで3連敗したヤクルトが終盤で阪神を振り切って優勝を果たした。2年連続最下位からの反転攻勢だったわけだが、春先から好調を維持してきた阪神の失速の原因探しも注目された。プロ野球担当記者の間からは、7月6日のヤクルト-阪神戦での出来事が影響していると指摘する声があがっている。

 7月6日、神宮球場で行われたヤクルト―阪神戦。阪神が4点リードで迎えた5回表2死1、2塁。マウンド上のヤクルト、田口麗斗投手は打席に佐藤輝明外野手を迎えていた。初球を投じようとした際に、2塁走者・近本光司外野手はリードしながら膝に置いていた左手を横に真っすぐに伸ばした。

 それから左手はすぐに膝の上に戻したが、改めて2度、細かく動かした。それを見た村上宗隆3塁手は左手のグラブで近本を指して審判にアピール。これに阪神の矢野燿大監督と井上一樹ヘッドコーチが、「ごちゃごちゃ言うな」「絶対やってへんわ」「やるわけないやろ。アホ! ボケ!」などと罵声を浴びせた。

 村上は矢野監督と井上ヘッドをにらみつけて阪神ベンチへ向かって行く。試合はストップし、審判団が間に入って矢野監督と高津臣吾監督が協議を始めた。マスク越しではあるものの、アクションも相まって両監督の興奮が伝わってくる。「こっちもやるぞ」と高津監督が訴える場面もあった。

セパ共に取り決めが存在
 高津監督が「やる」と言うのはサイン盗み・伝達行為を指していた。試合後に審判団はざっと以下のように説明している。

《サイン盗みとかするわけじゃないんだけど、距離を測るために手を出していたと(いうのが阪神側の言い分)。走者が帰塁の練習をするじゃない? スポーツマンらしく、クリーンに試合をやろうということで。(帰塁のポーズを注意したのか? )紛らわしいからそれはやめましょうと、注意しただけです》

 試合後、矢野監督はこの件について、「俺はこれは現役時代からそうやけど、今は監督でもそうやし、一回も自分自身やったことないし。俺がもしやっているんであれば、どんな責任でも処分でも受けるし」と否定している。

 両球団の担当ではない記者によると、

「結局、うやむやと言うか何があったのかよくわからないまま終わってしまいましたね。まあ証拠もないし仮に聞き取り調査とか大仰なことをしても、明確な証拠や結論が出てくるわけではないので仕方ない面はあると思いますが……」

 セ・リーグは2009年に「ベンチ内、ベースコーチ、走者から打者、あるいは塁上の走者に対して球種等の伝達は行わない」など取り決めをしている。パ・リーグでは1998年、ダイエー(現ソフトバンク)にスパイ疑惑が起きたことをきっかけに同様の宣言が出された。

7月6日以前と以降
 この記者が続ける。

「2009年の時には、それらしき疑わしい行為があるという指摘が複数の球団から出てきたのを受けて取り決めをしたと記憶しています。サイン盗みについては、いま現役で活躍する選手らがリトルリーグとか高校野球とかで頑張っていた頃って普通にあったようですね。そういうことが当たり前の環境でプロに入ってきて、『なんでやらないんだろう?』と疑問に思う選手もいたみたいです。一応取り決めがあるから『やってはいけないこと』になっているんですけどね」

 別の記者にも聞くと、

「近本の行為は確かに紛らわしかったですね。自分なりにバランスを取っていた結果のようですが、ああいう動きをしたら疑われるのは当然でしょう。プロで活躍している選手には、問題とされたような伝達行為をこれまでの野球人生で経験した者も少なくないと聞いたことがあります」

 そして、こう続ける。

「あの事件と阪神の失速とは繋がっているのでは……という指摘は割とあるんですよね」

 実際、今季の成績を見てみると、

3・4月 18勝8敗
5月  11勝6敗2分
6月  12勝10敗1分
7月  5勝8敗 6日まで2勝3敗、7日から3勝5敗
8月  7勝9敗
9月  10勝9敗4分
10月  12勝5敗3分

チームに微妙に影を落とすもの
 サイン盗み騒動前後で見てみると、以下の通りだ。

前 43勝27敗3分 勝率.610
後 32勝28敗7分 勝率.530

「騒動後に勝率がガクっと落ちていることから、それまでサインを盗んでいた、などと言いたいわけでは全くありません。戦力を整えたヤクルトが強すぎたというのが普通の見方でしょう。ただ、例えばボークの判定を受けてフォームを崩してしまった投手がいるように、チームに微妙な影を落とすアクシデントとか事件とか判定というのはあるんですよね。結果論になりますが、7月6日の出来事は、阪神の勢いを殺(そ)いだひとつの要因じゃないかと思っている記者は結構いると思います」(先の記者)

 さらに別の記者に聞くと、

「それを言うなら、7月6日の“事件”当時、打席にいた佐藤輝明の成績にも影響があったという声がありますね。単純に打率だけを見ても、開幕から6月まで267打数73安打の打率.273だったのが、7月以降は158打数28安打で打率177。9月には2軍落ちを経験しましたし、1軍のベンチをあたためる機会が多くなりました。そのうえ59打数連続無安打という、投手を含めたセ・リーグのワースト記録を作ってしまいました」

 佐藤輝明がブレーキとなったことが阪神の成績に影響したのは間違いないだろう。勝負の綾はわからないもので、ジンクスめいたものが少なからず流布するのもそこに理由がある。はたしてクライマックスシリーズにまで「7月6日の余波」は影響するや否や。

デイリー新潮取材班

2021年11月2日 掲載

新潮社

 

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阪神余裕のCS第1ステージ 球史に残る「週末に強い昼虎」の鉄板データが追い風

2021年11月02日 08時40分48秒 | 野球

11/2(火) 6:15配信

東スポWeb
「週末に強い昼虎」は高橋遥人で必勝を期す(東スポWeb)

 レギュラーシーズン2位からの日本シリーズ進出へ狙う阪神は3日から本拠地・甲子園で社会人チームとの練習試合3試合を行い、週末6日から甲子園で行う3位・巨人とのCSファーストステージ(甲子園)に備える。

 今季、宿命のライバルとは今季13勝9敗3分けと14年ぶりに勝ち越したが、甲子園では6勝6敗1分け。第1ステージは順位上位チームへの「1勝」のアドバンテージもないなか、ぶっつけ本番の3試合。負け越しは許されない戦いは決して楽ではないが、関係者は必要以上に構えて戦う必要性を感じてはいないという。ペナントレースの戦いぶりがその根拠だ。

 今季デーゲームは27勝8敗3分け。開幕からプロ野球タイ記録のデーゲーム16連勝をマークするなど今年の「昼虎」は球史にも名を残し、週末に無類の強さを誇っている。

 試合の少ない月曜を除く、曜日別の勝率でもそれは明らか。土曜日は最も高い6割3分6厘、それに次ぐのが日曜日の勝率6割。CS第1ステージ初戦の6日、第2戦の7日は「週末のデーゲーム」。昨年までリーグ3連覇の難敵相手といえど、それは昨年までの話で猛虎にとっては現状「もっともゲンのいい」条件下での戦いとなる。

〝昼将軍〟は健在で、デーゲームでの敗戦は後半戦も8月21日の中日戦のみ。約2か月間負け知らずで2つの引き分けを挟み、シーズン終盤戦も8連勝でフィニッシュした。

 12球団最多の77勝を挙げながらも、勝率でヤクルトにVをさらわれたヤクルトにリベンジに果たすべく、その手前でつまずくわけにはいかない矢野阪神。6日の初戦は、後半戦の昼伝説を支えた立役者で今季のG戦2試合で16イニングで防御率0・00、24奪三振の無双左腕・高橋遥人(25)で必勝を期す可能性が高い。先手必勝が絶対的有利となるCS第1関門で、虎に追い風となる鉄板データは確実にそろいつつある。

 

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V逸阪神「日本一」への起爆剤 佐藤輝の処方箋

2021年11月01日 17時56分19秒 | 野球

10/31(日) 18:30配信

産経新聞

CSでの巻き返しに向け、再開された練習でバットを振る佐藤輝=10月29日、甲子園(中島信生撮影)

プロ野球阪神の新人、佐藤輝明内野手(22)のレギュラーシーズンは驚きとともに始まり、ため息で終わった。開幕からレギュラーに定着し、前半戦に放った本塁打はリーグ4位。新人記録の更新だけでなく、タイトル獲得の期待すら抱かせた。だが後半戦は不振に陥り、それと軌を一にするように一時は首位を独走していたチームも2位に終わった。ただ、クライマックスシリーズ(CS)で優勝チームを下し、日本一に挑む道は残されている。そのために不可欠な大型ルーキーの復調はなるだろうか。

【写真】フェニックス・リーグに出場する阪神・佐藤輝

■「清原超え」期待も

10月26日夜、首位に立つヤクルトが先に勝って優勝へのマジックナンバーを「1」とし、阪神は絶対に負けられなくなった今季最終戦の中日戦。3打数無安打で九回を迎えた佐藤輝に第4打席は回ってこないまま、阪神は0-4で敗れて優勝を逸した。

打率2割3分8厘、64打点、24本塁打。これが佐藤輝の今季の打撃成績だ。並のルーキーなら合格だが、物足りなさは否めない。それだけ、前半戦の活躍は鮮烈だった。

開幕レギュラーを勝ち取ると、5月7日にはドラフト制度以降の新人では最速となる33試合目で2桁本塁打に到達。同28日、セ・リーグの新人では昭和33年の長嶋茂雄(巨人)以来、63年ぶりとなる1試合3本塁打を放った。7月のオールスターゲームにはリーグ最多得票で出場しただけでなく、第2戦で期待通り本塁打も飛び出した。

前半戦終了時点での成績は打率2割6分7厘、52打点、20本塁打。昭和34年の桑田武(大洋=現DeNA)と61年の清原和博(西武)による新人本塁打記録31本の更新も、射程にとらえたと思われた。

■「後半戦は0点」

だが、東京五輪開催期間中の中断が明け、後半戦が始まると暗転した。

8月21日を最後に本塁打はおろか安打すら出なくなり、9月10日には2軍落ち。同23日に再昇格したが、「何かきっかけをつかんでほしい」という矢野燿大監督(52)の期待もむなしく凡退は続いた。2リーグ制となった昭和25年以降の投手も含めたセ・リーグ連続無安打記録を更新。10月5日に60打席ぶりとなる安打を放った際には「プロ野球は難しいな、とすごく思った」と素直な思いを吐露した。

今季最後のアーチを架けたのは、23号を放ってから2カ月余りが経過した同24日。今季の試合は、もはや最終戦しか残されていない段階だった。シーズンを終えた佐藤輝の自己評価は「50点」。前半戦は50点、後半戦は0点だという。

■打球の方向がカギ

不振に苦しむ佐藤輝を、阪神のコーチ陣はどう指導していたのか。井上一樹ヘッドコーチ(50)は「荒療治がいいのか、(漫画『巨人の星』の)星飛雄馬の姉ちゃんのように遠くから見守るのがいいのか。僕らも模索はしてきた」と打ち明ける。

野球評論家の田尾安志氏(67)は、不振の原因は打球の方向から分かるという。「前半戦は自分のミートポイントまで球を呼び込み、逆方向(左翼方向)に打球を飛ばしていた。だが今はバットに当てようとするあまり、十分に球を引きつけていない。だから、打球が引っ張り方向に偏っている」

その上で調子を取り戻すために、打撃マシンでの練習の際に極端なオープンスタンスで打席に立ち、体の開きをねじり戻すようにして打つようにアドバイスする。「こうすれば、球を呼び込んで打つ感覚をつかむことができる。それだけで、彼の打撃は一変する」という。

レギュラーシーズン最終戦から、11月6日開幕のCSファーストステージまでの期間は10日間。佐藤輝はその間に宮崎県で開催されている2軍の秋季教育リーグ「みやざきフェニックス・リーグ」にも参加するという。その名の通りフェニックス(不死鳥)のようによみがえった姿を、CSで見ることができるだろうか。 (上阪正人)

 

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田淵幸一氏が阪神・佐藤輝に提言 “大谷フォーム”学べ!軸ぶれず余計な体重移動ない打撃研究を

2021年11月01日 17時48分11秒 | 野球

10/29(金) 7:00配信

スポニチアネックス
左は大谷、右は佐藤輝の打撃フォーム

 阪神OBでスポニチ本紙評論家の田淵幸一氏(75)が28日、球団の新人本塁打記録を更新した阪神・佐藤輝明内野手(22)の1年目シーズンを振り返った。田淵氏は打率・238、24本塁打、64打点の後輩に及第点を与えた上で、今後の課題として「体力強化」を挙げ、エンゼルス・大谷の打撃フォームを研究するよう提言もした。

 1年目の佐藤輝には合格点を与えることができる。前半戦の彼の活躍が、阪神に勢いをつけたのは言うまでもない。チームトップの24本塁打。豪快な本塁打で16年ぶりの優勝への期待を膨らませたのも、佐藤輝の力だ。

 だが、前半が素晴らしかっただけに、後半の失速ぶりが好対照を描いた。8月以降は3カ月で本塁打は4本だけ。59打席連続無安打で新人最多三振の173三振。別人のような打撃が繰り返された。

 原因はどこにあるのか。研究してきた相手に対する対策の遅れ、技術的にはタイミングの取り方などの問題もあるが、一番の理由は別のところにある。阪神首脳陣の何人かに話を聞いた。「何が欠けているのか」と聞くと答えは共通していた。「体力です」。まずは、そこが彼の課題だ。

 大学野球とプロでのシーズンは全然違う。試合は待ってくれない。毎日のように続く。その中で体力、気力をどう維持していくか。私も1年目は体力の壁を感じた。佐藤輝も1年間でその点を痛感していると思う。きっと体重も落ちただろう。

 悔しいと思うなら、やるしかない。オフの過ごし方は大事だ。私も1年目のオフは下半身を強化し、体力をつけることに取り組んだ記憶がある。階段上りをしたり、走るのは苦手だったが坂道を走ることを自分に課した。上体の力、腕力だけでは安定した打撃は期待できない。基本は土台となる下半身。そこが安定せず、体力も落ちたから夏以降はフォームが崩れ、体重が残らず、前に突っ込んで空振りを繰り返す悪循環に陥ったと見ている。

 しっかりした下半身があれば左7分、右3分のバランスでボールを迎える形ができる。昔と違い今は動く球を多用してくる時代。足を上げて、体重移動するスタイルでは確率は悪くなる。参考になるのはエンゼルス・大谷翔平の打撃だ。デンデン太鼓(と言っても佐藤輝は分からないかもしれないが)のように、軸はぶれず、余計な体重移動はない。タイミングを右足のかかとの上げ下げだけで取り、球を呼びこむ形をキープしている。彼の打撃を研究することはムダではないはずだ。

 これまでのスタイルには、こだわりがあるはず。だが改善すべきところは改善しないと同じことを繰り返す。無安打記録や三振記録を屈辱だと思うなら、その反省を生かすしかない。遠くに飛ばすコツを理論的に伝えてくれる人、疑問に答えてくれる人との出会いも必要だ。その点は球団にも考えてほしい。

 プロは結果の世界。結果が出ないと努力したことにはならない。相手が認めてこその努力だ。ワンランク上がるためにも、やるべきことをやらないといけない。CS、その先の日本シリーズに向け、いい形で締めることに集中した上で、レベルアップに取り組んでほしい。(スポニチ本紙評論家)

 《2年目伸ばせるか》佐藤輝(神)の1年目24本塁打は新人歴代7位の記録。上位10傑入りしている過去11人のうち、翌年も数字を伸ばしたのは原辰徳のプラス11本を筆頭に3人。4人がマイナス2本以内のほぼ現状維持で、田淵幸一も翌年はマイナス1本の21本。清原和博、長嶋茂雄もここに入る。残る4人は大幅ダウンで、59年新人最多31本の桑田武は半減の16本。61年から7年連続20本塁打以上も、現役引退の70年まで1年目を上回ることはなかった。

 《30日からフェニックス・リーグ参戦》佐藤輝は30日から「みやざきフェニックス・リーグ」に参戦する。平田2軍監督は「状態を上げるも何もないでしょ。試合に来る!出に来る!それだけ」と話したが、1軍では先発落ちも増えていただけに、打席に多く立つことはCSへの格好のたたき台となるはずだ。起爆剤としての存在感はチーム屈指。負けられない戦いを前に、温暖な南国で打棒に磨きをかける。

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「4番・大山では勝てないと証明された」「黄金ルーキー佐藤輝、不振のワケ」阪神0Bエモやんが語る“歴史的V逸”タイガース「失敗の本質」

2021年11月01日 17時46分43秒 | 野球

11/1(月) 17:12配信

文春オンライン
江本孟紀氏 ©文藝春秋

 11月1日、プロ野球レギュラーシーズンの全日程が終了した。セ・リーグは前年最下位のヤクルトスワローズが“下克上優勝”を決めた一方、6月中旬には最大で2位と7ゲーム差をつけた阪神タイガースがその後“大失速”し、2位に沈んだ。なぜ阪神は16年ぶりのリーグ優勝を逃したのか。そして、来年こそ悲願を果たすために足りない要素は何なのか。野球解説者でタイガースOBの江本孟紀氏に余すことなく聞いた。(全2回の1回目/ 2回目 を読む)

最大の敗因は「打てなかったこと」
 勝負どころの9月以降の追い上げがすさまじかったヤクルト。それに追いつくことができなかった阪神。

 私が考える阪神の最大の敗因は「打てなかったこと」に尽きる。たしかに守備や走塁面でも挙げようと思えばいくらでも挙げられるかもしれないが、シーズンを通じて中軸がコンスタントに活躍しなかったことが大きいと考えている。

 たとえば4番を打つことが多かった大山悠輔の昨年と今季の打撃成績を比較してみると、

(20年)116試合出場 打率2割8分8厘、28本塁打、85打点
(21年)129試合出場 打率2割6分、21本塁打、71打点

 試合出場数が増えているにもかかわらず、昨季よりも成績が下がっている。

 終盤では大山を4番から外すようになったが、来年は開幕時点から彼を4番や中軸に据えるのは考え直したほうがいい。

 昨季は「阪神の4番としての顔」になりつつあったが、今年は前年とは打って変わって停滞する時期が長く続いた。彼は4番や中軸よりも6~7番あたりに置いてリラックスして打たせたほうがよいのではないかと私は見ている。

 大山というのは不思議な打者で、4番に置こうが、7番に置こうが、試合のなかで必ずと言っていいほど得点圏にランナーを置いて打順が回ってくる。そういう宿命にある打者とも言えるが、しかしチャンスの割に、期待通りに塁上の走者をホームに返すという場面が少なすぎる。

相手バッテリーの術中にまんまとハマっている
 また試合を見る限り、相手チームのバッテリーが大山に対して怖がっていないように見える。

 その理由は2つある。1つは「早打ちである」ということだ。

 大山は配球をじっくり読んで、追い込まれてからでも打てるというタイプの打者ではない。初球や2球目、3球目といった若いカウントからフルスイングして凡退することがたびたびあった。

 これは大山自身、「追い込まれてから打つのが嫌」なのか、「追い込まれたら三振を気にしてしまい、あまりフルスイングできない」などと思ってしまっているからだと考えている。

 相手バッテリーからすれば、早打ちしてくる打者ほど楽なものはない。初球や2球目くらいまでに手を出してくるバッターだとわかっていれば、ストレートを投げると見せかけて、手元で少しクイッと曲がるような変化球を投げてしまえば、打ち取れる公算が高いからだ。大山を見ている限り、こうした術中にまんまとハマっていることが多い。

「だったら配球をじっくり読んで、追い込まれてから打てばいいじゃないか」という声を上げるファンもいるかもしれないが、残念ながら彼はそういうタイプの打者ではない。だからこそ4番には向いていないというわけだ。

 4番打者には、仮に窮地に追い込まれたとしても、そこからどうにか状況を打開しようともがく者が向いている。ホームランでなくてもヒットを打とうと必死になって、ストライクくさいボールはファールでカットして粘る。そうしてやがて甘いボールが来たら仕留める――。これが4番の最大の役割なのだ。

 ところが大山はそうした技術が伴わないまま、4番に座ることが多かった。

入団当初から克服できていない「技術的な問題」
 そして、もう1つ相手投手が大山をあまり怖がらない理由は彼の「技術的な問題」にある。彼は打ちにいったときに軸足の重心が前に移動してしまう。こうなるとスイングした際のバットの軌道とボールとの間にずれが生じてしまい、バットの芯でボールをとらえることができなくなってしまう。残念なことに、この欠点は入団当初から克服していない。

大山の「マン振り」と現役時代の田淵幸一さんとの違い
 さらにもう1つ挙げると、彼は「遠くに飛ばそう」と考えるあまり、力んでスイングするクセがある。たしかに大山は遠くに飛ばす力を持っているが、強振、いわゆる「マン振り」をして飛ばそうとするときがある。これでは力みにつながって内野フライや空振りが多くなってしまう。

 私の現役時代に見ていた田淵幸一さんは、決してマン振りするようなスイングではなかった。スイングが小さくても遠くに飛ばす技術を兼ね備えていた。田淵さんが「ホームラン・アーティスト」と呼ばれていたのは、豪快なフルスイングではなく、ボールをとらえてから滞空時間が長く、美しい軌道を描いてスタンドインさせることに多くのファンが魅せられたからこそついた称号なのだ。

伊藤、佐藤、中野……新戦力の台頭
 何度も言うが、「4番・大山」に固執する必要はない。もっと気楽な打順で伸び伸び打たせたほうが、彼の長所を発揮できるのではないかと、私は考えている。

 最終的にはヤクルトに逆転を許したものの、今年の阪神が躍進したのは、まぎれもなく新戦力の台頭だった。投手で言えばJR東日本からドラフト2位で入団した伊藤将司、野手で言えば近畿大からドラフト1位で入団した佐藤輝明、三菱自動車岡崎からドラフト6位で入団した中野拓夢の3人のルーキーの存在が大きかった。

 とくに阪神の前半戦の大躍進の背景には、佐藤の活躍なくして語れない。東京オリンピック前の前半戦だけで20本塁打を放ったときには、多くの阪神ファンにこんな期待を抱かせた。

「1959年の大洋の桑田武と、86年の西武の清原和博の31本塁打の新人本塁打記録を抜くのは佐藤しかいない」

 だが現実は甘くなかった。東京オリンピックが閉幕して後半戦が始まると、佐藤の打撃は一転、三振と凡打の山を築き、大不振に陥った。

 極めつけは8月21日の中日戦の第4打席で放った安打以降、59打席連続無安打という、NPB野手のワースト記録に並ぶ不名誉な記録を作ったことだった。結局、後半戦の佐藤はまったくふるわず、最終的には126試合に出場して打率2割3分8厘、24本塁打、打点64、三振数173という成績に終わった。

「2年目のジンクス」が、今年の後半戦に突如としてやってきた
 私は優勝を逃した原因を佐藤にあるなどと言うつもりはない。3月下旬に開幕し、途中でオリンピックによる中断期間があったにせよ、10月下旬まで長丁場の野球を経験したことのない、プロの世界の右も左もわからない大学出のルーキーに、責任の一端を押し付けるなどというのは、酷すぎる話だからだ。

 ただし、佐藤にとっては後半戦の不振は「いい薬になった」と見ている。オープン戦から前半戦にかけて、何の苦も無く打ち続けた佐藤が、後半戦もそれまでと同様の活躍を見せていたら、「プロってこんなものか」と甘く見ていたはずだ。

 けれども、後半はプロのピッチャーに手玉にとられることがそれまで以上に多くなり、「少しでも気を許したらやられてしまう」という危機感を抱いたことは間違いない。俗に言う「2年目のジンクス」が、今年の後半戦に突如としてやってきたと思えば、佐藤にとってはいい経験となったはずだ。

オフは「甘い誘い」に乗らず、不振を謙虚に受け止めよ
 だからこそ佐藤にはあえて言いたい。今年のオフは、「なぜ前半戦はあれほどまでに本塁打を量産することができたのか」「なぜこれほどまでに三振を多く喫してしまったのか」「なぜ59打席連続無安打という不名誉な記録を作ってしまったのか」について、しっかり分析してさらなる技術の向上に励んでもらいたい。

 シーズン中は現状からいかに脱却できるかに必死で、考える暇もなかったはずだが、オフは考える時間ができる。前半戦に好成績を残したのも、後半戦に不振にあえいだのも、同じ佐藤本人の姿である。来季は他のチームからのマークがさらにきつくなることが予想される。そうした壁を乗り越え、今年以上の成績を残すことで、佐藤はさらに進化していくことができる。

 これだけ活躍したのだから、オフは甘い誘いもあるかもしれない。だが、後半戦の不振を謙虚に受け止めて、打撃を極めるつもりでいてほしい。彼は阪神のみならず、球界を代表する打者へとなるだけの素質は十分持ち合わせている。今年の成績に満足することなく、一回りも二回りも大きく成長した佐藤の姿を見たいと思っている。

( #2へつづく )

 「ベンチがアホなのが阪神の伝統」「矢野“兄貴”監督が変わらねば優勝はムリ」エモやんが古巣タイガースをぶった切り「ノムさんは矢野を“参謀向き”と見ていた…」  へ続く

江本 孟紀/Webオリジナル(特集班)

 

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日本ハム・新庄新監督「さぁ~暴れてもいいですか!?」 

2021年10月30日 10時29分21秒 | 野球

稲葉GMには「あっちゃん 時代は誰かが変えれる」
2021/10/29 15:34

サンスポ

新庄剛志氏

日本ハムは29日、日米4球団でプレーしたOBの新庄剛志氏(49)が来季の新監督に決まったと発表した。新庄氏は北海道移転後の2004年から3シーズンに渡り日本ハムでプレーした。野球界復帰は16年ぶりとなる。

正式発表を受けて、新庄氏はインスタグラムでも「たった今北海道日本ハムファイターズの監督に就任が決まりました!!」と伝え、「努力は一生 本番は一回 チャンスは一瞬 この言葉を胸に日本ハムと共に、笑顔を忘れずこれから長い船旅を戦って行きます」と決意表明。新ゼネラルマネジャー(GM)に就任した稲葉篤紀氏(49)と自身の顔写真を並べた画像とともに「あっちゃん 時代は誰かが変えれる」と呼びかけた。

また、ストーリー機能でも「さぁ~暴れてもいいですか!?」と笑顔の 顔文字とともに投稿した。

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「受信力」

今朝の散歩で、思いついた。

幸運もチャンスも君のそばに常にあるはず。

でも、受けとめる力がなければ、君の脇をすり抜けていく。


エモやん、日本ハム・新庄新監督に阪神・佐藤輝に爆笑エール

2021年10月30日 10時15分16秒 | 野球

2021/10/30 05:01

サンスポ

トークショーを行った江本氏(右)。エモト節で盛り上げた

阪神OBで元参議院議員、江本孟紀氏(74)=本紙専属評論家=が29日、大阪・北区のトークライブハウス「梅田Lateral」で、著書『阪神タイガースぶっちゃけ話「阪神優勝!?」を10倍楽しく見る方法』(16日発売、清談社)の刊行記念トークショーを行い、日本ハム・新庄剛志新監督(49)にエールをおくった。

著書のタイトルは「阪神優勝!?」。でも、江本氏のトークはプロ野球界の全方位へ。「江本孟紀のトーク直球勝負! ~表もウラもプロ野球とっておきの話~」と題して2021年シーズンを振り返ったのだが、触れずにはいられなかったのが、新庄新監督だった。

「(監督になった理由は)俺が聞きたいぐらい。野球のお勉強も、野球理論も、俺の方が上。俺にないのはスター性だけ」

いきなり独自の比較論を展開し、会場は大爆笑。もちろん、おなじみのエモト節。「新しいドームができる。北海道を元気にしようという役割は大きい」とエールを送った。


ともに球界屈指のエンターテイナーだ。同時に昨年2月に天国に旅立った野村克也氏(享年84)のまな弟子という共通点もある。独自路線でファンを喜ばせることがいかに大事か。それを身に染みて感じるからこそ、北海道で笑いの絶えない新庄氏の姿を想像できる。

コロナ禍が収束し、球場がファンで埋まる日は必ずくる。新庄新監督のサプライズを、江本氏も楽しみにしている。

★佐藤輝にアドバイス 江本氏はリーグ優勝を逃した阪神にも言及。話題の中心は佐藤輝だった。「久々にチームの柱になれる選手。ただ、不振になったときの考え方が大事。どんな打者だって4割は打てない。10回打てば7回は失敗するんだから。悩むことはなんてない」。シーズン途中に成績が急降下した新人にアドバイスを送りつつ、まさかの立候補も。
「俺に打撃コーチさせてほしい。新庄が監督するぐらいだから、俺がやってもいいだろう」とニヤリとした。


衝撃!阪神、流出危機 国内複数球団がスアレス獲得調査

2021年10月30日 10時09分04秒 | 野球

10/30(土) 5:00配信

サンケイスポーツ
日本一に向けて、スアレスが甲子園で始動。自らのメッセージがプリントされたTシャツを着用し、虎への愛着を感じさせるが…(撮影・松永渉平)

阪神の守護神右腕、ロベルト・スアレス投手(30)が国内球団も含めた流出の危機であることが29日、分かった。昨オフ2年契約を結んだが、2年目はスアレス側に選択権があり、11月中に交渉がまとまらなければ自由契約となり、争奪戦に発展する。米大リーグに加え、NPB球団への移籍も可能とみられ、矢野虎を支える2年連続セーブ王が来季は〝敵〟となる大ピンチだ。

【写真】流出危機となった阪神・スアレス

悔しさが晴れないままのナインは、守護神の言葉を胸に刻んで一つになろうとしていた。「Play Tigers Baseball」。10月初旬にスアレスが試合前の円陣で語ったメッセージがプリントされたTシャツを全員、着用。秋晴れの甲子園でCSファーステージに向けて3日ぶりに全体練習を行った。

スアレスに支えられて、もう一度立ち上がるこの秋は、同時に、スアレスが来季も〝虎のまま〟でいてくれるかどうかが懸かった秋になることが判明した。ただの流出危機ではない。米大リーグ、国内球団も含めた争奪戦になりかねない状況であるようだ。球界関係者が「国内の複数の球団が獲得調査を進めているようだ」と明かした。

昨年12月、剛腕クローザーは年俸250万ドル(約2億6000万円)で阪神と2年契約を結んだ。2019年まで所属しNPB通算98勝を挙げたメッセンジャーとの契約のケースでは国内移籍はできなかったが、先の関係者によると、2年目の契約についてはスアレス側に選択権があり、阪神との契約がまとまらなかった場合、国内の他球団への移籍も可能になるという。

つまり、11月中に行う残留交渉で握手を交わすことができなければ、11月末が期限となる保留者名簿から名前を外さざるを得なくなりFA(自由契約)。剛腕が夢を握りしめての米大リーグへの移籍となれば、チームも虎党もあきらめがつきそうなものだが、今回はそうとは限らないようだ。

流出が現実となれば、虎の来季の勝利の方程式が白紙になってしまうと同時に、最も敵にしたくない男が敵になってしまうことを意味する。

球団助っ人の新記録となる42セーブで2年連続セーブ王に輝いたが、その貢献度は数字以上。過酷な連投、イニングまたぎもいとわず、球団最速163キロの剛速球で相手打者をねじ伏せ、セーブ失敗はわずか1度だった。リード時、同点時の九回を、矢野監督はほぼ逆算することができた。球団はこれまで通りマネーゲームには参戦しない方針だが、市場に出てしまえば争奪戦は必至だ。

スアレスはこの日の練習後「チャンスはある。まだ負けていない。だからこそ、そこに向けて全力でやり切るだけだね」と日本一へ、力強く語った。10月1日からチームは5連勝。同2日に守護神が語りかけた「Tigersなので、来た敵を全部餌食にしなければいけない」という言葉がナインに突き刺さり、流ちょうな日本語での「俺たちは誰だ?」という呼びかけには全員が「タイガー‼」と熱く呼応した。成績だけでなく、ハートの面でも虎に必要な男だと証明し続けた2021年だったが…。

スアレスがいなくなれば、16年ぶりVを逃した直後に、17年ぶりVまでもが遠くかすんでいく。誠意を見せるしかない。日本一を目指す勝負の秋の裏側で、来季へ向けた勝負も佳境を迎える。

 

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