疲労により脳の働きが低下すると大脳と網様体の連絡が失われ睡眠に入る。
入眠障害の一つに精神分裂病、躁鬱病などの精神疾患が挙げられる。
睡眠とホルモン
成長ホルモン
最初の不快ノンレム睡眠のときに大量に分泌される。熟睡すると脳の下垂体というところから大量に分泌され、骨や筋肉を作り子供を大きく育てる。大人でも分泌されており、新陳代謝に非常に重要な役割を果たしている。睡眠不足になると成長ホルモンの分泌が少なくなるからなんです。美容ばかりでなく、たとえばアトピー性皮膚炎にとっても大敵。睡眠が充分でないと必ず湿疹が悪化する。成長ホルモンは脳下垂体から分泌されるが、寝入りばなの深いノンレム睡眠時に集中して分泌される。発育期の子どもでは身体の成長に、成人では組織の損傷を修復することで疲労回復に役立っている。
コルチゾール(副腎皮質ホルモン)
私たちが昼間、活発に活動するためには欠かせないホルモンで、体内時計に従って朝の7時から8時頃になると分泌される。コルチゾールは副腎から分泌されるホルモンで、代謝促進作用をもち、ストレスに応じて分泌量が増大する。環境の急激な変化等の緊急事態に対し、利用できるエネルギーを体内に準備する働きをする。覚醒直前に最大値になることから、覚醒後の肉体的・物理的なストレスに対して身体の準備を整えているとみられる。
トリプトファン→セロトニン→メラトニン
メラトニンは睡眠を司るホルモンといわれ、夕方から夜にかけて分泌が多くなる。抗酸化作用(老化防止、抗がん)やリズム調整(催眠・体温低下)・性的成熟の抑制などの働きがある。
トリプトファンは食で摂ることが必要な必須アミノ酸で、卵・魚・納豆などに多く含まれる。これからセロトニンがつくられる。セロトニンは痛覚抑制作用があり、交感神経を刺激する。朝光が目に入ると体内時計がリセットされ(体内時計と睡眠参照)、覚醒とともにセロトニンが分泌される。夜暗くなると、今度はメラトニンの分泌が促され、眠くなるというメカニズムになる。
したがって、夜遅くまで明るいリビングにいたり、テレビやパソコンをすることはメラトニンの分泌を抑制するために眠りにくいという状態になりやすいので注意が必要である。初潮年齢が下がってきているというのも、夜型生活が増えてメラトニンが少なくなっていることと関係がある。
老化(加齢)のメカニズムの一つとして、「老化に伴うホルモン分泌の減少」が挙げられる。減少するホルモンには、メラトニン、DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)、性ホルモン、成長ホルモンなどがある。
個人差もあるが、これらのホルモンの分泌は、大体30代のころから減り始めるとされる。それに伴い、夜よく眠れない、性的ときめきや精力の低下、運動能力や筋力の弱体化など、老化の症状が表に出てくるようになる。
こうした老化の進行を抑えるため、アンチエイジング(抗加齢)医療では、低下したホルモンの補充などが行われている。これらのホルモンの中で、比較的簡単に補うことができるのが「メラトニン」だ。しかもメラトニンは、生活習慣を少し変えるだけでも、分泌量を増やすことができるという。
メラトニンは、脳にある「松果体」という部分から分泌されるホルモン。体内時計を介して睡眠と覚醒の周期を整え、睡眠の質を高める役割をする。メラトニンの分泌量は子供の頃が最も高く、20歳以降になると急激に低下する。年を取ると共に寝つきが悪くなったり、寝ている途中に起きてしまう中途覚醒を起こしやすくなるのは、メラトニン分泌の低下が原因の一つだと考えられる。
実は、「睡眠」は、アンチエイジングにとって重要な要素だ。例えば、過剰なストレスは老化の大敵だが、質の高い睡眠をとることで、ストレスを解消できる。また、十分な睡眠は、加齢とともに減少する成長ホルモンの分泌を促がす。
またメラトニンには、ビタミンEの2倍近い「抗酸化作用」があるといわれる。抗酸化作用とは、細胞にダメージを与える「活性酸素」を除去する作用のこと。活性酸素が増えると細胞や組織が酸化して変質し、機能が衰えてしまう──。つまり、老化が進みやすくなるわけだが、メラトニンの抗酸化作用により、活性酸素による老化も防ぐことが期待できる。
メラトニンの分泌量は、夕方から増え始め、夜に向かってどんどん増加、午前2時〜3時にはピークに達し、朝が近づくと急激に減り始めるというパターンを取る。しかし、夜更かしなど、体内時計が狂うような生活を続けると、メラトニンの分泌量は減ってしまう。逆に、規則正しい生活を送り、体内時計を正常な状態にすることで、夜間に十分なメラトニンが分泌されるという。
昔から「寝る前に牛乳を飲むとよく眠れる」と言うのは、牛乳や鳥肉に多く含まれているトリプトファン(メラトニンの材料となる人間が体内で合成できない必須アミノ酸の一種)を摂取することでメラトニンの分泌が活発になることを、昔の人は経験的に知っていたためだと考えられる。
入眠障害の一つに精神分裂病、躁鬱病などの精神疾患が挙げられる。
睡眠とホルモン
成長ホルモン
最初の不快ノンレム睡眠のときに大量に分泌される。熟睡すると脳の下垂体というところから大量に分泌され、骨や筋肉を作り子供を大きく育てる。大人でも分泌されており、新陳代謝に非常に重要な役割を果たしている。睡眠不足になると成長ホルモンの分泌が少なくなるからなんです。美容ばかりでなく、たとえばアトピー性皮膚炎にとっても大敵。睡眠が充分でないと必ず湿疹が悪化する。成長ホルモンは脳下垂体から分泌されるが、寝入りばなの深いノンレム睡眠時に集中して分泌される。発育期の子どもでは身体の成長に、成人では組織の損傷を修復することで疲労回復に役立っている。
コルチゾール(副腎皮質ホルモン)
私たちが昼間、活発に活動するためには欠かせないホルモンで、体内時計に従って朝の7時から8時頃になると分泌される。コルチゾールは副腎から分泌されるホルモンで、代謝促進作用をもち、ストレスに応じて分泌量が増大する。環境の急激な変化等の緊急事態に対し、利用できるエネルギーを体内に準備する働きをする。覚醒直前に最大値になることから、覚醒後の肉体的・物理的なストレスに対して身体の準備を整えているとみられる。
トリプトファン→セロトニン→メラトニン
メラトニンは睡眠を司るホルモンといわれ、夕方から夜にかけて分泌が多くなる。抗酸化作用(老化防止、抗がん)やリズム調整(催眠・体温低下)・性的成熟の抑制などの働きがある。
トリプトファンは食で摂ることが必要な必須アミノ酸で、卵・魚・納豆などに多く含まれる。これからセロトニンがつくられる。セロトニンは痛覚抑制作用があり、交感神経を刺激する。朝光が目に入ると体内時計がリセットされ(体内時計と睡眠参照)、覚醒とともにセロトニンが分泌される。夜暗くなると、今度はメラトニンの分泌が促され、眠くなるというメカニズムになる。
したがって、夜遅くまで明るいリビングにいたり、テレビやパソコンをすることはメラトニンの分泌を抑制するために眠りにくいという状態になりやすいので注意が必要である。初潮年齢が下がってきているというのも、夜型生活が増えてメラトニンが少なくなっていることと関係がある。
老化(加齢)のメカニズムの一つとして、「老化に伴うホルモン分泌の減少」が挙げられる。減少するホルモンには、メラトニン、DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)、性ホルモン、成長ホルモンなどがある。
個人差もあるが、これらのホルモンの分泌は、大体30代のころから減り始めるとされる。それに伴い、夜よく眠れない、性的ときめきや精力の低下、運動能力や筋力の弱体化など、老化の症状が表に出てくるようになる。
こうした老化の進行を抑えるため、アンチエイジング(抗加齢)医療では、低下したホルモンの補充などが行われている。これらのホルモンの中で、比較的簡単に補うことができるのが「メラトニン」だ。しかもメラトニンは、生活習慣を少し変えるだけでも、分泌量を増やすことができるという。
メラトニンは、脳にある「松果体」という部分から分泌されるホルモン。体内時計を介して睡眠と覚醒の周期を整え、睡眠の質を高める役割をする。メラトニンの分泌量は子供の頃が最も高く、20歳以降になると急激に低下する。年を取ると共に寝つきが悪くなったり、寝ている途中に起きてしまう中途覚醒を起こしやすくなるのは、メラトニン分泌の低下が原因の一つだと考えられる。
実は、「睡眠」は、アンチエイジングにとって重要な要素だ。例えば、過剰なストレスは老化の大敵だが、質の高い睡眠をとることで、ストレスを解消できる。また、十分な睡眠は、加齢とともに減少する成長ホルモンの分泌を促がす。
またメラトニンには、ビタミンEの2倍近い「抗酸化作用」があるといわれる。抗酸化作用とは、細胞にダメージを与える「活性酸素」を除去する作用のこと。活性酸素が増えると細胞や組織が酸化して変質し、機能が衰えてしまう──。つまり、老化が進みやすくなるわけだが、メラトニンの抗酸化作用により、活性酸素による老化も防ぐことが期待できる。
メラトニンの分泌量は、夕方から増え始め、夜に向かってどんどん増加、午前2時〜3時にはピークに達し、朝が近づくと急激に減り始めるというパターンを取る。しかし、夜更かしなど、体内時計が狂うような生活を続けると、メラトニンの分泌量は減ってしまう。逆に、規則正しい生活を送り、体内時計を正常な状態にすることで、夜間に十分なメラトニンが分泌されるという。
昔から「寝る前に牛乳を飲むとよく眠れる」と言うのは、牛乳や鳥肉に多く含まれているトリプトファン(メラトニンの材料となる人間が体内で合成できない必須アミノ酸の一種)を摂取することでメラトニンの分泌が活発になることを、昔の人は経験的に知っていたためだと考えられる。