2005年6月12日、アメリカ・スタンフォード大学の卒業式でスピーチに立ったIT企業「アップル」のカリスマ経営者 スティーブ・ジョブズ氏は自らの病気について語った。 「2003年、私は癌と診断されました。 朝の7時半にCTスキャンを受けたところ、私の膵臓にクッキリと腫瘍が映っていたのです。 私はその時まで膵臓が何たるかも知りませんでした。 医師たちによるとほぼ確実に治癒が難しい種類の癌であり、余命は3~6ヶ月しかないので、やるべきことを済ませるよう助言を受けました。 私は診断書を一日抱えて過ごしました。 そしてその日の夕方には生体検査を受けました。 喉から内視鏡をいれ、膵臓に針を刺し腫瘍の細胞を採取しました。」
「私は鎮静状態でしたが、妻の話によると医師たちが顕微鏡で細胞を覗くとかなり驚き、そして泣き出したそうです。 というのは膵臓癌ではきわめて稀な、手術で治せるタイプのものと判明したからです。 そして私は手術を受け、有難いことに今もこのように元気に仕事をしています。 これが最も死に近ずいた私の経験です。 誰も死にたくはない、天国を信じる人でさえ死にたいとは思わない、しかし死から誰も逃れなれない。 死はチェンジエージェントだから旧くなったものを捨て、新しいものを生み出してくれます。 時間は限られていて他人の人生をうらやむ余裕などない、だから他人の意見に惑わされてはいけない、自らの内なる声を聞き自分の直感を信じなさい、あなたが為すべきことは、あなた自身が全て知っている筈です。」 スピーチは多くの共感と感動を与え、結びの言葉で締めくくられた。 「ハングリーであれ!、愚かであれ!」
膵臓癌は早期発見が極めて困難なうえに進行が早く、予後が悪いことから、「癌の王様」と言われて最も恐れられる病気。 僕の友人も2006年この病気に見舞われ、長時間の手術で癌は摘出できたものの一年も生きられなかった。 しかしジョブス氏の場合は幸運にも「膵内分泌腫瘍」と呼ばれれる癌で、通常の膵癌とは区別され、進行が遅く悪性度の低い病気だった。 その発症率は膵臓癌全体の2パーセント前後、人口10万人当たりの発症率は1人以下。 わが国における悪性膵内分泌腫瘍の手術例、132例の術後5年生存率は76パーセントとかなり良好だが、肝転移、リンパ節転移などの予後管理が重要。
ジョブズ氏が摘出手術を受けたのは病気が判明してからおよそ1年も経ってから。 医師団をはじめ家族は急いで手術を受けるよう再三忠告したが、なぜか頑なに拒否し、免疫療法や食事療法で完治を試みている。 私見だが、こうした補助医療は手術と平行して行なったほうがより有効で、もっと長生きできたように思えてならない。 9ヵ月後の検査で癌が大きくなっていることが確認され、2003年8月ごく親しい人以外には秘密にして摘出手術を受けている。 氏の健康問題がマスコミに騒がれたのは、2008年6月の第2世代Iphoneの発表時で、異常なほど痩せ過ぎた姿で登場したため騒然となった。 重病説や辞任説については否定したものの、実際は肝臓への転移が判明し、深刻な容態であった。
2009年6月の公式発表によるとその後、重度の肝疾患という認定を受け、移植待機リストで最優先ランクの位置ずけをされて肝移植が行われ、良好に回復しているということだつた。 事実、移植後いったん体調は回復し、2010年5月には家族とお忍びで京都旅行にも来ている。 しかし2011年に入り癌が再発、遺伝子配列を調べたり分子標的治療など最新の治療を受けたものの、その進行を食い止めることはできなかった。 2011年10月5日15時、膵臓腫瘍の転移による呼吸停止により、妻のローレン・バウエルや親族に看取られながら、シリコンバレー北部の町パロアルトの自宅で死去。 遺体は町の無宗派墓地に埋葬された。 彼は難しい病気と見事に闘い、神もまた彼の価値を存分に認め、その寿命を最大限に引き伸ばしてくれたように思う。 ご冥福をお祈りする
「私は鎮静状態でしたが、妻の話によると医師たちが顕微鏡で細胞を覗くとかなり驚き、そして泣き出したそうです。 というのは膵臓癌ではきわめて稀な、手術で治せるタイプのものと判明したからです。 そして私は手術を受け、有難いことに今もこのように元気に仕事をしています。 これが最も死に近ずいた私の経験です。 誰も死にたくはない、天国を信じる人でさえ死にたいとは思わない、しかし死から誰も逃れなれない。 死はチェンジエージェントだから旧くなったものを捨て、新しいものを生み出してくれます。 時間は限られていて他人の人生をうらやむ余裕などない、だから他人の意見に惑わされてはいけない、自らの内なる声を聞き自分の直感を信じなさい、あなたが為すべきことは、あなた自身が全て知っている筈です。」 スピーチは多くの共感と感動を与え、結びの言葉で締めくくられた。 「ハングリーであれ!、愚かであれ!」
膵臓癌は早期発見が極めて困難なうえに進行が早く、予後が悪いことから、「癌の王様」と言われて最も恐れられる病気。 僕の友人も2006年この病気に見舞われ、長時間の手術で癌は摘出できたものの一年も生きられなかった。 しかしジョブス氏の場合は幸運にも「膵内分泌腫瘍」と呼ばれれる癌で、通常の膵癌とは区別され、進行が遅く悪性度の低い病気だった。 その発症率は膵臓癌全体の2パーセント前後、人口10万人当たりの発症率は1人以下。 わが国における悪性膵内分泌腫瘍の手術例、132例の術後5年生存率は76パーセントとかなり良好だが、肝転移、リンパ節転移などの予後管理が重要。
ジョブズ氏が摘出手術を受けたのは病気が判明してからおよそ1年も経ってから。 医師団をはじめ家族は急いで手術を受けるよう再三忠告したが、なぜか頑なに拒否し、免疫療法や食事療法で完治を試みている。 私見だが、こうした補助医療は手術と平行して行なったほうがより有効で、もっと長生きできたように思えてならない。 9ヵ月後の検査で癌が大きくなっていることが確認され、2003年8月ごく親しい人以外には秘密にして摘出手術を受けている。 氏の健康問題がマスコミに騒がれたのは、2008年6月の第2世代Iphoneの発表時で、異常なほど痩せ過ぎた姿で登場したため騒然となった。 重病説や辞任説については否定したものの、実際は肝臓への転移が判明し、深刻な容態であった。
2009年6月の公式発表によるとその後、重度の肝疾患という認定を受け、移植待機リストで最優先ランクの位置ずけをされて肝移植が行われ、良好に回復しているということだつた。 事実、移植後いったん体調は回復し、2010年5月には家族とお忍びで京都旅行にも来ている。 しかし2011年に入り癌が再発、遺伝子配列を調べたり分子標的治療など最新の治療を受けたものの、その進行を食い止めることはできなかった。 2011年10月5日15時、膵臓腫瘍の転移による呼吸停止により、妻のローレン・バウエルや親族に看取られながら、シリコンバレー北部の町パロアルトの自宅で死去。 遺体は町の無宗派墓地に埋葬された。 彼は難しい病気と見事に闘い、神もまた彼の価値を存分に認め、その寿命を最大限に引き伸ばしてくれたように思う。 ご冥福をお祈りする
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