映っている二人は私とまっさん高校3年生の7月に撮ったものである。
まっさんとツーショットで撮った初めての写真は辛くも試合に負けた後のものだった。 そしてこれが僕らの引退試合。
今でも深く刻み込まれている夏の最後の戦い。
<登場人物>
殿でいい
この日記の総代にして常夏三匹が斬るの頭。板ガム派。
まっさん
常夏三匹が斬るの一人。毎朝5時半起き、粒ガム派。
「くぁー、なんか笑えるような、恥ずかしいようなぁ」
「口を隠すな!」
「そしてかの稲毛の天台か!殿でいいがこうして目の前でハッピーセットを食べるのも懐かしいね」
「だろっ、かつての姿と一緒だろ!愛くるしさでいったらば今も同じか!」
「それはないな…」
殿でいいとまっさんは高校の部活、弓道部で一緒。 千葉県稲毛駅から天台までかつてと同じく歩きながら、1年の頃から3年の夏までの部活を出せるだけの知識でお浚いをしました。
お互いに対して文句はあるものです。
悲しいことにプリクラを撮ったかのゲームセンターは無くなり、今でこそ張って逃げてやる計画も台無しになりました。
「最後の戦いまでの一ヶ月位って自分のことで精一杯だったなぁ」
「俺は3つに凝縮できて、必死の自主錬、病院通い、同期に寛容になれたことかね」
千葉県総合運動場
天台はここの地域名。千葉県の県大会レベルの試合はここで決する。
「あー結局ここでは一本も当てることなく終わったぜ」
「俺、もうちょっと当たれば個人では入賞で次大会まで繋げられたんだけどな」
「歴史にifは無い!と言いたいが考えたくなる」
「ここでの弓道の戦いは精神のしのぎ合いだったなー。うん」
「外にいると試合を終えて出てくる奴に熱い台詞、熱いパフォーマンスに期待しちゃうんだけど、実際は気が抜けたように反応悪いよね」
「巧く力が抜けた時は最高だったんじゃないの?」
「意識が勝手に体を動かしている感じだね」
「そしてこの玄関ですよ」
二人にとって思い入れ深い道場正面玄関。
時日は7年前の夏より寸分遡る。ある時どこの高校だかは分からないが、道場の前で佇立していたのを見た事がある。
部員一人顧問一人。「ありがとうございました!」道場に向かって深々と頭を垂れ大声で礼を述べ去った。一陣の風が通り過ぎた気がした。爽やかで美しかった。
(俺もいつかはああなりたい)
夏の最後に決着がついた日、私とまっさんは道場前に居た。後輩も二人ほど居た。
会場は後片付けで残る人間以外、まばらである。うちの他の部員達はもう居ない。 「ここで戦うのは泣いても笑っても最後だから、帰る前にお礼を言おう」と決めていたもののいざ道場の前に立ち頭を垂れても
(ふざけんな)
素直に感謝なんてできなかった。
(ズタボロに負けたし、肩は痛いままだし)
入部してからずっと苦しかった。部活では不調がいつも続いた。
レベルは下の下。虚勢張ったりおどけるのが唯一の救い。悪いこともした。人を泣かせた。自分にも傷をつけた。後輩が入り人から見られる立場になって少し変ったけれども。
メダルが欲しかった賞状も欲しかった。
朝の集会で表彰されたかった。強さの資格が欲しかった。
目が徐々にぼやけ顔が紅潮していくの自分でも分かる。
(俺は泣いているんだ)
何度も何度も恨んでいたでも今日で終わる。
だから
(ありがとうございました)
あの一人の高校生に負けずと叫んだ私、続いたまっさん。
その後、僕らはOBとして弓道部に行く事はあっても大学や外で弓道はやらなかった。
けっして嫌いになったからではないと思う。
他にやりたい事ができたからだ。
まっさん と 殿でいい
同期では一番遅く弓を引いた者同士。落ちこぼれからの3年間だった。
なんか、変な癒しすら感じさせられます。
はーーー青春!
なんか自分の部活時代も思い出しました。
私も最後の試合で泣いて、自分で自分にびっくりしたなあ(笑)
口に手を当てて笑い喋られると、フガフガ聞き取れないのでムカつきますわ。
そなたにとっても懐かしい写真となっていれば良いですが
部活はバスケでしたっけ?
やぶれかぶれに書いていたような(不安)
春甲子園や春校バレーの時期なので、ダイジェストを観る都度、似た時期があったんだなってジーンときます。
断然!板ガムっ!
また弓ひきたいなーとか思いつつ
何かいてるかわからなくなって気たからこの辺で
まっさんは弓道好きだなって今でも思います。
続けることは難しくても、かけがえの無い思い出は自身の強みなのだから、今後も自信を持って語ってください。
数年前は松戸で見かけることが度々あったんですが、声かけられずに遠くから見ていました。
はい、今、発見しても同じように遠くから見るしか僕に術はないです。
遠慮せずに声を掛けたらばいいよ。このブログで彼が登場する回数よりも、雑踏の中で見つけられる回数の方が貴重なのだから
つづく会話をどう展開させるかは、お互いのハートですがね。
俺も見つけてみれ
今年中に1回は見つけ出します。