カウンセラーのコラム

山梨県甲府市でカウンセリングルームを開業している心理カウンセラーの雑文です。

タバコ屋でウロウロ

2007年07月30日 | 日記 ・ 雑文
今日は11時から面談の予約が入っていた。10時頃から部屋の掃除や着替えやらでバタバタと動いていた。10時半には準備が整ったのだが、この間、息子に付きまとわれていささか困惑した。せっかくきれいにした部屋を荒らされては困る。こういう状況下では息子がうざったい。イライラ感が生じ始めた。
タバコが切れていたので、一時的に避難する(?)意味も含めて近所の自動販売機へと向かった。
大通りに出て右に曲がると、40メートルほど先にタバコの自動販売機がある。それが視界に入ったとたん、足が止まった。タバコ屋のおじさんが販売機にタバコを詰める作業を行なっていたのだ。
「邪魔しちゃ悪いかな。少し遠いけどセブンイレブンまで行くか」と販売機に背を向け、反対方向に向かって歩きだした。数メートル歩いたところで、
「ひょっとすると……」と思って振り向くと、おじさんはもういない。
「やっぱりこっちで買おう。時間があまりないし、焦りながら帰宅するのも嫌だしな」
と思って引き返すと、すぐに店の奥からおじさんが現われた。再び販売機を開けてタバコを詰める作業をやりだした。
「な~んだ。作業の途中だったのか」と僕は向きを変え、再び反対方向へ歩き出した。ほんの少し歩いたところでやっぱり気が変わり、後ろを振り向いた。おじさんはいなかった。
「今度こそ終わったのだろう」。僕はそう確信して販売機へ向かった。が、あと20メートルでたどり着くというところで、再びおじさん登場。作業の続きを始めた。僕は再び向きを変えたが、数歩歩いたところで完全に動きが止まってしまった。
「あ、またやってる!」
ハッと気づいて僕は意を決し、方向転換して販売機の前に立った。おじさんは作業中だ。
「すいません。いいですか?」
「ああ。どうぞ、どうぞ」
僕に気づいたおじさんは快く作業を中断し、販売機の扉を閉め、僕に使わせてくれた。ようやくタバコを買うことができた。

「あ、またやってる!」という言葉で自分の行動パターンを明確に意識化できたのは、この間の夏季ワークの成果だったに違いないと思う。その場で僕は、フトしたきっかけで“自分の小心さ”に気がついたのである。

その“小心さ”を示すエピソードとして一例を挙げてみよう。
僕は商店やスーパーなどで買い物した後に配られる“割引券”や“クーポン券”を使用することに、ひどい抵抗感を持ってしまう。セブンイレブンでよくやってるキャンペーンに「点数シールを集めるとお皿やマグカップがもらえる」というのがあるが、あれを交換しに行くのも苦手だ。
“割引券”も“クーポン券”も“点数シール”も、何でもそうなのだが、そんなものを店員に差し出したら「白い目で見られるのではないか?」という想像が働いて、ある種の“恐怖感”が起きてしまうのだ。そのせいで、せっかく集めたサービス券やポイントを無駄にしてしまった例は挙げたらキリがない。

こういうのを心理学用語で「強迫観念」と呼ぶのだろう。そのような観念がどこでどのように形成されたか、まったくわからない。あるいはひょっとすると「店員に白い目で見られた」という実体験があったのかもしれないが、記憶にはまったくないのである。

断定的なことは言えない気もするが、「強迫観念は持っていても構わないのではないか?」と現在の僕は思っている。と言うより、「自分の力でそれを消したり、変えたり、どうのこうのすることなど、到底不可能である!」としか思えない。……と言ったほうが正確だろうか。
カウンセリングの立場から言えば、「それ(強迫観念など)を“保持してる”ということは、それが“必要である”ということに他ならない」のであるから。ま、こんなのは理屈に過ぎないが……。

というわけで、現在も僕は「自分の“小心さ”にあきれてしまっている」のである。

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